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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

特別保護地区の島「見江島」

2012年05月29日
志摩
5月28日、三重自然誌の会の生物調査に同行させていただき、「見江島(みえじま)」に行ってきました。
見江島は、暖地性植物群落や、イワツバメ(県指定天然記念物)の棲息地があることから、伊勢志摩国立公園の中でも“特別保護地区”に指定されています。
この日は、植物、ほ乳類、昆虫、陸産貝類などさまざまな分野の方々が参加し、1日かけて調査を行いました。


【太平洋に浮かぶ小さな無人島です。】

島の周囲は外海の荒波に削られ、ところどころイワツバメが越冬に利用していると思われる海食洞が見られます。岩礁にはクロマツの木がしがみつくようにして生えており、内陸にはウバメガシ、ハマヒサカキ、トベラ、モチノキ、ヤマモモが多く見られました。上陸した浜には、ハマゴウの群落が一面に広がっていました。



シカやサルの姿も目撃され、他にもタヌキの溜めフン、キツネと思われる動物のフン、イノシシの掘り跡らしきらしきものも発見。シカの仕業らしき傷が付いた木も度々見られました。また、途中通り雨が降った際は、アマガエルと思われるカエルの鳴き声も聞かれました。
海に囲まれ、人の出入りの少ないこの島。
それぞれ新たな生活の場を求めて、本土から泳いでやってきたのでしょうか??
人間以外の生きものたちだけで暮らしている独特の雰囲気は、歩いていると別世界に来てしまったような不思議な気持ちになります。


【この日見つかったもの】


【調査の様子】

この日集めたサンプルは、これから同定作業が行われます。
今後も数回調査を行い、1年かけてデータを集めるとのことでした。
また調査に同行させていただいた際には、この場でお知らせいたします!