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中部地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

西穂高方面へ冬期巡視

2021年03月30日
平湯 福澤春彦

こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。

3月19日から20日、西穂高方面へ冬期巡視に行ってきました。

北アルプスの冬期登山は敷居が高く、経験豊富な一部の登山者にのみ許された

狭き門、と一般的には思われるでしょう。

実は、その入り口に立って比較的簡単に冬の北アルプスの景色を垣間見ること

ができる場所があります。

それは、新穂高ロープウエイで西穂高口駅まで行くことにより体感できます。

新穂高温泉口駅から2本のロープウエイを乗り継ぎ、降り立った西穂高口駅は

もう北アルプスの標高2156m付近です。

昨年リニュアルされた新穂高ロープウエイはAR日記でも紹介しましたが、お

洒落なパン屋さん、カフェなど施設も充実しており気軽に訪れることができる

北アルプスの玄関口です。

https://chubu.env.go.jp/blog/2020/07/post-1030.html

<新穂高ロープウエイと笠ヶ岳>

ここまでは旅行として十分楽しめますが、本格的な北アルプス冬期登山に興味

のある方は西穂山荘まで登山される事をお勧めします。

もちろん冬山登山装備は必須で、そのうえで天候判断を確実に行ってください。

西穂山荘まではトレースや標示板がついていますがホワイトアウトや大量の雪

が降ったときには道迷いの危険性がありますので慎重な行動が肝心です。

<千石園地にできた登山道>

<標示板と竿標示>

西穂山荘は森林限界に位置しており、これまで歩いてきた樹林帯から一気に

視界が開け、目の前に北アルプスの山々を目の当たりにします。

<西穂山荘に到着>

山荘からの景色でも十分素晴らしいのですが、西穂高岳の稜線に位置

する丸山まで登ると沢山の高山を望むことができます。尾根の正面には独

標から西穂高岳山頂の荒々しい岩稜、飛騨側には笠ヶ岳から続く稜線と

波打つように連なる北アルプス最深部の山々、上高地方面には明神岳

から前穂高岳、そして下に見える西穂山荘の向こうには焼岳や乗鞍岳。

7月に巡視したAR日記と是非景色を見比べてみてください。

https://chubu.env.go.jp/blog/2020/08/post-1045.html

<西穂高岳に続く荒々しい岩稜>

<焼岳と乗鞍岳>

今回も西穂山荘に宿泊し、村上社長と粟澤支配人から貴重なお話を聴くこと

ができました。

マクス徹底から細目な消毒、十分な距離が取れる少人数宿泊、食卓のパー

ティションなどしっかりとした感染症対策、冬期ならではの小屋内の換気

ダクトは手作りで驚かされました。

また冬期ならではの遭難要因となるホワイトアウトや氷雪のスリップ、地形

による風や天候の特徴など現場で詳しくレクチャーして頂きました。

冬期の厳しい中部山岳国立公園で登山者に安心を与えてくれる山のプロフェッ

ショナルの一言一言に経験の重みと感謝を感じた今回の巡視でした。

<粟澤支配人より地形と風のレクチャーを受ける>

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