ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2022年1月

4件の記事があります。

2022年01月24日万座温泉スキー場巡視

飯島久美子

1月11日に万座温泉スキー場の巡視を行ってきました。

万座は草津白根山の山麓、標高1,800mに位置しており、スキー場では良質なパウダースノーを楽しむことができます。温泉郷としても知られており、ウィンタースポーツの後は温泉も魅力の場所です。今回の巡視の目的は、安全性向上のためにコース幅を広くした箇所の確認です。

↑ 万座温泉スキー場プリンスゲレンデ

少し雪の降る日の巡視となりました。

↑ パノラマリフト付近の看板

群馬県と長野県の県境で、リフトを降りるとこんな看板があります。

↑ 昨年のエキスパートコース

コース下部の合流地点の幅が狭く、スキーの技量に差がある場合、

スキーヤー同士の接触の危険がありました。

↑ 幅を広くしたエキスパートコース

黄色く囲った部分が拡張した箇所です。

幅が広くなったことで見通しもよくなり、安全性が向上されました。

↑ スキー場上部からの眺め 2021年3月に撮影

天気が良いときは長野県側の山並みを眺望でき、万座温泉スキー場の魅力のひとつになっています。

【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、引き続き、「三つの密」を徹底的に避ける、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」及び「手洗いなどの手指衛生」等の基本的な感染対策の実施をお願いします。

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2022年01月19日志賀高原(蓮池)の紅葉の推移

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

1月19日の志賀高原は、久しぶりに、朝からずっと青空を見ることができます。

この日記では、標高1,500mにある志賀高原管理事務所の駐車スペースから蓮池(はすいけ)方面を望む定点撮影した写真を載せてきました。

でも、1月19日には、自然降雪と除雪した雪が高く積もって壁のようになり、蓮池を望むことはできません。

志賀高原管理官事務所前の雪の壁

<いつもの地点から蓮池方面を撮影しましたが、雪が高く積もって蓮池を見ることができません。ポールは長さ2mで赤白それぞれ20cmずつ塗り分けられています。雪の高さはだいたい160cmくらいです。>

続いて、事務所への進入路で、奥が国道292号です。1月19日に撮影した写真と約1か月前の昨年12月20日に撮影した写真を並べます。

志賀高原管理官事務所の進入路の雪の壁

<左が1月19日、右が12月20日。こちらも雪が壁のようになりました。>

このように今年の志賀高原は雪が豊富にあり、ほとんどのスキー場で全面滑走可能です。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ対策をして、志賀高原にお出かけください。

さて、先日まで山ノ内町の楓の館で写真展を行っており、今年度の蓮池の紅葉の推移を整理したものを展示していました。

整理した結果、10月の約1か月は紅葉を見ることができ、10月下旬が紅葉の盛期であったことが分かりました。

蓮池付近での紅葉の見頃は10月上旬から中旬と言われています。それと比べると、今年度の紅葉は長く、遅くまで見ることができたと言えます。

写真は上から、9月27日、10月8日、15日、21日、28日、11月5日、10日に撮影したものです。

蓮池では10月28日頃が紅葉の盛期だったようです。

紅葉が10月下旬で、約3か月経って一番上の写真のように深い雪となりました。

9月27日

池のほとりの低木が赤く色付く

紅葉の推移_10月8日撮影

10月8日

高木が少し色付く

志賀高原蓮池の紅葉の推移_10月15日撮影

10月15日

紅葉が徐々に進み、黄色に色付いた高木が多くなる

志賀高原蓮池の紅葉の推移_10月21日撮影

10月21日

まだ色付きの浅いものがある一方で、落葉し幹や枝が目立つものもある。

この日の朝にも蓮池で降雪があり、奥に見える山の山頂部には雪が残っている。

志賀高原蓮池の紅葉の推移_10月28日撮影 10月28日

奥の山など全体的に紅葉が見られる

志賀高原蓮池の紅葉の推移_11月5日撮影 11月5日

多くの木が色あせる

志賀高原蓮池の紅葉の推移_11月10日撮影

11月10日

ほとんどの木が落葉する

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新型コロナウイルス感染拡大防止のため、引き続き、「三つの密」を徹底的に避ける、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」及び「手洗いなどの手指衛生」等の基本的な感染対策の実施をお願いします。

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2022年01月19日歩くアルペンルートを歩こう!~立山の魅力~その2(美女平~弥陀ヶ原)

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝&平松です。

第2回目は、ブナ坂(美女平)から弥陀ヶ原までを歩いていきます。


<↑今回の歩いた区間>

○過去の投稿はこちら

第1回目 歩くアルペンルートを歩こう!~立山の魅力~その1 立山駅から美女平

第2回目は、ブナ坂より先、まずは滝見台を目指します。

この辺りはブナ平という名前で呼ばれるようにブナが多く、その林の中を進んでいきます。美女平までは急な道でしたが、ここからは比較的平坦な道が続きます。

<ブナ平のブナ林>

<ブナの若い実が落ちていました>

しばらく進むと滝見台(1280m)に到着です。350mと日本一の落差を誇る称名滝が一望できます。この日は霞んでいたものの見ることができました。ここには、第21番観音石仏があります。

<滝見台>

<第21番丹波国穴太寺 聖観世音菩薩>

その先にある「桑谷」の看板が押しつぶされてしまっていました。

<桑谷の倒壊した看板>

滝見台を過ぎると、高木にキタゴヨウ、スギ、ネズコ、オオシラビソなどの針葉樹が増えてきます。

<針葉樹が増え、林の雰囲気も変わってきます>

<林内ではシライトソウが咲いていました>

称名滝がよく見える2つ目の展望地が「大観台」です。この日はガスがかかっており、展望はありませんでした。写真は別日で眺望があった時のものです。

<大観台2021/10/24撮影 展望が開けると称名滝と弥陀ヶ原、立山を望むことができる>

大観台を過ぎると、高い木が少なくなり視界が開けてきます。動植物もこれまでとは違ってきます。

<キンコウカ 湿り気の多い開けた場所でよく見られます>

<タテヤマウツボグサの花にトラマルハナバチが訪れていました>

<アズマヒキガエル 立山では低地から高所まで広く見られます>

八郎坂と弥陀ヶ原の分岐までやってきました。分岐を弥陀ヶ原方面へ進み、一旦道路へ出ると第23番観音石仏があります。

<一旦車道に出て向かい側にある>

<第23番摂津国勝尾寺 十一面千手観世音菩薩>

さらに進んだ「追分料金所手前」には、第26番観音と地蔵があります。

<第26番札所播磨国一乗寺の聖観世音菩薩と地蔵菩薩>

地蔵菩薩立像の光背部には「右 うばがふところ道   左 一ノ谷みち」と刻まれており、文字としてしっかりと道標の役割もある石仏です。ここを境に、右へ行くと姥石へ向かう道へ、左へ進むと一ノ谷の鎖場へと2つのルートに分かれていたようです。現在は一ノ谷へ向かう道のみが通れるようになっています。

追分の分岐を過ぎると弥陀ヶ原です。弥陀ヶ原には池塘と呼ばれる水たまりが多く点在しています。別名で「餓鬼田(がきた)」と呼び、仏道の餓鬼道に落ちた亡者達が飢えをしのぐために田植えをするので「餓鬼田」という名が付いたようです。餓鬼田に見えるのは当然稲ではなく、高層湿原に生える「ミヤマホタルイ」という植物を稲に見たてていたようです。

<餓鬼田。学術的には池塘と呼ばれる>

弥陀ヶ原に到着です。

<弥陀ヶ原 1930m>

弥陀ヶ原は木道の散策路になっており、アルペンルートのバス停もあるので、老若男女が楽しめる場所になっています。弥陀ヶ原の詳細については次回に触れていきます。

<弥陀ヶ原の木道散策路>

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2022年01月05日歩くアルペンルートを歩こう!~立山の魅力~その1 立山駅から美女平

中部山岳国立公園 立山 平松新一

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所です。

皆さんは、「歩くアルペンルート」って知っていますか?立山周辺の登山や観光をする際に多くの人が利用する立山黒部アルペンルートですが、その道路沿いには通称「歩くアルペンルート」と呼ばれる歩道があり、かつての立山信仰で登拝していた道と重なる箇所も多く、文化歴史と自然を味わいながら歩くことができます。コースは立山駅(標高475m)から雄山(3,003m)までと、雄山(立山)登山の途中にある一ノ越(2,700m)から黒部ダム(1,450m)までの道となっています。

今回、立山のアクティブ・レンジャーである平松と一ノ枝がグリーンシーズン中に巡視で通った歩くアルペンルートの魅力を区間にわけて紹介します。第1回目は立山駅から美女平・ブナ坂(1,120m)までの紹介です。

その前に、まず立山信仰に関連して、立山の開山についてお話しします。

立山開山縁起によると、佐伯有頼(さえきありより)という越中国の殿様の息子が立山を開いたと言われています。

時は文武天皇(西暦701年頃)の時代、有頼少年はお父さんが大事にしていた白鷹を勝手に連れ出し、山へ出かけたのですが、白鷹が逃げてしまいました。有頼は必死で白鷹を追いかけます。白鷹を追っていると熊に遭遇!!有頼が矢を射ると見事熊の胸に命中します。しかし、その間に白鷹を見失ってしまったため、逃げていく熊を追っかけて、血の跡を目印に山の奥へと進んでいきました。血の跡は洞窟へと続き、中に入ると有頼の前に現れたのは、なんと阿弥陀如来でした。胸に矢が刺さっており、さっきの熊は阿弥陀如来の化身だったのです。そして、探していた白鷹は不動明王でした。

「世の全ての人が立山にお参りできるように、努力せよ」との阿弥陀如来のお告げを受け、佐伯有頼は出家し僧名を慈興(じこう)として立山開山に努めていきました。

<呉羽山展望台。佐伯有頼と白鷹と立山連峰>

立山開山にはこんな話があったのですね。さてさて、ルートは立山駅のある千寿ヶ原からスタートです。

千寿ヶ原ロータリー前には熊王の水があります。もともとこの水源は立山駅~美女平の旧立山登山道にあり(現在道はありません)、登拝者はここで安全祈願を行い、水分補給をして登拝していったそうです。

<熊王の水。立山駅前ロータリーにて>

熊王の水を後にして、いよいよ歩くアルペンルートに入ります。今回のルートの大部分は材木坂と呼ばれる坂道で、その横を立山ケーブルカーが通っています。道のりは約1.5km、標高は立山駅が475m、美女平駅が977mあるので、約500mの標高差を一気に登ることになります。入口は立山駅の裏手で、少し分かりにくいかもしれません。ミズナラ、トチノキ、ケヤキ、イタヤカエデ、オニグルミなどが茂る林の中を歩いていきます。林内にはユキツバキ、リョウブ、オオバクロモジなどの低木の他、イワウチワ、キバナイカリソウ、ニリンソウなどの草本に混じって、ウワバミソウ、ミヤマイラクサ、ウド、ワラビなどの山菜も見られます。

<材木坂登山口>

<材木坂登山道。木々が茂る中を歩きます。>

<オオバクロモジ 枝や葉には特有の香りがあります。>

<ウワバミソウ 「カタハ」とか「ミズナ」などとも呼ばれます。>

上り坂をしばらく進むと六角形の石でできた丸太のような材木石が見られます。

 

<材木石> 

<ケーブルカーから見た材木石>

材木石は、立山火山が噴火した際に溶岩が冷却してできた柱状節理のことで、六角形の柱状をしているのが特徴です。立山伝説の中には材木石に関して次のような話もあります。

明治5年(1872)まで立山は女人禁制の山でした。今では考えられませんが、女性は月経や出産時の出血によって大地や水の神を汚すと考えられていました。そんな立山に若狭国小浜(福井県)の尼僧(にそう)とお供の若い女性と女の子が立山へ登りにいった際に材木をまたいで進んでいたところ神の怒りに触れ、一夜にして材木が石に変わってしまったそうです。

また、さらに先へと進もうと立山登拝をしていた若い女性が神の怒りに触れて杉に変えられてしまったことから、その場所にあったスギを美女杉と呼ばれるようになったとのことです。

<美女平駅前にある2代目美女杉>

美女平のバス停前に、石仏があるのをご存じでしょうか?これは「西国三十三箇所 観音石仏」の一つです。

<第十七番札所 十一面観音立像>

立山信仰が盛んだった江戸時代、西国三十三箇所巡礼になぞらえて33体の分霊観音石仏が岩峅寺から室堂にかけて設置されました。歩く際の道しるべの役割を担っていました。現在は33体のうち25体が現存しています。美女平駅前にあるのは、第十七番札所の「十一面観音立像」です。アルペンルート(車道)のブナ坂付近には第十九番札所の「千手観音立像」が現存しています。

<第十九番札所 千手観音立像>

美女平にはここから標高1,110mにあるブナ坂までの間に遊歩道が整備されています。ここでは、春から初夏にかけては、ブナの新緑と野鳥たちのさえずり、秋には紅葉が私たちの目や耳を楽しませてくれます。また、立山杉の大木もあって、その中でも大きなものは幹の周りが10m近くもあって、「火炎杉」や「不老樹」などの愛称がついています。

<立山杉の茂る遊歩道>

<遊歩道にある火炎杉。幹の周りは7mあるそうです。>

<ブナ林>

立山から美女平の間までは坂道もきつく、普通ならケーブルカーを使うので、このルートはあまり歩かないかもしれません。でも、いつも歩かない道だからこそ、かえって新しい発見もあるのではないでしょうか。ルートの中では標高の低い場所なので真夏の暑い時期よりも、春の新緑や秋の紅葉の時期に訪れるのがおすすめです。

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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