伊勢志摩国立公園 志摩
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2017年05月31日無人島:小島を調査!
伊勢志摩国立公園 麻生里衣
こんにちは。
伊勢志摩のアクティブ・レンジャー麻生、2度目の日記です。
5月25日、すぐ隣の「大島」と並んで先島半島の布施田沖の外洋に浮かぶ「小島」という小さな島で、現地の植生や外来種の侵入などの状況を調査しました。
小島は伊勢志摩国立公園の「第一種特別地域」という規制地域に指定されており、景観の維持が厳しく行われています。島には漁業関係者の方が年数回訪れる程度で、ほとんど人の出入りがないのだそうです。今回は特別な許可を得た上で、通常立ち入ることができない島に入れていただきました。
無人島の調査...。
ミステリーを感じながら船に乗り込みます!
しかし、この日はあいにくの大雨。
そして、私の自前レインウェアは摩耗で雨水を通すようになったようで、完全に雨水スルー状態。びしょぬれになりながら島へ上陸。
そして、しばらくすると雨が止みました。さっそく調査へ!
外来植物は数種類が確認されたものの、数は限定的のようで少し安心しました。
在来の植物たちも花を咲かせています♪
画像:ハマヒルガオ
画像:キケマン
画像:ハマダイコン
小島でも、志摩でよく見られる縦じま模様の地層が露出しています。
地殻が地中に入り込む過程で力が加わり、縦縞模様が出来上がるのだとか。
そして、近くの磯場から打ち上げられた、海藻の種類の多さにも驚かされます。
「海でマリモ発見!?」と思えば、タマミルという種類の海藻だそうです。
まるっこさがかわいい...。
画像:タマミル
この日は波が穏やかだったので、近くに海女さんのものと思われる漁業船も点々とあり、まさに"人々の暮らしと自然が融合"した伊勢志摩の風景が見られました。
2017年05月23日ホトケドジョウの調査
伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦
伊勢志摩国立公園パークボランティア連絡会では
志摩市阿児町にある農業用水路において
ホトケドジョウのモニタリング調査を平成17年から行っています。
ホトケドジョウは環境省のレッドデータブックで
絶滅危惧ⅠB類に記載されている魚で、
湧き水のあるような水辺にくらしています。
5月18日に今年の調査を実施しました。
調査は決められた地点において5人で一斉に10分間採集し、
採集された生物の種類や数を記録しています。
こんな狭い場所でも、きちんと5人で調査します。
これがホトケドジョウです。
これはドジョウです。
これはシマドジョウです。
調査では上記の3種類のドジョウの他に
カワムツやヨシノボリ、サワガニ、ヌマエビ、ヤゴなど
全部で50種類くらいの生物が確認されています。
しかし、この調査地では湿地の乾燥化が進んで
ホトケドジョウの生育地が消滅してしまった場所もあります。
継続調査の結果から、ホトケドジョウの数や生息地点の数は
減少していることが明らかになっています。
今後はこの調査結果を生息地の保全につなげていくことが課題です。
2017年05月17日志島の海岸
伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦
来週予定しているレンジャー出前授業の下見で志摩市阿児町志島の海岸へ行きました。
ここは白い砂浜と黒い砂利浜の磯が隣り合っている、
面白い環境の海岸です。
白い砂浜にはハマヒルガオの花がたくさん咲いていました。
波打ち際では、打ち上げられた海藻とアメフラシの卵塊を見つけました。
黒い砂利浜には岩場があり、たくさんの海藻が生えています。
ちょうど干潮時でタイドプールが広がっていました。
カラフルな海藻の生える海中はまさに別世界!
「かいそう」と呼ばれる海の植物には、ワカメなどの「海藻」と
アマモの仲間などの「海草」があります。
これはエビアマモで緑色が鮮やかですね。
クロシタナシウミウシです。
危険生物!ウツボがいました。
来週行う志摩市立志島小学校の出前授業は、
「大好き志島」をテーマに毎回違うゲストティーチャーが登場する第一回目です。
地域を好きになった子どもたちが国立公園を守る力になれるように
こちらも気合いを入れて授業に臨みたいと思います。
2017年05月15日伊勢志摩国立公園レンジャー出前授業
伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦
志摩自然保護官事務所では、レンジャーが学校などに出張し、
伊勢志摩国立公園の自然について楽しく体験しながら学べる講座を行っています。
5月2日に今年度最初の出前授業が伊勢市立御薗小学校でありました。
5年生3クラスを対象に、伊勢志摩国立公園の自然と、
絶滅危惧種、外来生物、地球温暖化についてお話しをさせていただきました。
身近な生物のことや、各自で出来る地球温暖化対策について
活発に質問をいただいたりして、児童たちの意識の高さがうかがえました。
伊勢志摩国立公園では、出前授業を担当するアクティブ・レンジャーが
今年度から2名体制になり、より一層充実した講座を提供いたします。
出前授業について、詳しくはこちらのチラシ【H29iseshima.pdf】、
もしくは下記のページを御覧ください。
http://chubu.env.go.jp/to_2017/2017.html
たくさんの御依頼をお待ちしています!
2017年05月12日春の横山、生き物たちがいっぱいです
伊勢志摩国立公園 麻生里衣
みなさん、はじめまして!
今年度から新しく伊勢志摩国立公園のアクティブ・レンジャーになりました麻生です。
今回初めてアクティブ・レンジャーの仕事をすることになり、まだ手探り状態ですが、早く要領を得られるよう頑張りたいと思います。
昨日、連休が明け久しぶりに横山に行ってみて、おどろきました!
この前咲いていた花が終わり、この前は咲いていなかった花がいい香りを周囲に漂わせて咲き誇っており、いろいろな虫たちが嬉しそうに飛び回っていました。
ガマズミの花の中に、昆虫が隠れています!
ナワシロイチゴ の花、赤くてすっぱい実がなります。
二ホントカゲ、展望台に向かう歩道の途中で日向ぼっこしていました。
この前はここでシマヘビが日向ぼっこしていました!
シャリンバイの花、梅に似た白い花は近づくと少しいい香りが。
手すりにとまるシオヤトンボ 。
家の近くにこんなにいろいろな動植物を見られる場所があるのは、とてもうらやましいことです。
春の伊勢志摩の森は、それぞれ種類が異なる木が違う色で芽吹くので、色味が違う緑色で彩られ、とてもきれいです。4月に引っ越してきて、私がまず感動したのがそこでした。
まさに多様性!
そんな場所が身近にあることが、伊勢志摩の魅力ですね(^-^)
2017年05月01日海で遊ぼう!
伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦
中部地区の山の国立公園ではようやく雪解けの便りが届き始めましたが、
伊勢志摩国立公園からは早くも海へのお誘いです。
春は日中に大きく潮が引くので、磯や干潟での生物観察に最適な季節です。
水はまだ冷たいですが、日中の気温は十分に暖かく、
海岸の日差しは暑いくらいに感じられます。
先日、体験プログラムの候補地を探しに南伊勢町の海岸へ行ってきました。
そこは、森の中を15分ほど歩いた先にある海岸です。
大きなリアス海岸の湾口近くにあり、
対岸には特別保護地域の見江島が見えます。
大きな岩に囲まれた磯です。
中央の島が見江島です。
泳げるくらい大きなタイドプールもあります。
タイドプールの中には数百匹のイワシの仲間が群れで泳いでいました!!
アメフラシです。
ムカデミノウミウシです。
伊勢志摩国立公園では、横山ビジターセンターの自然観察会として
5月28日(日)に「干潟の生き物観察会」が、
6月25日(日)に「タイドプールの生き物ワールド」が開催されます。
どちらも開催の1か月前から参加受付が開始されます。
ぜひ御参加ください!
2017年03月27日出前授業@神明小学校
伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦
志摩自然保護官事務所ではレンジャーが学校等へ出張し、
国立公園の自然やレンジャーの活動について伝える出前授業を行っています。
中でも学校の先生とコラボして一緒に授業をつくる「コラボ授業」に力を入れており、
平成28年度は志摩市立神明小学校で一年を通したコラボ授業を行いました。
4年生の児童32名を「神明小レンジャー」に任命し、
校庭の樹木を調査して、記録した成果を発信する活動を5回にわたって行いました。
授業の中では4年生が1年生に対して、
調査した校庭の木の名前や特徴をクイズで伝える活動を行いました。
「伝える」という活動は、レンジャーが自然を守る仲間を増やすために
とても大切にしている活動のひとつです。
最後の5回目の授業では、樹名板を作って実際に校庭の木に取り付けました。
樹名板はこれからも学校に残るものなので多くの方に見てもらい、
自然を身近に感じるきっかけになってくれれば良いと思いました。
来年度からも神明小での出前授業は継続していく予定です。
今年度お世話になったみなさま、ありがとうございました。
2017年02月23日春の訪れ
伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦
伊勢志摩国立公園は比較的温暖で一年を通して利用できる国立公園です。
それでも四季の差ははっきりしており、
寒い冬から徐々に春の訪れを感じられるようになりました。
フキノトウです。
ほろ苦い春の香りが私は大好きです。
カワヅザクラです。
4分咲きくらいになっています。
梅は満開になっています。
メジロがうれしそうに花を訪れていました。
横山ビジターセンター近くの水辺では、
アカガエルの産卵がピークを迎えようとしています。
毎週パークボランティアさんがカウントをしており、
今日までに171個の卵塊が確認されました。
2月はじめに産卵された卵からは
幼生がハッチアウトしていました。
おたまじゃくしとして泳ぎ出すのももうすぐです。
中部地区の国立公園では雪の話題が多いですが、
一足早い春の訪れを伊勢志摩で楽しんでみてはいかがでしょうか。
(上の写真は横山園地の英虞湾展望台から見た英虞湾です)
2017年01月31日冬の星空観察会
伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦
1月28日に志摩市志摩町で横山ビジターセンターの自然観察会
「冬の星空観察会」を行いました。
冬は空気が澄んで星がきれいに見える季節です。
また、明るい星が多く、寒いのを我慢してでも見る価値があります。
この日の天気は快晴で、夕焼け空に金星が輝いていました。
金星を望遠鏡で見ると、誰もが「月!?」と間違うくらい、
きれいに欠けて見えました。
観察会の参加者は約20名。
まずはよく知っている形のオリオン座から冬の大三角を見つけて、
そこからおおいぬ座やこいぬ座、ふたご座などの星座を探していきました。
今回観察会を行った「ふれあい公園」は海岸に面しており、
満天の星空だけでなく、波の音や灯台の灯り、いさりびなども楽しめました。
また、国際宇宙ステーションが上空を横切るなど
見どころが盛りだくさんでした。
伊勢志摩国立公園ではおもに海岸部が規制の厳しい特別地域に指定されており、
海岸部では人工の光が少ない好条件で星空が楽しめます。
国立公園を訪れた際はぜひ夜空も見上げてみてください。
6月17日に海岸漂着ゴミの普及啓発事業で
体験プログラム「カヤックで行く!リアス海岸調査隊」
を行いました。
ともやま公園桐垣展望台から見たリアス海岸の英虞湾です。
この海をカヤックで調査します。
少し風が強かったのですが、カヤック日和の晴天!
青空と青い海に緑色のカヤックが映えます。
この島が今回の目的地、無人島の「うさぎ島」です。
ノウサギがたくさん住んでいる島かな?と思いきや、
野鳥のウとサギがたくさんいる島だからなのだとか・・・。
このプログラムではうさぎ島で漂着ゴミの清掃をしたほか、
リアス海岸の美しい海をカヤックで巡ったり、
海草のアマモやヒトデなどの海の生きものを観察したり、
真珠の養殖筏を観察したりすることが出来ました。
うさぎ島の清掃は4年目になりますが、
年々回収する漂着ゴミの量が減ってきているような気がします。
清掃の成果が現れているのだとしたらうれしいです。