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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

【日本のいのち、つないでいこう!COP10まで10日前】

2010年10月05日
妙高
《 森の住人 サンショウウオ 》

先日、整理と清掃で笹ヶ峰にでかけたときのこと。

雨に濡れるのがイヤだったので、施設の横の戸から入りました。
戸を閉めるとき、なんのきなしに足下をみると
黒いゴムパッキンがちぎれてレールに乗っています。
「古くなってきたのかな?」
とりあえず戸がはずれないよう、静かに閉めました。

作業を終えて帰ろうと戸を開けると、
さっきのゴムパッキンの形が変わって長くなっています。

不思議に思いしゃがんでよく見ると、
「ワッタ、ワッタ、ワッタ…」と動きだしました!
捕まえてみると…小さなサンショウウオ!

サンショウウオは「両生類」。
カエルの仲間ですが、シッポがあるので「有尾目」。
サンショウウオ科サンショウウオ属に分類されています。

苦手な方は、この先ご覧にならないほうがいいかもしれません。

あわてて水場で濡らしました。
戸をいつも通りバタンと閉めていたら、今頃つぶれていたかも…

まじまじ眺めると…
「葉っぱじゃな~いよ~カエルだよ~♪」

と聞こえてきそう… 笑っているの?

ボディはまさに「サラマンダー」、マダラ模様です。


頭の先からシッポの先まで携帯と同じくらいの大きさ。

なんでこんなところにいたのか、ただただ驚くばかり…
あまりいじっていてはいけないと思い、急いで近くの水場にはなしました。

おそらくクロサンショウウオという日本固有の種。
近年生息数が激減し、絶滅が心配されています。

「サンショウウオを一匹助けても、なにも変わらないよ。」
そうかもしれません。

ですが、人間も何千万種類の生きものの中の1種類。
その全ての生きものとの目に見えないつながりがなければ、
人間も生きてはいけないはずです。

そういえば、若いころ夢中で何度も読み返したマンガ「火の鳥」の一節に、
「すべてのいのちが目には見えないけれど、網の目のようにつながって…」
というような表現があったのを思い出しました。

「生物多様性」は、「いのちの網の目」や「生かされている」といった、
身近なことばや感覚でおきかえてもいいのではないでしょうか。

世界193の国と地域の代表が集まって名古屋でひらかれる、
今回で10回目の「生物多様性条約締約国会議」(COP10)開催まであと10日。

一人でも多くの方が、
現在1日100種以上のスピードで絶滅しているといわれる
生きものたちとのかかわり方を、考えるきっかけになればと願っています。

施設の入口でであった小さな「森の住人」は、
多くのことを考えるきっかけを、私に与えてくれました。

●全国のアクティブ・レンジャーが綴る「日本のいのち」
日本のいのち、つないでいこう!
/nature/mat/m_3_7.html

●環境省 生物多様性ホームページ
生物多様性-Biodiversity-
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/

●COP10/MOP5日本政府公式ウェブサイト
生物多様性条約COP10/MOP5日本政府公式ウェブサイト
http://www.cop10.go.jp/