ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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中部山岳国立公園 松本

241件の記事があります。

2019年03月13日外来植物の分布調査をまとめる

中部山岳国立公園 関根陽太

こんにちは。

   

先日、外来植物の分布調査について書きましたが、

GPS機能付きカメラで撮影した後は、どうするのか紹介したいと思います。

   

   

これが、調査で撮った写真です。

パソコンで確認すると、位置情報が記録されているのが分かります。

    

    

この位置情報を活用しGIS(地理情報システム)ソフトで処理すれば・・・

    

   

あっという間に分布図ができあがり。

   

    

メッシュ状に分布密度を表すこともできます!

    

この調査方法のいいところは、

・目印の少ない大自然の中でも位置情報を記録しやすい

・後からでも撮影した写真から同定ができるので、誰でも調査に参加できる

・写真を撮るだけなので、判別記録の為に植物を採らずに済む

・とりまとめる人が交代しても、引き継ぎがしやすい

などなど、沢山あります。

    

上高地では調査結果をもとに、

種類ごとの危険度や分布図の経年変化などを参考にして対策にあたっています。

    

詳しい結果は信越自然環境事務所のホームページに掲載しましたので、ぜひご覧になってください。

http://chubu.env.go.jp/shinetsu/pre_2019/30_6.html

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2019年03月12日外来植物を探す

中部山岳国立公園 関根陽太

こんにちは。

上高地は国立公園、山岳観光地として昔から多くの人が訪れています。

大自然の中で人が活動すると問題になってくるのが、外来植物です。

  

もともと上高地には生えていなかった植物が定着してしまうと、

景色を変えてしまったり、生態系に影響を及ぼしてしまったりすることもあります。

  

そんな外来植物を除去する活動もありますが、上高地では分布調査もしています。

  

  

夏に調査した様子を見てみましょう!

  

  

釜トンネルから横尾までの約13キロの谷にある車道や歩道をくまなく歩いて調査します!

歩きながらも目を光らせ、外来植物があればGPS機能が付いたカメラで撮影します。

  

上の写真は、発芽したばかりの外来植物を見つけたところです。

おしゃべりに夢中になると見落としてしまいそうになります!!

  

果てしなく地味で作業量が多いですが、この積み重ねが外来植物の蔓延を防ぐのです。

  

実はこの調査、パークボランティアさんの有志活動がきっかけで平成11年頃に始まりました!

その後、管理官事務所と信州大学が協力して調査方法を確立させてきたのです。

  

上高地の景色の裏には、こんな活動もあることを知ってもらえると嬉しいです。

  

詳しい結果は信越自然環境事務所のホームページに掲載しましたので、ぜひご覧になってください。

http://chubu.env.go.jp/shinetsu/pre_2019/30_6.html

  

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2019年01月21日乗鞍高原の楽しみ方 * 春 * 

中部山岳国立公園 丸山由起子

みなさん、こんにちは!

冬期(11月~4月)は積雪により現地でできる作業が限られるため、アクティブ・レンジャーの

仕事は事務作業が多くなります。

そんな事務作業の合間に、春~秋に紹介できなかった乗鞍高原や乗鞍岳のきれいな風景とともに

乗鞍高原の楽しみ方をポツポツと紹介したいと思います!

今回は春の見所をご紹介♪

【 ミズバショウ 】

ミズバショウは4月中旬頃から咲き始め5月下旬頃まで楽しめます。

乗鞍高原は標高1300m~1600mくらいと標高差があるので、標高が低かったり少し暖かい

場所から咲き始め、徐々に広がっていくため時間差で長く楽しむことができるのです。

ここ数年はゴールデンウィーク頃に見頃を迎えています。

おもな見所は一の瀬、牛留池、宮の原などです。

参考地図-->乗鞍高原トレッキングマップ.pdf

参考HP--> のりくら観光協会公式サイト https://norikura.gr.jp/product/white-arum-area/

        詳しい地図へのリンク等がありますのでご覧になってみてください。

 

 

【 スモモやコナシの花と 「すもも祭り」 】

 

乗鞍高原のスモモは、昔々鉱山で仕事をする人たちがおやつとして食べたスモモの種を

捨てたものから増えたと聞いています。

残雪の乗鞍岳を背景に咲くスモモやコナシの白い花がとてもきれいです。

また5月中旬過ぎ頃には開山祭とグリーンシーズンの始まりを祝う「すもも祭り」が

開催されます。

草原にレジャーシートを敷いてのんびりと楽しむのがおすすめですよ。

 

 

【 エコーラインの雪壁と大雪渓での春スキーや雪遊び 】

 

積雪状況にもよりますが例年ゴールデンウィーク頃よりエコーラインの春山バスの運行が始まり、

雪壁の中を位ヶ原山荘や大雪渓までシャトルバスで上がれるようになります。

大雪渓バス停付近で雪遊びするもよし、雪山装備やスキーでさらに上に行くもよし、下界では

暑さが増してくる頃に槍穂高連峰を望む絶景の雪の中で涼しさを満喫することができます。

**ご注意** 

 乗鞍岳は3000m級の山ですので天候が崩れると春でも冬山に逆戻りします。

 登山等される方は十分な雪山装備でのぞんでください。

 

 

このように春の乗鞍は、高原では花咲く春を満喫し、山の上では雪遊びというふたつの季節を

楽しむことができる場所です。

ぜひ今年の春に遊びにいらしてください!

 

乗鞍高原を訪れたら、まずは観光案内所や乗鞍自然保護センターで旬の花情報やマップを

入手してくださいね。

とっても広いので意外と迷いやすいのです。

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2019年01月18日写真展開催中★安曇野市にて

中部山岳国立公園 佐藤怜子

平成31年1月9日より安曇野市穂高交流学習センター「みらい」にて開催中の平成30年度アクティブ・レンジャー国立公園写真展の様子を紹介します。展示期間は1月24日まで。ぜひお越し下さい☆

この写真展は、環境省職員アクティブ・レンジャーが各担当地区で業務中に撮影した写真を使用しています。

国立公園内の美しい風景や、あまり知られていない業務の様子など、様々な写真40点程が並びます。

【展示会場が美しいので写真も映えます】【みらい特別展示① ~常念山脈特集~】

会場が安曇野市ということで、特別に安曇野市になじみ深い常念山脈の風景写真を展示しました。

また、その常念山脈に生息するライチョウの写真を10点程展示しました。

【みらい特別展示② ~ライチョウ特集~】

「良い写真だね~」と足を止めてじっと写真に見入って下さる方や、「ライチョウさんかわいいね~」とお子さん連れで訪れて下さる方。多くの方がご来場下さりました。

「ライチョウさん好き~!」と嬉しそうに写真を見ていた2歳の女の子がとても印象的でした。

2歳でライチョウを知っているなんて!(^^)

【ライチョウクイズに挑戦!! ~こどもからおとなまで多くの方が挑戦~】

環境省で保護増殖活動に取り組んでいるライチョウについて、楽しく学んでもらうためにクイズを設置しました。「ライチョウの羽が換わることを初めて知った!」と驚きながら解説をじっくり読んで下さる方もいて、ありがたいかぎり(^^)

【会場の様子 -展示写真は全て平成29年度に撮影されたものです】

当写真展は平成20年度より環境省の事業の一環で毎年継続して行っている写真展です。

毎年、展示写真が変わり、環境省信越自然環境事務所管内を1年間でおよそ1ヶ月ずつ巡っていきます。

会場は、毎年同じ場所で開催されるとは限りませんので、ご了承下さい。

詳しくは下記HP等でご確認下さい。

アクティブ・レンジャー写真展について http://chubu.env.go.jp/shinetsu/pre_2018/30_5.html 

会場 穂高交流学習センター「みらい」について http://www.city.azumino.nagano.jp/site/mirai/

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2019年01月17日ニホンザル対策の報告会 その2

中部山岳国立公園 上高地 関根陽太

こんにちは。

先日のAR日記に書いた、研修会での内容をざっくり書きたいと思います。

上高地のニホンザルは特別な種類ではないですが、次のような特徴があります。

・極寒の地(冬は-20℃近い日もある)に通年で暮らす

 ・高山帯に登る(1,500m付近から3,000m峰まで利用する群れもある)

 ・水生昆虫を食べる

 ・人間に依存しない

サルの仲間は熱帯地方に多くが分布し、

世界から見ても日本の雪国にサルが生息していること自体が珍しいのです!

そのなかでも、上高地のサルは人間からエサや農作物を得ていなく自立していて、
学術的にも貴重な個体群と言われています!!

そんな貴重なサルですが、

H18頃から売店前の水槽で冷やしていたリンゴを取って食べてしまう案件が多くなってきました。

エサを介してしまうと人慣れが一気に進行してしまい、

他の国立公園や観光地でもみられるように、
人に飛びついたり、物を奪ったりするようになってしまいます。

そこから、上高地関係者と管理官事務所が協力して、

食品管理強化や追い払いの講習会、エサやりの注意喚起を行ってきました。

今年は、管理官事務所の事業の一環で、

自然公園財団に野生生物専門対策員を雇用していただき、

巡視や追い払い、普及啓発活動などを行ってもらいました。

外国人利用者も多いため、英語と中国語で伝えられるボードを作成しました。

このように10年以上対策に取り組んでいる上高地ですが、

人慣れが進み威嚇行動が見られてきたが、直接人間に襲いかかることはほとんどありません。

他地域のように劇的に悲惨な状況にはなっていなく、

なんとか現状維持できていることは取り組みの成果だと思います。

今後も上高地では、追い払いの実施と利用者への普及啓発に地域で取り組んでいこうと思います。

また、近年はハシブトガラスに弁当やおやつを取られる案件も出てきています。

ハシブトガラスは上高地の生態系の一員ですが、

このままではサルと同じように問題となってしまいます。

カラスについても試行錯誤の始まりです。

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2019年01月15日ニホンザル対策の報告会 その1

中部山岳国立公園 上高地 関根陽太

こんにちは。

ニホンザルの対策について書かせてもらいましたが、

シーズン末には、上高地ネイチャーガイド協議会の研修会の一環で、

「上高地のニホンザルの現状と対策」の報告と意見交換をしました。

研修会でお話しした内容は改めてAR日記に書こうと思いますが、

意見交換ではガイドの皆さんならではの意見や情報がたくさん挙がりました。

たとえば、「団体ツアーにもっと効率よく啓発を行った方が効果的なのでは。」といったことから、

「ガイドをしているときに多くのお客さんがじっくり見る看板がある。そのような看板をうまく使うといい」などなど。

また、今年作成したポスターについても良い点や改善点など、

どんどん意見を出し合い、時間が足らなくなるほど盛り上がりました。

上高地一同、試行錯誤でサル対策に取り組んでいますが、

自然の中で楽しむ人のマナーが大切です。

私たちにできることを考えてみませんか?

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2019年01月11日ニホンザル対策

中部山岳国立公園 上高地 関根陽太

こんにちは。

上高地のニホンザルの人慣れ問題について何回か書いていますが、

昨年は、施設の方、ガイドの方、ボランティアさんなど

多数の方々に協力してもらい、地域一丸となって対策に取り組みました。

対策は今まで「追い払い」に重点が置かれていましたが、

ここ最近は利用者に対する「普及啓発」にも力を入れています。

「追い払い」は、人やエアガン(弾は自然に返る天然素材です)等で

利用者の多い場所に近づいたサルを脅かして、一定の距離を取るように誘導します。

「普及啓発」は、利用者へ野生動物を観察する際の注意点を伝えるものです。

利用者が安全に、そしてサルの人慣れを進める要因を作らないことが大切です。

サルに「利用者が多いところは避けてね。」と言ってもなかなか伝わりませんが、

利用者の皆さんなら、上高地の事を考えて行動してくれます。

「近づきすぎない、エサをやらないで」などのマナーを伝えながら、

上高地のサルの生活も伝えます。ときには道案内や山や花の名前も。

少しずつですが、ヒトとサルが適切な距離を取り戻せるようにできればと思います。

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2019年01月08日上高地アクティブ・レンジャーの冬

中部山岳国立公園 上高地 関根陽太

すっかり年も明け、久しぶりの投稿です。

本年もよろしくお願いします。

  

上高地はオフシーズン!

アクティブ・レンジャーはいったい何をしているのだろう?

と不思議に思う方も多いかもしれません。

  

上高地で越冬? それとも長い冬休み? もしや解雇??

いえいえ、山麓の中部山岳国立公園管理事務所で働いています!

  

この時期に来シーズンに向けて準備が沢山あるんです!

  

上高地は開山期を通してマイカー規制がありますが、

毎年この時期に、上高地の関係者・機関が協議会として話し合い、

来シーズンはどのようにするか決めています。

  

特に混雑する日は、観光バスとマイクロバスも規制しているので、

この日程決めは、特に念入りに打合せが必要です。

  

中部山岳国立公園管理事務所が事務局を務めているので、

アクティブ・レンジャーもマイカー規制関係の業務を行っています。

  

ちなみに昨シーズン(4/17~11/15)に何人が上高地を訪れたか想像つきますか?

なんと、約114万人です!

夏休みや連休などは一日に1万人が訪れる日もあります。

  

みんながマイカーで乗り付けては、駐車待ちと大渋滞で散策どころではありません。

快適に上高地を楽しんでもらうために、マイカー規制にご協力いただいております。

  

特に夏休みや紅葉の時期、天気のいい連休などは、利用が集中してしまい、

バスやタクシーを待つ長い列ができることがあります。

平日や6月は比較的空いているので、ゆっくりと上高地の景色を楽しめオススメです。

さっそく今年の予定を立ててみてください。

 

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2018年11月27日上高地閉山&冬期利用について

中部山岳国立公園 佐藤怜子

11月15日、北アルプスの自然の恵みへの感謝と穏やかな来春の到来を願い、上高地閉山式が行われました。

開山期間中に大きな事故などなく無事に閉山を迎えることができ、ほっと一息です。

閉山式当日は快晴☆

こんな良いお天気の中の閉山式は非常に珍しいとのこと。(例年、寒空の下です)

【快晴の上高地!】

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【神事の様子-穂高神社の宮司さんが祝詞をあげました】

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【にぎわう様子-多くの人が河童橋のたもとに集いました】

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山に感謝。自然に感謝。人に感謝。

閉山に伴い、我々の上高地管理官事務所も閉所いたしました。

閉山期間中は、中部山岳国立公園管理事務所にて勤務しています。閉所して1週間が経ちましたが、上高地が恋しいです...(T_T)

冬期期間中については、冬山であり危険が伴うので安易な入山は控えるようにして下さい。

また、入山する際は注意事項を必ずご確認下さい。

【上高地冬期入山ルール】

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詳しくは下記HP等でご確認下さい。

リンク http://chubu.env.go.jp/shinetsu/to_2018/post_99.html 中部地方環境事務所

http://www.kamikochi.or.jp/winter/5513/ 上高地公式ウェブサイト

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2018年11月08日* 子どもパークレンジャー大活躍 @乗鞍高原 *

中部山岳国立公園 丸山由起子

11月4日(日)、乗鞍高原で子どもパークレンジャーを開催しました。

活動のテーマは『 乗鞍高原一の瀬園地 景観回復大作戦! 』というものです。

 

乗鞍高原の一部は中部山岳国立公園に指定されていますが、地域の人が生活の場として

利用する里山でもあります。

昔は燃料として木を切ったり、つい数年前までは牛を放牧していたりと盛んに活用されていました。

そのため一の瀬園地は放牧によって形成された半自然草地で、草原景観の広がる場所だったそうです。

 

【 長野県乗鞍自然保護センターに展示されている昔の写真 】

  

 

環境省の中部山岳国立公園南部地域管理計画書にも「保全すべき自然環境」として

「乗鞍高原の半自然草地」とあります。

しかし最近は生活様式や時代の変化により木はそれほど必要とされなくなり、

草や木の芽生えを食べる牛もいなくなって、シラカンバやハンノキなどの成長が著しく

草原景観が失われつつあります。

 

そこで子どもパークレンジャーのみんなに、一の瀬園地の草原景観を復活させるべく

活動をしてもらいました。

 

まずは長野県乗鞍自然保護センターで乗鞍の自然や昔の生活のことを学びました。

 

そして一の瀬園地へ移動し、草原景観回復のため幼木の伐採を行う準備です。

 

みんなで【 さぁ、やるぞー!! 】のかけ声。

おや?あまりノリが良くないかな?

 

彼らの後ろに写っている場所では、シラカンバの幼木が下の写真のように

ヒョロヒョロとたくさん生えてきてしまっています。

今回はこれらの幼木を切ってもらいます。

 

かけ声のノリはいまひとつでしたが、根気のいる作業をみんな熱心にやってくれました。

 

切った幼木はリサイクルとして後で鉛筆作りに使うので枝切りばさみを使って

枝を切り落としておきます。

 

 

みんなで力を合わせ、1時間半ほどの作業でこんなにすっきりとさせることができました。

 

景観回復大作戦は大成功ですね♪

  

最後は切った木に芯を入れて削り、色鉛筆を作りました。

みんな個性豊かな色鉛筆ができたね♪

 

【 ボクは赤・青・緑の色鉛筆をつくったよ! 】

 

色鉛筆づくりが早く終わった子は、その色鉛筆を使って絵を描いてくれました。

 

今回参加してくれた子どもたちが乗鞍高原の自然の守り手になってくれることを期待します!

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