ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年06月01日白山の自然を守る「生態系維持回復事業」とは? その2

白山国立公園 大石佳織

皆さん、こんにちは。
白山公園線(石川県白山市)の市ノ瀬~別当出合の冬季通行止め
が5月31日に解除となり、白山の登山シーズンが近づいてきました!来月の開山祭が楽しみです♪

(白山の様子。中央一番奥が白山大汝峰と御前峰。5月29日鳴谷山から撮影)

さて、登山シーズンが近づくと、気になってくるのは「外来植物」です。
そこで今日は316日のアクティブ・レンジャー日記の続きです!大変お待たせしました!※前回の日記はコチラ↓↓
 白山の自然を守る「生態系維持回復事業」とは? その1

前回、白山では「白山国立公園生態系維持回復事業計画」という計画に基づいて、白山に侵入する外来植物対策に取り組んでいるというお話をしました。今日は、具体的にどんな取り組みを実施しているかを紹介していきます!

まず、環境省が中心となって、専門家から意見をいただきながら「実施計画」というものを作成しました。これは、どんな取り組みを、だれが、どのように進めて行くかを記したもので、全体の道しるべのようなものになります。

白山では実施計画に沿って
取り組みを行っていて、 内容は、大きく分けて次の4つです。
 < その1☆ 調べる・監視する >
 <
その2☆ 防ぐ・除去する >
 < その3☆ 知ってもらう >
 < その4☆ より効果的な方法を模索する >

では、順番にみていきましょう。

< その1☆調べる・監視する >
何事も相手を知ることは重要ですが、外来植物対策も同じです。
まずは、どのような外来植物が「どこに」、「どれくらい」侵入し広がっているのか分布を調査して状況を把握し、それぞれの外来植物が増える傾向にあるのかどうかを継続して監視(モニタリング)しています。

(植物調査の様子。専門的な知識を持つ調査員が行います。)

同時に、外来植物の生育地拡大によって、雑種ができてしまう心配のある在来植物(ハクサンオオバコなど)の生育状況に変化がないかも監視(モニタリング)しています。

(低地生のオオバコとの交雑が心配されている 高山にのみ生育するハクサンオオバコ)

さらに、外来植物の除去( <その2☆ 防ぐ・除去する >で紹介します)の効果を確認するための調査もしています!


< その2☆ 防ぐ・除去する >
外来植物はタネの状態で、山小屋等へヘリコプターで運ばれる資材や、登山者の靴などにくっついて白山へ運ばれてきます。
このため、登山靴にくっついたタネを取り除いて「山への持ち込みを防ぐこと」や、侵入してしまった外来植物が「周辺に拡大していくのを防ぐこと」が重要です。

そこで、白山では登山口や山小屋などに「種子除去マット」や「種子除去ブラシ」を設置しています。
何もせずにいると、次から次へと外来植物のタネが供給されて どんどん増えてしまいますし、山小屋周辺など、すでに侵入している場所からどんどん広がってしまいます。
皆さん、外来植物の侵入や拡大を防ぐため、マットやブラシの積極的な利用にご協力をお願いします!

(甚之助避難小屋近くに通年で設置されている種子除去マット。ご活用ください ♪ )
※種子除去マットやブラシについては、20170809日の記事もご覧ください↓↓↓
 「知ってる?使ってる? 白山の自然を守る便利アイテム!」


ところで、白山にすでに侵入してしまった外来植物については、どうするのか?
答えは「除去する」です。

(もともと白山の標高の高い場所には生育していなかったオオバコ。除去対象です。)

現在、環境省や林野庁、金沢河川国道事務所、石川県白山自然保護センター、環白山保護管理利用協会など、行政・民間が協力して除去を行っています。除去する場所や種などについては、<その1☆調べる・監視する>の調査結果を参考にしながら検討し、優先度の高い種・場所(もしくは効果の高い場所)から重点的に進めています。


しかし、除去活動は行政の力だけでは人手も予算も全く足りません!!
そこで、ボランティアの皆さんの力をお借りしています。
ただし、皆さんが外来植物の除去をするときは注意が必要です。

ご注意!! 外来植物除去は違法行為になる恐れが!!★ 
外来植物とはいえ、国立公園の中に生育している植物です。
このため、勝手に除去すると場所によってはなんと自然公園法違反(!)になって、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金(!!)に処される可能性があるんです!!!!!

そこで、皆さんが法に触れてしまわないように、下記2つの方法でご協力いただくようお願いしています。
 ① 外来植物除去イベントに参加する
 ② 研修を受けて『登録ボランティア』になる

①は、外来植物除去のスペシャリストたちに教えてもらいながら除去作業をみんなでするというイベントで、どなたでもご参加いただけます。除去の方法や除去する種類について、スペシャリストがそばで教えてくれるので、安心して活動できます♪

(イベントには、小さなお子さんもお父さんやお母さんと一緒に参加してくれます♪)

②は、除去してよい種類や場所、除去方法などについてしっかり研修で学んでもらい「登録ボランティア」になることで、個人での除去作業が可能になるものです。
自分の都合のいい日に、気の合う登録ボランティア仲間と登山しながら活動できるので、研修に参加可能な方にはおススメです♪
ちなみに「登録ボランティア」には顔写真付きのIDカードが発行されます。研修当日は写真を撮られるのでそのつもりでお越しください!!


<その3☆知ってもらう>
どんなに対策を頑張っても、多くの方に外来植物の侵入が白山の自然を脅かす事態だと知っていただき、種子除去マットの利用などに結びつけなければ、効果が薄くなってしまいます。

このため、皆さんに「知ってもらう」ための取り組みを、県や環白山保護管理利用協会などとともに行っています。イベントで活動を紹介したり、講師を派遣して外来植物について学んでもらう機会を作ったり、パンフレットを作成・配布したりするなど、様々な取り組みを行っています。

ちなみにパンフレットは白山国立公園のwebページの「各種資料」中のパンフレット類でも見ることができるので、よければご覧くださいね。

(外来植物パンフレット)


<その4☆ より効果的な方法を模索する>
ここまで紹介してきたように白山では様々な対策が実施されていますが、毎年、専門家の方々と調査や防除の結果を振り返り、対策の効果の検証を行っています。

さらに、白山生態系維持回復事業計画そのものについても5年をめどに一度、点検を行うことになっています。
このように白山では、関係者や専門家の皆さんとともに、外来植物問題を解決し、白山の自然を守るために、常によりよい方法を探りながら様々な取り組みを行っています。

白山の素晴らしい自然をいつまでも残すために、今後も対策に取り組んでいきます。皆さんのご協力もいただけたら大変嬉しいです!どうぞよろしくお願いします♪


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お知らせ ********************************
■ 外来植物除去イベント 参加者募集中♪
ただいま、除去イベントの参加者を募集中です。
市ノ瀬(半日)、白山 室堂(1泊2日)、白山 南竜ヶ馬場(1泊2日)で開催予定です。

日程など詳細内容、申込み、問合せ等については、石川県白山自然保護センターの下記ページへアクセスし、「白山外来植物除去作業」の箇所をご確認ください。↓↓↓

 石川県白山自然保護センター平成30年度 白山自然保護センターの行事案内_



■ 登録ボランティアになるための研修の申込も受付中!
登録ボランティアになるための研修が【 7月8日(日) 】に開催されます。
詳細は下記URLのPDFをご確認ください。↓↓↓
http://www.pref.ishikawa.lg.jp/kisya/h30/documents/0502hakusansizenhogo.pdf

上記のPDFにも掲載されていますが、これまで1度も白山での外来植物除去作業を経験したことがない方の登録には、624日(日)に市ノ瀬で開催予定のイベント「オオバコ等除去 in 市ノ瀬 」への参加が必要となるのでご注意ください。


上記イベントと研修は、石川県、環白山保護利用管理協会の共催、白山市の協力で開催されます。
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