ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

上信越高原国立公園 万座

146件の記事があります。

2011年05月13日まだまだ寒いです

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

朝のニュースで「今日は各地で良いお天気となり、20℃を越えるところが多いでしょう」との情報を得て、事務所付近の天候も良かったので意気揚々と草津白根方面へ巡視に出かけました♪・・・が、目的地に向かうに従い、「あれ?さっきの青空はどこ??」と空を見上げずにはいられない状態に!!標高も2000mを越えるとガラリと景色が違います。

【渋峠付近の道路(雪の回廊(?)がまだ残っています)】
渋峠まで上がると1m程先は霧の中。外に設置してある気温計を確認すると“5℃”と表示されていました。また、猛烈な風の洗礼を受けました。その風のお陰で、雲の移動が早く、渋峠から草津白根に向かう途中で青空が広がり、気温もグッと上がってきました。
草津白根パークサービスセンターの駐車場に車を止め、周囲の巡視をしていると、どこからか「グワッグワッ」と言った声が。周りをキョロキョロ見渡してみましたが何も見えません。「気のせいかな?」と再び歩き出そうとすると、また声がしました。声は足下からしていました。そこには、2羽のカルガモが仲良く寄り添っていて、その可愛らしい姿に思わず足を止めて写真を撮っていました。

【カルガモもひなたぼっこ】

巡視当日は、日が差していたので暖かくはありましたが、渋峠や草津白根は残雪があります。せっかくお越し頂くのであれば、ゆっくりと観光と美しい景色を楽しんでいただきたいと思います。そのためにも、上着は必ずお持ちください。寒いのが苦手な方は手袋もお持ちいただく事をオススメします。
また、様々な野生動物の生活区域にもなっているため、安全運転とゴミのお持ち帰りを宜しくお願いいたしますm(_ _)m

【逢ノ峰と弓池(弓池にはまだ氷が張っていました)】

ページ先頭へ↑

2011年04月25日母なる木

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

皆さんこんにちは。
桜の開花情報も耳にする今日この頃。万座管内でも残雪が徐々に減り、フキノトウが雪溶けの地面から顔を出し始めました。


先日、万座温泉へ向かう道路途中にある、カラマツ林に自然公園財団草津支部の湯田所長のご案内の下、調査に行ってきました。このカラマツ林は「万座カラマツ天然母樹林」と言われており、とても大きく立派なカラマツを母樹林内のあちらこちらで確認する事が出来ました。
せっかくですので、この万座のカラマツ林が「母樹林」と呼ばれるようになった理由について簡単にお話しいたしましょう。万座にあるカラマツは密度が濃く、年輪がとても細かく刻まれており、幹が真っ直ぐに伸びたカラマツが多く存在しています。そのことから、木材として使用するにあたり、頑丈で真っ直ぐな遺伝子を持つこのカラマツ林のカラマツが注目され、種が採取されるようになったそうです。今や、その苗木が吾妻郡内を始め北海道や海外など、様々な場所に植林されているそうです。つまり、万座のカラマツは各地に存在している多くのカラマツのお母さんなのです。ちなみに、万座のカラマツの採種の歴史は古く、明治初頭に長野県川上村の村長さんが種を採取し、苗木に成長させる事に成功したことから始まったそうです。
また、この母樹林内にある主要な木々には、その立ち姿にちなんだ名前が付けられています。その中の1つ、立ち姿も美しい「マザーツリー」。それがこちら↓

写真で見るとなかなか伝わりにくいかと思いますが、このマザーツリーの直径はなんと、約90cm。その太さにビックリ!また、近くに寄って見上げたときの首の角度、90度では足りない位でした。それもその筈、その高さは約25m・・・高いのなんの、迫力が大いにありました。
この他にも、「仁王松」「龍顔の松」「戦国松」などなど様々な形や状態のカラマツを見る事が出来ました。

皆さんの周りにも、樹木を始め様々な植物があるのではないでしょうか。しばらく眺めていると、もしかしたら特別な愛称が思い浮かぶかもしれません。様々な方法で自然との触れ合ってみてください!自然を愛おしむ事によって、自然との向き合い方が見えてくる事もありますよ♪


~お知らせ~
鹿沢インフォメーションセンターではゴールデンウィーク期間、クラフト教室を開催しております。皆さん、奮ってご参加ください!


日時:4/29(金)、5/1(日)、5/3~5/5(火~木) 10:00~12:00
内容:巣箱作り、竹箸作り、竹とんぼ作り など(日替わりで行います)
詳しくは、鹿沢インフォメーションセンター(0279-80-9119)までお問い合わせください。

ページ先頭へ↑

2011年02月07日期間限定!

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

ここ数日で日がだいぶ延びるようになってきました。春もすぐそこまで来ているのでしょうか。待ち遠しい反面、スキー場へ出かけると「もうちょっと冬でもいいよ~」と思ってしまいます。寒いのは相変わらず苦手ですけど。

先日、スキー場の合同点検に参加してきました。このスキー場点検は国有林野内に位置するスキー場を安全に利用していただけるようパトロールを行い、危険木や危険箇所がないかといった安全点検をはじめ、スキー場管理者からの整備要望箇所の確認を行う事を目的としています。
点検を行った日は天候も良く、スキー場では様々な景色を見る事が出来ました。

【パルコール嬬恋スキー場から見える浅間山】
雪の白さと冬の澄んだ空気があると景色も一層キレイに見え、その美しさにウットリとしてしまいます。

また、私と同じように寒さが苦手な方もいらっしゃるのではないかと思いますが、寒さがあるから故に見られる光景もあります。それがこちら↓

【草津国際スキー場にて】
周囲の樹木が真っ白くなっているのがご覧頂けると思います。
実はこれ、木についた氷で「霧氷(むひょう)」と言います。霧氷は空気中の水分が樹木などに衝突して付着する氷を指します。その氷の様子などにより3種類に分けられます。
1つ目は、ご存じの方も多いと思う「樹氷(じゅひょう)」。白色不透明な色で、とてももろい氷で覆われています。
2つ目は「粗氷(そひょう)」。半透明から透明に近い色をしています。表面はなめらかな硬い氷で覆われています。
3つ目は「樹霜(じゅそう)」。樹霜は樹氷や粗表とでき方が異なり、空気中の水蒸気が昇華(しょうか 液体を経ずに気体から固体へなること)することによりできます。

【樹氷と粗氷】
樹霜については画像データがありませんでしたが、冬期になると霜が植物などに付着し出来たものが該当するようです。

春に向けて空気中の水分量が増え、冷え込みもあるこれからの時期が、樹氷の季節と言っても良いかもしれません。この時期ならではの、この時期だからこそ見られる自然界の芸術作品、是非ご覧になっていただければと思います。

ページ先頭へ↑

2010年12月02日準備万端!?冬支度

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

こんにちは、万座自然保護官事務所の小林です。
このところ、吹く風も冷たく、もう冬がすぐそこまで来ていますね。ここ2~3週間の内に万座管内では降雪の情報をチラホラと聞くことができました。ただ、今年は暑い夏でしたし、紅葉もいくらか遅れ気味だったので、私は冬の準備が万全でありませんでした。今、焦りながら冬支度を行っているところです。皆さんは、是非、余裕を持って冬の準備を行ってくださいね♪
さて、その冬支度、必要なのは私たち人間ばかりではないんですねー。そう、動植物などの生きものも、これからやってくる冬に向けて準備を着々と整えているんですよ!

皆さんは、生きものの越冬というと、どんな事を思い浮かべられますか?多くの方は、“冬眠”を思い浮かべたのではないでしょうか。ちなみに皆さん、「冬眠」とはどのような状態の事であるかご存じですか?・・・その通り、読んで字の如く、「冬に眠る」事です。一言で言ってしまえばその通りですが、もう少し詳しくお話しさせていただくと、【①冬に食べ物がない②自分自身で体温調節ができない③体温を保つためのエネルギーを保持できない】と言った理由により冬の間の活動を冬眠により一旦停止しているのです。
①は冬眠するほとんどの生きものに該当します。②は変温動物(周囲の気温により体温が変わる動物)が該当し、具体的にはヘビやカエルが挙げられます。③は主に小型の恒温動物(自分で体温保持ができる動物)のが該当し、具体的にはリスやヤマネが挙げられます。
ところで、皆さんは寒くなるとどんな工夫をしていますか?きっと、暖かな服を着られるとおもいます。では、野生の生きものはどうでしょう。野生の生きものが服を着る事は先ずありません。例えば、恒温動物は洋服代わりの脂肪を蓄えたり、熱エネルギーの消費を最小限にするため体温を0~5度くらいに下げ冬眠を行います。また、外気温の影響を受ける変温動物は気温の低下と共に活動するための熱エネルギーも低くなるため冬の間は枯れ葉や土の中などなるべく暖かな場所で冬眠を行います。
このように様々な工夫を行う事により、冬眠の間凍死することを防ぎ、冬の厳しい寒さを乗り越えていくのです。しかしそこは、自然界。やはり厳しい現実もあり、冬眠前の脂肪の付きが不十分であったり、冬眠場所が良くなかったりして餓死したり凍死したりすることもあります。生きものたちにとって、冬眠は命をつないでいく上ではとても重要であると同時に、命がけで行うものであるのです。

(下の画像は植樹であるメギに作られた希少種であるミヤマシロチョウの越冬巣。ミヤマシロチョウは幼虫で越冬します。)


さて、今回はいきもの、主に動物の「冬眠」についての内容とさせていただきました。今回ご紹介させていただいたのは生きものの越冬についてのほんの一部。この他の動物や植物の越冬の仕方がまだまだあります。それはまた、次の機会にでもお話しさせていただけたらと思います。さてみなさん、今年の冬は、生きものの冬に目を向けてみては如何でしょうか。

ページ先頭へ↑

2010年10月15日【日本のいのち、つないでいこう! COP10まで1日前】

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

○「ヒト」として・・・○

「生物多様性」・・・最近ニュースや新聞などで耳にしたり目にしたりと、皆さんもだいぶ身近な言葉になってきたのではないでしょうか?その生物多様性に関する国際会議 -生物多様性条約締約国会議(COP10)- がいよいよ10月18日より開催されます!
「生物多様性を保全し、持続可能な利用の促進」を目指そうと、193の国と地域が集まり話し合いを行います。

なぜ、生物多様性が取り上げられているのか考えてみたことはありますか?
取り上げられている理由として、生物の多様性が危機的な状況 -生物多様性の絶滅- を迎えているということです。その原因として、私たち人間の活動が大きく関わっています。私たち人間の影響がなかった時代では1,000年に1種が絶滅していたと言われていますが、現在では1年で約40,000種が絶滅していると言われ、今後もそのスピードは増していくと予想されています。
私たちの住む地球には様々な環境があり様々な生きものが暮らし、互いに支え合って生きています。私たち人間の生活も生物多様性があってこそ成り立っています。ある生物が居なくなり -直接的な関係はなくても辿り辿って- 私たち人間の生活や存在へも影響を及ぼす可能性も否定できません。生物多様性の危機は私たち人間への危機へとつながっているのです。
日本の生物多様性は、
①人間による開発や乱獲
②人の手が加わることにより形成されてきた里地里山などの環境への手入れ不足
③外来種や化学物質による影響
④地球温暖化による影響
といった4つの影響により危機的状況となっています。

生物多様性を危機的状況にしてしまった私たち人間ですが、実は生物多様性の保全のため考え行動できる唯一の種でもあるのです!今回のCOP10は世界規模のものとなりますが、皆さんの生活の中でも生物多様性のためにできることがあります。
①山や川など自然で遊び、身近な生きものを観察する
②地域の環境活動への参加や、ペットや外来植物などを捨てない・逃がさない・最後まで大切に飼う
③家族や友達と自然の恵みや大切さについて話し合う



【自然ふれあい教室でのヒトコマ】(自然のものを使用しての水鉄砲作り)



私たち人間は、生物多様性の和(=様々な生きものとそのつながり)の中で多くの生きものに支えられ“生かされて”います。同じ地球に生まれ存在している“仲間たち”のため、ヒトとして生物多様性について考え行動してみませんか。


~お知らせ~
鹿沢インフォメーションセンターの一角を使用して、生物多様性に関する展示を始めました。「生物多様性とは何か」から「私たちにできること」まで解説を行っております。また、展示物の中に皆さんと一緒に作り上げていくものもあります。参加賞もお渡ししますので、お近くにお越しの際は是非ご参加ください♪(鹿沢インフォメーションセンター開館時間は午前8時~午後5時までとなっております。)

ページ先頭へ↑

2010年09月07日関西学院大学インターンシップの上信越高原国立公園体験記~その2~

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

さて、続いての体験記の筆者は高松佑季君です。彼は今回、インターンシップのリーダーとして、みんなをしっかりとまとめ上げてくれていました。研修リーダー高松君は、登山者カウンタチェックと登山道巡視で訪れた草津白根山の自然について、レポートを作成してくれました。高松君、お願いします!


こんにちは。関西学院大学のインターン実習生の高松です。私は実習中に印象に残った本白根山の景色について紹介させていただきたいと思います。
本白根山では夏の高山植物が色鮮やかで、白いシラタマノキの実、ピンクのコマクサの花、紫のヒメシャジンの花、赤いコケモモの実、黒いクロマメノキの実など他にもたくさん色彩豊かな植物を発見することができました。このような高山植物は小さく、かわいい実や花を付けるものが多く、何とも言えない魅力があります。また、オヤマリンドウやエゾリンドウなどが青い鮮やかな花をつけており、思わず目を奪われてしまいました。ただ、私が驚いたのは、一見花が蕾のように思えたのですが、『オヤマリンドウなどの花は開花時でも花びらが完全に開かない』と知り、色の鮮やかさだけでなく趣深い花だとしみじみ感じました。きっと秋にはまた違う景色が広がっているのかと思うと何度も訪れてみたくなりました。

【白根山系に咲くオヤマリンドウ】

他にも万座地区の牛池や本白根山上にある鏡池や弓池、湯釜などにも巡視で訪れました。今年の暑さのせいでしょうか。鏡池の水が少し干上がっていたのは残念でしたが、水辺の景色は非常にきれいでその景色の中にいると心まで澄んだような気持ちになり、トンボが追いかけっこ(?)をしている景色にも心が和みました。中でも展望台から見た湯釜の色鮮やかさには神秘的なものも感じました。

【湯釜】

実習を通して上信越高原国立公園内の様々な素晴らしい景色や生物を見ましたが、巡視中にゴミ(トイレ後のティッシュなど)もチラホラあったのが少し残念でした。国立公園として将来にも素晴らしい景色や生物を守っていくためにも、利用される方は意識を持って利用していただけるようにご協力お願いします。



高松君ありがとうございました。巡視の中で、花々を始め結実状況も確認できましたよね。自然の色って本当に不思議で、目から心へすんなりと入ってきます。自然の美しさはとても不思議な力を持っている気がして私はなりません。またレポートにもあったように、巡視中には自然には無いものが確認されることがあります。ゴミは持ち帰ること、そして山など自然環境に入る前にトイレを済ませておいていただけると有り難いです。

ページ先頭へ↑

2010年09月07日関西学院大学インターンシップの上信越高原国立公園体験記~その3~

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

さて、トリを飾っていただくのは、嶋崎裕二郎君です。彼の登山ペースはとても素晴らしいものでした。そんな嶋崎君からは、研修の中で体験した外来植物(オオハンゴンソウ)の駆除についてレポートを提出いただきました。では、宜しくお願いします!


こんにちはー。
インターンで万座自然保護官の方々にお世話になっている、関西学院大学の嶋崎です。
8月24日、草津町内で特定外来生物のオオハンゴンソウの駆除作業のお手伝いに参加させてもらいました。


【オオハンゴンソウの花】

今回は1日だけということで、ほんの一画だけの駆除しかできませんでしたが、もうあたり一体オオハンゴンソウのお花畑!!
そもそも、このオオハンゴンソウはとても繁殖力が強く、もともとの在来植物のすみかを奪ってしまうので、特定外来生物に指定されたのですが…本当に何処を見てもオオハンゴンソウの花・花・花。駆除の方法も根が少しでも残っていると再生してしまうので、一つひとつ丁寧に抜かなくてはならず、とても大変です。駆除するための費用や労力、時間もかなり必要みたいです。

【作業風景(小さな個体でも根が太くなっていて作業にてこずりました)】
今回の駆除作業にも関わってくることですが、生物多様性の問題って本当に難しいですね。オオハンゴンソウは、オオハンゴンソウなりに自分たちの遺伝子を残すために頑張っているだけなのに。個人的には一見、本当にきれいなお花畑だなぁ…とか思ったりもして。弱肉強食の世界が間違っているわけでもないし、でも以前に見ることのできた動物や花、虫が見られなくなってしまうのもさびしい気もするし。何が良くて、何が悪いかなんてはっきりしない問題なのかもしれないし、そもそも人間が関わる問題ではないのかもしれないですね。だけど、今はそれに対する答えがはっきり出ていないからこそ(答えが出るのかもわかりませんが)、生物の多様性を守っていかないといけない問題なのかもしれませんね。
そういうわけでみなさんには、人や動植物や虫、みんなが仲良く共存していける世界を実現していくために、そういった問題が現実にあってそういった活動をしている人がいるということを少しでも知ってもらえればと思います。
もしかすると動植物や虫たちの間では、私たち人間は最高レベルの特定外来生物に指定されているのかもしれませんけどね。笑
以上、実習生嶋崎でした。



嶋崎君、ありがとうございました。この作業でも、みんな汗だくになり一生懸命に取り組んでいました。駆除の大変さを知ると同時に、外来生物の脅威についても体感していただけたことと思います。外来生物についてはまず“その存在を知っていただく”ことがとても重要になってくると感じています。これから先も、“様々な自然”を見ることができるよう、外来生物の問題に目を向けてもらう努力を私も行っていきたいと思っています。

今回インターンシップに万座管内に来たこの3名の学生は、1日1日と研修を行っていく中で様々な感想を持っていただけたようでした。その中でも共通していたことが「国立公園や自然の美しさにとても感動した」との意見でした。この研修を通し、自然の偉大さに触れ、またそれを守るものや活動があるということ、また自然環境を守ることの難しさ、などを知り得ていただけたのではないでしょうか。人と人、人と自然、自然と自然の関わりについて、ふと考えてみてもらえると嬉しいです。
7日間の研修、お疲れ様でした!

【浅間山と学生たち(浅間山登山道巡視)】

ページ先頭へ↑

2010年08月30日関西学院大学インターンシップの上信越高原国立公園体験記~その1~

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

皆さんこんにちは。
万座自然保護官事務所では8月20日~27日の間、関西学院大学より研修生(インターン)3名を受け入れておりました。インターンシップの目的としては、国立公園の現地管理の最前線である自然保護官事務所の業務(登山道や園地などの巡視・利用状況の確認、外来生物の駆除、登山者カウンターの管理などなど)を7日間という限られた時間で、体験・学習いただくというものです。
今回から計3回のAR日記は、インターンシップから見た上信越高原国立公園の万座管内について、お一人ずつレポート頂きたいと思います。
トップバッターは中国からの留学生、馬理(まり)君です。馬理君には、谷川岳肩の小屋入り口への登山者数計測カウンターの設置・天神尾根線歩道の巡視をテーマにレポートしてもらいました。
では、早速ご覧ください!!



関西学院大学3年生の馬理です。このインターンシップの中で谷川岳の景色はとても印象に残りましたので、これから紹介させていただきたいと思います。
谷川岳は標高1977メートルで、いろいろな高山植物を見ることができます。私たちは、大体朝の8時ぐらいに登りはじめました。途中で気温の変化と周りの植物の違いにだんだん気付きました。山頂の「オキの耳」に着いて、目の前の景色に感動しました。


【オキの耳から見たラクダのコル(西黒尾根線上)】
雲の隙間から太陽の光がすこしだけ見えて、とてもきれいでした。太陽の光に映された所の新鮮な緑がとても癒されました。頂上から山麓を見下ろした時、緑の草や木や、点々の白い花などは絶景と言ってもおかしくないと思います。「国立公園ってすごいですね」という気持ちが溢れてきました。国立公園のスタッフの方々のおかげで、私たちはこんなきれいな自然景色を見ることができて、私は心から感謝しています。それだけでなく、仕事の手伝いの中で、国立公園を維持することの大変さもよくわかりました。環境を守るのはやはり私たち一般人の協力もなければなりません。これから、自然環境を守るために、責任を持って、頑張りたいと思います。
馬理



馬理君、ありがとうございました。調査開始の時点では天候が思わしくなく、天候が心配されましたが、雨に降られることもなく一安心でした。また、雲の切れ間から見える景色も幻想的で良かったですよね。
季節はもちろんですが、天候によって違った顔を魅せてくれる“自然”は飽きることがありません。是非、そんな環境を一緒に楽しみ、そして守っていきましょう!

ページ先頭へ↑

2010年08月11日ホシガラスの工夫

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

こんにちは、万座自然保護官事務所の小林です。
今年は猛暑となっており、ちょっと体にこたえますね。
先日のお休みの時には、あまりの暑さに、涼を求め“打ち水”をしてみました。
すー・・・っと暑さが引き、とっても気持ちよかったですよ。きっとこの暑さもあと少し。暑さに負けないよう工夫をし、楽しみたいと思っています。

さて皆さん、“カラス”っていうとどんなものを思い浮かべますか?
よく見かける真っ黒なカラスを思い浮かべませんか。
実は、おなじカラス科でも真っ黒ではない種もいるんですよ!
その中の1つ“ホシガラス”ってご存じですか?
彼ら、ちょっとオシャレなんです。ほら!

【ホシガラス 本白根山頂付近】
この名前の由来は、このファッションから来ているんですよ!
頭は焦げ茶色、翼は黒褐色、その他はチョコレート色で羽先が白く斑点のようになっており星空のように見えることから「ホシガラス」と名前が付けられたようです。
彼らは昆虫やネズミなどの他、木の実を食べています。特にハイマツの種子が大好物であるようで、ハイマツのある高山帯ではよく食べ跡を確認できます。

(ちょっと見にくいかもしれませんが)ホシガラスが食事を行った後です。
ハイマツの実を木の溝に置いて安定させ、種子を突っつきだして食べていたようですね。周囲にはハイマツの実のかけらが散乱していました。
この他にも石の溝やコケモモの木の間などでハイマツの実を安定させて食べたのだろうなと言う景色があちこちで確認できました!

この時期は、ハイマツに種が付き、ホシガラスの食べ後を見つけやすくなっています。
運が良ければ食事中にも出会えるかも!?


今年の避暑地候補に、自然と触れ合える上信越高原国立公園はいかがでしょうか。
間近で感じる自然からは、発見と驚きを得られるのではないでしょうか。


~お知らせ~
今年の10月に開催される生物多様性条約締約国会議(COP10)開催を機に、環境省では7/21より「全国自然いきものめぐりスタンプラリー」を開催しております。
是非ご参加いただき、各国立公園の魅力を感じていただけたら嬉しいです。
また、集めたスタンプ数に応じステキな記念品をご用意しております。
詳しくは↓
http://www.ikimono-meguri.go.jp/

ページ先頭へ↑

2010年07月08日【日本のいのち、つないでいこう! COP10まで100日前】

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

○レンゲツツジ・高山蝶そして人間○
先日の6月26日(土)に生物多様性条約締約国会議(COP10)開催記念行事として、“自然を見る・感じる~レンゲツツジ咲く「湯ノ丸山」編~”を開催いたしました。

この自然観察会は“自然に触れながら生物多様性について考えていただく”事を目的とし、参加者の方へは「目はもちろん耳など五感を使って自然を感じてみてください」とお願いし、開始しました。様々な鳥のさえずり、雨の音、周囲のニオイ、湿原・人工林・自然林等の環境、標高の高低で生きている植物の違いや、同じ植物であっても色や大きさなど「個性」があることを湯の丸山に登りながら実際に見て感じていただきました。

山頂到着間際でまさかの霧。湯ノ丸山山頂からの眺望を楽しんでいただきたかったのですが、、、残念でした。本来、晴れていたらこんな感じ↓

【湯の丸山頂西側】
いかがですか、この眺望。手前の鋭く尖った山は烏帽子岳、奥には北アルプス山脈が確認でき、南西方向には富士山も見ることができます。今回は残念ながらこの景色は見ることはできませんでしたが、参加者の皆さんにはまた是非湯ノ丸山に足を運んでくださいとお願いしました。

昼食を山頂で済ませ、60万株とも言われているレンゲツツジ(ツツジ科 ツツジ属 レンゲツツジ種)群落へ向かいました。辺り一面見渡す限りのレンゲツツジ。壮大な自然の絨毯に囲まれて皆さん大満足でした。

【ツツジ平(コンコン平)】
ちょっとここで湯ノ丸山のレンゲツツジ群落の歴史に触れてみましょう。
昔々・・・湯の丸牧場が明治37年に開牧し、約200~300頭もの牛が放牧されていました。レンゲツツジは、毒性があることから牛には食べられず残り、他のズミやカラマツの幼木、雑草を牛が食べることにより生育環境が整えられ群落を形成することができました。しかし、昭和50年代に牛肉の輸入自由化が始まり、安価で購入しやすい輸入肉が入ってくるようになり、それにより日本の畜産業が衰退していきました。その影響は湯の丸牧場へもやってきました。放牧頭数の減少、さらには牧場の廃止へとつながってしまい、放牧により成り立っていた湯ノ丸山のレンゲツツジ群落が危機的状況となってしまったのです。牛により食べられていたズミやカラマツの幼木・周囲の雑草の成長により、十分な光を受けることができなくなり、レンゲツツジの生育環境は一気に悪化。それではマズイ!と地元自治体や関係者が協力し、保全活動を開始することとなり、放牧の再開を行いました。ただ、放牧頭数は40頭前後と開牧当初よりも激減しました。そして現在、放牧頭数は15頭前後と大幅に減少していますが、高木の伐採や下草刈りなど人間の手による環境整備も平行して行われています。
そうなんです!このレンゲツツジの美しい景色はレンゲツツジ自身の生命力・牛や昆虫による環境整備・そして我々人間の力などのバランスによって今見ることができているのです。
※保全活動に興味のある方はこちらへお問い合わせください↓
湯の丸レンゲツツジ保存会事務局:0279-97-3405 嬬恋村郷土資料館内

植物の他にもこの湯ノ丸山を生息地とする生き物はたくさんいます。たくさんの昆虫も暮らしており、またその保全活動も行われています。自然観察会ではその活動についても紹介しました。

【鹿沢万座パークボランティアによる解説】
昆虫の中でも、ベニヒカゲ(タテハチョウ科 ベニヒカゲ本州亜種)・ミヤマシロチョウ(シロチョウ科 ミヤマシロチョウ種)・ミヤマモンキチョウ(シロチョウ科 ミヤマモンキチョウ浅間山系亜種)という湯ノ丸山周辺の自然環境を必要としている高山蝶がいます。実はこの3種は、それぞれ人間による盗掘や生息地の開発・森林化により食樹(幼虫の餌)が減少し生活環境を奪われ、激減している蝶たちです。これらの蝶を保全していこうと、こちらもまた地元関係者を始めとした我々人間によって、パトロールやモニタリング調査などを日々行い、保全活動を行っています。
このように今回の自然観察会では、生物多様性をキーワードに湯ノ丸山の自然状況を解説していきました。参加いただいた皆さんから、「自然の見方が変わった気がして有意義であった」「生物の多様性といった目線でものを見ていきたい」などのご意見を頂戴し、我々スタッフも手応えを感じる事ができ嬉しく感じました。


あなたの、そして人間の生活に欠かせないものはなんでしょうか?では、それは何から作られているか考えた事はありますか?思い浮かぶ多くのものが自然由来のものであるはずです。そして、その自然を構成しているのが、「生態系」「種」「遺伝子」の3つのレベルからなる“生物多様性”です。
私たち人間は生物多様性の恩恵を受けて生きています。人間活動により失われてしまった生物多様性は数多くあります。また、人間活動により守ることのできる生物多様性もあります。まずは、日常生活を振り返っては見ませんか?そして、生物多様性の保全・自然環境の保全について目を向けてください。生物の多様性のために自分のできることがきっと見えてくると思いますよ。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ