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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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上信越高原国立公園 万座

187件の記事があります。

2009年10月20日紅葉のメカニズム

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

ちょっと題名をおしゃれにしてみました!“メカニズム”って書くと科学的ですね。
今回は、「紅葉」についてお話ししたいと思います。みなさんご存じかと思いますが紅葉にも様々な色がありますよね。一般的には葉の色が変わることをまとめて「紅葉」と呼びますが、実は厳密に言うと色の違いで呼び名が違うんです。赤く色づくものを「紅葉(こうよう)」黄色く色づくものを「黄葉(おうよう)」褐色に色づくものを「褐葉(かつよう)」と表します。

まず、鹿沢にある角間山の現地調査に行ってきたときの写真をご覧いただき、紅葉について説明させていただきます。
さてこちら、角間山登山口に向かう途中で撮影した1枚です。イタヤカエデの黄色が確認できると思います。お日様に照らされとてもキレイでした。


続いて、角間山登山道沿いで存在感をたっぷり表していたドウダンツツジの赤です。

今回は撮影できていなかったのですが、褐色はどんぐりの木でおなじみのミズナラなどの茶色っぽい色の葉になります。

さて、紅葉にも違いがあるとお解りいただけたと思いますがそれぞれどうしてその色になるのでしょう。夏の間は緑色に見えますよね。それは、葉の中に「クロロフィル」という色素があり日の光をエネルギーに変えています。秋になると日差しが弱くエネルギーが不足してしまい、クロロフィルが分解されてしまいます。その為残った色素により紅葉が起こると考えられています。
紅葉は夏の間で作られた糖分から「アントシアン」という色素により、赤くなります。ちなみに、アントシアンが作られるためには8℃以下の低温と十分な光が必要とされています。
黄葉はもともと葉に含まれていた色素「カロチノイド」がクロロフィル分解され、確認できるようになったため黄色く見えるのです。
褐葉は紅葉と同じ仕組みですが作られる色素が違います。「フロバフェン」という色素が作られるため茶色っぽくなります。

また美しく紅葉するためには、①昼夜の気温差が大きいこと(クロロフィルの分解促進)②夏の十分な照射(アントシアンの形成)③適度な湿度(枯れてしまわないよう)といった条件も必要になるようです。紅葉の色・仕方・意味いろいろとありますね。それに、厳しい自然環境の中で色々と工夫している草木に感心しました。


万座事務所管内ではまだもう少し紅葉が楽しめそうです。自然の力に癒され、パワーをもらいに来ませんか。


【角間山登山道から見た景色】(奥の噴煙を上げているのが浅間山です。)

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2009年09月14日キレイなんだけれど・・・

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

さて、ご覧ください。

わー!!きれいなお花畑♪
・・・ではないですっ!!!「オオハンゴンソウ」といって特定外来生物に指定されている植物なんですよ。「特定外来生物!?」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないかと思いますので、ご説明させていただきます。

特定外来生物とは、《海外起源の外来生物(もともとその地にはいなかった生物)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定される。飼育・栽培・保管・運搬・販売・譲渡・輸入などが原則として禁止されている》ものであり、外来生物法で規制し注意を呼びかけているものです。

さて、その中の1つオオハンゴンソウの特徴についても知っていただきたいので・・・原産国は北米で日本には明治中期に観賞用として導入されました。寒冷で湿潤な気候を好み種子と地下茎から生育範囲を広げていきます。その強い繁殖力から在来植物への影響が懸念され、平成18年2月より特定外来生物に指定されました。
そのオオハンゴンソウが先日、万座自然保護官事務所管内で確認され、関係団体と駆除活動をおこないました。駆除をするにあたり、種子の散乱・根からの繁殖を防ぐため、花部の切除・根っこから引き抜くことを念頭に置き作業に取りかかりました。


9月に入りめっきり秋の気候となった草津町でしたが、この日は天候も良く、オオハンゴンソウの強い生命力と戦い、暑い暑い。活動に参加していただいたみなさんも額の汗を拭いながらの作業となりました。作業を進めていくと除去後の場所は「ポッカリ」と、見通しが良くなってしまいました(ハンゴンソウだらけであったようです)。


今回で、来年度の繁殖が少しは抑えられるのではないかと期待する反面、根が太く引き抜けたとしても途中で折れてしまったり・・・根絶までには相当の時間を覚悟させられる作業となりました。


我々人間により取り入れられ人間により排除される・・・
オオハンゴンソウを始め外来生物は自分たちの子孫を絶やさないため、ただただ一生懸命なのです。だからこそ強い生命力を持ち、たまたまそこに根付き棲みついてしまっただけなのです。が、それは在来生物も同じ事。日本固有のものは一度絶えてしまったらもう二度と戻りません。今回私たちが行ったのは“有るべきものを守る”その為での活動です。

「生物多様性」が重要視されている今、私たち「人」は自由だからこそよく考え「人」だからこそ行動する義務があるのではないでしょうか。

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2009年08月05日学生による国立公園内活動

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

こんにちは。
AR日記をご覧の皆様、いかがお過ごしですか。夏になりましたが、なかなか太陽の顔が確認できない今日この頃。気持ちの良い登山をするならやはり晴れ間が見えないと!晴れてるときの眺めはサイコーですからね♪そんなことでお空のご機嫌が少しでも早く良くなることを願いつつ、毎日を送っております。
さて只今、万座自然保護官事務所では「草津・白根・万座をきれいにする会」が夏期間受け入れている学生の国立公園内活動の指導をさせていただいております。彼らの名前は「万座地区サブレンジャー」!!かっこいいですよね。業務としては国立公園内の巡視・清掃、インタープリテーションを主に行っております。ここでサブレンジャーの活動写真をご覧いただきたいと思います。


【自然解説】
身近なのに意外と気付かない「自然」をサブレンジャーがご案内いたします。


【刈り払い】
笹に埋もれていた歩道や利用施設を見事によみがえらせてくれました~!!


【スライド上映会】
主に白根山系の植物について花の名の由来や特徴などをサブレンジャーの解説付きでご紹介しています。サブレンジャーの巧みな話術に引き込まれること間違いなし!!!

ちなみに、万座サブレンジャーは7月19日~8月25日までの間活動しています。白根山系で見かけたら声をかけてみてください。サブレンジャー・ベストと緑の腕章が目印です。まだまだ、活動の様子についての紹介をしきれない部分がたっっくさんありますが、今回はこの辺で・・・

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2009年06月03日湯ノ丸山レンゲツツジの時期になりました。

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

お久しぶりです、小林です。
久々の投稿になってしまいましたが思い出してくださいましたか?
きっと思い出してくれたと思いますので、最近の小林活動報告をさせていただきたいと思います。

5月28日に湯の丸高原へ行ってきました。
湯の丸高原では毎年、地元の各関係者をはじめボランティアの方々によってレンゲツツジの保護活動が年に数回行われております。活動としてはレンゲツツジの生育状況をよくするため、周囲の整備を行います。主に、剪定や場合によって周囲の木を伐採したりして日当たりを良くしたりします。本年も5月末より活動が始まりました。今回は本年度2回目の保全作業が行われました。それに合わせて、東京から力強い助っ人が来てくれました。郁文館高等学校の生徒さんです。


【カラマツの伐採作業中】
約100名を超える生徒さんが雨の降る肌寒い中、切り分けた木の運び出しなど頑張ってくれたおかげで作業がスムーズに進みました。これから綺麗な朱色が一面に広がってくれることでしょう。
また、毎年行っているおかげで活動の成果が目に見えてわかりました。十分な日当たりを確保できたようでイワカガミやミツバオウレンがあちらこちらで確認できました。


【イワカガミ】

【ミツバオウレン】
この活動がレンゲツツジだけでなく様々な高山植物にもとても良い影響を与えているのだなと感動させられました。


6月1日には湯ノ丸の山開きも行われました。中旬くらいにはレンゲツツジが咲き始めるかと思います。約60万株のレンゲツツジが咲き乱れている様子を皆さんにお知らせしたいと思っておりますので、楽しみにお待ちくださいね。

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2009年05月11日浅間山登山道の点検に行ってきました。

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

5月6日に行われた浅間山開きに伴い、登山道の点検に参加してきました。

登山道が複数有り今回は高峰側から登る「黒斑コース」と浅間山荘から登る「火山館コース」の2班に分かれ入山しましました。
私は、黒斑コースに参加させていただきました。この黒斑コース、スリル満点でした!
トーミノ頭から草すべりという名前のついた傾斜面では雪がまだまだあるのでアイゼン・ストックを握りしめ“ちょこちょこ”歩きになっていました。やはり標高が2000m以上ですので雪がまだまだ残っており寒いです。


【トーミノ頭付近】

そんなこんなでヨイショ、ヨイショと下っていたときにカモシカに出会えました!!かなぁり可愛かったです。トコトコピタッ、ジー・・・トコトコピタッ、ジー・・・と歩いては振り返っている姿がとても愛らしかったです。同じ子かはわかりませんでしたがその後も2度ほど可愛い姿を見せてくれました。


もう1班と火山館で合流し、小諸消防署職員の方より救助訓練の講習を受けました。担架での救助や、紐を使った救助の方法などを教えていただきました。山岳地帯での救助は、道幅も狭いですし危険も伴うので時間も救助に関わる人もかなりの数必要になるそうです。登山はとても楽しいですが、無理をしてまで登らず自分の体と相談して楽しみましょうね。

【ロープで作る簡易担架】

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2009年04月23日祝 志賀草津道路(国道292号)開通

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

11月から4月まで冬期閉鎖されていた志賀草津道路の開通式に出席してきました。
再開通式前日は雨が降っていたのですが、当日はお天気にも恵まれ暖かな日差しの中式典が執り行われました(風もテンション高くお迎えしてくれました)。


【若松Rによる玉串奉奠】

【草津側の始めのお客さん】
(前日からゲート前に並ばれていたそうです。)

例年より雪の量は少ないようでしたが雪の壁に囲まれた部分もあり様々な景色が見られる道路でした。
この志賀草津道路は日本で一番高い標高を走る国道だそうです。
なんといっても眺めが良い!!
感想をお伝えしたいのですが、私のつたない文ではなかなか表現できず・・・
何はともあれ、百聞は一見にしかず!足を運んでいただく価値有りだと思いますよ♪
かなり感動ものでした。


涸釜西側からの景色】
(見えにくいかと思いますが写真右側に292号が通っています。)

ちなみに、標高が2000m程になりますので暖かな格好でお出かけくださいね。

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2009年04月16日○ご挨拶○

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

はじめまして。
4月より上信越高原国立公園・万座のアクティブレンジャーになりました、小林です。
まだまだ勉強中の身ではありますが、ホヤホヤの湯気ある情報を皆さんに発信していけたらと思っています。

さて、暖かな日が4月に入ってから何日か続きましたが、
昨日と今日にかけては肌寒く感じます。
そんなことで朝は上着が欠かせません。
朝がた鹿沢の周辺を散策してみましたら。。。


出ていました!フキノトウ!!
かわいいですよねぇ。
まだ寒さの残る中頑張って顔を出している姿を見ると、
心が“ほんわか”と暖かくなります。

ちなみに私のおります、万座自然保護管事務所は4市6町2村を所管区域とし、
その中の一つ、嬬恋村に事務所を構えています。
未だ、鹿沢や万座には残雪がみられますが、
少しずつ春の便りが届き始めました。
遅めの春をこれから迎えようとしています。



浅間山についてお知らせです。
先日7日、浅間山の警戒レベルが3(入山規制)→2(火口周辺規制)へ引き下げられました。
(詳しくは群馬県庁ホームページ「浅間山に関する情報」よりご確認ください。)
ただし、火山活動は引き続き高まった状態が続いており警戒が必要なようです。


【鬼押しハイウェーから】
(噴火口に雲がかかっており噴煙の様子は確認できませんでした)

~お知らせ~
今年も鹿沢インフォメーションセンターでは様々なトレッキングイベントを予定しています。
パークボランティアのガイド付きなので、人と自然のふれあいの中で新発見はもちろん再発見もあったり・・・きっとステキな体験が出来るのではないでしょうか。皆さんの参加お待ちしております♪
7月下旬には浅間火山のトレッキングのイベントも予定しているのでこのまましばらく落ち着いていてくれたらなぁと感じてます。
各種イベント詳細はこちらへどうぞ↓
http://www.kazawa.jp/event-detail.php?no=1

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