上信越高原国立公園
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2019年05月28日志賀高原 池めぐりコースの状況
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
志賀高原には、いろいろなトレッキングコースがあり、体力や時間に応じて選ぶことができるので、いろいろな方が楽しめると思います。
今回は「池めぐりコース」の状況を紹介します。
四十八池(しじゅうはちいけ)湿原の脇にある公衆便所の状況の確認のため、5月27日に歩きました。
まだ、一般の方のトレッキングには適さないと感じました。理由は残雪が多いためです。
四十八池湿原に向かう場合、志賀山への分岐を過ぎた辺りからは特に目立ちます。例えば、上の写真では残雪のため歩道が隠れています。雪が解ければ写真中央の上下方向に歩道が出てきます。道が分かりづらいことによる道迷い、雪の上を歩くことによるスリップなどへの注意が必要です。
また、地面まで雪があるように見えますが、中が空洞になっているところがあります。踏み抜きにも注意が必要です。
なお、雪が解けたところでは、下写真のように雪解け水が歩道を流れたり、水がたまったりしているところがあります。
なお、四十八池公衆便所が使用できるのは6月下旬になる見込みです。現在は洗浄に使う水がまだ凍っています。例年6月中旬までに解け、その後使用できるようになります。
池めぐりコースで、現時点で利用可能な公衆便所は2箇所です。一つは国道292号沿いの前山リフト近くの公衆便所、もう一つは大沼池側の清水口の公衆便所です。両トイレ間の所要時間は約3時間30分です。必要であれば携帯トイレの持参をお願いします。
<5月27日時点での池めぐりコースのトイレの状況>
上信越高原国立公園は今年(2019年)国立公園に指定されて70周年となります。
記念の年に上信越高原国立公園へお出かけください。
2019年05月28日野沢温泉村で写真展。そして、タケノコの季節。
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
長野県野沢温泉村で上信越高原国立公園70周年記念写真展を開催中です。
場所:野沢温泉村役場 玄関ホール
期間:6月14日(金)まで。ただし、土曜日と日曜日は閉庁。
観覧時間:8時30分から17時まで
今年(2019年)は、上信越高原国立公園が1949年に指定されてから70周年を迎えます。これを記念して、公園に関係する市町村で写真展を行います。志賀高原自然保護官事務所の担当するエリアでは野沢温泉村で開催中ですが、ほかにも長野県御代田町の「エコールみよた」と長野県軽井沢町の「田崎美術館」でも開催中です。展示している写真は同じものなので立ち寄りやすい会場でご観覧ください。
なお、写真展についての問合せは開催会場ではなく、環境省信越自然環境事務所(電話026-231-6570)へお願いします。
さて、長野県北部では、まもなくタケノコの季節です。
野沢温泉村では6月7日(金)から16日(日)まで「たけのこまつり」が開かれます。期間中の夜間に「たけのこ屋台村」の開店や、土曜日と日曜日には「たけのこを探しながら散策するツアー」の開催が予定されています。
こんな催しのついでに、写真展をご覧いただくのはどうでしょうか。お待ちしています。
参考までに、ここでいうタケノコは、「ネマガリタケ(根曲がり竹)」と呼んでいるチシマザサの若芽で、太くても直径2cm程度のものです。サバ水煮の缶詰を入れたタケノコの味噌汁にして食べたり、採りたてを焼いて食べたりします。
なお、タケノコ採りは、野沢温泉村だけでなく長野県北部の各市町村で行われますが、各地域でルールが決められているので、必ず守っていただくようお願いいたします。
2019年05月24日ニリンソウの遊歩道 大倉新道
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
志賀高原には、いろいろなトレッキングコースがあり、体力や時間に応じて選ぶことができるので、いろいろな方が楽しめると思います。
今回は、高低差がほとんどなく約1時間で歩ける「大倉新道(おおくらしんどう)」というトレッキングコースを紹介します。5月23日に歩きました。
この時期の目当てはニリンソウです。残念ながら、今年は開花が遅く、咲いているものはわずかでした。
<もうしばらくすると、写真中央の平坦な場所がニリンソウのお花畑になります。>
このほかにも早い時期に咲く花を見ることができました。
<上左:エンレイソウ、上右:ミズバショウ、下左:ヤマエンゴサク、下右:オオカメノキ>
また、このコースは志賀山などの山並みも見どころの一つです。
<左のピークのほうがわずかに高く裏志賀山と呼ばれています。右のピークが志賀山。>
「大倉新道」の場所は、高天ヶ原(たかまがはら)地区の西にある西館山(にしだてやま)の西側です(下図の赤い線)。パノラマパーキングと西発哺地区を結びます。西発哺近くでは西館山スキー場のゲレンデを歩きます。
【5月23日時点での注意点】
・まだ誘導標識が設置されていませんでした。西館山スキー場のゲレンデを歩く際は、進行方向にご注意ください。
・トレッキングコースが西館山スキー場のゲレンデと合流する地点では、まだスキーの転落防止ネットが張られたままでした。ネットをくぐるなど通過に工夫が必要です。
・ぬかるむ箇所がありました。また、約3m×2箇所だけ残雪の上を歩きました。
・トレッキングでは、足元や持ち物の準備をして、けがをしないように注意してください。
2019年05月21日わくわく万探ツアー 『サンショウウオを探しにいこう』
上信越高原国立公園 小林 直樹
5月19日(日)、万座しぜん情報館主催のイベント:わくわく万探ツアー
『サンショウウオを探しにいこう』にサポートスタッフとして参加しました。
子ども達にも人気のサンショウウオツアーですが、
今回は香港から来られたご夫婦も含め、大人6人が参加されました。
万座には主にクロサンショウウオとハコネサンショウウオの2種類が生息していますが
この時期は産卵のため、水場に集まって来ます。
まずは止水性(池で産卵する)のクロサンショウウオを探しに山の中の池を目指します。
【森の中の池を目指す】
万座しぜん情報館の館長さんから説明を受け、早速池の周囲の
木の周りや笹の下の水の中のクロサンショウウオを探しまわります。
【館長さんの説明を受け、サンショウウオ探しの準備にかかる】
しかししばらく探しますがなかなかクロサンショウウオは見つかりません。
今度は館長さんが網を使って池の淵の水の中を探しました。
【網を使っての捜索】
それでもクロサンショウウオは発見できません。
かわりに網の中にはたくさんのヤマアカガエルの卵が入っていました。(笑)
【とろとろのヤマアカガエルの卵の手触りを味わう】
結局ここではクロサンショウウオは見つかりませんでした。
今年は雪解けが遅かったせいかまだ産卵に来ていないのでしょうか?
気を取り直して今度は流水性(川で産卵する)のハコネサンショウウオを探しに
少し離れた沢に移動しました。
ここでも館長さんの手ほどきを受け、ひとりずつ小さい網で石の下や
落ち葉の下の水をすくってハコネサンショウウオを探します。
【沢を登りながらハコネサンショウウオを探す】
しばらくするとあちこちで「いた!」、「見つけた!」と次々に歓声が上がります。
とてもかわいいですね。
結局、まだ生後まもないものから数センチのものまで様々なサイズの
ハコネサンショウウオがたくさん見つかり、参加者の皆さんも大満足。
とても貴重で楽しい経験をしたと言ってくださいました。
サンショウウオは、涸れることのない水辺と、ひんやりした森の
両方がセットになっている場所でしか生きられません。
まさに万座の森の池や沢がサンショウウオ達にとっては貴重な「棲家」のようです。
見つけたサンショウウオは、みんなで観察してから、全て無事に沢に返しました。
これからも「生きた化石」として万座で生き延びていってくれるでしょう。
皆さんも次回ぜひサンショウウオを探しに万座の森に出かけてみませんか!
2019年05月17日雪解け進む
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
標高約1,500メートルにある事務所の周辺では、残っている雪がわずかになりました。
<左写真で5月7日に1メートルほどあった雪は、右写真の5月17日ではわずかに残るだけになりました。雪の重みで倒れていた枝が起き上がってきました。>
<雪が解けたところでは、まずフキノトウが目立ちます。手前のフキノトウの左にはタンポポのような葉が見えます。>
<一番上の写真の木はまだ葉は出ていませんが、周辺では葉が出始めた木があります。ナナカマドでしょうか?>
さて、5月8日の日記で、志賀高原の2つのスキー場は5月末まで営業予定と書きましたが、残念ながら渋峠・横手山付近のスキー場のみの営業となりました。
この付近には、「日本一標高の高いところにあるパン屋さん」と「日本で2番目に標高の高いところにあるパン屋さん」があります。
どうぞ、国立公園にお出かけください。
2019年05月08日志賀高原では、まだまだスキーできます
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
私が自然保護官(レンジャー)とともに執務している志賀高原自然保護官事務所は、上信越高原国立公園の標高約1,500mにあります。雪解けが進み、ようやく春らしくなってきました。
4月15日に撮影した右の写真と今日(5月8日)撮影した左の写真を比べると、
・事務所のすぐ近くにある蓮池(はすいけ)の水面が見えるようになりました。
・除雪でできた道路脇の雪の山や、斜面のスキーコースの雪もほとんど解けました。
でも、シラカバなどの落葉樹にはまだ葉が出ていません。
<左:5月8日撮影、右:4月15日撮影>
<事務所への進入路入口には、まだ1メートルほどの積雪があります。5月7日撮影。>
さて、志賀高原内でもより標高の高いところにある渋峠・横手山付近のスキー場と熊の湯付近のスキー場は、5月末まで営業予定です。スキー場のSNSなどを見ると、まだ雪質は良く、積雪も十分にあるとのこと。
ぜひ、お出かけいただき、国立公園を利用してください。
なお、お出かけの際に注意が必要な点があります。
■国道292号の渋峠(標高2,152メートル)付近は標高が高いため路面凍結のおそれがあります。通行の際はスタッドレスタイヤ等滑り止めを携行してください。
■群馬県側から国道292号の通行は朝8時から夕方5時まで可能です。ただし、一部区間に駐停車禁止や通行可能車種(歩行者、自転車、オートバイ、オープンカー は通行できない)などの規制があります。また、天候や火山活動の状態により通行止めとなることがあります。
一方、万座温泉経由では通行は常時可能ですが、125cc以下のオートバイ(自動二輪、原付)、自転車及び歩行者は通行できません。
なお、山ノ内町側から国道292号の通行規制はありません。
2019年04月26日木島平村で写真展を開催しています-上信越高原国立公園指定70周年記念写真展-
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
今年、上信越高原国立公園は指定70周年を迎えます。これを記念して、公園に関係する市町村で写真展を開催します。
本事務所の担当する市町村では木島平(きじまだいら)村が最初の開催となります。
場所:道の駅 FARMUS(ファームス)木島平
期間:4月26日(金)から5月19日(日)まで。ただし、13日(月)は休館。
開館時間:10時から17時まで
道の駅では、明日からのゴールデンウイーク中、さまざまなイベントが開催されます。また、農産物直売所もあります。イベントや買い物のついでに写真展をご覧ください。
2019年04月10日上信越高原国立公園 指定70周年記念 写真展始まる!
上信越高原国立公園 万座 小林 直樹
いよいよ新年度が始まりました。今年は上信越高原国立公園の指定70周年にあたります!
環境省信越自然環境事務所では、上信越高原国立公園内の風景や動植物をテーマとした写真展を
今月から関係市町村を巡って各地で開催します。
詳細は以下をご覧ください。
http://chubu.env.go.jp/shinetsu/pre_2019/70.html
万座自然保護官事務所管内では、トップを切って小諸市で4/9(火)から展示が始まりました。
その会場の様子を中心にご紹介します。
会場である市立小諸図書館は、小諸市のコンパクトシティ構想の一環として市庁舎とともに建設された
「こもろプラザ」1階に2015年に開館した、きれいで大きな図書館です。
平日でも多くのお客さんが来られており、小諸市民の憩いの場にもなっています。
【図書館入口の案内パネル】
入口正面奥のスペースには、上信越高原国立公園と各地域を紹介したパネルとリーフレットを展示。
本を借りに来たお客さんにも、本閲覧の合間にでも展示を見ていただき、興味を持っていただけると嬉しいです。
【各地域を紹介するパネル】
そして40数枚に及ぶ様々な写真は、書棚の側面に展示させていただきました。
書棚によってテーマがあるので、例えば山岳関連の書棚には山の写真、子ども向けの書棚には動物の写真といったように、なるべく図書館の雰囲気と利用者に合わせた展示としています。
【子供向けコーナーにはカモシカなど】
今回は上信越高原国立公園で歴代職員が撮影した写真、地元の方からご提供いただいた写真など
過去から現在に至る様々な写真をご覧いただけます。
皆さんもぜひ足をお運び下さい!
★万座自然保護官事務所管内の写真展開催情報★
期間:4月9日(火)~5月17日(金)
会場:小諸図書館(長野県小諸市)
開館時間:平日 午前9時から午後7時まで
土曜・日曜、祝日 午前9時から午後6時まで
5月下旬からは、長野県御代田町で開催予定です!
今後の開催スケジュールについては、下記ホームページのトピックスをご確認ください。
信越自然環境事務所HP http://chubu.env.go.jp/shinetsu/
上信越高原国立公園HP http://www.env.go.jp/park/joshinetsu/
2019年02月27日雪山賛歌トレッキング in 湯の丸
上信越高原国立公園 万座 小林 直樹
2月24日(日)、鹿沢インフォメーションセンター主催のイベント
「雪山賛歌トレッキング」にサポートスタッフとして参加しました。
「♪雪よ~岩よ~われらが宿り~」で有名な山の歌『雪山賛歌』は、
西堀榮三郎が京都帝國大学山岳部の仲間と鹿沢温泉に来たときに作られました。
発祥の地である鹿沢には、歌碑やメロディーロードがあり、
鹿沢インフォメーションセンターでもそれにあやかったイベントを毎年開催しています。
今回は、スノーシューをはいて地蔵峠を出発し、ツツジ平を経て
湯ノ丸山の中腹まで登り、臼窪湿原まで降りる半日コース。
12名の参加者を、パークボランティア含め6名のスタッフがサポートしました。
【準備体操をしてスノーシューをはいて、いざ出発】
【晴天のカラマツ林を登る】
天気に恵まれ、抜けるような青空で、気持ちのいいトレッキングです。
気温も高かったため雪は凍って固く、パウダースノーではないので
ラッセルはありませんでした。
【ところどころに見られる小動物の足跡】
また、要所要所でスタッフの解説(インタープリテーション)が入ります。
樹木の名前や特徴、付近の山の成り立ち等について色んな話を聞きました。
【スタッフによるインタープリテーション】
【湯ノ丸山をバックに記念撮影】
途中からは、登山道ではない雪原を登る少しきついコースになります。
さらに標高が高くなると後方には浅間山も見えるようになります。
【篭ノ登山の後方に見える浅間山】
コースの最高地点である鐘分岐で休憩し、下りはじめます。
下りは湯ノ丸山への登山道なので、多くの登山者とすれ違いました。
ちょうど昼頃、臼窪湿原まで降りてきて雪原の中で昼食です。
【雪原での昼食】
【臼窪湿原から望む湯ノ丸山】
昼食後、全員無事に地蔵峠まで戻りました。
お疲れ様でした!
番外編として、湯の丸スキー場のゲレンデからも絶景も紹介します。
【遠くに北アルプスの山並みが見えます】
湯の丸高原ではそろそろ春の足音が聞こえてくる頃でしょうか?
冬の景色もとても魅力的ですが、また違った春の景色も楽しみですね。
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
志賀高原自然保護官事務所は長野県山ノ内町志賀高原にありますが、担当する区域は栄村、野沢温泉村、木島平村、高山村、須坂市も含まれます。上信越高原国立公園のうち北部の長野県側を担当しています。
<赤線が上信越高原国立公園の区域。区域の左上のほうの青の斜線が本事務所の担当市町村。>
5月30日は遠くまで視界が良かったので、昼休みを利用して高山村へ出かけました。場所は、山ノ内町と高山村の境にある笠ヶ岳峠付近です。
<笠ヶ岳峠付近から西を望む。手前の木の少ない場所は山田牧場(冬はスキー場)。奥に見えている山並みは北アルプス(白馬岳から燕岳あたりまで)。この写真の右側にあたる部分には妙高戸隠の山々があります。この場所からは、夕暮れの時もきっと素晴らしい景色が見られるのだろうと思います。>
<笠ヶ岳峠付近から東を見る。志賀山から左にゆるやかに下る地形は志賀山の溶岩による地形。>
高山村は「日本で最も美しい村連合」に加盟しており、この場所のほかにも、見るべき美しい場所があります。
さて、この地方でもようやくトレッキングの開始の目安となる山開きの行事が始まりました。
6月1日(土)は栄村での「苗場山・鳥甲山・佐武流山」の山開き、6月2日は高山村の「笠ヶ岳」の山開きが行われました。
70周年記念写真展の写真で、苗場山と笠ヶ岳を紹介します。
苗場山
<苗場山山頂付近から南の星空。>
<苗場山山頂部の湿原のワタスゲ。>
笠ヶ岳
<山ノ内町のぞきから見た笠ヶ岳。>
下の写真は写真展に出していない写真ですが参考として載せます。笠ヶ岳峠から笠ヶ岳を撮影しました。ここから山頂まで徒歩約30分です。
上信越高原国立公園は今年(2019年)国立公園に指定されて70周年となります。
記念の年に上信越高原国立公園へお出かけください。