ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年06月16日志賀高原から水のつながり

上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

志賀高原管理官事務所のある長野県も梅雨入りしました。

雨水や雪解け水は、「水」という形でいろいろな物事とつながっています。

■「イワナ」-水中の生物-

志賀高原のイワナはすべて天然です。

写真のイワナは、一の瀬地区のスキー場を流れる小雑魚川(こざこがわ)で撮影しました。上流には宿泊施設があり、水路の底面と両側面がコンクリートです。このような場所でもイワナがいるのは、地区の方が排水などの環境保全に対して高い意識を持っておられるためです。

写真を撮影した場所は禁漁区になっています。そのためかどうか分かりませんが、イワナは物陰に逃げることが少なく、また、逃げてもしばらく待っていると出てきます。

小雑魚川は雑魚川(ざこがわ)へと名前を変え、魚野川(うおのがわ)と合流し中津川(なかつがわ)となり、信濃川に合流します。

小雑魚川のイワナ

<6月9日撮影。この50mくらい下流でも1匹いました。雑魚川と魚野川での渓流釣りは志賀高原漁協の定める規則に従ってください。>

「大沼池(おおぬま いけ)」-水のある景観、また、灌漑用水、発電用水へのつながり-

志賀高原ではトレッキングコースや登山道沿いに20を超える池があります。

大沼池は志賀高原で面積が最も広い池です。このAR日記でも何度となく紹介しています。

大沼池は、また、志賀高原の麓の中野市の農業用水「八ヶ郷(はっかごう)用水」の水源となっています。大沼池の水は横湯(よこゆ)川を流れ、志賀高原からの角間(かくま)川と合流し夜間瀬(よませ)川となり、八ヶ郷用水に取水されます。稲作のほかに、りんご・もも・ぶどうといった果樹の栽培に利用されています。

また、横湯川から取水され発電にも利用されています。

赤石山山頂から大沼池を望む

<赤石山山頂から。中央の志賀山の溶岩で堰き止められてできた池。青色の水面が印象的です。写真の右奥が中野市方面。平成28年8月8日撮影。>

大沼池の石碑

<大沼池の堤にある八ヶ郷用水関係の石碑。平成29年8月4日撮影。>

■「田ノ原湿原(たのはら しつげん)」-過湿な環境に特有な植物の生育、また、自然草原としての景観-

志賀高原では、湿原はトレッキングコースや登山道沿いにいくつもあります。

田ノ原湿原は国道292号沿いにあり、近くに駐車スペースがあるのでアクセスしやすく、比較的広い面積があるので取り上げました。

今が見頃の主な植物は、ワタスゲの穂やヒメシャクナゲの花で、7月中旬にはニッコウキスゲが咲きます。

田ノ原湿原は「高層(こうそう)湿原」と呼ばれるタイプのもので、湿原の水分は雨水と雪解け水で維持されています。

田ノ原湿原

<奥に見える特徴的な形の山は笠ヶ岳(かさがたけ)。左:平成27年7月21日撮影、右:令和2年3月13日撮影。>

田ノ原湿原のワタスゲ群生

<湿原植物の一つワタスゲの群生、今が見頃です。撮影している時に「ここはどこなんだ?」という利用者の声が聞こえてきました。6月15日撮影。>

■本事務所で使っている水

前回の記事「志賀高原の名水」で紹介した清水公園の近くの湧き水を地区共同の簡易水道で引いているものです。湧き水も雨水と雪解け水があってのものです。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府や各自治体からは、感染リスクを高めないような行動がお願いされています。上信越高原国立公園へお出かけの際にも、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。

本事務所が属する環境省信越自然環境事務所では「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しており、外出しなくても国立公園を楽しんでいただくための情報発信を行っています。

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