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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

西穂高巡視、小鍋谷ルートを確認
西穂山荘より下山時にロープウエイを利用せず小鍋谷ルート(旧歩荷道)を確認

西穂小鍋谷ルート(旧歩荷道)

2023年10月10日
平湯 福澤春彦
【週刊アクティブ・レンジャー】Vol. 99 こんにちは、平湯アクティブ・レンジャーの福澤です!松下さん、連休中は上高地同様に新穂高周辺も沢山の来訪者で賑わっていました。やはり好天の中部山岳国立公園は四季を通して素晴らしい景色ですよね。さて登山道維持協力金「北アルプストレイルプログラム」ですが、岐阜県側でも実証実験が始まりました。協力金受付場所ですが、新穂高登山指導センターと新穂高ロープウエイ西穂高口です。また北アルプス南部の登山道は、長野県以外に岐阜県や富山県から入山される方も多くいらっしゃいますので、岐阜県側登山者数の動向を把握するためにも先ずは西穂高登山口に登山者カウンターを設置してきました。残念ながら新穂高ロープウエイの緊急メンテナンスが入り、9月26日から11月9日まで運休が決定されたため、笠ヶ岳双六岳方面の左俣林道と槍穂高岳方面の右俣林道にもカウンター設置を予定しています。新穂高ロープウエイご利用予定の皆さまは運休情報にご留意ください。<https://shinhotaka-ropeway.jp/> 今回の巡視は登山者カウンターのメンテナンスと西穂高岳への登山道状況確認でしたが、あいにくの雨天は翌日も続き西穂高岳登山は中止しました。
<登山者カウンターのメンテナンス>
しかし西穂山荘より下部は森林で風雨もほとんど影響が無くなったことから旧歩荷道(昔は歩いて荷物を運び上げた道)の小鍋谷ルートを確認しました。このルートは近年、地元の山岳関係者により再整備され、ロープウエイのメンテナンス運休時期も利用される方が少なからずいらっしゃるようです。ルート概要は、ロープウエイの西穂高口と西穂山荘の中間の千石平で分岐し西穂平の治山道路合流地点までが登山道、その後は治山道路を鍋平(ロープウエイしらかば駅)までロープウエイを利用せず下山するものです。

<登山道分岐>
この登山道は利用する人も少なく終始谷側に外形しているためスリップしないよう一歩一歩が緊張させられました。また豪雨被害によりいくつかの支沢が崩壊し登山道に合流しているため、落石に細心の注意が必要でした。登山道が支沢を横切る箇所には補助ロープが設置されていますが、地面はまだまだ安定せず新しい崩壊も見られることから状況によって足の置き場を都度判断する必要があります。

<登山道の様子>

<危険箇所の通過>

<危険箇所の通過>

そして後半の西穂平に近くなると傾斜は緩み森の中を歩きますが、登山道が小川によって分断される箇所が数カ所あります。このような傾斜のない森の中では登山道を外れ道迷いに繋がる注意ポイントですから慎重に登山道を確認しました。また治山道路を歩きますが、大型ダンプが頻繁に通行していますので林道での待避にも緊張させられます。登山計画されている方の参考になれば幸いです。さて、ようやく秋を感じるようになった山々ですが乗鞍の中岡さん、近況はいかがですか?畳平も初霜ですね!