アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、上信越高原、妙高戸隠連山、中部山岳、白山、伊勢志摩国立公園があります。
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中部山岳国立公園管理事務所の関根です。
中央アルプス駒ケ岳周辺や乗鞍岳では、ライチョウの巣探しが進んでいます。
ライチョウの巣を見たことがある方は少ないのではないでしょうか。
それもそのはず。ライチョウは主にハイマツの下に巣を作るので、登山道を歩いているだけではライチョウの巣はほとんど見えません。
(ライチョウの巣)
中央アルプスの無精卵と動物園で飼育されている個体が産んだ有精卵の入れ替えや、乗鞍岳でのケージ保護などを行うにも巣を探す必要があります。
巣を探すために、広大なハイマツ林をむやみに歩き回る訳にもいきません。
そこで、親ライチョウをよく観察し巣のありかを特定しています。
まず、雪どけから産卵までのライチョウの行動を紹介します。
・高山帯で餌が得られない冬には森林限界付近まで移動して過ごしていたライチョウが
雪どけと共に再び高山帯に集まってくる
・オス同士のなわばり争いが激しくなる
・雪どけの早い場所からなわばりが決まってくる
・5月に入ると多くのなわばりにメスが現れ一夫一妻のカップルが成立
・5月末から6月上旬にメスは卵を産み始める
・6卵程度の卵を産み終える6月中旬にメスは抱卵を始める
・抱卵はメスが1羽で行うため、メスはなかなか巣を離れることができない。
・抱卵中のメスは1日数回採餌や排泄のために巣を離れる。
巣を探すには、抱卵中のメスが巣を離れるのをじっと待ち、メスを見つけたら行動をじっと観察し、巣に戻るのを待ちます。
(巣探し調査の様子)
巣探しは写真のようになわばりが見渡せる場所でじっと待ち、いつ巣を離れるかわからないメスが現れるのをじっと待ちます。
写真でフィールドが広大なのが伝わりますでしょうか?この時期は日差しが強かったり、吹雪になったりと高山帯は厳しい環境です。
さらにメスは明け方や夕方遅くに巣を離れることが多いのですが、メスが卵を抱く時期は夏至が近いこともあり朝は4時前から、夜は18時を過ぎるまで調査を行うこともあります。
ライチョウの巣探しは忍耐のいる厳しい調査なのです。
季節の進み具合やライチョウの行動のタイミングを読みながら、同事業を進めています。
皆さんがライチョウの巣を見たことがない理由がおわかりいただけましたでしょうか。
現地の情報も随時アクティブ・レンジャー日記にUPさせていただければと思います。
詳しい資料は、信越自然環境事務所HP内トピックス、ライチョウ保護増殖事業等についてに掲載しています。
また、癒しのライチョウフォトアルバムもぜひどうぞ!
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なお、この投稿は「おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。