ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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上信越高原国立公園

258件の記事があります。

2015年10月26日平成27年度 第1回JPR開催報告

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

万座管内では、紅葉も終盤となり、地面には様々な色をした落ち葉の絨毯が広がっています。落ち葉の絨毯は歩くと、何とも言えない心地よい感覚と音に包まれます。

徐々に冷たくなってきた風と柔らかな秋の日差しの中、歩く速度をゆっくりと・・・その心地よさに浸ってみてはいかがでしょう。



さて、そんなこんなで秋が深まって来ましたが、今年も開催しました"子どもパークレンジャー(略称:JPR)"!!

テーマは「野生動物」。浅間山麓にはどんな生きものが生息しているのか、そしてそこで起こっている野生鳥獣問題について知り、どのように向き合っていけば良いのかを子どもたちと一緒に考えていこうという内容で活動しました。


10月18日(日)に、第1回の活動を"国設軽井沢野鳥の森"で行いました。

まずは、任命式。やまレンジャーから任命証が一人一人に手渡されました。


その後、やまレンジャーとさわレンジャーから、国立公園と鳥獣保護区におけるレンジャーのお仕事や取り組みについて説明が行われました。配布されたJPR手帳にみんなシッカリとメモをしていました。

レンジャーは、現地の情報を把握することが何よりも大切!!

そのためにメモを取るのは大事な仕事のひとつです。みんな、ちゃあんと出来てるね(´▽`)



そしていよいよ、フィールドに出て自分の目で見て現地の状況を把握します。

"たろ~さん班"と"隊長班"に分かれ、いざッ調査に!


テンの糞を発見!!何かツブツブしてるね~。何を食べているのかな??


イノシシのお風呂場発見!!このお風呂で体に付いた汚れや虫をきれいにするんだって!!きれい好きなんだね。

また、ツキノワグマの糞やツメ跡、獣道、リスの食跡など・・・多くの動物の痕跡を確認することが出来ました。この空間に様々な生きものが生活している事が分かりました。


そしてそして、本日のメインイベント!!センサーカメラの設置です。

4班に分かれ、調査した痕跡をヒントに設置場所を決定しました。

作戦会議中~。どこに設置しようかな?

そして、班に分かれて設置作業開始。


1週間後にある第2回活動で撮影された画像を検証します!!

どんな結果になるかな~。楽しみだね♪

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2015年10月15日鳥甲山でブロッケン現象

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー 則武敏史

こんにちは。少し古い話題で申し訳ありません。

9月28日は長野県栄村の鳥甲山(とりかぶとやま)を歩きました。

上るにつれて、ガスがかかってきて周りの景色は見えなくなったのですが、運良く、ブロッケン現象を見ることができました。

<私と同行者の影の周りに、虹のような光の輪が写っています。これがブロッケン現象です。ガスがかかっているので高度感はありませんが切れ落ちています。興奮して覗き込んで撮影すると転落の危険があるので、冷静に撮影してください。>



では、登山道(歩道)の状況です。

今回はムジナ平→鳥甲山山頂→屋敷のコースを歩きました。足元に注意する区間が長くあります。

・ムジナ平→鳥甲山山頂の区間には、くさり場、岩場、ナイフリッジがあります。

・歩道は、全区間を通して東側斜面(ムジナ平から上る場合は右側)が切れ落ちており、全体的に急傾斜です。


今回のコースは、「信州山のグレーディング」(登山ルート別の難易度評価)には載っていませんが、その基準に照らし合わせると、難易度は「C」、体力度は「4に近い3」になると思います。

ただし、今回のコースではなく、屋敷からの往復だと、くさり場、岩場がないので、難易度、体力度とも容易なほうに変わると思います。

■難易度「C」とは

「登山道」:◇ハシゴ・くさり場、また、場所により雪渓や渡渉箇所がある。◇ミスをすると転落・滑落などの事故になる場所がある。◇案内標識が不十分な箇所も含まれる。

「技術・能力」:◇地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力 が必要

■体力度「3」とは

日帰りが可能なうち、体力が最も必要なもの


写真を3枚載せます。すべてムジナ平→鳥甲山山頂の区間です。撮影位置は末尾の地図にあります。


○写真1 ハシゴ・くさり場


○写真2 歩道の右側が切れ落ちている


○写真3 岩場



さて、この山の魅力の一つは歩道からの眺望です。足元の悪い所があるので、景色を見るときは、立ち止まってゆっくり堪能するのが良いと思います。

そして、もう一つの魅力は麓にある温泉です。

鳥甲山にお出かけの際はくれぐれもお気をつけてお楽しみください。

<苗場山山頂部(左)から佐武流山(中央右)にかけての稜線と鳥甲山の北東向き斜面の一部(右)>


<鳥甲山の岩壁を上ノ原付近から望む。山頂は稜線の奥にあるので見えない。左側のピークが「白くらの頭」、右側のピークが「赤くらの頭」。岩の色は左側が白く、右側が赤いのでそのような名が付いたのかもしれません。なお、「くら」の漢字は「やまかんむり」に品です。>


<破線で囲んだ地区に温泉があります。>

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2015年10月09日アクティブ・レンジャー写真展in旧草軽電鉄北軽井沢駅舎

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

10月2日(金)より10月25日(日)まで、旧草軽電鉄北軽井沢駅舎にて「アクティブ・レンジャー写真展」を開催しています。(詳しくはこちら)

【旧草軽電鉄北軽井沢駅舎】

大正4年から昭和37年まで、新軽井沢から草津温泉間の55.5kmを結んでいた草津軽便鉄道。草津温泉をはじめとした沿線の旅客輸送と物資、木材、硫黄などの貨物を輸送し地域の発展に貢献していました。

約22あった駅のうちの一つが「北軽井沢駅」で、現在も当時の姿をとどめている唯一の駅舎です。また、平成18年に国の登録有形文化財の指定を受けています。

今回、そのような貴重な施設をお借りし写真展を開催中!!

歴史あるこの旧草軽電鉄北軽井沢駅舎でノスタルジックな気分に浸りながら、ゆったりと写真をお楽しみください♪

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2015年10月08日志賀高原では紅葉が見ごろです

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは。上信越高原国立公園の志賀高原です。

10月5日、志賀高原では木々が色づき始め、紅葉の見ごろに近づいていました。

志賀高原観光協会のウエブページの10月6日の紅葉情報では、志賀高原内で見ごろのところが多くなっています。


<信州大学自然教育園付近(海抜約1,570m)。国道292号線沿いの林の色づき具合。曇り空だったので暗めに写っています。>


<一沼(海抜約1,420m)。下層のレンゲツツジは色づいているが、上層木はまだ色づいていない。9

月28日撮影。>



奥志賀高原では、ウルシの仲間、カエデの仲間、トチノキなど色づいているものがありましたが、ブナやミズナラなどは多くの木は、まだ色づいていませんでした。

<奥志賀渓谷の大滝(おおぜん)付近(海抜約1,170m)。カエデが色づき始めている。手前左は黄色、右奥は赤色に。曇り空だったので暗めに写っています。>


<奥志賀渓谷では、上の写真のように色づいているものがありますが、ブナやミズナラなど多くの木はまだ色づいていませんでした。これらの木々が色づくと、どんな景色になるのでしょう。>



紅葉が見ごろの志賀高原にお出かけください。

そして、できることならば、車から降りて、また遊歩道があるところでは歩いて、紅葉を楽しんでください。


なお、池めぐりコースの途中、四十八池(しじゅうはちいけ)湿原にある公衆便所は使えない状態が続いており不便をおかけします。今シーズンは使えません。ご迷惑をおかけしますが、清水登山口、大沼池レストハウス奥、前山リフト麓(硯川)の公衆便所を使っていただくようお願いいたします。



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2015年10月05日「子どもパークレンジャー活動新聞」展示中②

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

ここ1週間ほどで気温が下がり、万座管内では紅葉が徐々に始まってきています。

標高の高いところでは、10月中旬にでも見頃となりそうです。

さて、7月より「子どもパークレンジャー活動新聞」の巡回展を浅間山麓の6市町村にある公共施設をお借りして行っています。

7月14日から8月24日までは群馬県嬬恋村にある「嬬恋郷土資料館」にて(展示の様子はこちら)、8月29日から9月28日までは群馬県長野原町にある「浅間園浅間火山博物館」にて展示を行ってきました。

【浅間園浅間火山博物館】

【展示状況】

10月2日から10月22日は、3ヶ所目となる長野県東御市の「東御市文化会館」ロビーにて開催中です。

【東御市文化会館】

 

【展示状況】

この活動新聞、子どもたちのセンスにより、浅間火山の歴史やその恩恵についてなど、とても分かり易くまとまっています。

また、活動を通して子どもたち自身が感じたことについても記載されており、大人である私たちが感心させられるものもあります。

お近くにお越しの際は是非お立ち寄りください♪

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2015年09月10日奥志賀渓谷を少しだけ

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、今回は長野県栄村の奥志賀渓谷(おくしがけいこく)の話題です。

ここには遊歩道の利用者数をカウントする機器を設置しており、機器の状態の確認とデータ回収を行いました。

奥志賀渓谷は、長野県山ノ内町志賀高原の高天ヶ原(たかまがはら)を源流とする雑魚川(ざこがわ)がつくった渓谷です。このため、雑魚川渓谷とも呼ばれます。栄村地内ですが「奥志賀」という名が付いています。

奥志賀渓谷の見どころの一つは渓谷の景色です。「グリーンタフ」と呼ばれる緑色凝灰岩の岩盤の上を川が流れます。このグリーンタフは一枚の岩盤だそうです。

また、滝もいくつかあります。写真は「大滝(おおぜん)」と呼ばれる、約30メートルの落差がある二段滝です。

渓谷の林は、幹の太いブナやミズナラの林です。紅葉は10月中旬頃です。

奥志賀渓谷の概略図を載せます。今回歩いたのは、右側の駐車スペースから大滝に向かうコースで、距離は往復で約1.5kmです。この区間を歩く際の注意点は2つで、一つはぬかるむ箇所に敷いてある木道が湿っていると滑りやすいこと、もう一つは大滝付近の傾斜が急なので足場を確かめて歩くことです。

なお、左側の駐車スペースから右側の駐車スペースまでの距離は片道約2.5kmで、コースタイムは1時間10分です。

さて、林の中にはキノコが何種類か生えていました。名前は分からず、食毒も不明です。

奥志賀渓谷の紅葉は10月中旬ですが、志賀高原の標高の高い所では9月下旬から紅葉が始まります。紅葉の志賀高原にもお出かけください。

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2015年08月28日五味池破風高原も秋の気配

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

長野県須坂市の「五味池破風高原(ごみいけはふこうげん)」は県下最大規模のレンゲツツジの群落が有名です。レンゲツツジの見どころの標高の低い所は約1,500m、標高の高い所は約1,800mです。8月27日は高原一帯を管理されている地元の方と歩きました。


<早くも咲いているリンドウ(エゾリンドウ)がありました。多くのものは右側の株のように、まだつぼみです。>

<エゾリンドウの群生地。花の見頃は9月上旬から中旬、まもなくです。>

さて、五味池破風高原では、レンゲツツジが単木状になるように、周囲の植物(主にササ)を刈払う作業が行われています。

ここは最近まで牧場として牛が放牧されており、牛はレンゲツツジを食べず、周囲の植物を食べていたので、レンゲツツジが単木状に生える景色が維持されていました。しかし、牛の放牧が休止されると、周囲の植物の生長によりレンゲツツジが埋もれ、レンゲツツジの樹勢と群落の見た目が悪くなってきました。

そこで、人がレンゲツツジに悪い影響を与える周囲の植物の刈払いを行っています。

<周囲のササを刈払って、レンゲツツジを単木状にしている。レンゲツツジの花の見頃は6月中旬から6月下旬です。>

五味池破風高原には、リンドウ群生地やレンゲツツジ群落の他にも、見どころがあり、その一つがウラジロモミの林です。この林の奥には幹の周囲が約5mのモミ(西五味池のモミの木:市指定天然記念物)があるそうです。

また、五味池というのは1つの池ではなく、次の5つの池の総称です。大池(おおいけ)、苦池(にがいけ)、西五味池、よし河原池、東五味池(消滅)。

下の写真は大池で、池の奥にはレンゲツツジの群落があります。花の咲く時期を想像すると、水面にも花の色が映ってきれいだろうなと思います。

今回はガスがかかっていたので写真を撮れませんでしたが、北アルプスや北信五岳、長野市街の眺めが素晴らしいそうです。

また、紅葉は、標高の高いところは10月上旬です。五味池破風高原へのアクセス道路沿いも紅葉が見事だそうです。アクセス道路は山の中を通るカーブの多い道です。お気をつけてお出かけください。

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2015年08月27日秋の気配を感じた苗場山

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

8月19日は苗場山を歩きました。長野県栄村の小赤沢三合目から苗場山山頂までのコースです。

まず、歩道(登山道)の状況です。

■山頂部の木道は破損しているものがあります。写真のように一部が欠けたもののほか、傾いたもの、シーソーのようになったものがあります。今年度、木道の一部の改修工事を行う予定です。

■その他、鎖が付けられたところが何か所かあります(岩場ではない。上りでは鎖を補助的に利用する程度)。また、全線にわたって地面に湿り気が多いです。

また、咲いている花の種類からは秋の気配を感じました。

<山頂部に至るまでの歩道で撮影した主な花。左上:オオシラヒゲソウ、右上:オニシオガマ、左中:オニシモツケ、右中:サラシナショウマ、左下:ダイモンジソウ、右下:リンドウ>

さて、苗場山の山頂部と聞いて思い浮かぶのは、広大な湿原だと思いますが、ガスがかかっていたため、広がりを見ることはできませんでした。

<山頂部の湿原で目立った花はイワショウブでした。>

今回は長野県側からの主要なコースである小赤沢コースを歩きましたが、苗場山登山のコースはいくつもあります。このうち、利用者の少ないコースではササの繁茂などにより道が不明瞭になっているかもしれません。事前の情報収集を行い、どうぞお気をつけてお出かけください。

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2015年08月25日志賀高原の「子どもパークレンジャー」第2回

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

8月9日は「子どもパークレンジャー事業」第2回を長野県高山村で行いました。山ノ内町と高山村の小学生を対象にした催しで、全2回のうち第2回です。

今年度の「子どもパークレンジャー事業」は、国立公園であり、志賀高原ユネスコエコパークにもなっている場所を自然保護官(パークレンジャー)と一緒に歩き、自然観察を通して、自分たちの住んでいる地域の自然環境を知ってもらうプログラムを組みました。テーマは「人と自然との共生」です。

第2回は高山村の4か所を散策しながら、「自然のめぐみを活かした生活」について地元の方の話を聞きました。

■笠ヶ岳

<最初に笠ヶ岳(地元の方は「かさだけ」と呼ぶ)に上りました。第1回で歩いたところを遠望することと、高いところから周辺の山々(地形)を見ることが目的です。>

<山頂ではトンボがたくさん飛んでいました。捕まえたくなりますよね。何度か挑戦するものの、残りわずかな距離で飛び立たれ、捕まえられませんでした。帽子は参加者に渡したグッズの一つです。>

■山田牧場

<牧場の一部を見ながら、牧場組合長から話を伺いました。標高の高いところにあり、自然の地形を活かした牧場であることが、質の良い牛の生産につながっている、とのことでした。標高、地形という自然のめぐみを利用しています。>

■お昼休みに

<牧場に太く高い木があります。上りたくなりますよね。大人に助けてもらい、枝に腰かけられるところまで上っています。上った子の感想は「思ったより高くて、怖かった」でした。自然のめぐみを活かした遊び。>

■雷滝(かみなりだき)

<高山村の名所の一つである「雷滝」。裏見の滝とも呼ばれるとおり、滝の裏側を通ることができます。名前の由来は、雷のような音を立てて水が流れ落ちるため。この涼しさを味わえるのも自然のめぐみです。>

■舞の道遊歩道

<松川渓谷沿いにいくつかある遊歩道の一つ「舞の道(まいのみち)遊歩道」。信州高山村古道復活の会の会長から、この木は、こういうことに利用できるなど、昔の人が自然のめぐみをどのように使っていたかを伺いながら歩きました。この道は、昔は自然の産物の採取や運搬のために利用し、現在は遊歩道として利用しています。>

■今回の感想

・笠ヶ岳からの景色がよかった

・雷滝の迫力、水しぶきがすごかった

・ヒカリゴケを今日も見ることができてよかった

■全2回を終えて、参加した子どもは晴れて、「子どもパークレンジャー」として正式に任命されました。

この事業が、自分たちの町、村の自然環境に興味を持つ機会となればと思いました。

○太字が今回観察した場所。右から、笠ヶ岳、山田牧場、雷滝、舞の道遊歩道の4か所。山田牧場は積雪期はスキー場になります。

○第1回の出発地の木戸池の場所を参考に載せました。

○松川沿いには、雷滝のほか、「七味大滝」、「八滝」などの滝や、温泉がいくつもあります。

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2015年08月17日志賀高原の「子どもパークレンジャー」

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー 則武敏史

こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。

7月19日は「子どもパークレンジャー事業」第1回を長野県山ノ内町で行いました。山ノ内町と高山村の小学生を対象にした催しで、全2回のうち第1回です。


今回の「子どもパークレンジャー事業」は、国立公園であり、志賀高原ユネスコエコパークになっている場所を自然保護官(パークレンジャー)と一緒に歩き、自然観察を通して、自分たちの住んでいる地域の自然環境を知ってもらうプログラムを組みました。テーマは「人と自然との共生」です。

第1回は山ノ内町の「自然探勝コース」を歩いて、「人と自然との共生」の現場を観察します。


■木戸池

<今回のスタート地点。木戸池は、かつては志賀山からの溶岩でせき止められてできた湖(旧志賀湖)の底にありました。湖の水が流れ出た後の凹地に水が溜まり、現在も地下から流入する水があるために、池になっています。>


■田ノ原湿原(その1)

<この湿原は水が豊富で日当たりもよいのに、大きくなる植物は少ない。どうしてかな?>

土の栄養が少ないためです。少ない栄養でも育つことができる植物だけが生えています。

この写真は、そういう植物の一つモウセンゴケを探しています。ちょうど花を付けていました。「コケ」という名前が付いていますが、花を付ける植物です。


■田ノ原湿原(その2)

<見過ごしてしまいそうですが、木道の近くの植物は草丈が高くなっています。どうしてかな?>

植物が大きくなるということは、栄養があるということです。木道を造る時に栄養のある土が混じってしまったのかもしれません。


■原生的な林(その1)

<溶岩の上に木が育っています。この木の「幹」と「根」はどこからで分かれるのかな?>

木の種が岩の上で芽生えました。根は下に向かい、幹は上に向かいます。なので、岩から下に向かっているのは「根」だと考えたほうが分かりやすいです。土の中にあるのが「根」だと考えがちですが。


■原生的な林(その2)

<志賀山の斜面には、このような原生的な林が広がります。三角池付近。>


■人の手が加わった林(その1)

<ダケカンバの林。ダケカンバは落葉樹です。葉が開くのは6月、葉が落ちるのは10月。葉の寿命はたったの4ヶ月から5ヶ月くらいです。長池付近。>


■人の手が加わった林

<ミズナラ、コナラの林。50年くらい前(昭和30年頃)まで炭焼きに使われた林です。その頃までは炭を作って売る、買って使うという生活がありました。近くには炭焼き窯の跡があります。琵琶池付近。>



自然探勝コースは、その名のとおり、いろいろな自然を観察できるコースです。

この日は歩く時間が長かったので、参加者からは、「いろいろなことを観察できてよかった」と同じくらい、「疲れた」という感想もありました。



○赤線が今回歩いたコース。自然探勝コースは木戸池から蓮池まで(約4km、標高差約-160m)だが、琵琶池畔にある炭焼きに使われた林を見るために少し足を伸ばした。

○池や湿原は志賀山からの溶岩の凹地にできている。

○黒線は国道292号線(志賀草津道路)。自然探勝コースは国道に沿うような形になっているので、全線を歩かなくても、興味のある地点で車を降りて観察することも可能。


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