中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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皆さん、こんにちは。
白山自然保護官事務所の大石です。 12月になりました。白山は雪をまとって神々しい姿になっています。 (雪をまとった白山 12月4日撮影) さて、今日は白山国立公園パークボランティアの2020年の活動を振り返るAR日記第二弾です。年末が近づき、大掃除に取りかかっている方も多いと思いますが、今回は白山のパークボランティアが8月に種子除去マットの大掃除をした活動をご紹介します。 【8月22日(土)お天気:晴れ後曇り、種子除去マットの清掃】 12月の今となってはちょっと懐かしい暑さの中、甚ノ助避難小屋の近くに設置している種子除去マットの清掃と土砂回収作業を行いました。 (午前中は快晴でした♪甚之助避難小屋から撮影。パークボランティア撮影) 白山では、標高の高いところにはもともと生えていない植物(外来植物)の種子が山の上に持ち込まれるのを防ぐために、登山口などの要所に「種子除去マット」や「種子除去ブラシ」を設置しています。登山者の皆さんには、泥などと一緒に靴についた外来植物の種子をマットやブラシで落としてもらって、山の上に持ち込まないようにしていただいています。外来植物の侵入を防ぐのに活躍している種子除去マットですが、きちんとメンテナンスをしないと目詰まりを起こして機能しなくなってしまいます。このため、こうしたマットは定期的にメンテナンスをしています。白山国立公園にはいくつも種子除去マットがありますが、パークボランティアは甚之助避難小屋の近くに設置されたものをここ数年、毎年清掃しています。(甚之助避難小屋の種子除去マット) この場所の種子除去マットでは、登山者の皆さんが靴から土を落とすと、マット下のコンクリート枠の中に土が溜まるようになっています。ただ、土が溜まり過ぎるとマットが目詰まりを起こして機能しなくなるため、年に1回程度、清掃し、種子が含まれた土砂を回収することで機能を維持しています。 (重いマットをめくって溜まった土砂を回収。パークボランティア撮影)この日はパワーのある男性陣の活躍で、マットの裏に詰まった土と下に溜まった土が取り除かれてきれいになり、しっかり機能するようになりました。 (左:清掃前、右:清掃後。パークボランティア撮影)種子除去マットのことを知っている人も知らなかった人も、白山を訪れる際は白山の自然を守るためにも是非使ってくださいね。種子除去マットの清掃は少人数でできるので、同行した他のメンバーは甚之助避難小屋の清掃や置き去りにされたごみの回収を行いました。今年は新型コロナウィルス感染症のこともあって清掃やごみ回収は特に感染予防に気を遣いましたが、手際よくきれいにしていただきました。 (すっきりキレイになった小屋の中。パークボランティア撮影) 清掃の仕事を終えて、さあ下山...と思いきや、メンバーは山頂方面へ登ります。 ひと仕事終えた後であっても、時間が許せば登って楽しむのが白山国立公園パークボランティア流。...というより、初めから登って楽しむ気満々で集合時間を早めに設定する等の計画を立てています。(仲間と歩くのも楽しい。パークボランティア撮影) 白山の自然から鋭気をもらった後、下山時は甚之助避難小屋から重い重い土砂入りの土のう袋やごみ袋をザックに詰め込んで下山します。性別関係なく、全員が各自の体力に合わせて分担して背負います。 (回収物を入れるために、わざわざ大きいザックで来ています!) 回収したゴミを詰め込む時は「テント泊楽しんだ後みたいな荷物だね!」とわいわい♪♪ 大変な作業も運搬も、活動全てを楽しんで白山を満喫しちゃうのがパークボランティアのメンバーです! さて、下山後に回収した土砂を計量したら、なんと合計37.6kg。 1個5kgを超える土のう袋もありました。こんな数値を目にすると、パークボランティアの存在の大きさを強く感じます。国立公園の維持には大変な作業がたくさんあって、それを支えているのは実は環境省職員だけではないということをアクティブ・レンジャーになってから知りましたが、今も再認識の日々を重ねています。当たり前のように利用している避難小屋やトイレ、登山道などはたくさんの方の維持活動によって支えられているということを思い出しながら、私自身も感謝して利用していきたいと思います。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、上信越高原、妙高戸隠連山、中部山岳、白山、伊勢志摩国立公園があります。
皆さん、こんにちは。
白山自然保護官事務所の大石です。
12月になりました。白山は雪をまとって神々しい姿になっています。
(雪をまとった白山 12月4日撮影)
さて、今日は白山国立公園パークボランティアの2020年の活動を振り返るAR日記第二弾です。
年末が近づき、大掃除に取りかかっている方も多いと思いますが、今回は白山のパークボランティアが8月に種子除去マットの大掃除をした活動をご紹介します。
【8月22日(土)お天気:晴れ後曇り、種子除去マットの清掃】
12月の今となってはちょっと懐かしい暑さの中、甚ノ助避難小屋の近くに設置している種子除去マットの清掃と土砂回収作業を行いました。
(午前中は快晴でした♪甚之助避難小屋から撮影。パークボランティア撮影)
白山では、標高の高いところにはもともと生えていない植物(外来植物)の種子が山の上に持ち込まれるのを防ぐために、登山口などの要所に「種子除去マット」や「種子除去ブラシ」を設置しています。登山者の皆さんには、泥などと一緒に靴についた外来植物の種子をマットやブラシで落としてもらって、山の上に持ち込まないようにしていただいています。
外来植物の侵入を防ぐのに活躍している種子除去マットですが、きちんとメンテナンスをしないと目詰まりを起こして機能しなくなってしまいます。このため、こうしたマットは定期的にメンテナンスをしています。
白山国立公園にはいくつも種子除去マットがありますが、パークボランティアは甚之助避難小屋の近くに設置されたものをここ数年、毎年清掃しています。
(甚之助避難小屋の種子除去マット)
この場所の種子除去マットでは、登山者の皆さんが靴から土を落とすと、マット下のコンクリート枠の中に土が溜まるようになっています。ただ、土が溜まり過ぎるとマットが目詰まりを起こして機能しなくなるため、年に1回程度、清掃し、種子が含まれた土砂を回収することで機能を維持しています。
(重いマットをめくって溜まった土砂を回収。パークボランティア撮影)
この日はパワーのある男性陣の活躍で、マットの裏に詰まった土と下に溜まった土が取り除かれてきれいになり、しっかり機能するようになりました。
(左:清掃前、右:清掃後。パークボランティア撮影)
種子除去マットのことを知っている人も知らなかった人も、白山を訪れる際は白山の自然を守るためにも是非使ってくださいね。
種子除去マットの清掃は少人数でできるので、同行した他のメンバーは甚之助避難小屋の清掃や置き去りにされたごみの回収を行いました。今年は新型コロナウィルス感染症のこともあって清掃やごみ回収は特に感染予防に気を遣いましたが、手際よくきれいにしていただきました。
(すっきりキレイになった小屋の中。パークボランティア撮影)
清掃の仕事を終えて、さあ下山...と思いきや、メンバーは山頂方面へ登ります。
ひと仕事終えた後であっても、時間が許せば登って楽しむのが白山国立公園パークボランティア流。...というより、初めから登って楽しむ気満々で集合時間を早めに設定する等の計画を立てています。
(仲間と歩くのも楽しい。パークボランティア撮影)
白山の自然から鋭気をもらった後、下山時は甚之助避難小屋から重い重い土砂入りの土のう袋やごみ袋をザックに詰め込んで下山します。性別関係なく、全員が各自の体力に合わせて分担して背負います。
(回収物を入れるために、わざわざ大きいザックで来ています!)
回収したゴミを詰め込む時は「テント泊楽しんだ後みたいな荷物だね!」とわいわい♪♪ 大変な作業も運搬も、活動全てを楽しんで白山を満喫しちゃうのがパークボランティアのメンバーです!
さて、下山後に回収した土砂を計量したら、なんと合計37.6kg。
1個5kgを超える土のう袋もありました。
こんな数値を目にすると、パークボランティアの存在の大きさを強く感じます。
国立公園の維持には大変な作業がたくさんあって、それを支えているのは実は環境省職員だけではないということをアクティブ・レンジャーになってから知りましたが、今も再認識の日々を重ねています。
当たり前のように利用している避難小屋やトイレ、登山道などはたくさんの方の維持活動によって支えられているということを思い出しながら、私自身も感謝して利用していきたいと思います。