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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

カモの落とし物の捜索

2013年01月30日
名古屋
皆さん、非常に寒いですが、元気にお過ごしでしょうか?

昨日は最大干潮を迎える13時過ぎに稲永ビジターセンターの正面には
大きな干潟が出ているのが久しぶりに確認でき、
確実に冬から春へ時は動いていることを視覚的に実感しました。
(冬の昼間は潮位があまり下がらないので、大きな干潟を見ることができません。)
気づけば立春までもうすぐ。
この厳しい寒さももう少しの我慢かもしれません。

【稲永ビジターセンター前の庄内川に現れた干潟(1月29日撮影)】

さて、ここ数回のアクティブ・レンジャー日記では、
冬鳥であるカモに関する報告をしていますが、
今日はカモの落とし物のお話です。

1月25日、強風の吹きすさぶ干潟の上では、
愛知県と環境省の職員が必死でカモの落とし物の捜索にあたっていました。

【胴長にマスク、手袋、ヘルメットと重装備です。】

探していた落とし物というのは、実は“カモの糞”のことなのです。

【みつけた落とし物の周りにはカモの足跡がたくさんありました。】

「カモの糞を探すこと」、これも私たちの大事な業務の一つです。
カモの糞を採取してこれを検査をすることにより、
毎年冬になると渡ってくるカモが毒性の強い鳥インフルエンザのウイルスを
保有していないかを調べているのです。

藤前干潟では冬の間に計4回、このカモの落とし物の捜索が行われていますが、
目標の100個の糞を探すのは大変!
広大な干潟を歩き、やっとみつけたときは思わず嬉しくなってしまいます。

【カモは水際にいることが多いので、干潟の縁を中心に探します。】

【みつけた糞はサンプルとして拾います。】

今回の1月25日の調査では、無事目標の100個を拾うことができ、
集めたサンプルは、現在、他機関で検査をしてもらっています。

今冬のカモのシーズンも後半を迎えました。
今年も毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルスの
発生がないことを願っています。

※全国で行われているこの調査結果は以下のサイトで公表されています。
「環境省 高病原性鳥インフルエンザに関する情報」


 ~藤前干潟 ラムサール条約登録10周年スローガン~
   つなげよう藤前の環、広げよう未来へ。
    みんなで作る人と生きものの絆。