ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年7月

39件の記事があります。

2020年07月06日上高地パークボランティアの活動紹介

中部山岳国立公園 小森 夏奈

みなさん、こんにちは。上高地管理官事務所の小森です。

中部山岳国立公園上高地地区では、『上高地パークボランティア』が活動を行っています。

活動開始から、今年でなんと34年目になります!

今回はその活動内容を少しだけお伝えしたいと思います。

(今年度はコロナウイルス感染症の影響により活動を休止していましたが、7/8より活動再開となります。)

上高地パークボランティアは、現在の登録65名、活動期間は通常4月~11月の上高地開山期間中の7ヶ月のみですが、その間、何度も上高地で活動を行っています。長野県在住の方を中心に、関東地方など遠方からご参加いただいている方もいらっしゃいます。中にはボランティア活動期間が30年以上の方や、年間30日以上も活動して下さる方も!まさに上高地を愛している方々が集っています。

ボランティア活動の中で最も多い活動は、上高地内の『巡視』となっています。

利用者指導や遊歩道の安全確認、ゴミ拾い等を行いながら、大正池~横尾までの間を巡視しています。

パークボランティアの帽子とワッペンが目印!ですので、上高地のことや自然情報など知りたい方は、声をかけてみてください。(話しかける際はマスクの着用や身体的距離の確保にご協力ください。)

そして、重点的に行っている活動としては、『維持管理』『野生動物対策』『外来植物対策』

『外来植物調査』などがあり、活動内容は多岐に渡っています。

 

維持管理(看板清掃)             維持管理(除雪)

 

外来植物対策(外来植物除去)         野生動物対策(サルの追い払い)

 

調査(カモ調査)               自然解説(学校ガイド)

 

研修会                    総会

過去の上高地パークボランティアについての、アクティブ・レンジャー日記もご覧下さい。

ニホンザル対策

望遠鏡解説

上高地は様々な方のご協力のもと、成り立っている地域であり、上高地パークボランティアもその中の一員です!ぜひ、今後の活動にもご期待下さい。

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最近、近辺で多発している地震と、梅雨時期の降雨により、上高地園内の遊歩道は、日々、状況が変わります。通行止め箇所が発生している可能性もありますので、上高地へお越しの際は、自然公園財団上高地支部のHP情報をご確認ください。

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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2020年07月03日白山国立公園の山! 法恩寺山

白山国立公園 白山 大石佳織

皆さん、こんにちは。
白山自然保護官事務所の大石です。
梅雨の晴れ間はむし暑いですね。水分をこまめにとって、熱中症には気をつけましょう。

さて、今日は白山国立公園の山の1つ、法恩寺山(ほうおんじさん)をご紹介します。
法恩寺山は標高1356m。越前禅定道上にある山で、白山の歴史を感じられる山です。

■ 白山の歴史と禅定道
霊峰白山は717年に泰澄大師が開山したとされ、古くから多くの人に登られている歴史ある信仰の山です。山頂は修行の到達点である「禅頂(ぜんちょう)・禅定(ぜんじょう)」と考えられ、山頂への道は修行の道「禅定道(ぜんじょうどう)」と呼ばれています。

(霊峰白山 6月4日撮影)
禅定道は越前(福井県)、加賀(石川県)、美濃(岐阜県)の三箇所からそれぞれ開かれ、それぞれの麓には馬場(ばんば)と呼ばれる登拝の拠点がありました。

前回のAR日記でご紹介した平泉寺白山神社は「越前馬場」で、ここから始まる禅定道は「越前禅定道」と呼ばれています。


では、法恩寺山登山に出かけましょう!

登山口は越前馬場、平泉寺白山神社の奥にあります。
平泉寺白山神社の拝殿などの更に奥へ参道進んで行くと三ノ宮があり、その左裏手に登山道の入口があります。

(左:三ノ宮とその左奥にある登り口を示す道標(赤矢印)、右:動物よけのゲート)

入口には動物よけのゲートが...。
出入りの際はしっかり閉めましょう♪
ゲートにある注意書きにお気づきだと思いますが、ツキノワグマも出没するので鈴などの対策はしっかりしておく必要がありますね。

ゲートからしばらくはスギ林です。
コアジサイの群落があったりして楽しいのですが、ほどなく修行の道らしい急な登りが始まります...。足腰が鍛えられそうです。

(修行の道)

登り続けた後は、幅が広くてなだらかな道になるので、うきうき♪と歩けます。
ただ、ちょっと距離が長いんです。
だから、木からぶら下がる幼虫をじろじろ見たり、チョウの写真を撮ったり、トンボに忍び寄ったり、楽しみながら進みましょう♪

(左:じろじろ見た幼虫、右:うまく忍び寄れたトンボ(ニホンカワトンボ))

そうこうしていると、林道にぶつかります。

(交差する林道)

最初の林道との交差地点を過ぎて、ほどなく現れるのは稚児堂。
ここには悲しい恋の伝説が残されています。
昔も幸せになれない恋愛ってあったのね...と思ったら、この伝説の二人が急に身近な存在に思えてしまいました...。
こういう伝説があるのは、歴史ある地域ならではですね。

(左:稚児堂の案内板、右:稚児堂の石仏)
この他にも、法恩寺山のルート上には剣ノ宮や法音寺跡など、白山信仰に関係のある場所があります。

何度か林道を通過すると、お昼ご飯を食べるのに丁度良い東屋が現れ、そのすぐ後に中ノ平避難小屋に到着し、さらに進むとブナが目に付く楽しい道になります。

(楽しいブナの道)

しかし、すぐに急坂(階段)が出現します。
修行の道、再び。
日が高くなってからの登りは体に堪えます。
飲み物がどんどん減ります。

きつい登りを頑張って、ついに山頂です!
頑張って登りきった人にはこんな景色が待っています!

(山頂から見える景色。左奥が白山、右奥が別山。)
山頂には展望台やベンチなどがあります。展望台は一段高くなっているので、白山がよく見えます♪

それにしても、昔の人の体力はすごいですね。
法恩寺山の山頂から見ると遠くに見える白山へ歩いて行っていたんですから。車で登山口まで行ける今って、とても便利ですね。

車で行けると言えば、実は法恩寺山は標高1000m付近(避難小屋がある付近)まで林道がついていて、そこから登ることもできるんです。(※法恩寺山有料道路を通る場合は通行料が必要です。) 自分の体力に合わせて登山計画を立ててくださいね。

(水色の下線箇所が今回登った山)

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2020年07月03日美女平駅「立山アクティブレンジャー写真展」開催中です!

中部山岳国立公園 立山 佐藤 裕子

先日お伝えしたとおり、6月30日より、

立山黒部アルペンルート美女平駅で立山アクティブレンジャー写真展を開催しております。

立山写真展開催

立山アクティブレンジャー写真展

期間:6/30(火)から7/31(金)まで

所在地:富山県中新川郡立山町

会場:美女平駅2階 展示室(無料休憩所)

入ってすぐ、左側のパネルが立山の春、

立山の春

右側が夏から秋にかけての写真を展示しております。

写真展 立山の夏

立山管理管事務所で活動してきた歴代のアクティブレンジャーたちが日々の業務中に撮影した写真から

厳選して展示しております。

春の積雪期から夏のグリーンシーズン、秋の紅葉など、四季を通して立山の魅力を感じていただければと思います。

こちらの美女平駅2階展示室は無料休憩所ですので、休憩するもよし、

奥には展望台もありますので青々とした新緑を眺めるもよしです♪

立山黒部アルペンルートをご利用の際にはぜひお立ち寄りください。

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富山側、立山黒部アルペンルートの高原バス沿線では、ニッコウキスゲ(別名ゼンテイカ)が満開です。

ゼンテイカ満開

6月中旬に美女平[標高977m]で満開だったのが、

今は上ノ小平[1,420m]や弘法あたりから、追分や弥陀ヶ原[1,930m]くらいまで

ニッコウキスゲ前線が標高をあげてきています。

ノウゴイチゴの花

これは...!!

場所は秘密ですが、ノウゴイチゴの花が咲いておりました。

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新たな生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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2020年07月03日乗鞍高原に夏が来た!

中部山岳国立公園 関根陽太

中部山岳国立公園管理事務所の関根です。

     

先日、地元の方と園路の補修作業を行いました。

乗鞍高原の園路等は地元の方々のご協力もあって維持管理されています。

      

     

この時期の乗鞍高原は、季節がどんどん進んでいきます。

      

     

牛留池では、池の縁の木々にモリアオガエルが産んだ卵が見られ、

周辺には何種類ものトンボも飛び交っています。

    

(モリアオガエルの卵塊)

    

一ノ瀬では、園路横のせせらぎに花が咲き、

旧牧場の中には、ウマノアシガタ(キンポウゲの仲間)が高原の風に揺れています。

     

    

    

しっかり歩き込んでもいいですし、ちょこっとだけ歩いてピクニックしたり、

木陰でのんびり昼寝したりするのも贅沢な楽しみ方です!

    

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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2020年07月02日外来植物調査

中部山岳国立公園 松下裕之

こんにちは。

上高地管理官事務所の松下です。

6月29日に専門業者による明神と徳沢の外来植物調査に同行してきました。

上高地は、多くの観光客や登山者が訪れ、バスやタクシー、関係者の車両が通行します。

その移動に伴って、多くの外来植物が侵入・定着し、上高地の生態系や景観を乱すことが危惧されています。

平成24~30年度の調査では、合計90種類程度の外来植物を確認しており、上高地に携わる方々や上高地パークボランティアとともに、その除去活動を行っています。

除去活動にあたっては、外来植物の調査を行い、どこにどのような外来植物が生育しているか、新しい外来植物が侵入していないかを把握することが大切です。

 

明神橋付近の調査               明神橋付近の調査  

  

水生の外来植物も調査します。         施設の裏も調査させていただきました。

 

徳沢での調査                 河原も調査します!

今回の外来植物調査では、オオバコ、シロツメクサ、エゾノギシギシ、ヒメジョオン、ハルジオン、ナガハグサ、カモガヤ、ヒレハリソウ、アカザ、イヌガラシ等が確認できました。外来植物の除去方法は、その種類によって様々です。

オオハンゴンソウなどの特定外来生物は確認できなかったので、ひと安心です。

 

ヒレハリソウ(外来植物)          イヌガラシ(外来植物)

ハルジオン(外来植物)に留まるウスバシロチョウ

上高地にオオハンゴンソウなどの特定外来生物が定着していないのは、上高地に携わる方々や上高地パークボランティアの早期発見と除去活動による成果だと思われます。

外来植物対策は、長期間の取り組みが必要です。環境省では、今後も継続的な調査と対策を行っていく予定です。

外来植物を侵入させないためにも、上高地を訪れる際には、沢渡ナショナルパークゲートのマットなどで、靴についた土を落としてから来ていただけると幸いです。

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最近、近辺で多発している地震と、梅雨時期の降雨により、上高地園内の遊歩道は、日々、状況が変わります。通行止め箇所が発生している可能性もありますので、上高地へお越しの際は、自然公園財団上高地支部のHP情報をご確認ください。

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

          

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2020年07月01日ロングトレイル写真展開催します!

妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎

妙高戸隠連山国立公園を利用したロングトレイル計画を進めていることは何度かお伝えしておりますが、この度、そのロングトレイルの写真展を開催することになりました。

これは公益財団法人 八十二文化財団さん(長野県民の方にはおなじみの八十二銀行が設立した、長野県の芸術・文化を育む活動をされている財団です)の『ギャラリープラザ長野』のスペースをお借りして毎年行われている写真展の一環です。

昨年のテーマは「一目五山」でしたが、今年はロングトレイル開通を目指してテーマはもちろん「ロングトレイル」

計画されているロングトレイル周辺の素敵な景色を集めてみました。 ぜひ皆さん、ご覧ください! 

あっお出かけの際はマスクを忘れずに!!

写真展【自然と文化の融合する道】

~妙高戸隠連山国立公園とロングトレイル~

開催場所:ギャラリープラザ長野

開催期間:2020年7月6日(月)~8月7日(金)  ※土日祝日休館

開館時間:9:00~16:00

入館無料

詳しくはこちら⇒ギャラリープラザ長野

ギャラリープラザ長野

長野市新田町1513-2 「82プラザ長野」内

※「もんぜんぷら座」の向かい側

★八十二別館(本店隣)の会場ではありませんのでご注意ください

妙高戸隠連山国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。妙高戸隠連山国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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2020年07月01日おやま(雄山)の雪渓切り

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。

6月29日に「雄山登山道 雪渓切り」を行ってきましたのでその様子を書いていきます。

「雪渓切り?なんぞや?」と思われた方もいると思います。僕も初めての参加で、「何するの?」と思いました。

名前の通りなのですが、登山者が雪渓を通る際に少しでも安全に進んでもらえるように整地をすることを「雪渓切り」と言います。(雪渓切りをしたから100%安全というわけではありませんので、それぞれの山行に合わせた装備の準備をお願いします。今回の雪渓切りの場所は一部で立山周辺の山々にはまだ多くの雪渓が点在しています。)

場所は、室堂から一ノ越へ向かう途中の雪渓です。写真で見てかなり傾斜があるのがわかります。

今日は天気にも恵まれて、天も味方してくれました。

<雄山の眺望>

使用する道具は、チェンソーとスコップです。

歯の長いチェンソーを使い雪に切り込みを入れてきます。竹の棒が登山道の目安となります。

チェンソーで切り込みを入れたあとに、スコップでひたすら雪かきをしていきます。

なるべく平らになるように、階段状に雪かきをする工夫もしていて、なるほどー!と感心させられました。

作業中も雄山へ向かう登山者の方がちらほら。「ありがとうございます。」と声をかけていただける場面もありました。

皆さんのマンパワーのおかげで、ものの1時間少々の作業で雪道ができました!

安心安全な登山をしてもらいたいという皆さんの心意気に触れた1日でした。

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、引き続き慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

なお、この投稿は「おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。

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2020年07月01日初めてのレンジャー出前授業

伊勢志摩国立公園 小川美代子

 伊勢志摩国立公園管理事務所では、伊勢志摩国立公園の自然について楽しく体験しながら学べる講座「レンジャー出前授業」を行っています。

 6月9日(火)、私にとって初めてのレンジャー出前授業を行いました。

 今回依頼を受けたのは、通信制の学校である代々木高等学校で全国に生徒がいます。

 今回の出前授業は、志摩市大王町の米子浜に出かけ、「志摩の海の豊かさを知ろう」というめあてで、志摩地域特有の地形や地層を観察したり、磯の生きものの採集や観察を行いました。参加した生徒は11名でした。天気にも恵まれ、暑くなることが予想された日でしたが、活動中は薄曇りで、風もあり、野外活動を行うには絶好の日和になりました。なお、感染症対策に配慮しながら活動を行いました。

 米子浜へは、人一人が通れる林の中の道を抜けて行きます。浜に出た瞬間、目の前にいきなり海、そして大きなアーチ型の岩が現れます。そして、その岩や周りの岩をじっくり観ていると地層が浮かんできます。斜めに傾いて隆起した地層が浸食され、この海岸線を作っているのがよく分かりました。

 授業でははじめに、「国立公園」、「レンジャーの仕事」、「磯の生きもの」について説明しました。レンジャーになって初めての出前授業でしたので、生徒に話がうまく伝わるか、緊張しながらの説明でした。広い場所、マスクをつけながらの話はよく聞こえず、内容も分かりにくかったようです。(残念。でも、次の機会には、改善し臨みたいと思います!)

 続いてタイドプール(潮だまり)で30分ほど磯の生きものの採集・観察を行いました。海水につかり、石をめくって貝や蟹を採っている生徒、魚を捕まえることに夢中になっている生徒、いくつかタイドプールをめぐり、生きものを積極的に探しに行く生徒など様々ですが、自然にふれあい、生きものを観察したり、採集したりすることを楽しんでいる様子が伝わってきました。

 

 学習のまとめでは、採集した生きものを互いに見せ合い、海の豊かさを体感しました。採集した生きものは、種類別にトレイに分け、生徒に観察してもらいました。下見の時よりもたくさんの生きものを確認することができました。

 採集した生きものは、ヒザラガイ、マツバガイ、イボニシ、アラレタマキビ、イシダタミ、トコブシ、サザエ、ハゼ、オヤビッチャ、エビ、ヤドカリ、カニ、カメノテ、フナムシ、イソギンチャク、ヒトデ、ウミウシ、ウニ、海藻などです。

<生徒のバケツの中>

 

 最後は、採集した生きものを磯に帰します。「生きものを大切に扱う」という気持ちを育むため生徒にやってもらいました。

 活動中心の授業でしたが、生徒が生き生きと活動できたことが一番の成果だと思いました。

 後日、学校教室にて小グループに分かれ、「志摩の海の豊かさ」についてパワーポイントで発表資料を作成し、プレゼンテーションを行いました。どのグループも米子浜の地層の様子、どんなところにどんな生きものがいたかを図や写真を使い解説し、それぞれの生徒が志摩の海が豊かであることを理由づけて述べていました。志摩の海の豊かさを知る本学習のめあても達成できたと思いました。

 これからもレンジャー出前授業などを通じて、地域の方々が自然にふれあったり、自然について考えたりする活動を支援していきたいと思います。

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2020年07月01日白山国立公園の旅! 北陸の苔寺『平泉寺白山神社』は梅雨に魅力が増す!?

白山国立公園 大石佳織

皆さん、こんにちは。
白山自然保護官事務所の大石です。

梅雨の時期になりました。
恵みの雨をもたらす梅雨ですが、それでも晴れの日の方が好きという人も多いですよね。私も青空の見えるお天気が好きです。
でも、長雨の時期だからこそ魅力が増す場所もあります。

それは『平泉寺白山神社(へいせんじはくさんじんじゃ)』です。

(雨の日の平泉寺白山神社境内)

場所は福井県勝山市。
公共交通機関なら、えちぜん鉄道勝山駅から勝山市のコミュニティバスで行くことができます。自家用車なら北陸自動車道の福井北インターから約35分。

駐車場に車を止めたら、さっそく散策に出発しましょう。

まずは石段を登って鳥居をくぐります。

(平泉寺白山神社の石段。奥に鳥居があります。)

鳥居をくぐると、スギが立ち並んだ参道が現れ、外とは違った雰囲気に・・・。

(スギが立ち並ぶ参道)

途中、「旧玄成院(げんじょういん)」という庭園があったり、平泉寺の名前や白山を開山した僧泰澄大師に関わりのある「御手洗池(みたらしいけ)」があったり、見どころが点在しているので、行きでも帰りでもいいので、立ち寄るといいでしょう。どこも素敵な場所です♪

奥にある二の鳥居をくぐれば、コケ植物が一面に深緑の海のように広がる境内があり、神秘的な雰囲気に包まれています。

(深い緑色にコケが輝く雨の日の境内)

もちろん晴れた日も素敵です。

(晴れた夕暮れ時の境内。金色に輝いています。)

この一面に広がるコケ植物の中で、一番よく目にするのはヒノキゴケ。
別名イタチノシッポ。
イタチのしっぽです。
しっぽ。

(ヒノキゴケ。別名イタチノシッポ。触りたくてうずうずします。)
名前の通りのふわふわした姿を見ると、私はいつも触れたくなってしまいます。
透き通った緑に癒されますね~。

私たちが日々見ている木や草などは、立派な根で水や栄養分を吸収しています。
これに対して、コケ植物は根が発達していません。その代わりに体の表面全体から水や栄養分を吸収していて、水などを体に取り込みやすいように多くのコケ植物の葉は細胞1層だけでできています。(この体のつくりが、あの透き通った姿を作っています。)

癒されながら更にじっくり観察すると、お爺さんの白髪のようなホソバオキナゴケやモールのような雰囲気のハイゴケ、テカテカした光沢のあるコムチゴケなど様々な種類のコケが生育しているのが見えてきます。地面、石の上、木の根元・・・それぞれにどんなコケ植物が生育しているか、のんびり観察しちゃいましょう♪
ちなみに境内のコケは大切に守られています。柵の中に入ったり、植物を踏みつけたりせず、愛をもって優しく観察しましょう。持ち帰りもしないでくださいね。

コケ植物観察をしていると、歩みがゆっくりになり、ちっとも前に進んでなかった!ということも度々あります...。なので、帰りの時間にだけは気をつけてくださいませ。


☆ 平泉寺白山神社 と その周辺 ☆
平泉寺白山神社はかつて白山信仰の拠点として栄えた場所で、国史跡「白山平泉寺旧境内」に指定されています。白山平泉寺について学べる施設「白山平泉寺歴史探遊館まほろば」や北陸最古といわれる庭園「旧玄成院庭園」(国の名勝。拝観料あり)もあります。また、日本の道100選やかおり風景百選などにも選定されていて、歴史や文化に興味を持っている方も楽しめます。

平泉寺白山神社の周辺には、全国的にも有名な『福井県立恐竜博物館』や絹織物の羽二重等について体験を通して楽しく学べる『はたや記念館 ゆめおーれ勝山』などがあります。『恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク』として認定されているエリアでもあるので、見どころがいっぱいです。

☆過去の「おうちde白山国立公園の旅」もよければお楽しみください☆

2020年05月01日#STAYHOME おうち de 白山国立公園の旅!その1 刈込池
2020年05月19日 #STAYHOME おうち de 白山国立公園の旅!その2 樹齢1800年!神秘の大樹に出会う石徹白の旅
2020年05月23日 #STAYHOME おうち de 白山国立公園の旅 その3  南竜(南竜ヶ馬場)

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