ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年9月14日

2件の記事があります。

2020年09月14日志賀高原の紅葉シーズン 近づく

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

標高1,500mにある事務所では、日当たりが良くないというのもあるかもしれませんが、昼間の気温が上がらなくなり、長袖のほうが心地よく過ごせるようになりました。

志賀高原では紅葉の時期が近づいています。

標高の高い所では9月下旬から色づき始め、事務所のある標高1,500mでは10月上旬から中旬、さらに標高の低い所では10月下旬まで紅葉が続きます。

志賀高原は標高差があるので、紅葉の時期に来れば、どこかでその日の最も素晴らしい紅葉を楽しむことができるのが特徴です。

では、志賀高原の紅葉の主な見所を紹介します。ほかにも見所があるので、時期が近づいたら志賀高原観光協会のwebページ<https://www.shigakogen.gr.jp/>をご覧ください。

■のぞき(標高2,050m)

紅葉を見下ろす形になり、中景に笠ヶ岳(かさがたけ)が見られ、晴れていれば遠景に、北アルプス(中部山岳国立公園)や妙高・戸隠の山並み(妙高戸隠連山国立公園)を望めます。

横手山(よこてやま)山頂にアクセスするスカイレーター乗り場の前にあり、カフェとドライブインがあります。

のぞきからの紅葉。中景に笠ヶ岳、遠景に北アルプスが見える。

<平成30年10月撮影>

■一沼(いちぬま)(標高1,410m)

低木の赤色が目立つ紅葉スポットです。国道292号を山ノ内町市街地から上ってくると最初にある池です。駐車はサンバレー地区の駐車場を利用ください。

一沼の紅葉。低木の赤が目立つ紅葉スポット。

<平成28年9月撮影。色づき始め。>

■蓮池(はすいけ)(標高1,490m)

蓮池の水面に映る紅葉が見所です。

国道292号の脇にあり、奥志賀高原方面に向かう奥志賀公園線の分岐点に位置しています。周辺には観光拠点施設の「志賀高原山の駅」や「志賀高原総合会館98」があります。また、蓮池のほとりに広場を整備中です。

蓮池の紅葉

<令和元年10月撮影。パッとしないのはうまく撮影できなかったため。>

ここまで志賀高原の紅葉スポットを取り上げましたが、本事務所の担当区域の市町村でも紅葉の見所があります。

国立公園内の主な見所を紹介しますが、ほかにも見所があるので、時期が近づいたら各観光協会のwebページをご覧ください。

■須坂市

須坂市観光協会のページ<https://www.suzaka-kankokyokai.jp/>

・米子大瀑布(今年度は行けません。アクセス道路は昨年の台風19号で被災し、現在も復旧工事のため通行止めです。また、登山道も同じ台風で被災し、復旧作業が行われていないので通行止めです。)

米子大瀑布の紅葉。須坂市観光協会の写真。

<CCBY須坂市観光協会>

■高山村

信州高山村観光協会のページ<https://shinshu-takayama-onsenkyo.com/>の「見どころ」のページに

「松川渓谷(山田温泉 高井橋)」、「八滝(やだき)」の紅葉の写真があります。紅葉の時期は10月上旬から10月下旬です。

■木島平村

木島平村観光振興局のページ<https://kijimadaira.org/>

・カヤの平高原には樹齢300年を超えるブナの林が広がります。紅葉の時期は9月下旬から10月中旬です。

■野沢温泉村

野沢温泉観光協会のページ<https://nozawakanko.jp/>

・毛無山、上ノ平高原の一帯はブナの林があります。上ノ平高原の紅葉の時期は10月中旬から下旬です。

■栄村

栄村秋山郷観光協会のページ<http://sakae-akiyamago.com/>

・雑魚川(ざこがわ)渓谷は木島平村と山ノ内町にもまたがり、奥志賀(おくしが)渓谷とも呼ばれます。車道沿いでも紅葉を楽しめますが、ぜひ渓谷沿いを歩いていくつかの滝と紅葉を楽しみください。紅葉の時期は9月下旬から10月中旬です。

雑魚川渓谷の車道沿いの紅葉

<平成28年10月撮影。終わりかけ。>

【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】

上信越高原国立公園の利用においては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや3つの密を避けるといった「新しい生活様式」の実践をお願いします。また、上信越高原国立公園へお出かけの際には、上信越高原国立公園のページ<https://www.env.go.jp/park/joshinetsu/>、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認ください。皆様のご協力をお願いします。

厚生労働省「新しい生活様式の実践例」

<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html>

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2020年09月14日新穂高温泉から槍ヶ岳登山道巡視

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

岐阜県側の北アルプス玄関口、新穂高温泉から槍ヶ岳を目指して巡視してきました。

槍ヶ岳を目指すルートは東西南北あり(※北鎌尾根は登山道ではありません)、北アルプスの交差点とも言われますが、今回は新穂高温泉より左俣から鏡平、双六岳、そして西鎌尾根で槍ヶ岳、下山は右俣で飛騨沢沿いに槍平、そして新穂高温泉とグルッと一周ルートです。

出発地の新穂高温泉登山口に立てば、荒々しい錫杖の岩場から笠ヶ岳、そして弓折岳から抜戸岳の稜線が壁のようにそそり立っており自然の畏怖を感じさせます。

<左俣林道から小池新道へ>

左俣林道は7月の大雨や群発地震の影響もすっかり整備され快適な林道でした。

わさび平小屋で小休止して小池新道に入ると整備された登山道で歩きやすく、石の積み

方や雨水の逃がし方など様々な工夫がされた道に驚かされます。

<歩きやすく工夫された小池新道>

初日は、双六小屋までの計画でしたが、夏山の特徴である午後の積乱雲発達による強雨に遭い鏡平山荘泊まりとしました。

翌日は雨もすっかり上がり、早朝から好天が約束されたような青空が広がりました。

鏡平からは、これから歩く西鎌尾根が槍ヶ岳まではっきりと分かり、穂高岳に続く稜線が屏風のように見えます。

<鏡平の向かいに見える槍ヶ岳に続く西鎌尾根>

双六小屋まで快適な尾根歩きで北上し、そこからは今朝まで居た鏡平小屋を右手に見ながら西鎌尾根を辿り槍ヶ岳に向かいます。

北上しているときは富山県側の山々が波打つように望まれ、また西鎌尾根に乗るとシンボルの槍ヶ岳に向かって一直線の稜線に感動します。

<槍ヶ岳への快適な縦走路 西鎌尾根>

最後に千丈沢乗越からの急登をゆっくりと登り終えると槍ヶ岳山荘に飛び出しました。

慎重に穂先を往復しましたが、登山道はしっかりと整備されており、登り降りの道順の整理と梯子の区別、また難所での手足の置き場をサポートするマーキングなど安全に対する山小屋や登山関係者の思いが伝わります。

しかしながら穂先への登山は、両手両足を操りながら登る難度の高い岩場の登り降り、空中に身体を放り出すような梯子の高度感、そして何より3000mの山岳気象状況をしっかりと把握して登山可能かどうかを判断できること、など登山者自身の責任ある行動が重要です。

<険しい槍ヶ岳の穂先>

鏡平も槍ヶ岳でもコロナ禍における登山者への対策は、消毒や検温、山荘内のマスク着用や食事時の人数管理などしっかり徹底されており、街中とは大きく異なる厳しい山岳環境に在りながら登山客を迎え入れる体制は素晴らしいものでした。

<槍の肩にある槍ヶ岳山荘>

最終日は、飛騨乗越より飛騨沢を降り槍平小屋、右俣沢沿いに樹林帯に入り滝谷出合を通り新穂高温泉口に下山しました。

槍平小屋の今期営業は、キャンプ場と売店のみです。

新穂高と槍ヶ岳の中間点に位置するところに山小屋があると安心しますし、なんと言っても登山道状況や気象状況を確認できることは本当に心強いです。

私たちも7月の豪雨影響があった右俣での注意箇所、復旧状態など詳しくお聴きすることができました。

<滝谷出合付近の迂回路(新穂高方面)>

一番の注意箇所は滝谷出合いで、従来の登山道から迂回路及びマーキングが大きく変わっていました。

山小屋関係者によって安全に、そして分かり易く迂回路が示されていました。

今回の左俣から右俣への登山道の周回ルートは、概ね安全に通行可能でした。

登山道は山小屋はじめ、登山関係者によって登山者が安全に通行できるよう様々な工夫

がされていました。

但しその事は、決して安全な登山を保証するものではありません。

登山者自身がしっかりと登山の備えや判断をもって安全登山を実践し、登山を楽しむ姿を見せることが登山の安全管理に関わる人たちを笑顔にするのだと思います。

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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