上信越高原国立公園
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2020年06月11日花の名山巡視! 湯ノ丸山・烏帽子山
上信越高原国立公園 万座 飯島久美子
本日は上信越高原国立公園内の嬬恋村と東御市の境にある湯の丸牧場の放牧作業に立ち会いました。
湯の丸牧場は明治37年に開設された歴史ある牧場です。
⇑トラックで運ばれてきた牛たち。(写真左)ここはどこだ??と戸惑っている様子。
⇑湯の丸牧場の放牧の日 R2.6.10撮影
放牧された29頭の牛たちはさっそく夢中になって草を食べ始めました。
その後、湯ノ丸山、烏帽子岳へ向かう登山道巡視に行きました。
湯ノ丸山へは、湯の丸牧場の斜面ををまず登ってゆきます。
⇑コンコン平のレンゲツツジ
牧場を抜けしばらく歩くとコンコン平に到着。
まだ数株でしたが、レンゲツツジの開花がはじまっていました。
⇑昨年補修した登山道
雨で足元がぬかるんでも、足場の補助になります。
⇑烏帽子岳山頂直下のコマクサ
湯の丸高原ではコマクサも開花直前です!
⇑山頂にはホシガラスがいました。(写真中央部)
少し空がかすんでおり、写真に写すことはできませんでしたが、
まだ残雪が残る北アルプスも見渡すことが出来、絶景です!!
下山時には雨に降られました。梅雨入り目前‥。
上信越高原国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、引き続き慎重な行動をお願いしています。上信越高原国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
なお、この投稿は「おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。
2020年06月11日志賀高原の名水で涼しさを
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
標高1,500mを超える所にある志賀高原は、その立地だけでも涼しいですが、「名水(めいすい)」とともにさらに涼やかなひと時を過ごしてはいかがでしょうか。
この記事では車で立ち寄りやすい2か所を紹介します。
■清水公園(しみず こうえん)
近くの湧水を引いて名水公園として整備されました。
6月9日の撮影時は3組の小グループが利用されていました。水を汲みに来たり、休憩をしたり、食事をしたり、それぞれの時間を過ごされていました。
場所は、奥志賀公園栄線の大沼池入口付近(志賀1号トンネルと志賀2号トンネルの間)で脇道に入り、道なりに進みすぐの所です。車は脇に停められます。
<清水公園の近くの渓流の流れの音も心地よく感じました。>
■沓打名水公園(くつうち めいすい こうえん)
国道292号沿いにあります。名水公園として整備され、ベンチのほか駐車スペースと公衆便所もあります。
この付近には、志賀高原の麓の湯田中渋温泉(長野県山ノ内町)と草津温泉(群馬県草津町)の間を人馬で行き来していた頃に、茶屋があったそうです。当時から水を得やすかったと推測できます。
また、ここから志賀高原で最大の滝を望める「澗満滝(かんまんだき)展望台」への遊歩道があります。
<朝の早い時間帯に撮影したので利用者はいませんでした。>
清水公園と沓打名水公園の位置です。
(地理院タイルに名称等を追記して作成)
【テント泊について】
水場があるのでテントで宿泊したくなるかもしれませんが、まず、テントの設置には土地所有者の許可が必要です。また、国立公園内であるため自然公園法の規制が関係します。
・清水公園は第1種特別地域にあります。自然公園法では原則として設置は認められません。
・沓打名水公園は第2種特別地域にあります。自然公園法で規制している、仮設工作物を新設する行為にあたるおそれがあります。
さて、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府や各自治体からは、感染リスクを高めないような行動がお願いされています。上信越高原国立公園へお出かけの際にも、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。
本事務所が属する環境省信越自然環境事務所では「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しており、外出しなくても国立公園を楽しんでいただくための情報発信を行っています。
2020年06月08日志賀高原のレンゲツツジ咲き始めました
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
6月8日のレンゲツツジ開花状況をお伝えします。志賀高原ではレンゲツツジは池や湿原の周りでよく見かけます。
■一沼(いちぬま)
国道292号を山ノ内町側から上ってくると、最初に出会う池です。
つぼみが随分と膨らんだものも見られます。開花が近いように感じます。
駐車は池を過ぎてすぐの所にあるサンバレー地区の駐車場をご利用ください。
<デッキとベンチがあり、開花の盛期には大勢のカメラマンで賑わいます。今年の撮影の際はソーシャルディスタンスを心がけてください。>
<ズミの花が見頃です。池の縁に沿うように咲いています。>
■蓮池(はすいけ)
蓮池も国道292号沿いにあり、一沼から車で5分程度です。
一部開花し、つぼみも随分と膨らんでいます。
駐車は「志賀高原山の駅」の駐車スペースをご利用ください。
<レンゲツツジの「レンゲ(蓮華)」は「蓮(ハス)の花」のことだと言われています。このように、つぼみが重なり合った時に「蓮の花」のように見えると思います。>
<標識が設置されました。この周囲は、今は砂利ですが、芝を張り広場として整備する予定です。>
一沼と蓮池の位置です。
地理院タイルに池及び施設の名前を追記して作成
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府や各自治体からは、感染リスクを高めないような行動がお願いされています。上信越高原国立公園へお出かけの際にも、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。
なお、本事務所が属する環境省信越自然環境事務所では「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しており、外出しなくても国立公園を楽しんでいただくための情報発信を行っています。
2020年06月05日志賀高原 グリーンシーズンへ
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
6月になりました。
雪が少ないと言われた'19-20シーズンでしたが、志賀高原で最も標高の高い所にあるスキー場は6月1日まで営業していました。
そして、いよいよグリーンシーズンですが、例年6月初旬に行われる山開きなどの行事が中止や規模縮小となっています。
これまでとは違う雰囲気でグリーンシーズンが始まったように感じます。
さて、国立公園内にある本事務所周辺の様子を紹介します。
<標高約1,500mにある事務所への進入路は、ようやく木の葉が茂り、木の影ができるようになりました。>
事務所から見える東館山では、落葉樹の芽吹きが斜面を上っています。
<左側の西館山は山頂付近まで緑色になりましたが、右側の東館山の山頂付近はまだ茶色が目立ちます。>
<事務所近くの蓮池スキー場ではワタスゲの穂が見頃です。綿毛はまだ白色がきれいです。>
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府や各自治体からは、感染リスクを高めないような行動がお願いされています。上信越高原国立公園へお出かけの際にも、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。
なお、本事務所が属する信越自然環境事務所では「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しており、外出しなくても国立公園を楽しんでいただくための情報発信を行っています。
2020年06月04日お花の山、開山!
上信越高原国立公園 谷川 増田 多美
皆様こんにちは。谷川管理官事務所の増田です。
突然ですが皆さん、お花は好きですか?
谷川地域には花の名山として有名な平標山がありますが、その平標山で5月31日に開山式が行われました。
まずは開山式が行われる平標山の家の前にある広場まで山登りです。
よく整備されており、危険箇所のない歩きやすい登山道を登ること約1時間。
目的地の平標山の家に到着です。
例年は一般参加者も募り多くの人が開山式に参加しますが、今年度はコロナウィルス感染症対策のために関係者のみで行いました。
山の安全を祈願する神事が執り行われ、関係者が玉串を捧げました。
開山式が行われた日は数組の登山者がおり、少しずつ外へ出て自然を楽しみ始める人が増えたのかなと思いました。
屋外とはいえ感染のリスクはゼロではないので消毒液やマスク等を携行するなど感染予防に努めましょう!
(山岳医療救助機構さんのHP(https://sangakui.jp/medical-info/)に登山再開に向けた情報が載っているので、ご参考に読んでみてくださいね。)
ちなみに...お花はまだ少ししか咲いていませんでした。
今年も例年通り6月下旬頃が見頃かなと思います。
(左上:ミツバノバイカオウレン 右上:イワナシ 左下:ミネザクラ 右下:チゴユリ)
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上信越高原国立公園では、新型コロナウィルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、引き続き慎重な行動をお願いしています。上信越高原国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
なお、この投稿は「おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。
2020年06月03日森に初夏のおとずれ
上信越高原国立公園 万座 飯島久美子
軽井沢野鳥の森で散策路の倒木を除去していたところ、
⇑ いました!エゾハルゼミです。
捕まっているのにじっとしています。
数カ所の倒木も無事に除去!
倒木には古いムササビの巣も見られました。
⇑ ムササビの巣(巣が古く形が崩れてきていますが、写真中央部が巣の内部の様子になります。)
数年前の巣と思われますが、中にはヤマブドウの樹皮等が使われており、しっかりした作りになっています。
他にも、こんな花も付近に咲いていました。
⇑ ハナイカダ
葉っぱの中央から花が咲いています...。
上信越高原国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、引き続き慎重な行動をお願いしています。上信越高原国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
なお、この投稿は「おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。
2020年06月01日癒しの自然と鹿沢インフォメーションセンター
上信越高原国立公園 万座 飯島久美子
この新緑の中にたたずむ建物は‥
鹿沢インフォメーションセンターです! 開館中! R2.5.12撮影
ここでは鹿沢周辺の自然や歴史・文化についての展示・解説、公園の利用案内を行っており、
どなたでも自由に利用することができます。
無料で利用できる公衆無線LAN(National Park Wi-Fi)も完備されています♪
鹿沢インフォメーションセンターHP(リンクあり)
⇑少し離れて見ると‥建物2階から伸びるながーい吊り橋があります。
吊り橋からは、木々の木漏れ日を身近で感じることができます。歩くと少しゆらゆら?揺れます‥。
⇑辺りにはきれいな空気とやさしい雰囲気の自然に囲まれた園路や野営場があります♪
※野営場の利用に関しましては休暇村嬬恋鹿沢(外部リンク)にお問い合わせください。
上信越高原国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、引き続き慎重な行動をお願いしています。上信越高原国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
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2020年05月29日#STAYHOME 志賀高原歴史記念館
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
今回は「志賀高原歴史記念館」を紹介します。
もともとは、昭和12(1937)年開業、平成11(1999)年閉鎖の旧志賀高原ホテルです。志賀高原の歴史を語る建物であり「志賀高原歴史記念館」として保存されています。
この建物は建築時から建て替えられずに残っているものです。
<山小屋風の外観が特徴です。この外観は上高地帝国ホテルに似ていると感じます。>
・昭和10年に鉄道省国際観光局が、志賀、妙高、菅平一体を「上信越国際スキー場」に指定し、志賀と赤倉に国際観光ホテルを建設するとしたことにより、志賀高原ホテルが建設されました。
・閉鎖後の保存にあたり、この建物の両翼にあった宿泊棟は撤去されました。
・内部は公開されています。今シーズンは6月1日から公開とのことです。
では、志賀高原ホテルが開業した昭和12年頃の志賀高原はどんな様子だったのでしょうか。
「和合会の歴史 下巻」(財団法人和合会、1975)及び「志賀高原旅館組合誌」(志賀高原旅館組合、1997)の記述を整理しました。
・昭和5(1930)年に「志賀高原」と命名された。
・昭和10年頃はスキー場の開発(ゲレンデスキー)が始まった時期。その頃に主流のスキーは山々を巡るツアースキー(山スキー)で、志賀高原内を巡るコースのほか、志賀高原から草津温泉や志賀高原から野沢温泉へ向かう縦走コースなどいくつかのコースがあった。
・宿泊施設は、大正時代までは湯治場として発哺温泉に2軒と熊の湯に1軒が夏季のみ営業していたが、昭和10年頃からはスキー場開発に合わせて地元民、企業や大学などの施設(旅館、寮、ヒュッテ)が増え、冬季を含めた通年営業を行うようになった。
・交通は、昭和12年に麓の上林から志賀高原の丸池までの自動車道路が開通した。また、丸池まで夏季のみバスが運行開始された。
→ということは、志賀高原ホテルの建設資材は人力か馬で運んだということ!?
また、この頃に志賀高原でスキーをするためには、自力で志賀高原まで上っていたということ!?
・何を目的に訪れていたかについては、昭和14(1939)年の入湯客数の月ごとの人数を見ると、発哺温泉では7月と8月の人数が全体の約40%を占めていた。一方で、熊の湯では12月から2月の3か月の人数が全体の約60%を占めていた。志賀高原は夏季の避暑と冬季のスキーで通年利用されていたことがうかがえる。
これらのことから、昭和10年頃は、名前がなくただの山奥であった場所が、スキー場開発やホテル建設に伴って志賀高原として一般に認知され、利用され始めた時期(スキーリゾート志賀高原の始まりの時期)だと感じました。
さて、志賀高原歴史記念館の場所は丸池の近くです。
(地理院タイルのシームレス空中写真に建物の名前と池の名前を追記して作成しました。)
・かつて宿泊棟があった場所は芝生広場になっています。この写真の右側に最初の写真の建物があります。
・志賀高原ホテル建設にあたり、整地するのも人力だったわけです。土の山ではなく、溶岩の山なので、より労力がかかったと思います。
・なお、この芝生広場を会場にして開催予定であった「新緑のクラフトフェアin志賀高原」の今年度の開催は中止となりました。
コロナウイルス感染拡大防止のため、感染リスクを高めないような行動が各県からお願いされています。このため、志賀高原を訪れて自然を楽しんでいただくにはまだ難しいところがあります。
本事務所が属する環境省信越自然環境事務所では「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しており、タイトルに「#STAYHOME」を付けて、外出しなくても国立公園を楽しんでいただくための情報発信を行っています。
2020年05月27日#STAYHOME 志賀高原の四十八池湿原
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
山ノ内町(やまのうちまち)の志賀高原の四十八池湿原(しじゅうはちいけ しつげん)の様子です。
四十八池湿原は、国立公園の保護のため、開発行為などに対して規制が強い「特別保護地区」にあります。
また、志賀高原ユネスコエコパークのロゴマークは、この風景をモチーフにしています。
<雪がほとんど解け、ミズバショウが咲き始めました。奥に見える山は志賀山と裏志賀山。>
この湿原のすぐ近くには環境省の整備した公衆便所があります。
・雪解け後の施設の状況を確認しました。特に異常はみられませんでした。
・今シーズンも6月中には開所しますが、開所予定日はまだ決まっていません。
・この公衆便所の洗浄水は、汚物を酵素や土壌内の微生物により分解し、浄化された水を再利用することが特徴です。トイレの利用人数が分解の能力を超えると再利用のシステムに悪影響を及ぼします。これを防ぐため、緊急時のみ利用いただくようご協力をお願いします。
さて、今回歩いた硯川(すずりかわ)・ほたる温泉から四十八池湿原までは、志賀高原で最も利用者数の多い「池めぐりコース」の一部です。
5月27日時点では残雪が多いので一般の方の利用は難しいと感じました。
コースの半分ほどは雪の上を歩きました。歩道全体が雪に覆われると周辺の斜面と区別しにくくなり、道迷いしないよう目印を探しつつ歩く必要がありました。
途中で歩道から50mくらい離れた斜面でクマを見ました。先に向こうが気づき、私たちから離れていきました。こちらが気づいたのはクマの動き始めにササが動いた音がしたため。
今回の生き物の写真。
<イワナシ>
<ヒキガエルの仲間>
志賀高原管理官事務所担当区域のある長野県と、隣接する新潟県、群馬県では緊急事態宣言が解除されました。しかし、コロナウイルス感染拡大防止のため、感染リスクを高めないような行動がお願いされています。このため、多くの人に志賀高原を訪れて自然を楽しんでいただくのがまだ難しいところがあります。引き続き、#STAYHOMEを付けて、外出しなくても国立公園を楽しんでいただくための情報発信を行います。
本事務所が属する環境省信越自然環境事務所では「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しています。
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
志賀高原管理官事務所のある長野県も梅雨入りしました。
雨水や雪解け水は、「水」という形でいろいろな物事とつながっています。
■「イワナ」-水中の生物-
志賀高原のイワナはすべて天然です。
写真のイワナは、一の瀬地区のスキー場を流れる小雑魚川(こざこがわ)で撮影しました。上流には宿泊施設があり、水路の底面と両側面がコンクリートです。このような場所でもイワナがいるのは、地区の方が排水などの環境保全に対して高い意識を持っておられるためです。
写真を撮影した場所は禁漁区になっています。そのためかどうか分かりませんが、イワナは物陰に逃げることが少なく、また、逃げてもしばらく待っていると出てきます。
小雑魚川は雑魚川(ざこがわ)へと名前を変え、魚野川(うおのがわ)と合流し中津川(なかつがわ)となり、信濃川に合流します。
<6月9日撮影。この50mくらい下流でも1匹いました。雑魚川と魚野川での渓流釣りは志賀高原漁協の定める規則に従ってください。>
■「大沼池(おおぬま いけ)」-水のある景観、また、灌漑用水、発電用水へのつながり-
志賀高原ではトレッキングコースや登山道沿いに20を超える池があります。
大沼池は志賀高原で面積が最も広い池です。このAR日記でも何度となく紹介しています。
大沼池は、また、志賀高原の麓の中野市の農業用水「八ヶ郷(はっかごう)用水」の水源となっています。大沼池の水は横湯(よこゆ)川を流れ、志賀高原からの角間(かくま)川と合流し夜間瀬(よませ)川となり、八ヶ郷用水に取水されます。稲作のほかに、りんご・もも・ぶどうといった果樹の栽培に利用されています。
また、横湯川から取水され発電にも利用されています。
<赤石山山頂から。中央の志賀山の溶岩で堰き止められてできた池。青色の水面が印象的です。写真の右奥が中野市方面。平成28年8月8日撮影。>
<大沼池の堤にある八ヶ郷用水関係の石碑。平成29年8月4日撮影。>
■「田ノ原湿原(たのはら しつげん)」-過湿な環境に特有な植物の生育、また、自然草原としての景観-
志賀高原では、湿原はトレッキングコースや登山道沿いにいくつもあります。
田ノ原湿原は国道292号沿いにあり、近くに駐車スペースがあるのでアクセスしやすく、比較的広い面積があるので取り上げました。
今が見頃の主な植物は、ワタスゲの穂やヒメシャクナゲの花で、7月中旬にはニッコウキスゲが咲きます。
田ノ原湿原は「高層(こうそう)湿原」と呼ばれるタイプのもので、湿原の水分は雨水と雪解け水で維持されています。
<奥に見える特徴的な形の山は笠ヶ岳(かさがたけ)。左:平成27年7月21日撮影、右:令和2年3月13日撮影。>
<湿原植物の一つワタスゲの群生、今が見頃です。撮影している時に「ここはどこなんだ?」という利用者の声が聞こえてきました。6月15日撮影。>
■本事務所で使っている水
前回の記事「志賀高原の名水」で紹介した清水公園の近くの湧き水を地区共同の簡易水道で引いているものです。湧き水も雨水と雪解け水があってのものです。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府や各自治体からは、感染リスクを高めないような行動がお願いされています。上信越高原国立公園へお出かけの際にも、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。
本事務所が属する環境省信越自然環境事務所では「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しており、外出しなくても国立公園を楽しんでいただくための情報発信を行っています。