ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

上信越高原国立公園

258件の記事があります。

2018年07月04日ワタスゲたなびく芳ヶ平湿原

上信越高原国立公園 万座 小林 直樹

73()、芳ヶ平湿原の巡視に行ってきました。

芳ヶ平湿原を含む周辺の湿地群は火山性の特異な特徴を有しており、

2015年にラムサール条約湿地に登録されました。

日本固有種のモリアオガエルの最高標高の繁殖地や

国天然記念物に指定されたチャツボミゴケ群落など

世界的に重要な生態系が存在します。

【湿原入口付近から望む草津白根山】

渋峠からよく整備された遊歩道を下り、平らな湿原に入ると

そこはまるで別世界・・・。

多数の地塘とそのまわり一面にたなびくワタスゲが

素晴らしい景観を演出しています。

【湿原の遊歩道】

【一面にたなびくワタスゲ】

【ワタスゲの白さを際立たせる他の花々】

【多数の地塘】

この日は平日のせいもあってハイカーは誰もいません。

鴨の親子がのんびり泳ぐ姿も見られました。

【気持ちよさそうですね!】

湿原のそばには、赤い屋根の芳ヶ平ヒュッテが営業しています。

立ち寄ってご主人に挨拶しました。

国道292閉鎖の影響で芳ヶ平の客数は例年に比べて大幅に減っているとのこと。

【芳ヶ平ヒュッテの外観】

芳ヶ平はワタスゲの時期以外でも、

新緑や紅葉の季節も素晴らしい景観のようです。

皆さんもぜひ1度、芳ヶ平湿原を訪れてみてください!

数km下り道を歩けば草津町に着くので、

ハイキング後には温泉で癒やされることもできます。

ページ先頭へ↑

2018年06月26日子どもパークレンジャー浅間地域:今年も盛況!

上信越高原国立公園 万座 小林 直樹

6月23日(土)、浅間山麓に住む小中学生 15人が、「子どもパークレンジャー」として

湯の丸高原のレンゲツツジ保存活動で活躍しました!

★子どもパークレンジャーとは

 http://www.env.go.jp/kids/gokan/jpr/about/index.html

湯の丸高原での開催は、今回で3年目になります。

NPO法人浅間山麓国際自然学校やレンゲツツジ保存会のみなさん、また嬬恋高校ボランティア部の生徒さんや先生もスタッフとして参加いただきました。

まずは湯の丸高原ビジターセンターにて開会式と任命式です。

環境省レンジャーから国立公園についての話を聞き、1人ずつ自己紹介をした後、湯の丸の自然を守る「子どもパークレンジャー」として任命されました。

【レンジャーによる任命式の様子】

その後は外に出て、作業する場所まで向かいます。なかなか急な坂道も、みんな頑張って登ってくれました!

道中では、スタッフが湯の丸山の成り立ちや牧場としての歴史、レンゲツツジとの関係について説明してくれます。

また、希少な高山蝶、燃えにくいナナカマド、紅葉するカラマツ、ニホンカモシカの角とぎ跡など、見かけた湯の丸のいろんな動植物についての解説も。

子ども達は熱心にメモを取っていました。

【スタッフの解説に聞き入る子ども達】

途中、雨がぱらつくこともありましたが何とか湯の丸山の中腹にあるレンゲツツジ群生地に到着!

記念撮影の後、保存活動を開始します。

ヘルメットをかぶって剪定バサミでレンゲツツジの周りのササなどを刈り、日当たりがよくなるようにしました。

子ども達も大人も一生懸命レンゲツツジのために作業します。

【湯の丸山をバックに記念撮影】

【作業の様子】

【担当した株にネームプレートを付けてはいポーズ!】

【牛たちとも記念撮影!】

作業後は、スキー場のゲレンデ内を歩いて降りて、湯の丸牧場の牛たちを見ながらのお昼ごはん!

こんなに間近で放牧されており、子供たちのテンションも上がります。

午後は鹿沢インフォメーションセンターに移動して新聞作りと発表です。

アイデアを出す子、意見をまとめる子、文字を書く子、写真を切る子、......

班のみんなで内容を話し合い、分担し、見事なチームワークによって、個性豊かな新聞ができました!

【みんなで協力して新聞づくり】

【緊張の発表タイム】

発表後は、今日1日で学んだことをレンジャーに報告し、JPRスタンプと缶バッチを貰います。

【レンジャーへの報告】

最後は全員参加でのネイチャーゲームで大いに盛り上がり。。。

怪我もなく無事終了、みんな楽しそうでした。

新聞作りのテーマのひとつでもあった「10年後の湯の丸高原」。

子ども達からは「牛が増えている」「トロッコができている」「このままだとレンゲツツジが衰退する」など様々な意見がありました。

彼らが大人になっても、この活動で学んだことや自然を大切にする気持ちを忘れずに、地域の自然を未来に繋いでいってほしいです。

ページ先頭へ↑

2018年06月15日湯の丸牧場放牧作業

上信越高原国立公園 万座 小林 直樹

6月14日(木)、湯の丸牧場の開牧式に伴い、牛の放牧作業が行われました。

放牧する牛の数は年々減少しているとのことですが、東御市の農家が育てている

乳牛18頭が放牧されました。

【牛を運んで来たトラック】

牛を一頭ずつトラックから引っ張り出します。

【放牧作業の様子】

最初はいやがっていた牛も外に出されるとすぐ草を食べ始めます。

絵になります。

【レンゲツツジと牛】

レンゲツツジにはグラヤノトキシン(アンドロメドトキシン)という毒が含まれているため、

牛は食べないそうです。

代わりに周りの雑草を食べてくれます。

【レンゲツツジ】

こちらはジャージー種でしょうか?

よく見るとぱっちりしたかわいい目をしています。

【ジャージー種】

【牧歌的風景】

元気に走り回る牛を見ていると癒やされますし、

生産者の方々も満足げな表情です。

早く大きくなっておいしい牛乳やソフトクリームを楽しませて

欲しいものです。

ページ先頭へ↑

2018年06月14日菅平スカイライントレイルの巡視を行いました。

上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 前田久美子

6月10日(日)、菅平で開催された

トレイルランニングの大会の巡視を行いました。

01菅平スカイトレラン

 

今回、大会側に一部歩行区間を設けていただいたこともあり、

しっかりと実施されているかなど確認を行いました。

02歩行区間の巡視も

(スタッフの方が歩行区間で声かけをしていました!)

 

菅平牧場には斜面いっぱいのレンゲツツジ。ちょうど最盛期でした!!!

03レンゲツツジでいっぱい

 

雲の中に入ってしまうと汗が一気に冷えてとっても寒いです!

04雲の中は寒い

 

登山道脇にはツマトリソウなど初夏の花が可憐に咲いていました。

05ツマトリソウきれいです

 

レンゲツツジとイワカガミの絶妙なコントラストも楽しめましたよ!

06レンゲツツジとイワカガミのコントラスト

 

夏の根子岳はお花いっぱいです!

ぜひ遊びにいらして下さい!

ページ先頭へ↑

2018年06月11日新緑の烏帽子岳登山とムラサキヤシオツツジ

上信越高原国立公園 万座 小林 直樹

6月10日(日)、鹿沢インフォメーションセンター主催の

「新緑の烏帽子岳登山とムラサキヤシオツツジ」ツアーに参加しました。

烏帽子岳(2066m)は浅間・烏帽子火山群の西端に位置し、約40万年前に形成された火山群の中で最も古い山です。

参加者は、主に長野県と群馬県からの一般申込者 19名にお集まりいただきました。

鹿沢インフォメーションセンター職員と、鹿沢万座パークボランティアのメンバーが、スタッフとしてサポートします。

当日朝はあいにく若干霧がかかっていましたが、登山口である地蔵峠を出発。

【出発準備】

途中、スタッフによる花の紹介などインタープリテーションを交えながら、新緑の登山道を登ります。

【新緑の登山道】

【ボランティアによる自然解説】

そして今回のツアーの売りの一つ、ムラサキヤシオツツジも美しく咲いていました!

【ムラサキヤシオツツジ】

【鞍部での休憩の様子】

登るにつれ、だんだんと霧も晴れてきて、

稜線に出ると時々霧の隙間から上田市街まで望めました。

【稜線からの景色】

たまに下界を見ながら登り、予定より早く山頂に到着!

みんなでお弁当を食べてゆっくり休み、記念撮影です。

【山頂で記念撮影】

下山途中には、烏帽子岳に関するジオクイズも実施しました。

楽しみながら火山のことを学べ、大好評でした。

【ジオクイズ】

【烏帽子岳の稜線】

最後は臼窪湿原を通り、登山口まで全員無事に下山。

烏帽子岳の登山は比較的なだらかなコースなので登山初心者でも楽しめ、

火山の成立ちや様々な高山植物を学べるとても楽しいコースです。

晴れていれば山頂からは富士山、南アルプス、浅間山と360°の眺望も広がります。

この地域は湯の丸山のレンゲツツジが有名ですが、ムラサキヤシオツツジもお忘れなく!

ページ先頭へ↑

2018年06月04日レンゲツツジ満開の菅平!

上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 前田久美子

6月4日(月)は菅平に設置した登山者カウンターの点検に行ってきました。

 

菅平もついこの間までは春だったと思っていたら・・・

若葉も芽吹いて緑が爽やかな夏に!

01緑いっぱい菅平

 

そしてレンゲツツジが今まさに満開!

02満開のレンゲツツジ

  

コガネムシ?も元気もりもり歩いていました。

03コガネムシ???

 

レンゲツツジは登山道脇に沢山咲いています。

この週末はぜひ根子岳に登ってみませんか?

ページ先頭へ↑

2018年05月30日チャツボミゴケ公園ハルザキヤマガラシ駆除と武具脱の池

上信越高原国立公園 万座 小林 直樹

5月28日(月)午前中、「白根山系の高山植物を護る会」主催のチャツボミゴケ公園周辺のハルザキヤマガラシ駆除活動に参加しました。

集まった参加者は、自然公園財団や中之条町の職員、ボランティアの方々など総勢17名ほど。

【山本保護官の挨拶】

チャツボミゴケ公園入口付近のハルザキヤマガラシの数は半端でなく、道路両側にびっしりと群生しており、大きく成長していました。

ここでは今まで駆除をしていなかったのですが、このままでは車などによってチャツボミゴケ公園内に持ち込まれてしまう恐れがあるため、今回初めて駆除作業を実施することになりました。

【作業の様子】

みんなで手分けして作業すること約2時間。すっかり綺麗になりました。

以下は作業前と後の同じ場所の写真です。

【作業前の状況】

【作業後の状況】

回収したハルザキヤマガラシは軽トラックほぼ一杯分の量でした。あとで計測すると、180kgあったそうです。

【回収したハルザキヤマガラシ】

【作業したみんなで記念撮影】

午後は自然公園財団の湯田調査役に案内していただき、草津町の武具脱(ものぬぐ)の池を巡視しました。

「武具脱の池」という名前は、源頼朝の軍勢に追われた源義仲(木曽義仲)の兵士たちがこの池に武具を投げ捨てて逃げた、という伝説に由来するそうです。

今はちょうど真っ白なワタスゲが見ごろです。

【武具脱の池とワタスゲ】

ここでも一部に外来の熱帯スイレンが見つかり、昨年駆除されたのですが、今年もまた出てきていました。まだ完全には駆除できていないようです。

【熱帯スイレン】

先週から駆除作業に参加して外来種の繁殖力の強さを思い知り、運転中などに道路脇の黄色のかたまりを見ると憂鬱になるようになりました。

しかし、人手をかけて毎年地道に作業を行うのが重要で、作業に参加してくださるメンバーの方々の協力や関係者の方々の努力には本当に頭が下がります。

ありがとうございました!

ページ先頭へ↑

2018年05月21日志賀高原 池めぐりコース

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは。

5月16日、志賀高原の硯川から四十八池湿原を往復しました。歩道の状況をお伝えします。

この区間を含むコースは「池めぐりコース」と呼ばれ、志賀高原を代表するトレッキングコースです。湿原、原生的な林など見所がたくさんあります。志賀高原観光協会のwebページによると、中級・一般向けコースで、5月17日現在、このコースのコンディションは「歩行不可 残雪あり」となっています。

歩いた印象は、残雪があるので一般の方(運動靴で歩く方)が歩くことは難しいと感じました。

<志賀山方面との分岐を過ぎると歩道にも雪が出始めます。なお、志賀山登山コースも歩行不可となっています。>

<雪が多く残っている所。先行者の歩いた雪の窪みに足を乗せて歩きます。>

<四十八池湿原には雪がありません。奥に見えるのは志賀山(左)と裏志賀山(右)です。志賀高原ユネスコエコパークのロゴマークに使われている景色です。>

<志賀高原ユネスコエコパークのロゴマーク。>

さて、ヒキガエルが産卵していました。まだ、春が浅いなあと感じました。

<雌雄が右中央にいます。そして雌雄の左の水中に黒いぐちゃぐちゃっとしたものが見え、写真の左上から右下にかけてひも状に長くつながっています。これは卵塊で、黒っぽい卵が寒天状のものに包まれています。>

さて、志賀高原には、様々なトレッキングコースがあり、既に散策が可能なコースもあります。また、間もなく6月上旬からはネマガリタケの時期となります。今シーズンもどうぞ志賀高原へお出かけください。

■志賀高原でのネマガリタケ採取には規則があります。詳細は志賀高原観光協会のページhttp://www.shigakogen.gr.jp/news/entry-295.htmlをご覧ください。

■草津町と志賀高原の間の交通は、草津白根山の活動の影響で国道292号の一時通行止め区間があるため、万座温泉を経由し、万座ハイウェイ(有料道路:125㏄以下のバイク及び自転車の通行は不可)を利用することになります。

なお、万座温泉には「万座しぜん情報館」がオープンしました。環境省が整備した国立公園の自然案内・展示施設です。志賀高原への行き来の際にぜひお立ち寄りください。

http://www.manzanc.jp

ページ先頭へ↑

2018年05月14日万座しぜん情報館オープン!

上信越高原国立公園 万座 小林 直樹

はじめまして。

4月に万座自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーに着任しました小林直樹です。

よろしくお願いします。

さて、上信越高原国立公園の万座地域に、環境省が整備した「万座しぜん情報館」が5月12日(土)にオープンしました!

「万座しぜん情報館」は、草津白根山を中心とする火山とその周辺の温泉や池沼、動植物などの自然環境に関する情報提供等を目的とした、国立公園利用のための拠点施設です。

建物は木造平屋建てで地元の木材や石をふんだんに使用しており、周辺の高山植物や地層、トレッキングコース等を紹介するコーナーが設置され、火山ガスが岩から噴出する「空吹」を見学できる展望テラスもあります。

【看板】

オープン当日には、環境大臣政務官や町村長をはじめとする関係者を招いた式典が行われました。天気にも恵まれ、無事にテープカットまで執り行うことができました。その後の内覧会では一般の利用者も多数訪れ、石塚徹館長の説明を熱心に聞いていました。

【テープカットの様子。嬬恋村のゆるキャラ「嬬キャベちゃん」も一緒です。】

【火山ジオラマ。火山の地下内部を見ることができます。】

館内には暖炉や本棚も設置されており、ベンチでゆっくり本を読みながらバスを待つこともできます。

【暖炉とベンチで癒されます】

また多目的ホールでは、館長が企画した各種展示や環境省のアクティブ・レンジャー写真展も実施しています。

【クロサンショウウオの飼育展示。名前を募集中です!】

【アクティブ・レンジャー写真展も開催中(~71日(日)まで)】

今後も、館長による自然観察ツアー「わくわく万探(マンタン)ツアー」や新たな企画展等、季節に合わせた様々なイベントが計画されています。

万座の情報やイベント詳細などについては、万座しぜん情報館のHPをご覧ください。

http://www.manzanc.jp

皆さん、ぜひ「万座しぜん情報館」に遊びにお越しください!

ページ先頭へ↑

2018年05月01日根子岳峰の原口登山道の迂回路について

上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 前田久美子

4月27日(金)、昨年8月の豪雨により登山道浸食が発生した根子岳峰の原口の登山道について、迂回路の確認・注意喚起看板の設置を行ってきました。

01迂回路の確認

 

まずは根子岳菅平牧場登山口の登山届提出のボックスに

「迂回路案内」の注意喚起看板を設置しました。

02登山口の迂回路案内

※昨年度とは迂回路のコースが変わっています。

 

峰の原登山口の料金所にも同様の案内看板を設置しました。

03峰の原登山口の看板

 

通行禁止の部分は峰の原登山道の『避難小屋~根子岳・小根子岳分岐』の区間です。

避難小屋と分岐にはそれぞれ詳細の迂回路案内を設置しました。

04迂回路入り口の迂回路案内

 

迂回路には石や木にピンクテープを設置したので、

テープを頼りに歩いて下さい!

05ピンクテープ設置しました!

 

小根子岳の山頂から後ろを振り返ると...

四阿山や根子岳の北東斜面にはまだまだ雪が(゚Д゚;)‼‼‼

06まだまだ雪いっぱい

 

小根子岳~根子岳の登山道にも雪が残っている場所がありました!

踏み抜きやすい部分もあるので、注意して歩いて下さい。

07登山道にも雪いっぱい

 

根子岳山頂には雪はありませんでした!

08根子岳山頂は雪ありませんでした!

 

この日は根子岳菅平牧場登山口にて「春山の山岳遭難防止対策」として

遭難対策協会と長野県警、長野県の方々が安全登山の呼びかけを行っていました。

09春山の山岳遭難防止対策キャンペーン

 

雪がまだまだあるうちは春山登山です。

下調べや装備の準備を十分にして山へ出かけましょう。

○信州山のグレーディングはこちら

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ