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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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上信越高原国立公園 志賀高原

172件の記事があります。

2019年06月05日標高地図の作業メモ

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

先日(6月3日)の記事で、志賀高原自然保護官事務所の担当する区域の図を載せました。この図の作業メモです。

■使用したGISソフト

「QGIS」のバージョン2.18を使いました。QGISはフリーでオープンソースのソフトウェアで、最新の安定版はバージョン3.4.8です。

■使用したシェープファイル(.shp)

○「国立公園区域等」

・環境省生物多様性センター<http://gis.biodic.go.jp/webgis/sc-026.html?kind=nps>からダウンロード。

・特別保護地区、第1種特別地域など保護規制計画で区分されたポリゴンになっているので、公園区域を1つのポリゴンにする。

○「行政区域」、「鉄道」、「緊急輸送道路」の各データ

・国土数値情報ダウンロードサービス<http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html>からそれぞれのデータごとに関係する3県(群馬県、長野県、新潟県)のデータをダウンロード。

○「SRTM(Shuttle Radar Topography Mission)」の標高データ

・<https://dds.cr.usgs.gov/srtm/>から version2_1 → SRTM3 → Eurasiaと進み、上信越高原国立公園が含まれる緯度経度のデータをダウンロード。N36E138、N36E139、N37E138、N37E139の4つデータを使用。ファイル名のN36E138というのは北緯36度から37度及び東経139度から140度の区域のデータという意味。

・なお、標高については「基盤地図情報ダウンロードサービス」<https://fgd.gsi.go.jp/download/menu.php>の「数値標高モデル」のデータを用いることもできます。

■作業内容

QGISで上のシェープファイルを開く。

見やすくなるように表示の仕方を変える。srtmの標高ごとの色の区分については、次のwebページを参考にした。

・darusmart「SRTM3(またはSRTM90m)データからQGISで標高地図を作成」<http://darusmart.hatenablog.com/entry/2015/01/19/180415>(2019年6月5日参照)

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2019年06月03日長野県高山村 笠ヶ岳付近からの眺め

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

志賀高原自然保護官事務所は長野県山ノ内町志賀高原にありますが、担当する区域は栄村、野沢温泉村、木島平村、高山村、須坂市も含まれます。上信越高原国立公園のうち北部の長野県側を担当しています。

志賀高原自然保護官事務所の担当する市町村

<赤線が上信越高原国立公園の区域。区域の左上のほうの青の斜線が本事務所の担当市町村。>

5月30日は遠くまで視界が良かったので、昼休みを利用して高山村へ出かけました。場所は、山ノ内町と高山村の境にある笠ヶ岳峠付近です。

笠ヶ岳峠付近から西を望む

<笠ヶ岳峠付近から西を望む。手前の木の少ない場所は山田牧場(冬はスキー場)。奥に見えている山並みは北アルプス(白馬岳から燕岳あたりまで)。この写真の右側にあたる部分には妙高戸隠の山々があります。この場所からは、夕暮れの時もきっと素晴らしい景色が見られるのだろうと思います。>

笠ヶ岳峠付近から東を望む

<笠ヶ岳峠付近から東を見る。志賀山から左にゆるやかに下る地形は志賀山の溶岩による地形。>

高山村は「日本で最も美しい村連合」に加盟しており、この場所のほかにも、見るべき美しい場所があります。

さて、この地方でもようやくトレッキングの開始の目安となる山開きの行事が始まりました。

6月1日(土)は栄村での「苗場山・鳥甲山・佐武流山」の山開き、6月2日は高山村の「笠ヶ岳」の山開きが行われました。

70周年記念写真展の写真で、苗場山と笠ヶ岳を紹介します。

苗場山

苗場山山頂付近から南の星空

<苗場山山頂付近から南の星空。>

苗場山山頂部のワタスゲ

<苗場山山頂部の湿原のワタスゲ。>

笠ヶ岳

山ノ内町のぞきから笠ヶ岳を望む

<山ノ内町のぞきから見た笠ヶ岳。>

下の写真は写真展に出していない写真ですが参考として載せます。笠ヶ岳峠から笠ヶ岳を撮影しました。ここから山頂まで徒歩約30分です。

笠ヶ岳峠から笠ヶ岳山頂を望む

上信越高原国立公園は今年(2019年)国立公園に指定されて70周年となります。

記念の年に上信越高原国立公園へお出かけください。

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2019年05月28日志賀高原 池めぐりコースの状況

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

志賀高原には、いろいろなトレッキングコースがあり、体力や時間に応じて選ぶことができるので、いろいろな方が楽しめると思います。

今回は「池めぐりコース」の状況を紹介します。

四十八池(しじゅうはちいけ)湿原の脇にある公衆便所の状況の確認のため、5月27日に歩きました。

まだ、一般の方のトレッキングには適さないと感じました。理由は残雪が多いためです。

四十八池湿原に向かう場合、志賀山への分岐を過ぎた辺りからは特に目立ちます。例えば、上の写真では残雪のため歩道が隠れています。雪が解ければ写真中央の上下方向に歩道が出てきます。道が分かりづらいことによる道迷い、雪の上を歩くことによるスリップなどへの注意が必要です。

また、地面まで雪があるように見えますが、中が空洞になっているところがあります。踏み抜きにも注意が必要です。

なお、雪が解けたところでは、下写真のように雪解け水が歩道を流れたり、水がたまったりしているところがあります。

なお、四十八池公衆便所が使用できるのは6月下旬になる見込みです。現在は洗浄に使う水がまだ凍っています。例年6月中旬までに解け、その後使用できるようになります。

池めぐりコースで、現時点で利用可能な公衆便所は2箇所です。一つは国道292号沿いの前山リフト近くの公衆便所、もう一つは大沼池側の清水口の公衆便所です。両トイレ間の所要時間は約3時間30分です。必要であれば携帯トイレの持参をお願いします。

<5月27日時点での池めぐりコースのトイレの状況>

上信越高原国立公園は今年(2019年)国立公園に指定されて70周年となります。

記念の年に上信越高原国立公園へお出かけください。

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2019年05月28日野沢温泉村で写真展。そして、タケノコの季節。

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

長野県野沢温泉村で上信越高原国立公園70周年記念写真展を開催中です。

 場所:野沢温泉村役場 玄関ホール

 期間:6月14日(金)まで。ただし、土曜日と日曜日は閉庁。

 観覧時間:8時30分から17時まで

野沢温泉村での写真展

今年(2019年)は、上信越高原国立公園が1949年に指定されてから70周年を迎えます。これを記念して、公園に関係する市町村で写真展を行います。志賀高原自然保護官事務所の担当するエリアでは野沢温泉村で開催中ですが、ほかにも長野県御代田町の「エコールみよた」と長野県軽井沢町の「田崎美術館」でも開催中です。展示している写真は同じものなので立ち寄りやすい会場でご観覧ください。

なお、写真展についての問合せは開催会場ではなく、環境省信越自然環境事務所(電話026-231-6570)へお願いします。

さて、長野県北部では、まもなくタケノコの季節です。

野沢温泉村では6月7日(金)から16日(日)まで「たけのこまつり」が開かれます。期間中の夜間に「たけのこ屋台村」の開店や、土曜日と日曜日には「たけのこを探しながら散策するツアー」の開催が予定されています。

こんな催しのついでに、写真展をご覧いただくのはどうでしょうか。お待ちしています。

参考までに、ここでいうタケノコは、「ネマガリタケ(根曲がり竹)」と呼んでいるチシマザサの若芽で、太くても直径2cm程度のものです。サバ水煮の缶詰を入れたタケノコの味噌汁にして食べたり、採りたてを焼いて食べたりします。

なお、タケノコ採りは、野沢温泉村だけでなく長野県北部の各市町村で行われますが、各地域でルールが決められているので、必ず守っていただくようお願いいたします。

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2019年05月24日ニリンソウの遊歩道 大倉新道

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

志賀高原には、いろいろなトレッキングコースがあり、体力や時間に応じて選ぶことができるので、いろいろな方が楽しめると思います。

今回は、高低差がほとんどなく約1時間で歩ける「大倉新道(おおくらしんどう)」というトレッキングコースを紹介します。5月23日に歩きました。

この時期の目当てはニリンソウです。残念ながら、今年は開花が遅く、咲いているものはわずかでした。

<もうしばらくすると、写真中央の平坦な場所がニリンソウのお花畑になります。>

このほかにも早い時期に咲く花を見ることができました。

<上左:エンレイソウ、上右:ミズバショウ、下左:ヤマエンゴサク、下右:オオカメノキ>

また、このコースは志賀山などの山並みも見どころの一つです。

<左のピークのほうがわずかに高く裏志賀山と呼ばれています。右のピークが志賀山。>

「大倉新道」の場所は、高天ヶ原(たかまがはら)地区の西にある西館山(にしだてやま)の西側です(下図の赤い線)。パノラマパーキングと西発哺地区を結びます。西発哺近くでは西館山スキー場のゲレンデを歩きます。

【5月23日時点での注意点】

・まだ誘導標識が設置されていませんでした。西館山スキー場のゲレンデを歩く際は、進行方向にご注意ください。

・トレッキングコースが西館山スキー場のゲレンデと合流する地点では、まだスキーの転落防止ネットが張られたままでした。ネットをくぐるなど通過に工夫が必要です。

・ぬかるむ箇所がありました。また、約3m×2箇所だけ残雪の上を歩きました。

・トレッキングでは、足元や持ち物の準備をして、けがをしないように注意してください。

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2019年05月17日雪解け進む

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

標高約1,500メートルにある事務所の周辺では、残っている雪がわずかになりました。

<左写真で5月7日に1メートルほどあった雪は、右写真の5月17日ではわずかに残るだけになりました。雪の重みで倒れていた枝が起き上がってきました。>

<雪が解けたところでは、まずフキノトウが目立ちます。手前のフキノトウの左にはタンポポのような葉が見えます。>

<一番上の写真の木はまだ葉は出ていませんが、周辺では葉が出始めた木があります。ナナカマドでしょうか?>

さて、5月8日の日記で、志賀高原の2つのスキー場は5月末まで営業予定と書きましたが、残念ながら渋峠・横手山付近のスキー場のみの営業となりました。

この付近には、「日本一標高の高いところにあるパン屋さん」と「日本で2番目に標高の高いところにあるパン屋さん」があります。

どうぞ、国立公園にお出かけください。

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2019年05月08日志賀高原では、まだまだスキーできます

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

私が自然保護官(レンジャー)とともに執務している志賀高原自然保護官事務所は、上信越高原国立公園の標高約1,500mにあります。雪解けが進み、ようやく春らしくなってきました。

4月15日に撮影した右の写真と今日(5月8日)撮影した左の写真を比べると、

・事務所のすぐ近くにある蓮池(はすいけ)の水面が見えるようになりました。

・除雪でできた道路脇の雪の山や、斜面のスキーコースの雪もほとんど解けました。

でも、シラカバなどの落葉樹にはまだ葉が出ていません。

<左:5月8日撮影、右:4月15日撮影>

<事務所への進入路入口には、まだ1メートルほどの積雪があります。5月7日撮影。>

さて、志賀高原内でもより標高の高いところにある渋峠・横手山付近のスキー場と熊の湯付近のスキー場は、5月末まで営業予定です。スキー場のSNSなどを見ると、まだ雪質は良く、積雪も十分にあるとのこと。

ぜひ、お出かけいただき、国立公園を利用してください。

なお、お出かけの際に注意が必要な点があります。

■国道292号の渋峠(標高2,152メートル)付近は標高が高いため路面凍結のおそれがあります。通行の際はスタッドレスタイヤ等滑り止めを携行してください。

■群馬県側から国道292号の通行は朝8時から夕方5時まで可能です。ただし、一部区間に駐停車禁止や通行可能車種(歩行者、自転車、オートバイ、オープンカー は通行できない)などの規制があります。また、天候や火山活動の状態により通行止めとなることがあります。

一方、万座温泉経由では通行は常時可能ですが、125cc以下のオートバイ(自動二輪、原付)、自転車及び歩行者は通行できません。

なお、山ノ内町側から国道292号の通行規制はありません。

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2019年04月26日木島平村で写真展を開催しています-上信越高原国立公園指定70周年記念写真展-

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

今年、上信越高原国立公園は指定70周年を迎えます。これを記念して、公園に関係する市町村で写真展を開催します。

本事務所の担当する市町村では木島平(きじまだいら)村が最初の開催となります。

 場所:道の駅 FARMUS(ファームス)木島平

 期間:4月26日(金)から5月19日(日)まで。ただし、13日(月)は休館。

 開館時間:10時から17時まで

道の駅では、明日からのゴールデンウイーク中、さまざまなイベントが開催されます。また、農産物直売所もあります。イベントや買い物のついでに写真展をご覧ください。

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2018年05月21日志賀高原 池めぐりコース

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは。

5月16日、志賀高原の硯川から四十八池湿原を往復しました。歩道の状況をお伝えします。

この区間を含むコースは「池めぐりコース」と呼ばれ、志賀高原を代表するトレッキングコースです。湿原、原生的な林など見所がたくさんあります。志賀高原観光協会のwebページによると、中級・一般向けコースで、5月17日現在、このコースのコンディションは「歩行不可 残雪あり」となっています。

歩いた印象は、残雪があるので一般の方(運動靴で歩く方)が歩くことは難しいと感じました。

<志賀山方面との分岐を過ぎると歩道にも雪が出始めます。なお、志賀山登山コースも歩行不可となっています。>

<雪が多く残っている所。先行者の歩いた雪の窪みに足を乗せて歩きます。>

<四十八池湿原には雪がありません。奥に見えるのは志賀山(左)と裏志賀山(右)です。志賀高原ユネスコエコパークのロゴマークに使われている景色です。>

<志賀高原ユネスコエコパークのロゴマーク。>

さて、ヒキガエルが産卵していました。まだ、春が浅いなあと感じました。

<雌雄が右中央にいます。そして雌雄の左の水中に黒いぐちゃぐちゃっとしたものが見え、写真の左上から右下にかけてひも状に長くつながっています。これは卵塊で、黒っぽい卵が寒天状のものに包まれています。>

さて、志賀高原には、様々なトレッキングコースがあり、既に散策が可能なコースもあります。また、間もなく6月上旬からはネマガリタケの時期となります。今シーズンもどうぞ志賀高原へお出かけください。

■志賀高原でのネマガリタケ採取には規則があります。詳細は志賀高原観光協会のページhttp://www.shigakogen.gr.jp/news/entry-295.htmlをご覧ください。

■草津町と志賀高原の間の交通は、草津白根山の活動の影響で国道292号の一時通行止め区間があるため、万座温泉を経由し、万座ハイウェイ(有料道路:125㏄以下のバイク及び自転車の通行は不可)を利用することになります。

なお、万座温泉には「万座しぜん情報館」がオープンしました。環境省が整備した国立公園の自然案内・展示施設です。志賀高原への行き来の際にぜひお立ち寄りください。

http://www.manzanc.jp

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2017年09月29日写真を見比べてください

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは。

志賀高原の渋池(しぶいけ)の写真を2枚並べます。

上は8月29日に、下は9月21日に撮影したものです。約3週間で何か変わっています。さて何でしょう?







■答えは季節が変わっています。茶色っぽくなって秋の気配です。


というのは冗談で、本当に着目してほしいものは「池に浮いている草のまとまり」の位置です。これは「浮島(うきしま)」と呼ばれ、その名のとおり水面に浮いています。


■浮島の位置に着目すると、上の写真では、写真中央に浮島が2つ、比較的岸から近い位置にありますが、下の写真では浮島が1つになり岸から遠くなっています。

上の写真と下の写真を撮影する3週間の間に、強い風が吹いて浮島が移動したのだと思います。これまで多少位置が動いていることはありましたが、これほどまでの大きな移動は初めて見ました。



さて、志賀高原の紅葉は9月下旬から10月中旬にかけて見頃となります。錦秋に染まる志賀高原にどうぞお出かけください。

紅葉情報と紅葉狩りおすすめコースなどは志賀高原観光協会のページをご参考にどうぞ。

<http://www.shigakogen.gr.jp/news/autumn.html>



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