ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

伊勢志摩国立公園 志摩

236件の記事があります。

2013年12月12日パークボランティア勉強会が開かれました

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

パークボランティア(以下PV)さんのミニ勉強会が開かれています。
私も開催のお手伝いで参加させていただいたのでご報告します(^^)/

「志摩半島の生きものたち」

【講師:若林 郁夫 氏(鳥羽水族館職員、志摩半島野生動物研究会)】
野生動物の調査や外来植物の駆除など、幅広く活躍されている方です。
特に、三重県内におけるウミガメの産卵・上陸状況については、20年以上詳しく調査されています。長年にわたる調査結果から分かってきたことや、起きている問題についてお話していただきました。

三重県では、年間50頭のウミガメの死亡が確認されています。
死亡原因は、定置網に誤って迷い込んでしまうのが一番多いんだそう。
水上に顔を出せない構造のものだと、ウミガメは溺れてしまうためです。
堤防の建設などにより産卵場所が少なくなったことも原因の一つとして挙げられていました。

「水生昆虫や付着藻類を用いた生物学的水質判定法」

【講師:石橋 亮 氏(大阪府立環境農林水産総合研究所)】
一昨年まで、横山ビジターセンターの職員としてお勤めだった方です。
主題は「水に関わる調査の方法」。水生生物、パックテスト、透視度板を用いる方法について、それぞれ演習を交えながら教えていただきました。

【パックテストによる水質判定】

【透視度板で水の透明度を測定中】

【底に書かれた十字の二重線がはっきり見えるところまで水位を下げます】

こんな風な勉強会を重ねながら、PVのみなさんは
日々解説や調査のスキルを磨いていらっしゃいます。
以上、ミニ勉強会のご報告でした(^^)♪

ページ先頭へ↑

2013年11月29日出前授業@波切小学校(4年生)②

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

11月15日(金)、波切小学校にて出前授業を行いました。
見習いレンジャーたちへ、二回目の授業です。(前回の記事はコチラ

この日は、半日使って老岬の海岸調査!
・・・の予定だったのですが、あいにくのお天気で、やむなく場所を教室に変更。

私たちも残念でしたが、みなさん調査に行こうと張り切ってくれていたので
「志摩の海の生きもの」を中心に授業することにしました♪

<ミッション1>漂着物から探る
漂着物を調べると、志摩市の海で暮らすいろんな生きものたちの存在が見えてきます。
動物の骨の一部を見たり触ったりしながら、元の姿を想像してもらいました。

【さて何の骨でしょう?後ろの映像もヒント!】

<ミッション2>志摩市にもいる絶滅危惧種
志摩市には、産卵にやってくるアカウミガメの他、いろんな絶滅危惧種がいます。
レッドデータブックを使い、志摩市にいる絶滅危惧種を調べて報告してもらいました。

【このチームは、国語辞典まで使って調べてくれています!】

【授業後もレッドデータブックに夢中の2人】

そして、教室の壁を見ていると・・・

こんな新聞がずらり!前回の授業後に作ったものだそうです。
将来レンジャーになりたい、と書いてくれている子も♪

(伊勢志摩国立公園に)2人しかいないレンジャーを助けないと!とみなさん張り切ってくれているそうで、他の授業のときもレンジャー名札をしていってくれたとのこと。質問タイムでの熱心な質問からも、真剣に取り組んでくれているのが伝わってきました。そんな気持ちで授業に臨んでくれるのは、とっても嬉しいです!

次回の授業は、年明け!
波切小レンジャーのみなさん、あとすこし一緒にがんばりましょうね!!(^^)/

ページ先頭へ↑

2013年11月20日特定外来生物“オオフサモ”の駆除活動

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

本日、11月20日、伊勢志摩国立公園は指定から67周年を迎えました!
自然豊かな伊勢志摩国立公園をなるべくそのままの姿で未来へ残そうと、
公園内では様々な取り組みが行なわれています。

今回はそんな取り組みのうちの一つ、
「外来種の駆除活動」についてご紹介します。

さて、みなさん。
水辺でこんな植物を見かけたことはありませんか?

【オオフサモ(別名:スマフサモ、パロットフェザー)】
水をよくはじくので、雨上がりなんかは特に美しい水草です(^^)
ですが、できればみなさんの身近で見つからないことを願います。
なぜかというと、実は“特定外来生物”に指定されている植物なのです。

~特定外来生物とは?~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
もともと日本にいなかった外来生物のうち、生態系などに被害を及ぼす
ものを特定外来生物として指定し、【飼育・栽培・保管・運搬・販売・譲
渡・輸入】などが原則として禁止されています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

観賞用に飼育していたものが捨てられたのか原因は分かりませんが、
横山にあるしょうぶ園やビオトープで大繁殖しています。
水流を妨げ、もともと生えていた植物を追いやる勢いで増えています。

【しょうぶ園ため池の様子(志摩市阿児町鵜方)】

オオフサモは地下茎で繁殖します。
ぬかるんだ場所では、比較的全体を引き抜きやすいのですが・・・
乾いた場所や他の植物の根とこんがらがっているところでは、
強く引くとブチブチちぎれてしまいます。これが駆除の際やっかいな点です。
少しでも欠片が残っていると、そこからまたすぐ元通りに復活してくるので
地下茎を残さずに引き抜くことが大切です。

【こんな風に地下茎で繋がっています】

数年前からパークボランティアさんを中心に駆除を行ってきたのですが
今月に入ってからは、自然公園指導員のみなさん、地元の小中学生やその保護者のみなさんにもご協力いただき、毎週末に2時間、一斉駆除を実施しているところです。


【ここまで進みました!参加者の皆様ありがとうございます!】

地域のみなさんにご協力いただき、作業はすこしずつ進んでいますが
完全に駆除できるまでには、まだしばらくかかりそうです。。。

--------------------------
その他、詳しい情報はこちらから。
 ・環境省 外来生物法ホームページ
 ・特定外来生物の解説「オオフサモ」
--------------------------

ページ先頭へ↑

2013年11月18日秋の横山ウォークを開催しました!

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

11月16日(土)、「秋の横山ウォーク」が開催されました。
昨年は雨で泣く泣く中止にしましたが、この日は絶好のお天気に!
東海テレビさんも取材に来てくださっていました(^^)/

さて、今回のテーマは、どんぐりです。
暖帯の植生が見られる横山には、シイ、カシ類の木が多く
ウバメガシ、アラカシ、スダジイ等、色んなどんぐりの木が集まっています。
それぞれの特徴や豆知識を教わりながら歩きました。

○コナラ

PVさん自らがコナラになって解説。
特徴的なひび割れた樹皮は、腹巻きで再現。(リアル!)

○アラカシ

どんぐりは、地面に落ちるとすぐに根を伸ばし始めます。
芽と根はどんぐりのどこから出てくる?と聞かれて、みなさん考え中。

○ウバメガシ

横山で一番多く見かける木と言えば、ウバメガシです。
このあと、突然の来客“アカガエル”も観察できました。

○スダジイ

しょうぶ園沿いのスダジイのどんぐりは、どれも2.5cmほどとビックサイズ。
横山園地の中ではこの木が一番大きな実をつけます。写真はクイズ出題中。

翌日、展望台でのガイド中、この日の参加者の方に出会いました。
「教えてもらったスダジイをまた拾いに来たんだよ」とのこと。
観察会後も、興味を持ってこうして訪れて下さるのはとっても嬉しいです♪

次回の横山ウォークは、2月22日(土)です。
みなさま、どうぞお楽しみに(^^)!

ページ先頭へ↑

2013年11月12日秋の横山ウォークを開催します!

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

昨日からますます冷え込んできましたね。
昨晩こちらでは、澄み切った美しい星空が見られました。
今の時期、モヤがなくなって英虞湾の景色も一段と綺麗ですよ♪

さてさて。
伊勢志摩国立公園では、10月より、ほぼ毎週末にいろんな行事が開催されています。いったい何からお伝えしようか、という状況なのですが・・・
まずは、直近のイベントのご案内をしたいと思います!

「秋の横山ウォーク ~どんぐりの仲間たち~」

※定員までまだ若干の余裕があるので、【11/14(木)まで】受け付けます!

パークボランティアの皆さんにとっては、
インタープリター研修などの成果を発表する場でもあります。

「イラストを描いてくるよ」「かぶり物でもしてみるかな?」等々、
アイデアを出し合って計画を練っています。すこしネタバレですね~。
ですが、みなさんに楽しんで学んでいただくために、いろいろと準備を進めているので、ぜひぜひ楽しみにしていてくださいね(^^)♪

▼その他詳細・申込みチラシ
 環境省中部地方環境事務所HP

▼その他イベント情報
 横山ビジターセンターHP
 ↑こちらも随時更新されてます。お見逃しなく~。

ページ先頭へ↑

2013年11月01日レンジャー&アクティブレンジャー写真展【横山ビジターセンター】

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

7月より巡回展として開催している「レンジャー&アクティブレンジャー写真展」ですが、二周目に突入しています。

先月の、名古屋会場からバトンを受け取り
今月からは三重県で開催されます(^^)/

<三重会場での展示の詳細>
場所:横山ビジターセンター(三重県志摩市阿児町鵜方875-24)
期間:2013年11月2日(土)~11月24日(日)
期間中9:00~16:30(火曜日は休館日)

【三重会場の様子】

写真展では、それぞれの撮影場所を示したパネルも展示しています。
もし気になる写真が見つかったら、撮影場所まで足を運んでみてください。
レンジャーやアクティブレンジャーが感じている感動を、ぜひ実際に現場に行って味わっていただきたいです(^^)!

それでは、みなさまのお越しをお待ちしています♪

▼写真展の詳細はコチラから。
 環境省 中部地方環境事務所HP

ページ先頭へ↑

2013年10月28日海岸沿いの秋

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

みなさん、こんにちは!
今、伊勢志摩では、キンモクセイの花が満開です。
小さい頃、この香りをずっと取っておきたくて、花をティッシュで包んで大事にしてたな~と思い出します。こういう季節を感じられる香り、私はとっても好きです(^^)

さて、先日海岸沿いを巡視していたときのお話です。
ふわっと、どこからかキンモクセイとは違うあま~い香りがしてきました。
ボランティアさんと辺りをクンクン嗅ぎまわり、香りの元を発見。

それがこの花です。

【マルバグミ(グミ科グミ属)】

グミというと初夏に開花するイメージですが、マルバグミは秋に開花します。
木の周辺では、濃い甘い香りが立ちこめています。
これが、ずっとその場にいたくなるような、とっても良い香りなのです。
伊勢志摩の海岸沿いではよく見られる木なので、ぜひ探してみてください♪

その他、海岸の花々もたくさん咲き始めています。

【ツワブキ(キク科ツワブキ属)】

【アゼトウナ(キク科アゼトウナ属)】

そして、今年も出会いました。
渡りをするチョウ、「アサギマダラ」です♪

ほとんど羽を動かさず、風にのって「ひら~んひら~ん」と独特の飛び方をします。長旅をするために身につけた飛び方なのでしょうか?
とっても優雅でステキです。

伊勢志摩は、常緑の木が多いので紅葉はあまり見られませんが
こんなところで秋を感じています(^^)♪

★写真はすべて10月21日(月)に撮影したものです。

ページ先頭へ↑

2013年10月17日横山園地の清掃を行いました

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

台風26号、大変な被害ですね。
亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。

三重県でもケガ人が出、広い範囲で停電があり、家屋の被害が出たところもありました。漁業被害は現在とりまとめ中だそうですが心配です。

横山はというと、幸い倒木など大きな被害はありませんでした。
しかし、至る所に枯れ枝や落ち葉が散乱してひどい状態に・・・。

【駐車場一面に大量の小枝と落ち葉が。。。】

一人で作業していてはとても追いつかなかったため、本日、パークボランティアさん、横山ビジターセンターの職員さん、自然公園指導員さんにご協力いただき、横山園地内の清掃をしてきました。

今回は、一番利用の多い横山展望台までの道とその周辺を優先的に実施してきました。車道の側溝に詰まった落ち葉を取り除いたり、遊歩道をふさぐ折れた木を取り除いたりと、ひとまず安全に利用していただける状態になりました。


【こんなに綺麗にしていただきました!】

その他の遊歩道も、今後綺麗にしていきます。
一人でやっていると途方もない作業量に気が遠くなってきますが、
こうして快く集まって下さる皆さんのおかげで、迅速に対応することができています。ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました!!

【清掃が終わり去って行く皆さんの後ろ姿。いつも感謝です。】

~これから清掃を進める遊歩道について~
大きな枯れ枝や溜まっている落ち葉などは全て取り除いてきましたが、未だ強い風が吹いていますし、一部落ち葉が濡れて滑りやすい箇所があります。横山展望台より先の道をご利用になる際は十分お気をつけください。

ページ先頭へ↑

2013年10月11日出前授業@波切小学校(4年生)

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

8日(火)、久しぶりの出前授業に行ってきました!
志摩市にある波切小学校4年生(30名)のみなさんが対象です。

「波切小学校でも、地域の自然を守るレンジャーを目指した授業を!」との
ご希望をいただき、数回に渡って授業させていただくことになりました♪

学校に着くと、「ザザーン、ザザーン」という波の音と潮の香りが。
校庭から見えるのは、太平洋と大王埼灯台。
私なら授業中よそ見してしまうなぁ~なんて考えつつ・・・
海が見える学校、本当~に子ども達がうらやましくなります。

【左奥に見えるのが大王崎灯台!】

そんな波切小学校での第一回目の授業は、レンジャー見習いの任命式!
一人前のレンジャーを目指して、これから授業を重ねていきます。

【レンジャーのお仕事って?伊勢志摩国立公園ってどんなところ?】

【フグや!くさ~~い!!】

みなさんとお話していると、お父さんが漁師さんの子、
釣りや海が好きな子などなど、やっぱり海は身近な存在の様子(^^)
これからの授業では、地元の自然について、知ってる場所の知らなかった一面を見つけてもらえたらなと思っています♪

次回の授業は、海岸調査!
学校近くの「老岬(おいのみさき)」へと出かけます。
いっしょに調査、今からワクワクです(^^)

【景色も絶景!磯遊びもできる浜です♪】

ページ先頭へ↑

2013年10月09日きのこの観察会が開催されました!

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

5日(土)、横山ビジターセンター主催の「きのこの観察会」が開催され
私もお手伝いで参加してきました!

今回の講師は、三重県津市にある岩出菌学研究所のみなさん。
きのこ大好き!な研究員のお姉さんが、きのこのお話をしてくれました♪

○毒きのこの見分け方のお話

ほぼ同じ見た目でも、軸の付け根が青い等、毒か食用かの違いはわずか。
見分けるポイントもきのこによって様々だそうです。
やっぱり知識と経験がないと、見極めるのは困難ということですね。。

○きのこ探し

しばらく雨も降っておらず、下見で見つけられたのはごくわずか。
当日見つかるか心配していたのですが、やはり探す目が多いと違います!
写真のような、落ち葉に埋もれた小さなきのこも見つけてくれました♪

○見つかったきのこイロイロ


最終的には、同定できたものだけでも、こんなにいろいろ見つかりました!
横山は「アミタケ(食用)」が多く出る環境なんだとか!(右上の写真)

○見つけたきのこ観察中

虫眼鏡で観察したり、匂いを嗅いでみたり・・・
子ども達からは、「濡れた犬の匂いがする~」との意見がちらほら(^^;)

ちなみに、マツとどんぐりの木がたくさんある山には、食用のきのこが多く出るんだそうです。理由は解明されていないそうですが、不思議ですね~。

そして、きのこを探すときのコツを尋ねてみたところ
「“きのこ眼”を身につけてください」との答えが返ってきました。
探したいきのこが好んで生える場所を調べておくことも大事ですが、
慣れてくると「この辺に生えてそう!」と、きのこのある場所がビビッと感覚で掴めるようになってくるんだそうです。(=きのこ眼)
“きのこ眼”を身につけられたら、野山の散策がますます楽しくなりそうですね(^^)♪

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ