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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋

259件の記事があります。

2012年09月28日鳥たちでにぎやかな秋の藤前干潟

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

空が高くなり、すっかり秋めいてきましたね。

稲永ビジターセンターがある稲永公園の林には、今、たくさんの小鳥たちが訪れています。
ヤマガラ、コゲラ、コムクドリ、サメビタキなど・・・。
彼らは旅や渡りの途中に稲永公園に立ち寄っているようです。

【かろうじて撮影することができたサメビタキ】

視界を遮るものがない干潟の上と違って、林の中の小鳥をみつけるのはなかなか大変です。
枝や葉の間に羽ばたく小さなシルエットが一瞬見えるだけ、なんてことも。
でも、それだけに小鳥たちの出会いは嬉しいものです。

さて、目線を干潟に移すと、干潟にも多くの鳥がいます。

【小さいですが、カモ、シギ、チドリ、サギといった鳥がいます】

9月7日の日記でも紹介した、秋の干潟の渡り鳥であるアオアシシギも
まだ藤前干潟でたくさん見られます。
この他、ダイゼン、トウネン、ハマシギ、オオソリハシシギなどの
シギ・チドリも数多くいます。
そして、冬鳥であるコガモやオナガガモも藤前干潟に来ているようです。

秋になり、気候も良くなってきました。
ぜひ、鳥たちでにぎやかな秋の藤前干潟にお越しください。

また、以前も少しだけご案内しましたが、「藤前干潟ふれあいデー2012」が
11月17日(土)・18日(日)に行われます。


【藤前干潟ふれあいデー2012のご案内】

今年はラムサール条約登録10周年を迎えるのを記念して、
式典やミニシンポジウムが催されます(申込不要)。
また、船で藤前干潟周辺を巡る「藤前干潟クルーズ」という目玉企画もあります(要申込)。
船から見る藤前干潟はどんな風に見えるのでしょうか?

毎年行われている生き物観察会など、他にもたくさんのおもしろい催しが
用意されていますので、ぜひ足を運んでくださいね!

詳細は名古屋市のHP(↓)をご覧ください。
「名古屋市 ラムサール条約登録10周年記念イベント「藤前干潟ふれあいデー2012」開催のお知らせ」


~藤前干潟は2012年11月18日でラムサール条約登録10周年を迎えます~

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2012年09月26日センターのウッドデッキの柱に住み着く生命

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一

 先日、稲永ビジターセンターのウッドデッキの塗装が完了しました。
ウッドデッキの状態を確認する為にウッドデッキ周辺を見て回っていると、木製の化粧柱の根元部分に何やら直径5mmほどの穴がポツポツ空いていることに気づきました。




【何者かが住み着くウッドデッキの柱】

 何が住んでいるのか観察していると、穴の中から黒い体の体長約2cmのハチが姿を現しました。捕らえて種を調べてみると、恐らく「タイワンタケクマバチハキリバチの仲間」であることが分かりました。






【捕らえられたタイワンタケクマバチハキリバチの仲間の外部形態】

 このハチはタイワンタケクマバチとしてご紹介しましたが、後日、クマバチの研究者の方からハキリバチの仲間ではないかとご連絡がありました。(10/11追記)

 タイワンタケクマバチは外来種で、豊田市で2006年頃に初確認されており、国内では愛知県と岐阜県で生息が確認されているようです。竹材に混入して中国・台湾から侵入したと考えられており、在来種と競合して生態系に影響を与えるとされています。
 ハキリバチの仲間の顔をよく観察すると口に大きなキバを持っており、これで巣を作る習性があるようです。木の柱に穴を空けた犯人がこのハチかどうか分かりませんが、柱付近で観察していると我々の周囲をグルグル旋回した後に、柱に空いた穴にハチが出入りするのを目撃したので、どうやらこの穴を利用しているようです。



【穴が空けられたウッドデッキの柱】

 他の柱にも穴が空いていたので探ってみると、柱の穴から何やら黒い物質が飛び出ていることに気づきました。近づいてよく見てみるとオサムシの仲間が顔をひょっこり出しているではありませんか!頭部を触っても体をウネウネさせるだけで全く出てくる気配はありません。どうやら木に空いた穴の中から出ようとしたが途中で体が挟まってしまい、さらに木が乾燥して堅く締まり、身動きがとれない状態となっているようでした。助けてほしそうな顔をしていたので、指で優しく押したり引いたりしましたが、体が完全に詰まっており、救出することが出来ませんでした。翌日、確認してみるとオサムシの姿は無かったので、自力で脱出したのでしょうか?



【気の毒なオサムシ】

 この柱は長年、潮風や雨に打たれて大変お疲れの様子で、ひび割れや溝が発生している箇所が多数見られ、ゲジゲジやムカデ、フナムシなど、多様な生物が利用していることが分かりました。いろんな生き物が住み着くことは良いことですが、この柱に住んでいるのは毒を持つものや刺す虫などが多いので、ウッドデッキ周辺で作業する際や来館者の方が被害に遭わないように、注意を呼びかけたいです。  

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2012年09月13日【伊勢湾の漂着ゴミを考える~③】★答志島から始まる伊勢湾のつながり

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

 志摩保護官事務所の村松アクティブレンジャーからバトンを引き継ぎました、名古屋市の藤前干潟にある名古屋自然保護官事務所の野村です。志摩と名古屋の共同連載日記【~伊勢湾の漂着ごみを考える~】の最終走者をつとめます。

 第2走者の村松アクティブレンジャーが報告してくれた9月8日(土)の答志島の「奈佐の浜清掃」には、愛知県からは約100名の参加があり、藤前干潟で漂着ごみの清掃活動や観察会などをしている団体からも多数の方が参加されていました。

【伊勢湾の入り口にある答志島(左)、伊勢湾の最奥部にある藤前干潟(右)】

 この藤前干潟から奈佐の浜の清掃に参加された方々から、奈佐の浜の現状について以下のような感想を伺いました。
「海の水が透き通っていてきれいだった」
「海はきれいなのに、海岸にごみがたくさんあって残念だった」
「きれいな環境に保てたら良いと思う」

 また、奈佐の浜と藤前干潟の漂着ごみを比べると違いや共通点が見られたそうです。
「とにかくビニール袋でもプラスチック製品でも、細かく破片になったごみが多かった」
「流木も小さく細かくなっていて拾うのが大変だった」
「藤前干潟にはあまり漂着しない漁網(魚を獲る網)の一部や、海苔養殖やカキ養殖に用いる小さなプラスチック資材のごみがたくさんあった」
「藤前干潟にも漂着している注射器やルアーのごみを奈佐の浜でもみつけた」
 
 第1走者の上野アクティブレンジャーが報告したように、藤前干潟にも大量のごみが流れ着きます。藤前干潟同様、奈佐の浜でもプラスチックごみが圧倒的に多いようですが、漂着するごみの種類や形状が藤前干潟とは若干異なるようです。また、注射器などの危険なごみが奈佐の浜にもあるというのはとても残念に思いました。


【奈佐の浜の漂着ごみの一部】

【奈佐の浜でもみつかった注射器】

 「今回、奈佐の浜に行き、実際に流れ着いたごみを手に取ったら、このごみはもしかしたら、藤前干潟から流れてきたのかもしれない、と思えて、もう奈佐の浜のごみ問題が他人事には思えなくなった」という声も参加した方から聞くことができました。漂着ごみの問題は、発生源と実際にごみが流れ着いて困っている場所が遠く離れていることが、解決や対策を難しくしています。答志島の奈佐の浜の漂着ごみの問題は、上流からのごみの発生を抑えるなど、伊勢湾流域全体で考えなければ、根本的には解決していけないものです。そのためには、漂着ごみの問題を、他人事とは思わず関心を持ち続けることが大切なんだろうと思います。

 しかし、実は、恥ずかしながら、今まで答志島がどこにあるかさえ知らなかった私。もちろん、答志島に流れ着く大量のごみのことも、その被害についても全く知りませんでした。でも、今回の奈佐の浜清掃が行われたことを機に、答志島の漂着ごみのことだけでなく、伊勢湾全体のごみのこと、人のつながりのことを知ることができました。このような連載日記を書くこともできました。私自身、今後は答志島や伊勢湾流域のことをより考えつつ、藤前干潟で活動していきたいと思っています。

【奈佐の浜での海岸清掃活動(左)と藤前干潟での清掃活動(右)】

 今後、22世紀奈佐の浜プロジェクト委員会では奈佐の浜の清掃を継続的に行うとともに、伊勢湾流域各地での活動や交流を始めていくそうです。皆さんもぜひ、この活動に参加して、実際現地に行って、答志島から始まる伊勢湾流域のつながりを身近に感じてほしいと思います。

 尚、藤前干潟では市民による漂着ごみの大清掃活動「藤前干潟クリーン大作戦」が10月27日(土)に行われます。伊勢湾へ流出するごみを少しでも減らすため、藤前干潟でも多くの人がごみ清掃を頑張っています。藤前干潟にもぜひ足を運んでみてください!
 10月27日(土)の案内はこちら(↓)をご覧くださいね。
 *「2012 藤前干潟 秋のクリーン大作戦」


~藤前干潟は2012年11月18日でラムサール条約登録10周年を迎えます~

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2012年09月10日【~伊勢湾の漂着ゴミを考える~ ①】★藤前干潟に押し寄せる漂着ゴミ

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一

 今週は、「伊勢湾の漂着ゴミを考える」というテーマで、名古屋自然保護官事務所と志摩自然保護官事務所が協力して連載日記を書きます(計3回)。初回は、藤前干潟における漂着ゴミの現状とゴミ清掃活動への取り組みについて名古屋事務所の上野が担当します。それでは、伊勢湾へのゴミ流出源の一つである藤前地区のゴミの様子はどうなっているのか見ていきましょう。
 藤前干潟の国指定鳥獣保護区内では、庄内川や新川などから流出したゴミが干潟やヨシ原、堤防に多量に漂着します。この漂着ゴミをよく見るとペットボトルや発砲スチロール、プラスティック片などの水に浮くタイプのゴミが数多く見られます。これらのゴミは藤前水域の景観を損なうだけでなく、生き物が誤って食べてしまう、釣り糸や針が体に引っかかるなど生物にも多大な影響を与えています。


【庄内川河口域のヨシ原(写真左)と消波ブロック(写真右)に押し寄せる大量の漂着ゴミ】


【ペットボトルやプラスティックゴミが目立つ】


【ゴミの被害者】

 藤前干潟では、干潟に散在するゴミを撤去する事業が行われている他に、藤前干潟に関わる市民団体や行政、企業などが一体となった「藤前干潟クリーン大作戦」が実施されています。この清掃活動は「ラムサール条約に恥じない藤前干潟にする」「子供達が安心して遊べる干潟や川を取り戻す」「流域全体のゴミや水のことを考えるネットワークを形成する」ことを目的に、2004年から毎年2回、春と秋に開催されています。今年度は10月27日(土)に開催される予定です。
 このように多くの人が藤前地区で一生懸命ゴミ清掃を行っても、都会に面しているために川の上流からゴミがたくさん流れてきて、数ヶ月も経てば再び同じ場所にゴミが漂着するのが現状です。しかし、ゴミ清掃活動を継続して行うことで、少しでも伊勢湾へのゴミ流出負荷を軽減することができます。



【今年の5月に行われたクリーン大作戦の様子】


【一日で集められたゴミ類】

 山、川、海はつながっており、漂着ゴミの問題は一地域だけで解決できる問題ではありません。地域によってゴミの量と種類、ゴミによる被害はそれぞれ異なっており、各地で清掃活動も盛んに行われております。伊勢湾流域から発生するゴミは年々増加傾向にあると言われており、風や海流の影響でその約半数が三重県の鳥羽市に打ち上げられているようです。
 藤前地区をはじめ、伊勢湾流域から流出したゴミは、しばらく漂流した後に、漁業が盛んに行われている三重県鳥羽市の離れ島である答志島に漂着し、流木などが漁網や生け簀などを破壊するなど多大な影響を与えているようです。
 9月8日には、この答志島奈佐の浜で伊勢湾流域である愛知県、岐阜県、三重県から多数の人が参加して海岸大清掃が実施され、伊勢湾流域の一員として藤前干潟のゴミ清掃活動を実施している団体も参加しました。
 それでは、答志島のある伊勢志摩国立公園を管轄する志摩自然保護官事務所のアクティブレンジャーにバトンを渡して奈佐の浜の清掃について紹介してもらうことにしましょう。

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2012年09月10日ウッドデッキの塗装が完了しました。

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一

 稲永ビジターセンターのウッドデッキの塗膜が劣化していたために、先週から再塗装を行っていましたが、本日、ようやく塗装作業が完了いたしました。



【塗装されたウッドデッキ 階段部分】


【塗装されたウッドデッキ 1階部分】

 ご覧の通り、ダークブラウンで塗られたウッドデッキは引き締まった印象を受けます。
階段の部分も土足で踏みつけるのが申し訳ないくらいきれいに塗られています。広い面積をムラなくきれいに塗る技術力は高いです。
 自然にも人体にも影響が少ない塗料を使用しているためか、ほのかに甘い香りがして、鼻を突く臭いはほとんど感じません。塗料特有の臭いに釣られて、周辺の茂みから昆虫類やムカデ等がたくさん集まって来ていると職人さんがおっしゃっておりました。塗料に虫をおびき寄せる成分でも混入しているのでしょうか。
 外のウッドデッキを塗装しただけでも外観の様子がガラッと変化したので、皆さんも是非、センターに見に来て下さい。

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2012年09月07日鳥獣保護区管理員の鳥類調査に同行して

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

まだまだ暑いですが、早くも9月になりました。
シギ・チドリが続々と藤前干潟に渡って来ています。

今日は、8月29日に鳥獣保護区管理員さんの鳥類調査および巡視に
同行した際の報告をします。

※環境省は、国指定の鳥獣保護区に「国指定鳥獣保護区管理員」を設置しています。
鳥獣保護区の近辺に住み、鳥獣に詳しい民間の方に、
密猟の防止等のための巡回、保護区の利用者の指導、
鳥獣の生息概況の調査などを委託しているものです。
藤前干潟では、現在5人の鳥獣保護区管理員さんに活躍いただいています。

8月29日は、干潟の出る時間に合わせて、朝の7時半から調査を開始。
正午過ぎまでかけて、以下の図の7地点を周り、
藤前干潟にいる鳥の種類と数を確認しました。

【赤線で囲まれた部分が国指定藤前干潟鳥獣保護区。斜線部分は特別保護地区】


【調査風景。望遠鏡で鳥を見て、一羽一羽素速くカウントしていきます】


【今回の調査では、全部で41種、2,132羽の鳥を確認できました】

見られた鳥を少しだけ写真でご紹介・・・。

【120羽も見られたアオアシシギ。春と秋に藤前干潟にやってきます】

【ヨシ原の中でカワセミも確認できました!】

今回、初めて鳥獣保護区管理員さんと一緒に鳥獣保護区を回らせていただき、
本当に様々な鳥が藤前干潟には居る、ということを実感できました。

また、鳥獣保護区管理員さんの鳥に対する知識と経験に圧倒されるとともに、
「藤前干潟の鳥を正確に把握したい」という熱意も感じることができました。
こういった鳥獣保護区管理員さんの力によって鳥獣保護区は支えられているんですね。

さて、6月25日のアクティブ・レンジャー日記でご案内した
「藤前干潟フォトコンテスト」の締め切りがいよいよ迫ってきました。
(締め切りは9月14日(金)です。)


昔撮った写真も応募が可能ですので、どしどしご応募ください!!
応募方法の詳細はチラシ(↓)をご覧ください。
藤前干潟写真コンテストのチラシ

~藤前干潟は2012年11月18日で、ラムサール条約登録10周年を迎えます~

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2012年09月06日稲永ビジターセンターのウッドデッキの塗装作業を行っています。

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一

 稲永ビジターセンターは今から約7年前に完成し、2009年にはセンター西側にあるウッドデッキの塗膜劣化に伴い再塗装を行いました。あれから3年が経ち、ウッドデッキは、再び塗膜劣化により塗装の剥がれや木部の痛みが目立つようになってきました。
 当センターは、自然に配慮して木材をふんだんに用いて作られており、ウッドデッキは子供達が安全に遊べるような場所となっています。
 現在のウッドデッキ表面は擦れてケバケバしており、コケが生えている部分も見られ、落書きや日に焼けて脱色している箇所も確認されました。当センターは直射日光と海風が直接当たるので木材の風化が早く進行するようです。


【塗装前のウッドデッキの様子】


【塗装前の木造階段(写真左)と洗浄後のウッドデッキ床部分(写真右)】

 現在、稲永ビジターセンターでは、この色褪せたウッドデッキをきれいに塗り直すために、業者さんにお願いして、再塗装を行っております。今回塗装する部分は、1、2階のウッドデッキとそれを結ぶ木製階段および手すりです。
 塗装を始める前に下処理として高圧洗浄機を用いて木部表面のコケや汚れをきれいに落としていきます。洗浄後は汚れが取れて木部が白くなり、ウッドデッキ全体が明るくなった印象です。乾燥したらいよいよ塗装作業開始です。


【2階ウッドデッキ塗装作業の様子(写真左)と塗装直後の様子(写真右)】


【塗装前後の色比較】

 2階のウッドデッキから色塗りを開始して、階段→1階ウッドデッキへと進めるそうです。今回使用する塗料色は「ダークブラウン」。自然にも人体にも影響が少ない塗料を使用しています。塗装前後の色を比較するとその違いは明らかで、落ち着いた感じの色となります。
 良い天気が続けば今週末には色塗り作業が完了する予定ですので、色褪せてしまったウッドデッキがどのような姿に仕上がるのか楽しみです。

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2012年08月21日夏休み!干潟観察会

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

7月31日のアクティブ・レンジャー日記でご案内した「夏休み!干潟観察会」が
8月16日に藤前活動センターにて行われました!

非常に蒸し暑い日でしたが、夏休みでお盆休み期間中であったことから、
ご家族での参加がたくさんありました。
中には、福岡県から藤前干潟に来て、観察会に参加してくださった方もいました。

【藤前活動センターのレクチャー室に集まりました】

今回の観察会のテーマは、ズバリ「二枚貝」。
アサリのように2枚の貝殻が合わさってできている貝たちに注目してみました。
(※藤前干潟にはアサリはあまりいません。)

二枚貝のことを知る第一歩として、まずはハマグリの貝殻を用いて
「貝合わせ」という遊びにチャレンジしました。

【きれいなハマグリの貝殻。昔は藤前干潟でもハマグリが捕れたそうです】

「貝合わせ」は、平安時代から行われている神経衰弱のような遊びです。
(昔は、「貝覆い」と呼ばれていたようです。)
二枚貝の2枚の貝殻の外側を上にして別々に置き、その模様や形などを見て、
ペアの2枚をみつけます。
これは、一つ一つの貝の貝殻が形や大きさが異なり、
同じ貝の貝殻でないと絶対に組み合わさらないからできる遊びなんです。
一見、全部同じようにみえる貝にも個性=多様性があるんですよ。

【簡単なようで以外に難しい・・・?】

そして、いよいよ干潟へ出て、二枚貝を始めとする生き物探しへ。

【こんなに広大な干潟が出ていました】

みお筋と呼ばれる干潟の少し深いところにしかけた土管の中にいる生き物を探したり、
泥の中を掘ってみたり・・・。


【何がみつかったでしょうか?】

再び、室内に戻って、生き物を観察してみたところ、
ヤマトシジミ、オキシジミ、ソトオリガイなどの二枚貝の他に、
マハゼ、コチ、エビなどを探すことができました。
その中でもお味噌汁に入れて食べるヤマトシジミがとってもたくさんいることが分かりました。
そして、夏の風物詩、ウナギも一匹、土管の中からみつかりましたよ!

【みつかった二枚貝】

生き物の観察の後は干潟から持ち帰ってきた二枚貝であるヤマトシジミの貝殻の内側に
絵を描いて自分だけのオリジナル貝合わせを作成しました。

【一生懸命描いてくれました】

最後は、振り返りとして二枚貝の役割について学びました。
二枚貝は、水の中に溶け込んでいる有機物を餌としています。
二枚貝が有機物をたくさん餌として食べてくれると、
水の富栄養化が抑制され、赤潮、ひいては青潮という海の環境の悪化を防ぐことができます。

貝はあまり動かないし、中身は見えないし、一見地味な生き物ですが、その力は強大です!
二枚貝がたくさん生息する藤前干潟などの干潟をこれ以上減らしたくはありませんね。

このように、最後はちょっと難しい話もありましたが、皆さんには楽しく、
観察会を終えてもらえたようです。
また、藤前干潟に来て、生き物にふれあい、学んでほしいと思います。


~藤前干潟は2012年11月18日で、ラムサール条約登録10周年を迎えます~

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2012年08月15日藤前干潟で見られる鳥~カワウ~

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

まだまだ日中は暑いですが、立秋を過ぎて、
朝晩はわずかに涼しくなってきたような気がします。
夜になると、外でコオロギなども鳴き始め、
秋が近くなっていることを実感しています。

【橋の向こうでは入道雲が勢いよく発達中】

さて、今日は、藤前干潟で最も確実に見られる鳥であるカワウをご紹介します。

【ワタシがカワウです!】

【カモのように浮くのではなく、身体が半分沈んだような状態で泳ぎます】

このカワウは藤前干潟で年中見ることのできる鳥です。
大きな群れになることもあり、干潟の上が羽を休めているカワウで
一面真っ黒になることもあります。

【このままじ~っと羽を乾かします】

近年カワウが増えて、カワウの糞が樹木の立ち枯れやの原因になったり、
漁業に悪影響が生じたり、という被害が各地で生じています。
しかし、藤前干潟では今は漁業が行われていないことや、
カワウの大規模な営巣・繁殖は行われていないこと、
カワウの飛来数に顕著な増加が見られないことから、大きな問題にはなっていません。


【藤前干潟の鳥獣保護区にある唯一のカワウの営巣場所】

しかし、藤前干潟にはカワウの餌となる魚が豊富にいるようで、
弥富市などにねぐらを構えるカワウが、藤前干潟にはたくさんやってきます。
そして、ここ藤前干潟ではカワウたちの「追い込み漁」がよく見られ、藤前名物になっています。


数十羽のカワウが集まって、一定方向に泳いで魚を追い込み、
次々と潜って餌を捕らえる光景は、かなり迫力があります!
これを見たいがために藤前干潟にやって来るという人もいるくらいです。

【群れの後方にいるカワウは次々群れの前へ飛んで、追い込みます】

8月13日は、庄内川の岸のすぐ近くでこの追い込み漁が見られ、
カワウたちが餌を捕まえる瞬間も何回か見ることができました。

中にはアカエイを捕まえたカワウもいました。
この大きなエイをどのように食べるのかと、息をのんで見守ってしまいました。

【アカエイをゲット!!】

【難儀しながらも何とか飲み込む・・・】

藤前干潟では、何と!ウナギを捕まえているカワウもよく観察されます。
カワウもよくよく観察してみると、奥深くおもしろい鳥です。
いつもいる真っ黒い鳥、と終わらせないで、藤前干潟で彼らをみつけた際は
じっくり観察してみてくださいね。

【V字になって群れ飛ぶ姿】


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2012年08月15日あおなみ線ツアーズ~野鳥観察コース~

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

8月2日に、「あおなみ線ツアーズ」の野鳥観察コースが
稲永ビジターセンターと名古屋市野鳥観察館にて開催されました。

「あおなみ線ツアーズ」とは、あおなみ線とあおなみ線沿線にある施設の魅力を知り、
体験してもらうためのイベントです(主催:あおなみ線沿線活性化協議会)。
野跡駅周辺で行われる野鳥観察コース以外にも、海上見学コース(金城ふ頭駅)や、
荒子川公園駅コース、ささしまライブ駅コースなどが毎年行われています。
(主に小中学生を対象としています。)

【名古屋駅と金城ふ頭を結ぶあおなみ線】

今回の「あおなみ線ツアーズ」野鳥観察コースは、
午前の部と午後の部と合わせて57名の参加者があり、大変賑わいました。

当日は野跡駅に集合後、稲永ビジターセンターへ。
そして、まずは干潟の環境学習として干潟という場所についての解説を聞いた後、
藤前干潟を紹介する映像を鑑賞しました。

【干潟はいつも見られるわけではないんです。】

続いて、ヨシという植物を使った工作を体験しました。
ヨシは昔はすだれや、紙、笛などの材料として、人の身近にある植物のひとつでした。

【藤前干潟にあるヨシ原。今の季節は青々としています。】

今は、中国産のすだれや、プラスチック製品におされて、
日本に生えているヨシはあまり利用されなくなってしまいましたが、
今回は、昔ながらの方法で、藤前干潟で育ったヨシを使ってミニすだれ編みにチャレンジしました。


【ヨシを一本、一本、編んでいく作業に、みんな黙々と熱中・・・。】



【作成中(上)と完成したミニすだれ(下)】

そして、最後は名古屋市野鳥観察館で野鳥観察を行いました。
カワウやウミネコ、サギ、カルガモ、ミサゴなどが見られました。

【野鳥観察館の2階からの眺めはステキです!】

参加していただいた皆さんには、「ヨシ編みが楽しかった」、とか
「今まで見たことのない鳥が見られた」という声をいただきました。

今回のあおなみ線ツアーズを機に、藤前干潟やあおなみ線に親しみを
持っていただけたのではないかと思います。

【今回はあおなみ線の電車の金太郎飴のお土産もありました!】


~藤前干潟は2012年11月18日で、ラムサール条約登録10周年を迎えます~

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