ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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妙高戸隠連山国立公園 戸隠

223件の記事があります。

2021年06月17日黒姫山登山道巡視と開山祭

妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎

6月13日(日)信州しなの町観光協会主催の黒姫山開山祭が行われました。昨年の開山祭は関係者のみで黒姫スノーパーク側の小泉登山道を登り表登山道を下るルートでしたが、今回は一般参加者の皆さんと一緒に大橋登山口から新道を行く一般的なルートで登って来ました。

戸隠自然保護官事務所としては、倒木の状況確認など登山道調査も兼ねています。

昨年の様子はこちら⇒令和2年 黒姫山登山道巡視と開山祭

<黒姫山山頂にて>

朝6:30 大橋林道駐車場に集合。ガイドを務めるのは信濃町のガイド会社「しなのディスカバリー」の西田さんと、黒姫山を愛する地元登山団体「登姫の会(ときのかい)」の伊藤さん。そして信濃町観光協会等のスタッフと一般募集の方の合計26名で登ります。人数が多いので2班に分けて出発です。

スノーパーク側から登るルートは深いブナの森など楽しめる一方で標高差が1200mとなかなかキツかったのに対し、今回のルートは標高差が900mと若干ですが楽な(それでも十分堪えますが)ルートです。

<西田ガイドによるご挨拶>

<伊藤ガイドによる説明>

<今日のコース説明>

<すぐに雨になり雨具を着て歩く>

予報では夕方くらいから雨のはずだったのですが、歩き始めてからすぐにポツポツと来て雨具を着ることに。途中結構激しく降ることも。

ただ他の山だったら雨を恨めしく思うところですが、何故か黒姫山って雨もまた心地良いんですよね。霧に煙るブナの森がとても幻想的だからでしょうか。

<ベニバナイチヤクソウ>

<ブナには雨がよく似合う>

<ムラサキマムシグサ>

<オオカメノキ>

<イワカガミ>

<マイヅルソウ>

<ツバメオモト>

<マメザクラ>

山頂に着くころにはタイミングよく晴れ間が出てきて、絶景を堪能できました。野尻湖も見えましたよ。

頂上の祠で信州しなの町観光協会長による今年の黒姫山登山の安全祈願が行われました。

時間が押していたので下山は元来たルートを引き返すことに。ただ、オサバグサを見に七つ池方面の途中まで降りました。

黒姫山は今、オサバグサが見ごろを迎えています。葉がシダのような形をしていて珍しい植物です。この近辺で見れるのは黒姫山だけのようです。

<まだこの時はガスってましたが・・・>

<頂上に着くとタイミングよく晴れ間が!>

<野尻湖も見えた!>

<安全登山を祈願する有江観光協会長>

<お弁当食べ終わって下山>

<今年もオサバグサに会えました>

<シダのような葉をした珍しい花です>

<オサバグサ見頃を迎えています>

<ゴゼンタチバナ>

<ベニボタル(発光しないホタル)>

<サラサドウダン>

<黒姫山にはブナの巨木の森が広がります>

<美しいブナの森>

<お疲れ様でした!>

今回は七つ池や広い火口原の風景は見れませんでしたが、10月の閉山祭のお楽しみに取っておきましょう!

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2021年06月16日戸隠小学校2・3年生自然観察会

妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎

6月8日(火)  戸隠小学校2年生14名、3年生16名の子ども達の自然観察会が行われました。

これは子どもたちに自分たちの地元である妙高戸隠連山国立公園への理解をより深めてもらうために環境省が行っている子ども農山漁村体験プロジェクトの一環です。

既に行った子ども農山漁村体験プロジェクトはこちら⇒

昨年10月の5年生「荒倉山と鬼女紅葉伝説の地巡り」

http://chubu.env.go.jp/blog/2020/11/post-1105.html

今年3月の6年生「鏡池スノーハイク」

http://chubu.env.go.jp/blog/2021/03/6-3.html

今回は戸隠森林植物園に集合し、ボランティアガイドの方の自然解説を受けながら戸隠森林植物園~鏡池~戸隠神社中社間を歩いてきました。

歩き出してすぐ緑が池の木になにやら白い泡が。モリアオガエルの産卵風景に出会えましたよ。

またちょうどエゾハルゼミが大合唱する時期のため、小さいセミの抜け殻が木の幹などにたくさんくっついています。それを見つけては集める子も。

<バスから子ども達降りてきました>

<ボランティアガイド小川さんの解説>

<ボランティアガイド水上さんの解説>

<水上さんの指さす方向を見ると・・・>

<木に卵を産み付けるモリアオガエル>

<モリアオガエル>

途中鏡池でお弁当。その後遊びの時間。2年生と3年生が一緒に仲良く遊んでいました。

生徒数が少ない学校ならではの心温まる光景ですね。

子どものころから国立公園の雄大な自然の中で遊べる子ども達が正直羨ましいですね。

<喘息の薬として用いられたズダヤクシュ>

<クリンソウ>

<トチの花>

<クロアゲハ>

<頭にトンボが>

<ケナシヤブデマリ>

<ホオノキ>

<天命稲荷を通って...>

<鏡のような鏡池>

<レンゲツツジ>

<仲良くお弁当>

<2年生に遊び方を教える3年生>

<戸隠小3年生>

<戸隠小2年生>

小学校2・3年生にはちょっと距離が長いかなと心配でしたが、皆最後まで元気に歩きとおしましたよ。

           

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2021年06月14日飯縄山清掃登山と山開き

妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎

6月5日(土)飯綱高原を美しくする会主催による飯縄山清掃登山が行われました。

清掃登山は例年一般の方々も参加して賑やかに行われるのですが、昨年に引き続き今年もコロナ対策として関係者のみで行われました。

朝、一の鳥居苑地に集合したのは飯綱高原を美しくする会、長野市、飯綱高原観光協会、環境省の関係者7名がゴミ袋片手にゴミを拾いながら登りました。最近は国立公園を利用する皆さんのマナーが良いおかげで落ちているゴミがほとんど無いので、人数もこれくらいでちょうど良いのかも知れません。

この日は開山祭も行われ、山頂では神事が行われていました。長野市にある飯縄神社は全国2500社もあるという飯縄神社の総社であり、飯縄山南山頂にある飯縄神社はその奥宮ですから全国から信者さんが集まります。

<関係者7名集合>

<一の鳥居登山口>

<風が心地よい>

<北アルプスもバッチリ見えました>

<飯縄山山頂>

<山頂から見る飯縄神社奥宮>

<山頂でお弁当を楽しむ方々>

<飯縄山頂から見る高妻山>

<山頂の枯れない池で泳ぐオタマジャクシ>

<ムラサキヤシオが満開>

<大座法師池と後ろに広がる善光寺平>

<麓ではレンゲツツジが満開>

この日の空は晴れ渡り、暑くもなく寒くもなく、最高の登山日和でした。

多くの方に気持ちよく登って頂けるよう、美しい自然を守っていきたいですね。

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2021年06月01日戸隠自然保護官事務所 移転のお知らせ

妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎

この度、戸隠自然保護官事務所が移転しました。

旧事務所は畑の中の一軒家でしたが今度は役場のビルの3Fとガラリと環境が変化しました。

新事務所: 長野市戸隠豊岡1554 長野市戸隠支所3階

妙高戸隠連山国立公園を管理する自然保護官事務所は2ヶ所あり、一つは新潟県側を管轄する「妙高高原自然保護官事務所」、もう一つが長野県側を管轄する「戸隠自然保護官事務所」です。

旧戸隠自然保護官事務所は昭和54年に「環境省戸隠管理事務所」として設置され、雪深い戸隠の地で40年以上にわたり風雪に耐えてきました。さすがに老朽化が酷く遂に事務所を移転することとなりました。

新事務所は長野市の戸隠支所内に間借りすることになりました。戸隠支所はかつての戸隠村役場であり、旧村議会議場があります。しかし平成17年に長野市と市町村合併したことで議会が無くなり議員部屋がちょうど空いていた訳です。

新事務所は鉄筋コンクリートの建物の3階ということもあり、鳥のさえずりがあまり聞こえなくなってしまったのは寂しいですが、いままで同様、妙高戸隠連山国立公園をより良い国立公園にするべく取り組んで行きますので、今後ともよろしくお願い致します。

ここのところ引越の作業でバタバタしておりましたが、ようやく新事務所での業務も開始となりましたので、AR日記の方にもまた力を入れていきますよ!

<旧事務所 BE-PAL 昭和57年10月号より>

<旧事務所前で 2021年3月29日>

<長野市戸隠支所>

<新事務所は戸隠支所の3Fです>

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2021年03月01日戸隠小学校6年生 鏡池スノーハイク

妙高戸隠連山国立公園 戸隠 土屋達郎

年が明けてからあれよあれよという間に時間が過ぎ更新が止まっておりました。皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。

<戸隠小学校6年生 ※撮影のため一瞬だけマスクを外しています>

今回は、先日戸隠小学校6年生の子どもたちとスノーハイクに行ってきましたのでそのご報告です。

これは昨年秋の「荒倉山と鬼女紅葉伝説を訪ねて」でもご紹介しました、子どもたちに自分たちの地元である妙高戸隠連山国立公園への理解をより深めてもらうために環境省が行っている事業の一環です。

<各自スキーを積込み>

<ミズナラの巨木の前で>

戸隠小学校6年生21名と先生方、保護者の方、そしてガイドを担当される「戸隠を知る会」の方々とともに、クロスカントリースキーを履き戸隠神社奥社入り口から随神門を経て鏡池までのルートを行きました。

子どもたちはさすが戸隠っ子だけあって、皆さんスキーが上手でしたね。普段から体育の授業でスキーをしているそうです。子どもの頃からスキーが日常にあるなんて羨ましすぎます。「あー長野県に生まれたかった~」

大人になってからスキーが出来るか出来ないかで人生の幸福度はだいぶ違ってくると確信している「たっつあん」です。

<身軽な子もいてびっくり>

<元気な子どもたち>

<スキーの上手な子どもたち>

<随神門>

「戸隠を知る会」の方の楽しい解説を聞きながら、ブドウのつるのブランコを体験し、ミズナラ大王に出会い、思い思いのルートを歩きながら随神門へ。夏は参道しか歩けませんが、冬はスノーシューやクロスカントリースキーがあればどこでも歩けるのが大きな魅力ですね。随神門までは割と平坦でしたが、随神門から鏡池までは緩やかに下っていて、スキーにとっては楽しいルートです。

<ミズナラ大王の前で記念撮影>

<奥社参道の杉並木>

<こんな形のミズナラの木も>

<細~い橋を渡る>

森を抜けるといきなり視界が開けて広~い鏡池の上に滑り出ます。そして荒々しい戸隠山が目の前にどーん。それまでとは別世界になる時のいきなり感が楽しいですね。

子どもたちの何人かは鏡池の堤防の法面を使ってスキーで滑って遊び始めました。大人でも怖がるような急斜面でも物怖じせずに滑り下りる子どもたち。

凍った鏡池の上でお昼を食べた後は、自然と雪合戦が始まりました。内心「こんな広いところで雪合戦やったら楽しいだろうな。でも怪我されても困るから子どもたちをそそのかすのはやめておこう」と大人な判断をする私でしたが、何も言わないうちから雪合戦を始める元気な子どもたちには笑ってしまいました。

<雪合戦>

鏡池の堤防滑りで度胸がついたのか、帰り道は平坦な道ではなく敢えて木々の間とか斜面のルート取りをする私の後をついてくる子が何人かいましたよ。

<クロカン楽すぃ~>

<鹿の角研ぎ痕!?>

子どもたちにとっては、妙高戸隠連山国立公園を全身で楽しんだ思い出に残る1日となったことでしょう。

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2020年11月20日アクティブ・レンジャー国立公園写真展 開催のお知らせ

妙高戸隠連山国立公園 戸隠 土屋達郎

アクティブ・レンジャー国立公園写真展は、中部山岳国立公園、上信越高原国立公園、妙高戸隠連山国立公園で働く環境省アクティブレンジャー達が、日々の活動で写した美しい景色や普段の活動の様子を、写真でご紹介する企画です。

各国立公園に置かれた管理官事務所と自然保護官事務所ごとに持ち回りで開催しています。

そしていよいよ戸隠自然保護官事務所の番が回って参りました!!

今回は、公益財団法人 八十二文化財団様(長野県民の方にはおなじみの八十二銀行様が設立した、長野県の芸術・文化を育む活動をされている財団です)の『ギャラリープラザ長野』のスペースをお借りして開催致します。

お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

【令和2年度 環境省アクティブ・レンジャー 国立公園写真展】

開催期間:令和2年11月30日(月)~12月22日(火) ※土曜・日曜休館

開館時間:9:00~16:00

場所:ギャラリープラザ長野 ※入館無料

   長野市新田町1513-2 「82プラザ長野」内

   ※「もんぜんぷら座」の向かい側

   詳しくはこちら⇒ ギャラリープラザ長野

信越自然環境事務所 報道発表資料 ⇒

令和2年度(下半期)アクティブ・レンジャー国立公園写真展の開催について

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2020年11月18日荒倉山と鬼女紅葉伝説を訪ねて

妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎

10月30日 子どもたちに自分たちの地元である妙高戸隠連山国立公園への理解をより深めてもらうために環境省が行っている「子ども農山漁村体験プロジェクト」の活動の一環として、今年は戸隠小学校5年生15人の子どもたちが鬼女紅葉伝説の旧跡を巡りました。

<荒倉山周辺には鬼女紅葉の伝説が残っています>

戸隠や鬼無里に伝わる鬼女紅葉伝説とは、平安時代に絶世の美女であった呉葉(くれは)という女性が京の都から罪人として戸隠に流され、鬼女紅葉(きじょもみじ)と化して荒倉山の岩屋に棲みながら村を襲うなど悪行を働き、それを平維茂(たいらのこれもち)が退治するという物語です。今、巷では「鬼滅の刃」ブームですが、戸隠には実際に鬼がいたのですよ。

平維茂が紅葉の居場所を探すのに矢を放って方角を占ったそうです。現在はその矢を放った場所が「矢本神社」、そして谷を挟んで2kmほど先にある矢の落ちた場所が「矢先神社(柵(しがらみ)神社)」になっています。矢本神社では宮司さんがいろいろ解説してくださいました。宮司さんは建築士でもあり、最近建て替えられた戸隠神社中社の大鳥居の設計をされた方と聞いてびっくり。

長~い階段を上ってたどり着いたのは矢先神社。ここは無人で趣のある神社でしたね。 あとは紅葉の墓と言われる「鬼の塚」、紅葉とその仲間たちが隠れ棲んだといわれる「鬼の岩屋」、荒倉キャンプ場にある能舞台などを見学。毎年ここで謡曲「紅葉狩り」が演じられるそうです。秋の紅葉(こうよう)を愛でることを「紅葉狩り」と言いますが、語源は平維茂が鬼女紅葉を狩るところからきているという説も。

<宮司さんの解説を聞く子ども達>

<平維茂が矢を放つときに踏ん張ったという石>

<ここから矢を放ったそうです>

<地元テレビ局が取材に来ていました>

<きれいな紅葉>

<矢の落ちた矢先神社側から見る矢本神社>

<鬼女紅葉の墓>

<紅葉の子分たちの墓>

<矢先神社への長い階段>

<矢先神社(柵神社)>

<荒倉キャンプ場内にある能舞台>

<紅葉狩りの解説>

<紅葉狩り>

<鬼の岩屋へ>

<どんどん登ります>

<到着>

<鬼女紅葉が隠れ棲んだ岩屋>

<岩屋の中>

<鬼の岩屋解説>

そしてお昼は荒倉キャンプ場にて自分たちで火を起こしてカレー。

<キャンプ場の管理人さんにご挨拶>

<皆で荷物運び>

<自分たちで火を起こします>

<火が起きました>

<火っていいですね>

<きれいな紅葉>

<きれいな紅葉>

<きれいな紅葉>

「子ども農山漁村体験プロジェクト」では2月にも6年生の子たちと鏡池にクロカンスキーで行くスノーハイクが予定されています。

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2020年10月23日雨飾山登山道巡視

妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎

天気の良い日に小谷村(おたりむら)にある雨飾山(あまかざりやま)の登山道を巡視して来ました。 これで戸隠自然保護官事務所が担当する妙高戸隠連山国立公園の長野県側の主要な山は、ほとんど確認したことになります。 当初、雨の予報も出ていて気が重かったのですが、当日はなんと快晴。素晴らしい登山日和ではないですか! やはり日頃の行いは良くしておくものですね。

<雨飾山山頂(南峰)>

<今回のルート>

朝6:30に駐車場に到着すると結構満車状態。かろうじて停められました。そしてもうほとんどの方は出発された後。皆さんお早いですね。ちょっと焦ります。

<雨飾山登山口>

<登山口トイレ>

いやぁ登山道は紅葉真っ盛り。木々が赤や黄色で眩しいくらいでしたよ。

<紅葉の登山道>

<ブナの根っこが縦横無尽に>

<ブナの黄葉>

<マンサクの葉>

<ツタウルシの紅葉>

           

<トチも黄葉>

<水の流れを考慮した近自然工法の登山道>

           

<ブナの黄葉にしばし見とれる>

荒菅沢でいきなり視界が開けてドーンと現れる紅葉に彩られた≪布団菱≫の岩肌が壮観で したね。なんでも布団を干すのに都合のよさそうな岩だからこんな名前がついたのだとか(笑)

<荒菅沢から仰ぎ見る布団菱>

<荒菅沢に降りていきます>

           

<山頂部近くの岩登り>

<梯子が整備されています>

           

<布団菱>

<マユミ...たぶん>

<ヤマモミジ...かな?>

山頂部はすごい人・人・人・・・なかなか密な状態でした。 まあ日本百名山で、人気の雨飾山で、この天気とこの紅葉ですからねぇ。

<雨飾山山頂(北峰)>

<女神の横顔 奥には焼山と火打山が>

山には小屋やトイレはありません。でも地元の皆さんが登山道の途中に携帯トイレブースを設置してくれています。積雪期には分解してその場にデポしておいても雪に潰されない作りになっているそうで、いろいろ試行錯誤の末にこの形状になったのだとか。地元の老舗「山田旅館」のご主人の山田さんからお聞きしました。 また登山口には携帯トイレの自販機と携帯トイレ回収BOXが設置してあります。ザックにはいざという時のために携帯トイレを忍ばせて登りましょう。

<組立式の携帯トイレブース>

           

<携帯トイレブースの中>

標準コースタイム7時間というので、まあいくら遅くなっても15時までには下りてこられるだろうとは思っていましたが、山頂で結構ゆっくりしたつもりだったのに下山して時計を見るとやっと12時を少し回ったくらいでした。あれ?早っ!! 

まだ時間があるので鎌池周辺を巡視して、さらに国立公園内にある(硬い言葉で言うと事業執行されている)車道であり、小谷村と妙高の笹ヶ峰を結ぶ妙高小谷林道・杉野沢林道を通って戸隠事務所まで帰りました。この林道は一部舗装されていますがほとんどが未舗装のダートで、夜は通りたくない道ですね。でも紅葉に彩られた素敵な道でした。

<紅葉の鎌池>

<紅葉の鎌池>

<紅葉の鎌池>

<色づき始めたブナ>

<意外に美しいオオカメノキの紅葉>

<オオカメノキの葉>

<ホウ>

<苔むした朽木>

雨飾山は登っていて楽しくなる山でした。何度も訪れる人が多いというのにも頷けます。私もまた訪れたいと思いましたよ。

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2020年10月01日高妻山登山道巡視

妙高戸隠連山国立公園 土屋達郎

長雨の合間の晴れの日。

先日の戸隠山登山道の巡視に引き続き、高妻山の登山道を巡視してきました。

高妻山は戸隠山の裏側にあり往復するのに結構時間がかかると聞いていたので、なるべく日の長い夏に行きたかったのですが、今年はなかなか天気の良い日が少なかったのと忙しかったのとで9月にずれ込んでしまいました。

<今回のルート>

戸隠キャンプ場~戸隠牧場~弥勒新道~五地蔵山~高妻山山頂~五地蔵山~一不動避難小屋~戸隠牧場~戸隠キャンプ場

およそ8時間の行程でした。

高妻山は日本百名山の一つです。戸隠キャンプ場の向かい側に高妻山登山者のための広い駐車場があるのですが、天気の良い日は平日でも常に車がいっぱいです。さすが日本百名山ですね。

<綺麗な円錐形をした高妻山>

<いつも車がいっぱい 高妻山登山者用駐車場>

戸隠牧場の中に高妻山への登山口が2つあります。

一不動避難小屋経由のルートと弥勒新道経由のルートを選べます。

登りは弥勒新道経由のルートを選択。今回はあくまでも登山道の巡視であり、前回の戸隠山の下山で通った一不動避難小屋経由のルートよりも、通ったことのない弥勒新道の巡視を優先しました。時間に余裕があれば帰りは別ルートでということに。

登山道に入るとすぐに急登が始まります。ヒイヒイ喘いでいると、後ろからズンズン迫ってくる集団が。遭対協の皆さんです。全員背中には草刈り機を背負っています。

「お先へどうぞ。いきなりバテてます~」と言うと遭対協の皆さんは「この登山道はバテますよねぇ」とニコニコしながらガシガシと私たちを追い抜いていき、あっという間に見えなくなってしまいました。圧倒的なスピード差に唖然とする私たち。

この方々がいつも登山道を整備してくれるおかげで私たちは気持ちよく登山が出来るのですね。ありがとうございます!

<最初は広々した牧場歩き>

<登山口からはいきなり急登の始まり>

<草刈り機を背負った遭対協の皆さん>

<ブナ仙人に出会えました>

高妻山の山頂にたどり着くまでにいくつものピークを越えなければ行けません。

登っては下っての繰り返し。いやぁなかなか辛い山でしたよ。しかも高妻山の本体は奥の方にあるためなかなか姿を見せてくれません。

<森を抜けると高妻山がドーン>

<絶景の九勢至>

登り下りの連続にほとほと疲れ果てた頃、いきなり森の向こうの視界が開けてついに高妻山が姿を現しました。そこまでが苦しかった分、この感動は大きいですね。

高妻山が見えてからは絶景に次ぐ絶景で「来て良かったぁ」と思えましたね。

<高妻山の尾根には頂上への一筋の道>

<戸隠山を裏から眺める>

<シラタマノキ>

<りんどう>

<槍ヶ岳見えた!>

<頂上近くはさらに急登が>

頂上には登山者が結構いらっしゃいました。

まあ駐車場にあれだけ車が停まっていたのだから当然ですけどね。

頂上は岩場なので座わりやすいのがいいですね。皆さん思い思いの場所に陣取り、ポカポカ陽気の下、雲海に浮かぶ北アルプスを眺めながら皆さん美味しそうにお弁当を食べてらっしゃいましたね。

<山頂手前の十阿弥陀 古い銅鏡が>

<頂上部は大きな岩がたくさん>

<高妻山山頂>

<山頂から十阿弥陀方向>

<黒姫山! 右端に見えるのは古池>

<登ってきた登山道>

思ったより時間が早かったので下山は一不動避難小屋経由のルートをとりました。

これで六弥勒~五地蔵山~一不動避難小屋までの登山道巡視も完了出来ました。

一不動避難小屋から下は前回の戸隠山の下山時にも通っているので慣れた道です。

途中滝が2つあり、滝のすぐ横を鎖を伝って降りて行きます。

鎖のトラバース(横移動)もあり気は抜けませんが楽しいコースです。

最後は牧場に出て牛たちに囲まれましたよ。

<五地蔵山山頂>

<眼下には戸隠牧場>

<避難小屋のある一不動>

<滝の横を鎖で降りていきます>

<一不動避難小屋経由の下山道には鎖場が>

<絶景が広がります>

<のどかな牧場に出ます>

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2020年09月23日戸隠山登山道巡視

妙高戸隠連山国立公園 戸隠 土屋達郎

先日天気の良い日に戸隠山を巡視してきました。

担当する国立公園内にある登山道をくまなく歩いて登山道の状況や植生等を把握することはアクティブレンジャーの重要な仕事の一つです。

 

<今回のルート>

  

<小鳥ヶ池と戸隠山>

戸隠神社奥社~蟻の塔渡り~戸隠山山頂~一不動避難小屋~戸隠キャンプ場

およそ6時間の行程でした。

妙高戸隠連山国立公園のある北信地域を代表する5つの山々:妙高山・黒姫山・飯縄山・戸隠山・(と国立公園外ですが斑尾山)は「北信五岳(ほくしんごがく)」と呼ばれています。北信五岳の山々のうち戸隠山以外はいずれも噴火によって出来た火山です。一方、戸隠山は400万年前は海の底だった土地が隆起して出来た山です。そのため戸隠山は海底に土砂などがたまって出来た堆積岩から構成されていて、戸隠山周辺からはホタテ貝やサメの化石が見つかっています。

 

<堆積岩の壁を登る>

また戸隠山は日本神話にも残る「天岩戸伝説」に関係の深い山です。

天岩戸伝説を簡単にかいつまんでご紹介すると・・・

昔々。高天原(たかまがはら)という神々のお住まいになっているところがありました。

そこには天照大神(あまてらすおおみかみ)という世の中を照らす太陽の神さまがいました。そして弟に須佐之男命(すさのおのみこと)というたいそう乱暴な神さまがいました。

あるとき須佐之男命の乱暴・狼藉に腹を立てた天照大神は天岩戸(あまのいわと)に引きこもってしまい世の中は闇に包まれました。

世界が真っ暗闇になってしまって困りはてた神さまたちは、再び天照大神に出てきてもらうために一計を案じ、天岩戸の前でにぎやかに楽しげに歌ったり踊ったりしてしたそうです。

外が余りにもにぎやかなので、天照大神は不思議に思われ、岩戸を少し開いたところをすかさず力自慢の天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)が力いっぱい岩戸を開きました。 すると真っ暗だった世界があかるさを取り戻したそうです。そして天手力男神は二度と天照大神が閉じこもってしまわないように岩戸を下界に放り投げ、それが地上に刺さったのが戸隠山と言われています。きっとあれだけの巨大な物体が地上に刺さるときの衝撃は凄まじいものだったことでしょうね。

あれ?戸隠山は隆起で出来たのでは??? 

深く考えちゃダメです。ロマンですよロマン!

ちなみに戸隠神社の奥社にはこの時の天手力雄命が祀られています。

 

<奥社への参道途中にある随神門>

<奥社参道の杉の巨木の回廊>

戸隠山山頂へのルートは鎖場の岩登りが連続します。中でも一番の難所は「蟻の塔渡り」と呼ばれる幅50㎝くらいのナイフリッジ。奥社側から戸隠山の山頂を目指すには避けては通れないルートです。

<ここを通らないと頂上に辿り着けない>

 

蟻の塔渡りを行く①

 

蟻の塔渡りを行く②

<蟻の塔渡りを見下ろす>

ところで戸隠は忍者の里としても有名です。戸隠流忍術は伊賀・甲賀とならぶ日本三大忍術の一つと言われています。もともと忍者は修験者(山伏)から派生したとも言われており、戸隠忍者は修行でこの蟻の塔渡りを飛ぶように駆けていたのかも知れませんね。私は慎重を期して四つん這いでソロ~リソロリと行きましたけど。

いやぁさすが修験の山。なかなか怖かったです。でもその分、絶景が連続する素晴らしい山でしたよ!!

皆さまも、戸隠山登山の際には十分お気を付けください。自分には無理だと少しでも思ったら引き返す勇気を!

 

<引き返すのも勇気>

 

<絶景の連続>

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