ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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中部山岳国立公園 平湯

47件の記事があります。

2021年09月09日令和3年度 国立公園アクティブ・レンジャー展(新穂高ロープウエイ)

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

松本カモシカスポーツさんに引き続き、9月は新穂高ロープウエイ会場で開催中です。

http://chubu.env.go.jp/shinetsu/pre_2021/post_157.html

会場:新穂高ロープウエイ しらかば駅 高原の画廊「飛騨乃風」

期間:令和3年9月1日から9月26日まで

※新穂高ロープウエイの営業をご確認のうえお立ち寄り下さい。

https://shinhotaka-ropeway.jp/

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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2021年07月21日焼岳 中尾高原ルート登山道維持管理

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

7月1日、焼岳の登山道維持管理に参加してきました。

今回の対象ルートは飛騨(岐阜県)側から焼岳に登頂する中尾高原ルートです。

昨年7月の豪雨で登山口付近が大きく崩壊し、橋も流されてしまいました。

登山シーズンがこれから始まる時期の大きな被害に登山道維持管理を行う事もできず、通行止めにするしかありませんでしたが今日は地元で長年にわたりこの登山道を守ってきた有志が集まり、2年ぶりの登山道維持管理です。

<焼岳登山口>

お馴染みの登山口ですが、この付近は割谷、黒谷、白水谷など大きな沢が集まってくる場所で下方の林道にも大量の雨水が集中し大きな崩壊が起こりました。

割谷に入ってみましたが当時の様相を残していました。

<沢筋には大雨の後が残っています>

登山口に立派な橋が新しく架けられており、多少の雨で流されないよう上部にアンカーを設置しワイヤーで繋ぎ止めが施されていました。

<架け替えられた橋>

登山道に入ると、早速上部の方で刈り払いの機械音が聞こえています。

「しばらく放っておくとこの有様!」と登山道にかかった笹藪を手際よく刈っていく顔は言葉とは裏腹に笑顔です。

<刈り払い作業>

樹林帯の登山道は、道跡自体はしっかり残っていますが、両脇からの草藪が覆い被さると道の判断がつかなくなり、酷いケースでは道はあるのに一面草むらに見えてしまうこともあるくらいです。

安全に登山して頂くために登山道の刈り払いは大事な作業の一つなのです。

<草に覆われた登山道>

緩斜面をゆっくり進むと滝見台です。

落差40mの白水の滝は、見事な姿で出迎えてくれました。

<白水の滝>

ここからしばらく急登となり、西穂高から焼岳の稜線に向かう尾根をトラバースして進みます。不思議な「鍋助横手」と有るあたりから谷側は深く落ち込んでおり、生い茂った笹で足下が見えないと危険な場所が続きます。

昔、大きな鍋を抱えこの地点を通過しようとした人が運悪く落ちてしまった、ところから付いた地名だと教えてもらいました。

当時もしっかりと刈り払いされていれば鍋助さんも落ちなかったかもしれませんね。

<登山道を踏み外すと谷側へ転落しそうな鍋助横手>

登山道を雨水が大量に流れたために以前維持管理した階段状のステップが流れ落ちたため修復します。

ステップの位置を決めるにも登りの視点、降りの視点、加重の強度、ステップのバランス・・・沢山の考察を瞬時に判断しながら慣れた様子で作業が進みます。

<ステップができました>

急登を終えると緩斜面になり、今日の目的地の秀綱神社に到着です。

飛騨の国を治めていた戦国大名三木自綱の息子である秀綱と奥方は、敗戦から再興を図るため信濃の国を目指す途中で命を落とします。諸説有りますが、秀綱は焼岳中腹の中尾峠を越えた辺りで捕らえられ、奥方は上高地の徳本峠越えの際に島々谷で、同じ悲運を辿ったそうです。

この焼岳中尾高原ルートは、かつて信州と飛騨地方を結んだ飛騨新道と呼ばれる古道で、中尾の人々は秀綱を祀って安全を祈願したようです。

<鳥居を撤廃した秀綱神社>

この秀綱神社には鳥居がありましたが、倒壊しており安全のため撤去しました。

<秀綱神社で大休憩>

順調に作業は進められ、計画した秀綱神社から焼岳小屋分岐点まで作業範囲を広げることにしました。

皆さんは口々に「毎年の維持管理登山が一回無かっただけで勝手が違うな!思うように身体が動かない」と仰っていましたが、その作業は手慣れたもので的確にスピーディーに作業されていました。

<手慣れた作業でどんどん範囲を広げました>

地元の古道に対する愛着と歴史が感じられ、子どもの頃から祖父や父親の登山道維持管理に付いて秀綱神社まで上がってきていたという微笑ましいお話や、秀綱神社の広場で煮炊きして宴会まで開いた豪傑な話など、どのお話にもこの地に暮らす方々の山に対する愛着と畏敬の念を感じることができました。

皆様、本当にご苦労様でした!

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2021年07月14日平湯温泉「春の環境清掃」

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

梅雨の晴れ間6月29日、今年も平湯温泉「春の環境清掃」がやってきました。

平湯地区全体が中部山岳国立公園に属しており、毎年平湯管理官と共に作業参加しています。

<公民館に集合!>

平湯公民館には大勢の地元の方や工事関係者が集まって今日の段取りを確認しました。

「平湯を訪れる方々に気持ちよく感じて頂きましょう」と町内会長の挨拶の後、各持ち場に分かれて作業開始です。

<平湯地区を手分けして美化清掃していきます>

私は平湯管理官事務所からの平湯自然探勝路を担当しました。

この道は平湯の原生林に整備された探勝路で、河岸段丘や溶岩台地の森など表情豊かな道です。

一冬を越した春の森は、今、緑が溢れ小鳥がさえずり生き生きとした状態ですが、植物の生命力は目覚ましく清掃された歩道の脇から笹などが覆い被さり視界を遮るほどで危険でもあります。

半袖半ズボンなどで肌を露出したままだと草で傷つくことも想定されるため、刈り払いで歩道をしっかり確保することが今日のミッションです。

<歩道や標識がしっかり視認できるように>

前もってかなり手入れが必要と目星を付けておいた河岸段丘の急階段に来ました。

見ての通り、周りからの草や笹が生い茂り、歩道を視認しにくいどころか足に絡まりそうに伸びている茎もあり、手摺り隠して持てない箇所もあり、荒れています。

<生い茂った笹が階段を覆い尽くす>

2人で階段の上からと下からに分担し、刈り払いを行いました。

機械では狭くて危ないため、全て手作業です。

<刈り払いの成果>

みごとに歩道が現れました!しっかりと歩道が視認でき、手摺りにも捕まることができます。

この時期の森には珍しい植物も顔を覗かせていました。

<ギンリョウソウ(幽霊茸)>

各分担を作業し完了した方々が公民館に戻ってきました。

平湯を美化清掃できた満足感からか、誰しも自然に笑顔でした。

皆様お疲れ様でした!

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2021年07月14日乗鞍岳畳平周辺の巡視とライチョウ

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

例年より遅く梅雨入りした中部山岳国立公園一帯ですが、いよいよ本格的に始まるグリーンシーズンを前に乗鞍岳畳平周辺の巡視に行ってきました。

また丁度、環境省が協力する「日本アルプス ライチョウ観察ガイドツアー」の為のガイド研修会も行われていましたので合わせてご紹介したいと思います。

6月21日と22日は好天に恵まれ、残雪、新緑、青空と雲、の素晴らしいコントラストの景色が広がっていました。

<白と緑、そして青のコントラスト>

今期乗鞍岳にアプローチするバスは、長野県側のエコーラインが7月1日から、岐阜県側のスカイラインが7月22日からです。

岐阜県側からの乗鞍スカイラインは昨年7月の豪雨で道路の一部が崩壊してしまい通行止めが続いていましたが、工事関係の皆様の懸命な努力で予定より早い開通を迎えることができそうです!

<今はまだ静かな畳平>

今回は、現状で長野県側から乗鞍大雪渓まで入り、大雪渓を登り肩の小屋経由で畳平まで入山しました。

今日一泊お世話になる畳平の白雲荘では、「日本アルプス ライチョウ観察ガイドツアー」の為の研修会が行われており、山岳ガイドさん達が研修に励んでいらっしゃいました。私も研修会に同行させて頂き、中部山岳国立公園のシンボルの一つライチョウについてたくさん学ぶことができました。講師のお一人は白雲荘の小林支配人で、長年畳平に勤務されている経験に裏付けされた貴重なお話は、ツアーさながら研修者全員を惹きつけるとても魅力的なものでした。

<熱心に研修を受ける山岳ガイドさんたち>

研修に参加された方々は、地元長野県の山のプロ集団、ガイドさん達です。

バスでアプローチ可能な畳平ですが、そこは標高2000mを越えた北アルプスです。

そこからライチョウ観察に向かうエリアは完全な登山領域で、一般の旅行とは一線を画すのです。その意味でも山岳ガイドさんにライチョウ観察に連れて行ってもらえると安心ですね。

<夜も研修は続きます>

2日目はライチョウの行動に合わせて、なんと朝4:30に集合して出発です。

<写真の真ん中に居ますよ!>

この時期のライチョウは卵胞の時期に入っており、雌が卵を温めている間は雄が見張り役として外敵に備えます。

ライチョウは保護色で身を守ることで知られていますが、慣れていないと本当に探すのが難しいです。「あ、ライチョウだ!」と誰かが言ったとき周りの人は「どこ?どこ?」となかなか見つけられないでいることもよくありますね。

ライチョウ研修の後は、畳平バスターミナルの南側に広がるお花畑を散策できる木道を巡視しました。昨年は、落石で一部の木道が破損し通行止めを余儀なくされましたが、畳平のお花畑は高山植物が群生する素敵な場所です。

<整備された木道の確認>

丁度、ミヤマキンバイなどが咲き始めていて高山の風景に癒やされました。

木道やお花畑の情報は下記のURLから確認できます。

○飛騨高山乗鞍岳 乗鞍スカイライン

https://norikuradake.jp/

https://norikuradake.jp/ohanabatake/

大雪渓を下山しましたが、最後にもう一度ライチョウに出会えました。

大雪渓を通過する登山者やスキーヤーを見守っているようにも見えました!

昨年、環境省では一般社団法人 日本アルプスガイドセンターと共同で「ライチョウ観察ルールハンドブック」を作成しました。

下記URLから閲覧できますので是非お目通し下さい。

https://thejapanalps.com/ptarmigan

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2021年05月24日令和3年度「子どもパークレンジャー 自然観察&自然と地形地質のつながりを知ろうin平湯温泉」

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

例年より早い雨の季節になりましたが、好天の5月12日(水)、元気いっぱいの地元中学一年生18名が環境省事業のひとつ「子どもパークレンジャー(JPR:Junior Park Ranger)」に参加してくれました。

子どもたちが自然の中で楽しみながら自然の大切さを学ぶプログラムで、全国の国立

公園で行われています。

https://www.env.go.jp/kids/gokan/jpr/about/index.html

今回のプログラムでは、昨年開催にも増して新型コロナウイルス感染症対策が求められており、終始マスクの徹底、密を避ける、適時手洗いの実施などスタッフ一同念入りに計画して臨みました。

朝の飛騨・北アルプス文化センターに集合した子どもたちを前に、環境省中部山岳国立公園平湯管理官から国立公園とレンジャー(自然保護官)の仕事の説明があり、そして今日学ぶことを身近な人たちに積極的に伝えて欲しいと「子どもパークレンジャー」の任命が行われました。

今回平湯のプログラムは昨年同様で平湯の森の中に整備された平湯自然探索路を歩きながら木々や植物を観察し、平湯大滝では地形地質から成り立つ自然環境も学びました。

出発地の飛騨・北アルプス文化センターのすぐ向かいに見える大きな木々には希少猛禽類のクマタカが生息していたと言うガイドさんの話に驚きながら元気よくスタートです。

森の中では、根曲がりした大木や木に生える苔の高さが一定の理由など日本海気候の影響を受け雪深い平湯ならではの特徴を観察しました。

平湯キャンプ場では、飛騨側北アルプスのシンボル笠ヶ岳が臨まれ、目視できる縞模様は火山噴出物の堆積跡であることや、平湯から近いアカンダナ山が活火山であり横の白谷山、焼岳と合わせて焼岳火山群であること等を学びました。

午前の部が終わろうとした頃、平湯キャンプ場に可憐なニリンソウが点々と咲いているのをガイドさんが見つけ、子どもたちも見入っています。

これを見た別のガイドさんがキャンプ場の上部にもっと大きな群生地があると案内してくれました。実は、平湯キャンプ場は昨年の大雨で土砂流出など大きな被害を受け、その群生地も流されたのではないかと心配しましたが、見事な一面ニリンソウのお花畑が広がっていました。大雨の影響があった場所ですが、植物の生命力と復元力は本当に凄いです。

午後の部は、平湯大滝まで歩き乗鞍岳火山によってできた地形と地質を学びました。

乗鞍の四ッ岳噴火によって流出した溶岩が浸食されて平湯大滝ができたこと、その溶岩末端は平湯スキー場手前あたりに在ることから平湯大滝は現在の位置まで約4万年をかけて数百メートルも浸食移動したこと、などビックリするような話です!

地質特徴が見られる地点ではクイズ形式で石の名称や種類、成り立ちなど中学理科の授業に出てくる話を興味深く解説して頂きました。火山岩の種類の覚え方は、か(花こう岩)り(流紋岩)あ(安山岩)げ(玄武岩)、「かりあげ」と教えて頂きました!

プログラム最後の「まとめの会」では、今日学んだことを感想を交えて一人一人発表しました。どの発表にも平湯の自然と地形地質への発見と驚きが感じられ、周りの人たちにも「伝えたい」「教えたい」という声が多数聞かれました。

<高山市では飛騨山脈ジオパーク推進協議会が主体となり飛騨山脈のジオパーク登録を目指しています。https://hidageo.com/

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2021年03月30日西穂高方面へ冬期巡視

中部山岳国立公園 平湯 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

3月19日から20日、西穂高方面へ冬期巡視に行ってきました。

北アルプスの冬期登山は敷居が高く、経験豊富な一部の登山者にのみ許された

狭き門、と一般的には思われるでしょう。

実は、その入り口に立って比較的簡単に冬の北アルプスの景色を垣間見ること

ができる場所があります。

それは、新穂高ロープウエイで西穂高口駅まで行くことにより体感できます。

新穂高温泉口駅から2本のロープウエイを乗り継ぎ、降り立った西穂高口駅は

もう北アルプスの標高2156m付近です。

昨年リニュアルされた新穂高ロープウエイはAR日記でも紹介しましたが、お

洒落なパン屋さん、カフェなど施設も充実しており気軽に訪れることができる

北アルプスの玄関口です。

https://chubu.env.go.jp/blog/2020/07/post-1030.html

<新穂高ロープウエイと笠ヶ岳>

ここまでは旅行として十分楽しめますが、本格的な北アルプス冬期登山に興味

のある方は西穂山荘まで登山される事をお勧めします。

もちろん冬山登山装備は必須で、そのうえで天候判断を確実に行ってください。

西穂山荘まではトレースや標示板がついていますがホワイトアウトや大量の雪

が降ったときには道迷いの危険性がありますので慎重な行動が肝心です。

<千石園地にできた登山道>

<標示板と竿標示>

西穂山荘は森林限界に位置しており、これまで歩いてきた樹林帯から一気に

視界が開け、目の前に北アルプスの山々を目の当たりにします。

<西穂山荘に到着>

山荘からの景色でも十分素晴らしいのですが、西穂高岳の稜線に位置

する丸山まで登ると沢山の高山を望むことができます。尾根の正面には独

標から西穂高岳山頂の荒々しい岩稜、飛騨側には笠ヶ岳から続く稜線と

波打つように連なる北アルプス最深部の山々、上高地方面には明神岳

から前穂高岳、そして下に見える西穂山荘の向こうには焼岳や乗鞍岳。

7月に巡視したAR日記と是非景色を見比べてみてください。

https://chubu.env.go.jp/blog/2020/08/post-1045.html

<西穂高岳に続く荒々しい岩稜>

<焼岳と乗鞍岳>

今回も西穂山荘に宿泊し、村上社長と粟澤支配人から貴重なお話を聴くこと

ができました。

マクス徹底から細目な消毒、十分な距離が取れる少人数宿泊、食卓のパー

ティションなどしっかりとした感染症対策、冬期ならではの小屋内の換気

ダクトは手作りで驚かされました。

また冬期ならではの遭難要因となるホワイトアウトや氷雪のスリップ、地形

による風や天候の特徴など現場で詳しくレクチャーして頂きました。

冬期の厳しい中部山岳国立公園で登山者に安心を与えてくれる山のプロフェッ

ショナルの一言一言に経験の重みと感謝を感じた今回の巡視でした。

<粟澤支配人より地形と風のレクチャーを受ける>

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2021年02月10日平湯野営場の巡視

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

久しぶりの平湯管内巡視に行ってきました。

今冬、日本海側での大雪の様子は度々ニュースで報じられて

いますが、平湯(奥飛騨地方)も日本海側気候の影響を受け

やすく標高が1,250mほどあることからとても雪深いところ

です。

中部山岳国立公園に属する平湯野営場は、すっかり雪に覆わ

れ4月まで冬眠中です。

そんな中、敷地内の施設建物に異常や損傷はないか確認して

きました。

当日は晴天で、2月の厳冬期とは思えないほど陽の温かさを感

じられる穏やかな日でした。

野営場は現在クローズ中で敷地には、多くの雪が積もっており、

入り口も写真の通りです。

<雪に覆われた休場中のキャンプ場>

一般の方は入場できませんが、先般からの大雪で野営場の建物に

異常が無いかスノーシューを履いて慎重に巡視を進めました。

建物はすっぽりと雪の中でしたが、屋根雪が自重で落ちた跡も

見られ、大きな損傷は無く一安心でした。

4月のオープンが待ち遠しいです。

<雪に覆われたトイレ>

<雪に覆われた四阿>

新しく降り積もったフワフワした新雪も、天候と時間によって姿を変えて

行きます。

耳にされた方もいらっしゃると思いますが大きくは、新雪→しまり雪→

ざらめ雪と変化してゆき、伴って雪の比重も大きくなり重量を増します。

雪は軽そうに見えて、その重量で建物も壊す力を秘めているのです。

今後の積雪量の増加を注意深く見守っていこうと思います。

さて、今日は輝山(てらしやま)2,063mがよく見えていました。

平湯の東に位置し、平湯野営場やスキー場からよく見えます。

社会学者の篠原憮然が、最初に日が当たる山だからと命名した

そうですが冬は頂上直下が白く特徴的ですから平湯にお出かけ

の際は是非探してみてください。

<平湯野営場からの輝山>

<平湯スキー場からの輝山>

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2020年10月09日乗鞍山麓に広がる貴重な自然景観「五色ヶ原の森」

中部山岳国立公園 平湯 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

中部山岳国立公園の乗鞍岳北西部に広がる広大な森、高山市丹生川町の「五色ヶ

原の森」をご存じでしょうか?

約3000ヘクタールの森で、年代の違う複数回の乗鞍岳火山活動により流下

した溶岩が作り出した自然を見ることのできる大変貴重なエリアです。

古く岐阜県側からは、乗鞍岳に続く山岳信仰の登拝道が8つあったそうですが、

車道が整備され乗鞍岳へのアプローチが時代とともに大きく変化したため

登拝道は自然と姿を消し、自然の森はそのままの姿で残ることになりました。

近年まで地元住民など限られた人しか入ることのなかったこの森は、専門ガイド

によるツアーでのみ一般公開されています。

<溶岩流の上に森ができました>

そんな「五色ヶ原の森」は、今年7月豪雨で登山道や架け橋は流され、土砂流出で川

の流れや様相が変わり、山小屋の土台を抉り、大きな被害を受けました。

私も8月の復旧活動に参加し、状況を目の当たりにしていましたので大変心配して

いましたが、現在はガイドさんを中心に地元関係者の方々の尽力で「五色ヶ原の森」

ツアーコースであるシラビソコース、ゴスワラコースは、復活しており安堵しました。

<流された歩道や橋を再構築 >

<素敵な山小屋で休憩できます>

この森の最大の特徴は、溶岩台地の上に出来上がった手つかずの森で、水の保水力が

物凄くあると言うことです。そのことにより、絶えず森の地中を縦横無尽に流れる豊富

な水は森全体の気温を下げシラビソやオオシラビソなど亜高山帯の植生を形成していま

すし、また豊富な水は溶岩台地の崖から流れ出し大きな滝となっています。

<布引の滝>

この布引の滝の上には大きな川はありません、大量の伏流水が溢れ出して滝になっています。

この貴重な森と自然について、専門のガイドさんから詳しい、そして楽しいお話を

聴くことができます。

○乗鞍山麓 五色ヶ原の森案内センター<https://goshikinomori.com/>

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2020年09月14日新穂高温泉から槍ヶ岳登山道巡視

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

岐阜県側の北アルプス玄関口、新穂高温泉から槍ヶ岳を目指して巡視してきました。

槍ヶ岳を目指すルートは東西南北あり(※北鎌尾根は登山道ではありません)、北アルプスの交差点とも言われますが、今回は新穂高温泉より左俣から鏡平、双六岳、そして西鎌尾根で槍ヶ岳、下山は右俣で飛騨沢沿いに槍平、そして新穂高温泉とグルッと一周ルートです。

出発地の新穂高温泉登山口に立てば、荒々しい錫杖の岩場から笠ヶ岳、そして弓折岳から抜戸岳の稜線が壁のようにそそり立っており自然の畏怖を感じさせます。

<左俣林道から小池新道へ>

左俣林道は7月の大雨や群発地震の影響もすっかり整備され快適な林道でした。

わさび平小屋で小休止して小池新道に入ると整備された登山道で歩きやすく、石の積み

方や雨水の逃がし方など様々な工夫がされた道に驚かされます。

<歩きやすく工夫された小池新道>

初日は、双六小屋までの計画でしたが、夏山の特徴である午後の積乱雲発達による強雨に遭い鏡平山荘泊まりとしました。

翌日は雨もすっかり上がり、早朝から好天が約束されたような青空が広がりました。

鏡平からは、これから歩く西鎌尾根が槍ヶ岳まではっきりと分かり、穂高岳に続く稜線が屏風のように見えます。

<鏡平の向かいに見える槍ヶ岳に続く西鎌尾根>

双六小屋まで快適な尾根歩きで北上し、そこからは今朝まで居た鏡平小屋を右手に見ながら西鎌尾根を辿り槍ヶ岳に向かいます。

北上しているときは富山県側の山々が波打つように望まれ、また西鎌尾根に乗るとシンボルの槍ヶ岳に向かって一直線の稜線に感動します。

<槍ヶ岳への快適な縦走路 西鎌尾根>

最後に千丈沢乗越からの急登をゆっくりと登り終えると槍ヶ岳山荘に飛び出しました。

慎重に穂先を往復しましたが、登山道はしっかりと整備されており、登り降りの道順の整理と梯子の区別、また難所での手足の置き場をサポートするマーキングなど安全に対する山小屋や登山関係者の思いが伝わります。

しかしながら穂先への登山は、両手両足を操りながら登る難度の高い岩場の登り降り、空中に身体を放り出すような梯子の高度感、そして何より3000mの山岳気象状況をしっかりと把握して登山可能かどうかを判断できること、など登山者自身の責任ある行動が重要です。

<険しい槍ヶ岳の穂先>

鏡平も槍ヶ岳でもコロナ禍における登山者への対策は、消毒や検温、山荘内のマスク着用や食事時の人数管理などしっかり徹底されており、街中とは大きく異なる厳しい山岳環境に在りながら登山客を迎え入れる体制は素晴らしいものでした。

<槍の肩にある槍ヶ岳山荘>

最終日は、飛騨乗越より飛騨沢を降り槍平小屋、右俣沢沿いに樹林帯に入り滝谷出合を通り新穂高温泉口に下山しました。

槍平小屋の今期営業は、キャンプ場と売店のみです。

新穂高と槍ヶ岳の中間点に位置するところに山小屋があると安心しますし、なんと言っても登山道状況や気象状況を確認できることは本当に心強いです。

私たちも7月の豪雨影響があった右俣での注意箇所、復旧状態など詳しくお聴きすることができました。

<滝谷出合付近の迂回路(新穂高方面)>

一番の注意箇所は滝谷出合いで、従来の登山道から迂回路及びマーキングが大きく変わっていました。

山小屋関係者によって安全に、そして分かり易く迂回路が示されていました。

今回の左俣から右俣への登山道の周回ルートは、概ね安全に通行可能でした。

登山道は山小屋はじめ、登山関係者によって登山者が安全に通行できるよう様々な工夫

がされていました。

但しその事は、決して安全な登山を保証するものではありません。

登山者自身がしっかりと登山の備えや判断をもって安全登山を実践し、登山を楽しむ姿を見せることが登山の安全管理に関わる人たちを笑顔にするのだと思います。

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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2020年08月19日西穂高岳の荒々しい稜線を行く!

中部山岳国立公園 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

8月6日、西穂高岳(2909m)の巡視に行ってきましたのでご報告です。

先ずは先日の日記で紹介しましたリニューアルされた新穂高ロープウエイで西穂高登山口駅まで行きます。(http://chubu.env.go.jp/blog/2020/07/post-1030.html

初日は登山道から90分ほど歩いた標高2367mに建つ西穂山荘泊まりです。

山荘支配人の粟澤さんに様々なお話をお伺いできました。

西穂山荘は標高2300mを超える厳しい自然条件にありながら通年営業で、登山基地としてはもちろん四季を通して北アルプスの自然を目の当たりにすることができる貴重な場所です。

また粟澤さんは気象予報士で、山の天気に関してとても有名です。

過去に起きた落雷事故からの教訓や山岳域での気象と自然について沢山教えて頂きました。

今期の山小屋営業ではコロナ対策が前提となりますが、西穂山荘でもしっかりと対策されていました。

密を避ける宿泊者の人数管理や検温と消毒の徹底、また食堂テーブルの個別間仕切りなど、山岳地帯にありながら街中のような対策がとられていました。

翌日は粟澤支配人の予報通り好天の中、西穂高岳を往復しました。

最初の樹林帯を抜け、丘のようなピーク丸山まで登ると朝の爽やかな空気の中、岐阜県側には笠ヶ岳から北アルプス奥部に続く山並み、長野県側には穂高の連峰、そして登山する両県境の稜線は前方に荒々しい西穂高岳稜線、後方には焼岳と乗鞍岳のまさに大パノラマを見ることができます。

<西穂山荘と焼岳 遠景は乗鞍岳>

西穂高岳までは、独標(11峰)から順に10峰、9峰、8峰(ピラミッドピーク)、7峰、6峰、5峰、4峰(チャンピオンピーク)、3峰、2峰、主峰西穂高岳と大小様々なピークが連なり、アップダウンが続き北アルプスの中でも岩場難度の高いルートです。

<アップダウンを繰り返す険しい登山道>

登りの岩場をなんとかクリアできても、同じルートを下山しなくてはなりません。

この連続する岩場の下りが最大の核心で、もし独標(11峰)の降りで不安を感じたら

その先には進まないようにと言われているようです。

登山道は7月の大雨被害は見当たりませんでしたが、今も続いている地震の影響は、崩落などいくつかの岩場に見られました。

幸い西穂山荘はじめ山岳関係者の方々の整備のおかげで登山に大きな支障はありませんが、登山前の情報収集をお願い致します

岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会

(https://www.kitaalpsgifu.jp/index.html)

久しぶりの好天にも恵まれ、安全に巡視することができました。

<西穂高岳山頂の風景 遠景は笠ヶ岳>

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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