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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年10月15日

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2020年10月15日イタセンパラ生育状況調査~その②

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。

先日のイタセンパラ生育状況調査に佐藤アクティブレンジャーと行ってきました。前回の佐藤ARの投稿はこちら。

>>>2020.9.25イタセンパラ生育状況調査

時間が空いてしまいましたが、今回はその後の保護池での調査の様子です。

今回は、イタセンパラが順調に生育しているかどうかをイタセンパラ保護池で確認をしてきました。

<氷見市にあるイタセンパラ保護池>

※一般の方は保護池を見学することは可能ですが、池での採取は禁止です。

保護池内は、大きい池や小さい池、ワンドなど実際の川の生態系に近づけたつくりになっており、イタセンパラの飼育研究が行われています。


秋はイタセンパラの繁殖期にあたり、とても重要な時期です。イシガイやドブガイの二枚貝の体内に卵を産みこみます。

前日に仕掛けていた定置網を回収し、魚の種類ごとに分けていきます。私はまだ、種類を見分けることができないので精通されている方々がどんどん仕分けていきます。手際の良さはまさに職人技です!!

※一般の方は保護池を見学することは可能ですが、池での採取は禁止です。

そして、その結果は、イタセンパラを確認でき、順調に生育している様子を見ることができました。

こちらがイタセンパラのオスです。

尾ひれが黒っぽく、おなか周りは婚姻色と呼ばれるきれいなグラデーションを見ることができました。

そして、こちらがイタセンパラのメスです。

お腹付近から産卵管が出ているのがわかります。この産卵管を二枚貝の口に入れて排卵をするようです。

イタセンパラが絶滅を危惧される一方で、外来種として増殖しているのが「タイリクバラタナゴ」です。

<タイリクバラタナゴ。氷見ラボにて>

タイリクバラタナゴは、イタセンパラと大きさや形が似ており、繁殖期にイタセンパラの雌がパートナーを勘違いし繁殖機会を失っていたということが氷見ラボの研究でわかってきたようです。(タイリクバラタナゴとイタセンパラでは繁殖ができない)

>>詳細を知りたい方はこちら

イタセンパラを絶滅させないために日々、調査、研究に尽力いただける方々がいることで、この地球上の豊かな自然が持続し、守られていくのだと思います。

富山へお越しの際には、「氷見ラボ」や「イタセンパラ保護池」へぜひお越しください。

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