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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

志賀高原 四十八池公衆便所のカウンター

2021年07月09日
志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

先日、白山国立公園の登山者カウンターの話題がありました。

志賀高原でも四十八池(しじゅうはちいけ)公衆便所で、利用者数をカウントする機器を環境省が運用しています。

四十八池公衆便所のカウンター

<赤丸で囲んだ送信機と受信機のセットで使用します。雨を防ぐカバーの中にカウンター本体が入っています。奥が男女別のトイレで、利用者は必ずこの場所を通過します。>

この機器は、何かが送信機と受信機の間を通過すると1カウント記録されます。

1回のトイレ利用につき、入る時と出る時にそれぞれ1カウントずつで計2カウントされます。このことから、カウントされた値を半分にすると利用者数になります。

しかし、誤カウントにより、ある時間帯にカウントされた数が偶数ではなく、奇数になることがあります。

既知の誤カウントは次のようなものです。

・順番待ちでカウンターの前で止まったり、カウンターの前をゆっくり動いたりすると、1人の利用者でも3カウント以上されることがある。

・横に並ぶなど複数人がかたまってカウンターの前を通過した場合は、実際の人数よりも少なくカウントされることがある。

・カウンターの前を駆け抜けた場合はカウントされないことがある。

<現地で再現しないようにお願いします。>

また、夜間など人の利用がないはずの時間帯にカウントが記録されることがあります。(このトイレは最寄りの宿泊施設から山の中を約1時間歩いた場所にあります。)

こういったカウントは明らかな誤カウントとして無視します。ですが、原因が何なのか気になります。

なお、カウンターを設置した理由は、利用者数データを公衆便所の維持管理に反映させるためです。

■この便所は、一日当たりの利用者数の上限を200人で設定しています。この便所の特徴は、汚物を酵素や土壌内の微生物により分解し、浄化された水を洗浄水として再利用することです。トイレの利用者数が分解の能力を超えると、再利用のシステムに悪影響を及ぼします。

利用者数が多い場合には、トイレを緊急時のみ利用するようなお願いやトイレの使用制限などの対応をとることができます。

■この便所は汚泥(汚物が分解されて生じる泥状のもの)を抜き取る必要があります。利用者数と汚泥の量の関係は、利用者数が増えると汚泥の量が増えるという関係にあると考えられます。利用者数を知ることで、中期的には汚泥の抜き取り時期を推定することができます。

== お願い ==

国立公園での機器の設置には自然公園法の手続きが必要になることがあります。設置前に最寄りの環境省の事務所にご相談をお願いします。

【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや3つの密を避けるといった「新しい生活様式」の実践をお願いします。その一方で、熱中症にもご注意ください。

厚生労働省「「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめました」

<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html>