2020年9月
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2020年09月30日2020年の花、ひっそりラストスパート
上信越高原国立公園 万座 飯島久美子
軽井沢町の追分宿よりすぐ、石尊山(1,667m)に9月28日巡視にいってきました。
↑登山道はなだらかで歩きやすく、道標もしっかりついています。
道標は軽井沢町の管理で今年新しくなったばかりです♪
さて、夏からすっかり顔ぶれの変わった花もラストスパートを迎えていましたのでご紹介します。
↑ ミズヒキ
その名の通り水引にそっくり。登山口~中間地点のあたりの登山道で見られました。
↑ ナギナタコウジュ
葉の匂いをかいでみると、甘いような、ハーブのような‥?不思議な香りがしました。
↑ ヤマラッキョウ
頂上付近で発見!
↑ リンドウ
こちらも頂上付近で発見!
標高2000メートル付近は雲で覆われていましたが、麓は晴れており、花が咲いていました。
最後に、石尊山の山頂からは
浅間の大パノラマ、軽井沢町が一望でき、とっても景色がきれいでした。
↑ 石尊山山頂より、浅間山方面
2020年09月28日志賀高原の紅葉 色づき始め
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原から紅葉の情報です。
一沼(いちぬま)では紅葉が始まりました。池のほとりの低木の赤色が目立つ紅葉スポットです。
国道292号を山ノ内町市街地から上ってくると道路のすぐ左側にあるので分かると思います。駐車は池から200mほど先にあるサンバレー地区の駐車場をご利用ください。
なお、9月28日の午前8時30分頃の道路の気温表示は10度でした。気温に合った服装でお出かけください。
<低木はまだ色付き始めです。一部が赤くなっているツタウルシも見られました。令和2年9月28日撮影>
また、事務所から見えるスキー場では、ゲレンデの草刈りが行われるなど、冬に向けての準備も進んでいます。
今シーズンの志賀高原のスキー場のオープン予定は、人工降雪機が導入されるスキー場では、なんと11月中旬とのことです。このスキー場は、昨シーズンは6月1日まで営業していたので、積雪の状況によっては半年以上も滑ることができるスキー場になります。
【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】
上信越高原国立公園の利用においては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや3つの密を避けるといった「新しい生活様式」の実践をお願いします。また、上信越高原国立公園へお出かけの際には、上信越高原国立公園のページ<https://www.env.go.jp/park/joshinetsu/>、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認ください。皆様のご協力をお願いします。
厚生労働省「新しい生活様式の実践例」
<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html>
2020年09月25日イタセンパラ生育状況調査
中部山岳国立公園 立山 佐藤 裕子
よろしければ前回の調査の様子をご覧ください。
先日、イタセンパラの生育状況確認調査のため、再び氷見市に向かいました。
氷見市役所 氷見市教育委員会へ伺い、教育長から昭和の子供の頃の氷見の様子を聞くことができました。
氷見市は能登半島の付け根に位置し、海も森も近く、自然豊かな場所です。
氷見と言えば「ブリ」が有名ですが、昔は子供が今晩のおかずを捕まえてくるのが当たり前だったため、冬の海は寒く釣りができず、川で捕れる魚は貴重なたんぱく源でした。
川魚の中でもフナは重宝され、イタセンパラは(その感触か見た目からか)「ベト」「ベコ」「ベッチョ」と呼ばれ、捕えてもすぐに捨てられる魚でした。
■ひみラボ水族館で飼育されているイタセンパラ(オス)
オスの婚姻色は、腹が赤くなり、ヒレが黒くなりますが、飼育されているものは日照不足によるものなのか、赤みがわかり辛いようです。
イタセンパラは昭和49年6月に文化財保護法・天然記念物(文化庁)、
平成7年に絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)・国内希少野生動植物種(環境省)に指定されていますが、現代では川に入る機会は滅多に無く、普段の生活で目にすることがないため、氷見市民であっても認知度が非常に低い状態でした。
イタセンパラが地域の宝であるとの認識を高めるため、氷見市教育委員会では市内小学校の総合学習の授業にイタセンパラを教材として用い、生徒による飼育活動や出前授業を行うなど、積極的に普及啓発活動も行い、生息地の保全活動に繋げられるよう尽力されているそうです。
また、イタセンパラを表紙に用いた(かの有名な)学習帳を作成し市内の小学1、2年生に配布しているそうです。
■ひみラボ水族館で発売中!
(市内の小学生で2冊目が欲しい場合は100円で購入可)
■現在、イタセンパラは教科書にも掲載されているそうです!
■その後、保護池に定置網を仕掛けました。
2020年09月23日戸隠山登山道巡視
妙高戸隠連山国立公園 戸隠 土屋達郎
先日天気の良い日に戸隠山を巡視してきました。
担当する国立公園内にある登山道をくまなく歩いて登山道の状況や植生等を把握することはアクティブレンジャーの重要な仕事の一つです。
戸隠神社奥社~蟻の塔渡り~戸隠山山頂~一不動避難小屋~戸隠キャンプ場
およそ6時間の行程でした。
妙高戸隠連山国立公園のある北信地域を代表する5つの山々:妙高山・黒姫山・飯縄山・戸隠山・(と国立公園外ですが斑尾山)は「北信五岳(ほくしんごがく)」と呼ばれています。北信五岳の山々のうち戸隠山以外はいずれも噴火によって出来た火山です。一方、戸隠山は400万年前は海の底だった土地が隆起して出来た山です。そのため戸隠山は海底に土砂などがたまって出来た堆積岩から構成されていて、戸隠山周辺からはホタテ貝やサメの化石が見つかっています。
<堆積岩の壁を登る>
また戸隠山は日本神話にも残る「天岩戸伝説」に関係の深い山です。
天岩戸伝説を簡単にかいつまんでご紹介すると・・・
昔々。高天原(たかまがはら)という神々のお住まいになっているところがありました。
そこには天照大神(あまてらすおおみかみ)という世の中を照らす太陽の神さまがいました。そして弟に須佐之男命(すさのおのみこと)というたいそう乱暴な神さまがいました。
あるとき須佐之男命の乱暴・狼藉に腹を立てた天照大神は天岩戸(あまのいわと)に引きこもってしまい世の中は闇に包まれました。
世界が真っ暗闇になってしまって困りはてた神さまたちは、再び天照大神に出てきてもらうために一計を案じ、天岩戸の前でにぎやかに楽しげに歌ったり踊ったりしてしたそうです。
外が余りにもにぎやかなので、天照大神は不思議に思われ、岩戸を少し開いたところをすかさず力自慢の天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)が力いっぱい岩戸を開きました。 すると真っ暗だった世界があかるさを取り戻したそうです。そして天手力男神は二度と天照大神が閉じこもってしまわないように岩戸を下界に放り投げ、それが地上に刺さったのが戸隠山と言われています。きっとあれだけの巨大な物体が地上に刺さるときの衝撃は凄まじいものだったことでしょうね。
あれ?戸隠山は隆起で出来たのでは???
深く考えちゃダメです。ロマンですよロマン!
ちなみに戸隠神社の奥社にはこの時の天手力雄命が祀られています。
戸隠山山頂へのルートは鎖場の岩登りが連続します。中でも一番の難所は「蟻の塔渡り」と呼ばれる幅50㎝くらいのナイフリッジ。奥社側から戸隠山の山頂を目指すには避けては通れないルートです。
ところで戸隠は忍者の里としても有名です。戸隠流忍術は伊賀・甲賀とならぶ日本三大忍術の一つと言われています。もともと忍者は修験者(山伏)から派生したとも言われており、戸隠忍者は修行でこの蟻の塔渡りを飛ぶように駆けていたのかも知れませんね。私は慎重を期して四つん這いでソロ~リソロリと行きましたけど。
いやぁさすが修験の山。なかなか怖かったです。でもその分、絶景が連続する素晴らしい山でしたよ!!
皆さまも、戸隠山登山の際には十分お気を付けください。自分には無理だと少しでも思ったら引き返す勇気を!
2020年09月19日創造の森横山しょうぶ園ため池の外来植物駆除活動
伊勢志摩国立公園 天満理恵
伊勢志摩国立公園には希少な在来植物が生育していますが、在来植物に悪い影響を与える外来植物も生育しています。そこで、伊勢志摩国立公園パークボランティア活動のひとつとして、希少種の保護と外来植物の駆除をおこなっています。
<わき水が流れ込む創造の森横山しょうぶ園のため池>
伊勢志摩国立公園の外来植物のひとつにオオフサモがあります。南米原産で観賞用水草として渡来し、池や川など水辺で増えている植物ですが、外来生物のなかでも対策を急ぐ必要がある種として、飼育や生きたままの移動が禁止されている「特定外来生物」に指定されています。今回はそのオオフサモの駆除を9月15日にパークボランティアさんと横山のわき水が流れ込むため池でおこないました。
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
蓮池のほとりの「蓮池広場(はすいけひろば)」が使えるようになりました。芝生の広場です。
■蓮池広場を利用される際のお願い■
犬などに糞尿をさせないでください。
・糞尿があると、芝生に座ったり、寝転んだりという利用が難しくなくなるため
・糞尿が芝生の生育に悪影響を与えるおそれがあるため
ご協力をお願いいたします。
★蓮池広場とその周辺の楽しみ方★
1.蓮池を周遊する遊歩道
1周15分程度の遊歩道です。車窓から景色を見るだけでなく、少し歩いて、志賀高原の雰囲気を感じてください。この時期は、蓮池に映る紅葉も楽しめます。
要所に解説板を設置しています。
<遊歩道は砂利敷きです。令和2年9月30日撮影。>
2.広場で楽しむ
広場で景色を見たり、休憩したりしてお過ごしください。
3.周辺の観光施設
・「志賀高原山の駅」
<写真の中央から左にかけて蓮池広場がある。「山の駅」は右奥の建物。令和2年9月30日撮影。>
・「志賀高原自然保護センター」「長野オリンピック・パラリンピック記念館」
山の駅の向かいの「志賀高原総合会館98」内にあります。この建物には「志賀高原観光協会」、「志賀高原ガイド組合」などもあります。
【蓮池を起点にした2つのトレッキングコース】
1.「サンシャイントレイル」
蓮池を起点に「琵琶池(びわいけ)」に向かうトレッキングコースです。
落葉樹の林の中を歩き琵琶池のほとりに着いた後、琵琶池を周遊し、蓮池に戻ります。往復で1時間30分から2時間程度です。
このコースのうち、琵琶池のほとりの遊歩道は舗装されていて、車椅子の方も安心して楽しめます。ただし、山の駅から琵琶池までの区間は傾斜が急な区間があるので車椅子は難しいです。
このコースの途中からは「志賀高原歴史記念館」に向かうこともできます。
<琵琶池の紅葉。この池のほとりを周遊するコースがある。令和元年10月23日撮影。>
2.「自然探勝コース」
蓮池を起点に「木戸池(きどいけ)」に向かうトレッキングコースです。
池や湿原、原生林、お花畑など志賀高原の自然を堪能できるコースで、片道2時間程度です。国道292号を縫うようにコースがあるので、蓮池に戻るのにバスを利用することができます。
<自然探勝コースのうち、スキー場のゲレンデを歩く区間ではニッコウキスゲが群生する。平成27年7月19日撮影。>
●蓮池広場へのアクセス
蓮池は国道292号の脇にあり、奥志賀高原方面に向かう県道471号(奥志賀公園線)との分岐点に位置しています。
・バスをご利用の場合は「蓮池ひろば」または「志賀高原山の駅」で降車
・自家用車などをご利用の場合は「志賀高原山の駅」または「志賀高原総合会館98」の駐車場に車を止めてください。
<蓮池広場と周辺の略図。>
※図の右下の「志賀1号トンネル」内のカーブは滑りやすいので速度を出しすぎないように注意してください。
【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】
上信越高原国立公園の利用においては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや3つの密を避けるといった「新しい生活様式」の実践をお願いします。また、上信越高原国立公園へお出かけの際には、上信越高原国立公園のページ<https://www.env.go.jp/park/joshinetsu/>、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認ください。皆様のご協力をお願いします。
厚生労働省「新しい生活様式の実践例」
<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html>