中部山岳国立公園
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2018年07月27日*高山植物開花状況@乗鞍畳平お花畑*
中部山岳国立公園 丸山由起子
7月26日、乗鞍畳平にて飛騨乗鞍観光協会主催の自然観察教室が開催され、その講師の
一人として参加してまいりました。
今年は雪融けが早く暑い日も多いため、乗鞍畳平では例年よりも高山植物の開花時期が
かなり早くなっています。
そこで7月26日現在、お花畑で見ることのできるお花を紹介いたしますね。
乗鞍畳平へお花を見に来られる際のご参考にしてください。
いずれも撮影は7月25日・26日です。
(写真左上から右方向へ順に)
イワギキョウ / ウサギギク / イワツメクサ
コウメバチソウ / コバイケイソウ / シナノオトギリ
ハクサンボウフウ / オンタデ(雄花) / シナノヒメクワガタ
ミヤマアキノキリンソウ / モミジカラマツ / ヨツバシオガマ
ミヤマクロスゲ / ネバリノギラン / ミヤマゼンコ
ミヤマハタザオ / ミヤマキンポウゲ / ミヤマアカバナ
雪が遅くまで残る一部の場所では、まだ下の写真のような春の花を見ることができます。
ですがこの暑さでは時間との勝負です!
ハクサンイチゲ / コイワカガミ / ミツバオウレン
チングルマ(花) → チングルマ(綿毛)
※ お花畑のチングルマはほぼ綿毛の状態になっていますが、一部で花を見ることができます。
ただチングルマの花期は1週間ほどと短いためすぐに終わってしまいそうです。
そして高山植物の女王様「コマクサ」
(7月26日撮影)
現在乗鞍畳平では群生しているたくさんのコマクサを見ることができます!
けれど見頃が終わりに近づいているような気配がありますのでお急ぎください。
※ コマクサは乾いた砂礫地を好むため「お花畑」には咲いていません。
鶴ヶ池の周辺や大黒岳、魔王岳、富士岳のそれぞれ登山口付近が見やすくておすすめです。
お花の開花状態は今後の天気状況等によって、短く終わってしまったり長く持ったりと変わりますので、
そのあたりはご了承ください。
乗鞍畳平では、乗鞍岳自然観察教室が8月1日、2日、11日の午前9時半~12時にも開催されます。
お花の説明や乗鞍岳の自然のことなどを聞くことができますよ♪
詳細は以下のサイトをご参照ください。
<乗鞍岳・乗鞍スカイラインHPより>
2018年07月27日上高地銀座
中部山岳国立公園 関根陽太
こんにちは。
子どもたちは、そろそろ夏休みですね~ うらやましい...(笑)
夏の計画を立てている皆さんにお知らせです!
上高地は、マイカーはシーズンを通じて、観光バス・マイクロバスは繁忙期に規制があります。
長野県側からは沢渡、岐阜県側からは平湯(あかんだな駐車場)にマイカーを止めていただき、
シャトルバスかタクシーで上高地においでください。
詳しくはこちら。
マイカー規制をしていなかった時代は、
上高地内に路肩駐車があふれ渋滞が起き、上高地にたどり着くことさえ大変だったそうです。
ちなみに、先日の連休は特に多くの方がいらっしゃいました。
上高地銀座です
賑わっているのもいいですが、皆さんの帰りの時間は重なることが多いので、
バスやタクシーがフル回転しても、乗車待ちが発生することがあります。
7/15(日)はバスターミナルから河童橋の向こうまで、400m以上の乗車待ちの列が伸びました。
混雑を避けたい方は、平日や朝早い時間帯に楽しむことをオススメします!
利用の分散にご協力をお願いします!
2018年07月26日雄山神社で安全祈願
中部山岳国立公園 木村慈延
こんにちは、立山管理官事務所の中山です。
7月25日は、立山連峰の主峰・雄山山頂にある雄山神社峰本社にて登山の安全祈願が行われました。
当日は晴天に恵まれ、一ノ越より上部では涼しい風に当たりながら、また周辺の景色を楽しみながらの登山になりました。
室堂平から一ノ越までは数箇所雪渓上を歩きますので、ご心配な方はストックがあると良いと思います。
一ノ越まで上がると、室堂や大日連山方面の景色、天気が良ければ後立山連峰や槍ヶ岳方面の景色が楽しめます。
今年は、立山ガイド協会がネパール人シェルパの方を招いて一ノ越から三ノ越の登山道整備を行っていただきました。
石組み工により登山道が分かりやすくなりました(岩にペンキでマーキングしてあります)。
とは言え、急な登山道であることには変わりなく落石の危険性もありますので、足元だけでなく頭上にも注意してください。
青空の下、10時頃より雄山神社峰本社にて安全祈願が行われました。
山頂のスペースの関係で私は参列できませんでしたが、景色を堪能できました。
稜線の先には、剱岳がくっきりと見えました(右の写真の中央左側)。
とても暑い毎日が続いており、標高2,450mの室堂平でも日差しがあれば暑く感じます。
水分はこまめに補給し、安全第一の登山を心がけてください。
2018年07月26日地獄谷火山ガスにご注意ください
中部山岳国立公園 中山博人
こんにちは、立山管理官事務所の中山です。
暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、地獄谷は火山ガスによる中毒の危険性があるため、平成24年度から地獄谷内の歩道を通行止めとしています。
地獄谷周辺の歩道(エンマ台から大日展望台の間)でも風向きや天候によって火山ガス濃度が高くなることがあります。
タオルやハンカチ等を水に濡らして口や鼻を覆うことで、火山ガスの影響を軽減できます。
火山ガスに関する情報は、信越自然環境事務所のHP(http://chubu.env.go.jp/shinetsu/post.html)をご覧ください。
火山ガスについては、立山黒部アルペンルートの各駅のポスター及び室堂ターミナルや山小屋等に設置している電光掲示板で案内しております。
地獄谷歩道の通行止めに伴い、立入り出来ないようにゲートを設置しています。さらに、室堂平と天狗平を結ぶ登山道の入口には、地獄谷通行止め案内看板を設置しました。また、7月から10月にかけては、火山ガス情報ステーション及び歩道に火山ガス監視員が常駐し、火山ガスの調査や情報提供等を行っています。
火山ガス情報ステーションと雷鳥荘には水場を設置しており、タオル等を濡らすことができます。エンマ台から大日展望台では各所で火山ガス検知器による濃度計測をしています。
立山は夏山シーズンに入り、多くの登山客や観光客で賑わっています。
【左:チングルマ、右:コイワカガミ】
2018年07月24日夏!
中部山岳国立公園 上高地 関根陽太
こんにちは。
気がつけば、クガイソウやマルバダケブキが咲いてきました。
そう、夏が来ています!
夏と聞くとうずうずしてきますね。
今年はあそこに行こうか。あの山も登りたい。
あー、あっちもいいな~
とかとか、煩悩が止みません。
全国的に猛暑が続いていますが、山はいくらか涼しいですよ!
上高地を散策するだけでもサイコーの1日です
上高地には高山蝶も沢山いるんです。
先日はオオイチモンジをじっくり観察できました!
上高地ビジターセンターでは、毎日ガイドウォークを開催しています。
動植物や地形のことをちょっと知ると、さらに楽しくなります!
【月・水・金】大正池コース 9:00~11:00
【火・木・土・日】明神池コース 9:00~11:00
どちらのコースも参加費は500円
ビジターセンターへ集合、出発、現地解散です!
お問い合わせはこちら
8:00~17:00
TEL:0263-95-2606
2018年07月06日大雨
中部山岳国立公園 関根陽太
全国各地で大雨となっていますが、上高地も大雨となりました。
清流梓川も濁流、激流!
水の勢いで木々も流されてきます。
こんな増水もあるからこそ、ケショウヤナギは生育できるのです。
透明な水を期待した方はガーン。となるかもしれませんが、いつもは見られない景色も!
明神岳に大雨の時しか現れない滝
ここで修行したら強くなれそう。
濁流と清流の合流
右側からは、大雨でも濁らない湧き水がはっきりわかります!
自然っておもしろい!!
昨日は上高地に至る道路が大雨で通行止めに。
今日は遊歩道の一部閉鎖はありますが、道路の通行止めは解除されています。
そんなこともあるので、くれぐれも十分に情報を仕入れてから上高地を楽しんでください。
現地の最新情報はこちら
上高地インフォメーションセンター
8:00~17:00
TEL:0263-95-2433
2018年06月20日薬師岳夏山開きに参加しました
中部山岳国立公園 中山博人
こんにちは、立山管理官事務所の中山です。
少し日が経ってしまいましたが、6月9日、10日と薬師岳夏山開き安全祈願祭及び記念登頂会に参加しました。
この夏山開きでは、夏山シーズンの登山者の安全を祈願しました。
9日は富山市大山町の亀谷(かめがい)温泉郷にある播隆上人(現在の富山市大山地区出身、槍ヶ岳を開山)像の前で安全祈願を行いました。
その翌日に薬師岳山頂にて祠に薬師如来を安置し、再度安全祈願を行いました。
【左:播隆上人像前で安全祈願、右:薬師岳山頂で安全祈願】
登山口である折立から太郎平小屋に向かう登山道には、マイヅルソウやミズバショウ、チングルマ等の花が咲いていました。
太郎平小屋から薬師岳山頂は周辺の展望が良く、水晶岳や黒部五郎岳、雲ノ平と言った黒部川源流域がよく見えました。
また、9日の夕方には富山平野方面にとてもきれいな夕焼けを見ることができました。
【左:マイヅルソウ、右:歩道際にミズバショウ】
【左:太郎平からの夕焼けと雲海、右:水晶岳~槍ヶ岳~黒部五郎岳の展望】
6月10日時点では、薬師峠キャンプ場から薬師岳山荘下部までは雪がつながっており、傾斜がきつい場所もありました。
最新の情報を確認し、必要に応じてアイゼンやストック等をご準備ください。
【薬師岳山荘下部の雪の状況(赤い線辺りを歩きました)】
2018年06月19日*乗鞍畳平に高山植物が咲き始めました*
中部山岳国立公園 丸山由起子
先週(6月13日)のことになりますが乗鞍畳平へ現地調査に行ってきました。
■お花畑
6月13日時点ではお花畑へ下りる階段に雪が残っているため立ち入り禁止でしたが
雪にステップを切る作業が行われ、6月17日から通行可能となっています 。
<お花畑の木道が見えています>
<ステップを切る作業中>
今年は畳平の高山植物の開花も早いようで、もうハクサンイチゲが咲いていました。
鶴ヶ池の周りなどではキバナシャクナゲが、富士見岳への登山道ではコメバツガザクラや
ミネズオウが咲いていました。
これから次々といろいろな花が咲き始めるでしょう。
■生きもの
乗鞍畳平へお越しになる多くの方々が「会いたい!」とおっしゃるライチョウたち。
今は繁殖期のためオス達はなわばり争いで大忙し!
人間の存在をあまり気にせず動き回っているため出会う確率が高いですよ。
調査当日も2羽のオスのライチョウがかなり長い時間、空中戦をやっていました。
<岩の上で見張るライチョウ>
<侵入者を発見して飛んだ!>
他の鳥たちも元気です。
イワヒバリは岩の上で高らかに歌を歌っていました。
人をあまり恐れないので、ソーっと近くまで寄ることができますよ。
■アクティビティ
鳥だけでなく、人も元気です!
この時期でも雪が残る大雪渓ではスキーを楽しんでいる方々がいらっしゃいました。
雄大な景色を眺めながら滑るのは気持ちよいでしょうね。
もちろん登山もできます。
大黒岳、魔王岳、富士見岳の登山道に積雪はありません。
剣ヶ峰への登山道には積雪が残っている場所が2箇所あります。
雪の状況によってはアイゼン等の滑り止めが必要になりますのでご注意ください。
<富士見岳頂上からの畳平>
■ご注意&お願い
○剣ヶ峰登山の際は登山届けをバスターミナル内の案内所に設置されているBOXへご提出ください。
○登山道に雪が残っている場合、雪を避けようと登山道を外れて登る方がありますが、落石の危険や
植生にダメージを与えますのでおやめください。
○天気が悪い時などは気温がかなり下がります。防寒対策をお忘れなく。
○乗鞍岳はツキノワグマの生息地です。夏は高山植物が豊富な畳平に上がってきます。クマ鈴等を
利用し突然の遭遇の予防をお願いします。
梅雨時期なので天気が悪いことも多いですが、ライチョウに出会う確率が高い時期ですし、
高山植物も次々と咲き始めるとても良い季節です。
ぜひ乗鞍畳平へお越しください!
※リアルタイムな乗鞍畳平の情報は、以下のサイトや現地の案内所等でご確認ください。
○乗鞍岳・乗鞍スカイライン公式サイト https://norikuradake.jp/
○飛騨乗鞍観光協会HP http://www.hida-norikura.com/norikura/
○現地問合せ先(乗鞍バスターミナル内 乗鞍総合案内所) 090-8671-3191
2018年06月11日*乗鞍山麓五色ヶ原の森 開山祭&現地視察会*
中部山岳国立公園 丸山由起子
平湯からこんにちは。
ちょっと前のことになってしまいますが、5月20日に岐阜県の乗鞍岳山麓にある五色ヶ原の森の
開山祭と現地視察会に参加しました。
<開山祭の様子>
五色ヶ原の森は乗鞍岳の溶岩台地になっていて、溶岩と溶岩の隙間が多いため空気がたまりやすく、
冬に冷やされた冷たい空気が隙間から外に流れ出して夏でも涼しいのです。
そのため実際の標高は1500mほどですが、標高2000mくらいの植生を見ることができる場所に
なっています。
下の写真のように溶岩が積み重なって塊になっているような状態を地元ではゴスワラと呼んでいて、
このような岩が積み重なった隙間に空気がたまります。
<ゴスワラ>
この岩の隙間から冷たい風が流れてきて、まるで天然のクーラーのように涼しいんですよ。
今回の視察では五色ヶ原の森のガイドさんの案内でシラビソショートコースを歩きました。
「フキノトウは大きくなっても葉っぱを天ぷらにするとおいしいよ。
茎もポキッと折れればまだ十分柔らかいから冷たい流水にさらしてアクをとると
おいしく食べられるよ。」
【ご注意】五色ヶ原の森は国立公園内ですので、みなさんがフキノトウを取るのは
別の場所でお願いしますね。
「シラビソの幹にある小さな膨らみを指でつぶすと香りのある液が出てくるから、ガイドをしていて
へばってしまった人なんかがいると、それをこめかみにちょこっとつけたり、なめたりして
気付け薬みたいに使うんだ。 山ではそこにあるものでなんとかしないといけないことも多いからね。」
私もつぶしてみました!
感覚は人それぞれですが、私は柑橘系とミントが混じったような爽やかな香りを感じました。
それをちょっぴり唇につけてみたら、ずいぶんと長い時間スーッとした感覚がありました。
でもこの液にはヤニ成分が含まれていてかなりべたべたするので、液に触るのは
ほんのちょっぴりがおすすめです。
「クリの木はコケが付きにくいから、木道なんかに使うと滑らなくていいんだよ。」
地元の歴史や生活、乗鞍の自然や山で生きる知恵などを聞きながら歩く森の中は
新しい発見が多かったです。
そして視察会のフィナーレにはそれにふさわしい景色が眼前に広がりました。
<布引滝>
五色ヶ原の森は入山者数を制限して自然を保護しています。
そのため完全ガイド制になっていて予約が必要ですので、詳しくは乗鞍山麓五色ヶ原の森の
ホームページをご参照ください。
○ 五色ヶ原の森HP <http://goshiki2004.com/ >
また昨年の記事もご覧下さいね。
日頃から上高地では外来植物対策を行っておりますが、今日は、地元の安曇小学校3・4年生の活動について紹介します。
「上高地のために外来植物について学び、実際に除去を行いたい」という思いを持って上高地へやってきた3・4年生7名。上高地の外来植物についての説明をしっかり聞き、除去作業を一生懸命行ってくれました。
除去したのは、エゾノギシギシです!
1株に数千個から数万個の種を付けるエゾノギシギシの穂の刈り取りを行いました。除去の方法については、根から抜き取ることも大事ですが、種子を拡散しないよう穂を刈り取ることも分布拡大を妨げる効果があります。
【できるだけ根元近くからしっかり刈り取るぞ!】
【刈り取りに慣れてきたよ!】
【あっちにもこっちにもあるよ!】
【他の草があっても見分けられるぞ!】
【ゴミ袋3袋分になったよ!】
3・4年生のやる気パワーでエゾノギシギシの穂8.5㎏刈り取ることができました。
みんな、上高地のために活動してくれてありがとう!!
活動を終え、まとめの会で感想や分かったことを発表してもらいました。
「エゾノギシギシの実物をしっかり見て知ることができた」や「在来種や似ている植物との見分け方を知ることができた」「種が数万個もあることに驚いたし、実際に取ってみると本当にすごくいっぱい種があることが分かった」などエゾノギシギシについて分かったことや、「他の外来植物にも取り組んでみたい」など次の活動への意欲などがあがりました。
他の植物の間に生えていても見逃さず、自分の背丈より高い茂みからもエゾノギシギシを見つけ出す姿や、「これは・・・似ているけど違う!」と自分たちで確認しながら刈り取っていく姿はとても頼もしかったです(^^)安曇小3・4年生はエゾノギシギシマイスター!?
今後も『地元』上高地を大切に思い、上高地に親しみながら、上高地学習を続けていって下さい☆