ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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伊勢志摩国立公園 志摩

232件の記事があります。

2011年09月14日【番外編】オオフタバムグラ駆除

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

 志摩半島野生動物研究会(以下、野生研)の方々が毎年実施してくださっている、和具大島のアツバキミガヨラン(通称ユッカラン)の駆除が今年も始まっています。 といっても、台風の接近があったり、波の状態が良くなかったりと・・・今年はまだ一度も実施できていません。大島へは船を使って渡る必要があるため、なかなかタイミングが難しいんです。
(※これまでのアツバキミガヨラン駆除については、半田ARの記事をご覧ください。)

 12日の駆除に私もお手伝いに行く予定でしたが、例により渡船出来ず・・・予定を変更し、公園の区域外になりますが、明和町の大淀(おいず)海岸に行くことになりました。
 ここには、野生研の方々が昨年より駆除活動を行っているもうひとつの外来植物「オオフタバムグラ」がたくさん繁殖しています。北アメリカ原産の帰化植物で、伊勢志摩国立公園では伊勢市二見町の神前(こうざき)海岸、志摩市志摩町布施田の広の浜でも繁殖が確認されています。まだまだ他の海岸にも広がっている可能性があります。


【オオフタバムグラ(アカネ科オオフタバムグラ属)】

堤防を下りてみると、砂浜を覆っているほとんどがオオフタバムグラで驚きました。台風により海水をかぶったためか、大半は茶色く枯れていました。これらを、種を落とさないようひとつひとつ手作業で抜いていきます。
ちょうど花の時期で、淡いピンクの花を咲かせていました。かわいらしい花を見て、「なんだか抜くのをためらってしまうね。」とみんなで言いながら作業。


海水がかかった為か、枯れています。


小さな花。(花期:7~10月)

アツバキミガヨランは、大きい物は高さ2m近くになり、駆除の際は根をひとかけらも残さないよう1m近く穴を掘る必要があります。それに比べ、オオフタバムグラは大きくても高さ50cmほど。それほど力を入れなくても、気持ち良いほど簡単に抜けます。根が途中で切れてしまわないように、真上に引っ張るのが上手に抜けるコツです。


オオフタバムグラの種。種がくっついた軍手も一緒に処分します。

とは言え、一本一本地道に抜いていかなければならないため、砂浜全体に広がったオオフタバムグラを駆除するのはかなり骨の折れる作業です。9人で3時間かけて作業し続け、だいぶ綺麗になりましたが、まだまだ全体の半分も駆除できていません。これはもっとたくさんの人手が必要だなぁと感じました。

今後のアツバキミガヨラン駆除は、以下の予定で行われます。波浪により作業中止の場合は、今回のように明和町大淀海岸でオオフタバムグラの駆除を実施するそうです。お近くの方は、どうぞご参加ください。

日 時:9月19日(月)、9月25日(日)、10月3日(月) 9:00~16:00
集 合:志摩町和具漁港(西側の公園付近)に9:00

【申し込み、問い合わせ】
 ・若林郁夫ケイタイ  090-8957-9288 ikuowaka@amigo2.ne.jp
 ・中村みつ子ケイタイ 090-6570-9068
 ※損害保険に加入するため、参加してくださる方は必ず事前にお申し込みください。


16袋分の駆除が出来ました。


堤防側には、まだまだビッシリ生えています。

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2011年07月17日アクティブレンジャー出前授業@船越小学校

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

7月15日(金)、伊勢志摩国立公園では、初めての取り組みとなる「アクティブレンジャー出前授業」を行いました。前任のARからの夢がやっと実現しました!
今回のテーマは、伊勢志摩国立公園で働くかずやレンジャーとさやレンジャーの“仲間探し”です。1年間かけてレンジャーの仕事を体験しながら、伊勢志摩国立公園とはどんなところなのかを身を以て知ってもらおうと計画。いいところをたくさん知って、地元をより好きになってくれたら嬉しいなぁと思っています。

この出前授業を行っていくのは、志摩市大王町にある船越小学校4年1組のみなさん。伊勢志摩では、海に面した学校はいくつもありますが、ここ船越小学校は、前島(先志摩)のちょうど根元、くびれた場所に位置しています。
西には穏やかな英虞湾、東には荒々しい太平洋と、すこし歩くと全く異なる海の景色が広がっており、伊勢志摩の中でも特別で貴重な場所です。
そんな海の自然に恵まれた船越の子どもたちは、とっても明るくて元気いっぱい!たのもしい仲間ができそうな予感がします。




さて、早く着いたので掃除のお手伝いもしながら・・・さっそく授業開始!
実はこの日よりも前にあいさつに訪れ、レンジャーとは?伊勢志摩国立公園とは?という話を事前にしていたので、最初はすこし復習をしました。
レンジャーの仲間になってもらいたい、という話も覚えてくれているかなぁとすこしドキドキしていたのですが・・・公園区域の地図を広げると、「伊勢志摩国立公園!」と先に言われてしまいました。「レンジャーになるから、海のゴミ拾いしたよ!」と報告してくれた子もいて、なんて頼もしいんだ~とかずやレンジャーと感動。

その後はレンジャー(見習い)の任命式を行い、かずやレンジャーからは、「レンジャーの心得」を教わりました。
そして、レンジャー手帳を使いながら、調査のとき便利な「自分のものさし」作り。
この「自分のものさし」を使って、夏休みに自然にあるものの大きさを何か1個測ってきてくれる?とお願いすると・・・
「もっとたくさん調べたい!」「夏休み前にやっちゃダメ?」との声が。
さっそく手帳を持ち帰った子もたくさんいたよ、と先生からも伺い、張り切って取り組んでくれている子どもたちにとっても嬉しくなりました。





あっという間の45分間でしたが、たくさんの立派なレンジャーが誕生してくれそうだ!と、これからが本当にたのしみになりました。
船越小学校4年1組のみなさん、先生方、どうもありがとうございました!!

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2011年06月22日漂着ゴミ@宿田曽

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

伊勢志摩国立公園では、「漂着ごみ」の実態やその影響をより深く知ってもらおうと、地元の子どもたちを対象にした「グリーンワーカー」という事業を行っています。

6月19日(日)には、その事業の一環で「漁師まちで見る!磯の生き物調査&干物作り」が実施されました!
「ぼくといっしょに伊勢志摩国立公園の自然を守ってほしい!」と、隊長の藤田レンジャーが参加者の子どもたちをパークレンジャーに任命。


【子どもパークレンジャー任命式!】


今回の舞台は、度会郡南伊勢町宿田曽の漁村。
テーマは「さかな」です。
午前中は、漁師さんによって水揚げされた魚が運ばれてくる「漁港」や、魚を加工する「干物工場」を見学させてもらいながら、海で採れた魚がわたしたちの元に届くまでを探りました。


【おいしい干物ができるまで】


お昼には、地元産のアラメの酢の物、そして工場で作られた焼きたてのアジとハギの干物をいただきました!
育った海を目の前に、感謝しながらいただきます。

午後からは、車ですこし移動。
和田の浜という海岸で、「海岸にはどんな生きものがいるか?」「生きものたちが暮らす環境は汚れていないか?」を調べました。
生きもの調査で見つかったのは、ヒライソガニ、ケフサイソガニ、オサガニ、フナムシ、スナヒトデ、ムササキウニ、バフンウニ、オトメガサ・・・など。
ひっくり返した石の下からは、口から触手が出ている不思議な生きものを発見!
「なんだろうこれ~!?」とみんなビックリ。帰って調べてみたところ、ムラサキクルマナマコというナマコの仲間でした。潮間帯の石の下に集団でいるのがよく見られ、この触手を伸び縮みさせることで歩くそうです!


【生きもの調査中!】


さて、たくさんの生きものを見つけたこの浜ですが、なにか問題は起こっていないのか?
海上保安庁から3名の方に来ていただき、海岸の様子を調べたところ・・・
カップ麺の容器、ペットボトル、ガラスの破片、空き缶、ビニール紐、釣り糸など、いろんなゴミを発見。
一見とってもきれいな浜に見えましたが、探してみるとたくさんのゴミが流れ着いていることが分かりました。
そして、この日一番多く見つかったのは、発泡スチロールの破片。
この多くは、もとは伊勢志摩でたくさん見られる養殖イカダに使われているフロート(浮き)なんですが、古くなると細かく砕けてしまうため、一番やっかいなゴミになってしまうそう。
みんな一生懸命拾ってくれたので、とても綺麗になりました!


【海上保安官のみなさんと、漂着ごみを調査!】


おいしい干物になる魚や、海藻が育つ海。
カニやナマコがいる海岸。そんな自然を守る海上保安官やレンジャーの存在。
なんだかいつも何気なくみている風景が違った景色に見えてきます。
子どもパークレンジャーのみんなは、どんなことを感じてくれたでしょうか・・・?
おみやげにいただいた手作りの干物を食べるとき、今日のことを思い出してくれるといいなぁと思います。

参加してくださったみなさま、干物工場のみなさま、海上保安庁のみなさま
1日どうもありがとうございました!

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2011年04月19日牛草山(うしくさやま)

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

4月14日(木)、伊勢志摩国立公園パークボランティア連絡会による歩道調査活動に同行し、南伊勢町の「牛草山」に行ってきました!
標高550.3mの山で(南伊勢町では最高峰!)、丑の年には干支登山の方が県外からも多くいらっしゃいます。
ちなみに、伊勢志摩国立公園の中では、鳥羽市の朝熊山(555m)に次いで高い山です。

山頂まではさまざまなルートがありますが、今回調査したのは、温坊(おんぼう)コース。
サニーロードの鍛冶屋(かじや)トンネル脇から登るコースです。



【南伊勢町に住むパークボランティアさんが、道中ガイドして下さいました♪】


登り始めは、しばらく沢沿いを歩きます。
水の流れる音を聞きながら歩くのは、とっても心地いい。
また、良いお天気だったこの日は、辺り一面緑色の光に包まれていました。
メジロ、ウグイス、コジュケイ、シジュウカラなど、たくさんの鳥の声も響き渡り、なんだか幻想的な雰囲気です。
地元ボランティアさんの話では、夏になるとアカショウビンの姿を見ることもできるとか。



【いろんな楽しみがいっぱい♪】


【グラグラの岩を固定中。】


簡単な歩道の修繕や、ゴミ拾いをしながら進み・・・
出発から1時間ちょっと歩いたところで、山頂に到着!
下の写真の、右側に見えるのが五ヶ所湾です。
道中通ってきた沢の水は、伊勢路川を通じ、この五ヶ所湾へと流れ込んでいます。
そして、中央の山は五ヶ所湾の展望地として人気の龍仙山(りゅうせんざん)。
地元の方からの愛着も深く、第3種特別地域に指定されている山です。




【山頂からの眺め(撮影:古田儀之)】

時には急な坂道や、ゴロゴロした岩の上を歩く道もありますが、
飽きることなく歩くことができ、歩道の整備も行き届いているコースでした。
清掃活動など必要なさそうなほど、ゴミもほとんど落ちていません。
きっと地元の方からも大切にされているんだろうということが分かります。


調査で得た情報は、横山ビジターセンターの展示コーナーでも発信していきます。
パークボランティアのおすすめ情報、ぜひご覧くださいね♪

★今回のコースは、横山ビジターセンターのホームページに掲載されている「伊勢志摩ウォーキング60」でもご覧いただけます。
http://www.yokoyama-vc.jp/

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2011年03月21日「横山展望台ガイド」実施しました!

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

立て続けの更新になりますが・・・
今回は、昨日20日(日)に実施した「横山展望台ガイド」の様子をお伝えします!

「横山展望台ガイド」とは、横山展望台で、毎月第3日曜日13:30~15:30に、伊勢志摩国立公園パークボランティアが行っているガイドです。

アクティブレンジャーも同行し、ガイドのお手伝いをしています。
月1度のこの活動は、全国各地からいらっしゃった方々に伊勢志摩国立公園を紹介できる、ステキな出会いの場。
わたしが好きな業務の1つです♪

昨日は、あいにくの曇り空でしたが、展望台へと続く階段を上りきったお客さんからは「おぉ~すごい!!」と喜びの声が。
わたしたちのガイドにも、気合いが入ります(^^)!



【昨日来て下さった方、晴れた日もまたぜひ・・・】


それぞれの個性が光るガイドは、とっても楽しいんです。

・野鳥に詳しいボランティアさんは、双眼鏡片手に飛んでいる鳥の解説もしながら。(双眼鏡の貸出も行ってます。)



・お話上手なボランティアさんは、おじさまたちと冗談を言い合いながら。



・幼稚園の園長をされていたボランティアさんは、優しい笑顔と声で丁寧に。



それぞれが思い思いの方法で、伊勢志摩国立公園の魅力を楽しく伝えます。


【臨時参加の藤田自然保護官。きょうはカメラマンです。】


景色の解説だけじゃなくって、混み合わない道を教えてくれたり、伊勢志摩のおいしい魚介類が食べられるお店を紹介してくれたり・・・
地元住民でもあるボランティアさんだからこそできるガイドです。

さて。
わたしは、ガイドの傍らカウンターで横山展望台に訪れた観光客の数をカウント。
昨日は2時間で、152名ものお客さんが来て下さいました!
(毎回100名近く来て下さるんですよ~!)



【ボランティアガイド大盛況!】


今回ガイドさせていただいたのは、地元三重、愛知、岐阜、静岡、長野、富山、神奈川、大阪、愛媛からいらっしゃった方々でした。
ほんとうに、全国各地いろんなところから来て下さっているんだなぁ~と改めて驚きます。
なんだかとてもうれしくなる瞬間です。

来月は、4月17日(日)に実施します。みなさん、ぜひお越しくださいね。
アクセス方法など、詳しくは横山ビジターセンターHPをご覧ください。



【ボランティアガイドは、黄色い腕章が目印!】

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2011年03月20日春はすぐそこ♪

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

このたびの東日本大震災で被害を受けられた方に、心よりお見舞い申し上げます。

伊勢志摩でも、けが人は出なかったものの、津波によりたくさんの養殖筏やノリ粗朶が流され、壊れ・・・たいへん大きな水産被害が出ました。
鳥羽市では、県内最大の1.8mの津波を観測しました。
横山展望台から、観光客の方やパークボランティアさんと、緑に染まっていくのを楽しみに見ていた英虞湾のアオサの粗朶も、たくさん倒れてしまっています。
震源地から遠く離れたここ伊勢志摩でも、こんな大きな被害が出ているのを見て、今回の地震の恐ろしさを改めて感じています。

今もなお、寒さに凍えながら不安な気持ちで避難生活を送られている被災地の方々に、少しでもはやく支援の手が届くことを、心より祈っています。

きょうは、事務所付近の多くのお店で募金活動を行っているのを見ました。
わたしも、このアクティブレンジャー日記を通して、少しでもみなさんの心が暖かくなるような話題を提供していければと思います(^^)


先日ポカポカと良い天気だったので、あまり上手ではないですが、たくさ~ん写真を撮ってきました!
いくつかご紹介します。

・梅のカーテン。とっても良い香りです♪

【撮影:志摩市阿児町鵜方】

・ミツバチの足についた「花粉団子」見えますか?

【撮影:志摩市阿児町鵜方】

・ニホンアカガエルの卵が孵りました!

【撮影:創造の森横山】

・ふきのとう!

【撮影:創造の森横山】

・太陽みたいに暖かい黄色。

【撮影:創造の森横山】

・小振りな花がかわいい春の草花。





【撮影:志摩市阿児町鵜方】


まだまだ寒い日もありますが、自然の変化を見ていると、伊勢志摩はもうすっかり春です。
日本中にはやく暖かい春が訪れますように・・・♪

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2010年10月15日【日本のいのち、つないでいこう!COP10まで1日前】

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

《養殖イカダから見る「生物多様性」》
伊勢志摩といえば、イセエビ・アワビ・サザエ・カキ・ノリなどなど・・・たくさんのおいしい海産物も魅力のひとつ♪そして、そんな海産物を育てるための養殖イカダは、いたるところで見かけられます。 

伊勢志摩で、たくさんのおいしい海産物が取れる理由は2つ。
1つは、沿岸に続く大陸棚があるおかげで、太陽の光が海底まで差し込み、海藻類がよく育つから!そのおかげで、海中の酸素量が増え、海藻を食べて育つアワビやサザエなどのエサ場にもなっているんです。
そして、2つめの理由は、伊勢湾に流れ込む木曽川・長良川・揖斐川などの大きな川が、山からの栄養をたっぷり含んだ水を運んできてくれるから!その水は、太平洋を北上してきた暖流の黒潮とゆっくりぶつかって、静かで生きものたちがたくさん暮らせる豊かな海を作り出します。

そんな恵まれた豊かな海域があったからこそ、ここ伊勢志摩ではおいしい海産物が取れ、養殖文化が発展できたんです。伊勢志摩に来てからはおいしい海の幸とたくさん出会いましたが、その度にこの地域の海の豊かさを感じます。


英虞湾に浮かぶ養殖イカダ(志摩市阿児町鵜方「横山展望台」から)


この養殖イカダのある景色は、伊勢志摩国立公園を代表するリアス式海岸が美しい志摩市の英虞湾(あごわん)でも見られます。どんどんと空気が澄んでくるこれからの季節は、もやが取り払われ、緑豊かな島々や複雑な海岸線の海の色がいっそう際立って、一年の中でもっとも美しい時期を迎えます♪

そして、わたしが好きなのが、夕日の沈むころの景色。
イカダの間を縫うように走る船が作り出した波が、夕日に照らされてキラキラと輝く様は、時間を忘れて見入ってしまうほどとっても美しい光景です。

自然の中に人工物があるとがっかりすることがよくありますが、この養殖イカダは、英虞湾の景色を他にはない「ただ一つだけのもの」としてよりステキに見せてくれる大事な要素になっていると私は思っています。
地元の人々が英虞湾と深く関わりあいながら生活してきた歴史を教えてくれる、なくてはならないものです。


英虞湾の夕景(志摩市大王町波切「桐垣展望台」から)


その土地ならではの歴史や文化の育まれる基盤には、その土地ならではの自然環境があります。伊勢志摩のように、海と共に生きる地域では、養殖文化や海女文化が生まれたり、それぞれの環境に合わせて、違った営みがあり、多様な歴史や文化は築かれていきます。
人間以外の生きものだってそう。環境に合わせて姿や暮らし方を変えていく生きものにも、ひとつひとつ違った深くて多様な歴史があるのです。

他にはない「ただ一つだけのもの」だから、大切で魅力的。
好きな景色や、おいしい食べ物、生物多様性について考える入り口はどこにだって広がっています。生物多様性の保全を地球規模で考えると壮大なテーマに思えてしまいますが、わたしたち一人一人ができることは、これからも残していきたい「ただ一つだけのもの」を見つけることが始まりであり、またそれはいちばん大切なことであると私は思っています。



☆お知らせ☆
生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の開催を、より身近に感じてもらえるよう、現在、名古屋国際会議場(COP10会場)に隣接する白鳥地区では、生物多様性をテーマとした国際的な発表・交流展示会『生物多様性交流フェア』が行われています。
世界中の「ただ一つだけのもの」を探しに出かけてみませんか?



★全国のアクティブ・レンジャーが綴る「日本のいのち」
日本のいのち、つないでいこう!

★環境省 生物多様性ホームページ
生物多様性-Biodiversity-

★COP10/MOP5日本政府公式ウェブサイト
生物多様性条約COP10/MOP5日本政府公式ウェブサイト

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2010年10月08日【日本のいのち、つないでいこう!COP10まで10日前】

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

《小さなアイデアマン ハイイロチョッキリ》


10月に入り、みなさんのところでもドングリが落ちているのを見かけるようになったのではないでしょうか?ここ伊勢志摩でも、たくさんのドングリが落ち始めています。

さて、このドングリですが!
まだ実の青いまま、穴が空いていたり、枝が付いたまま落ちているのを見かけたことはありませんか?もしかしたら、それはこのハイイロチョッキリの仕業かもしれません。


ハイイロチョッキリ【甲虫目チョッキリゾウムシ科】


ハイイロチョッキリは、本州・四国・九州と広く分布しており、8月~10月頃に出現します。青くてまだ木の実が柔らかい内に、長ーい口を使って穴を開け、中に卵を産み付けます。そうすれば、秋になって幼虫が生まれる頃には、木の実も固くなり外敵から身を守ることができるわけです。そうして、幼虫は安全な場所で、たっぷりの栄養に囲まれながら快適に成長していけるんです!賢い!!

そして、最後には枝を切り落とします。コナラやクヌギが好きなので、下の写真のようなドングリが青いまま落ちていたら、中にはハイイロチョッキリの卵が入っているかもしれません。




1センチにも満たない小さな虫ですが、子孫を残すため工夫を凝らして生きています。じっくり観察してみると、こんな小さな虫の世界にも、それぞれの営みがあって面白いですよね。
自然の中で気になるものを見つけたら、ちょっと立ち止まって観察。今まで知らなかった生きものとの出会いがあるかもしれません。そこから繋がる新たな世界を知れば、きっと生物多様性の面白さが実感できるはずです。





そして!
そんなドングリを使った観察会が、横山ビジターセンターで開催されます。ハイイロチョッキリだけでなく、ドングリが支える生きものたちの世界についても解説します。ドングリの見分け方講座や、クラフト体験もあるので、ぜひお越しください♪

『ドングリ探しとドングリクラフト』
  日時:10月30日(土)9:30~11:30
  定員:20名(小学生以上)
  集合場所:横山ビジターセンター


ドングリや木の実を使ったクラフト


詳しくは、横山ビジターセンターまでお問い合わせください。
伊勢志摩国立公園 横山ビジターセンター
〒517-0501 三重県志摩市阿児町鵜方875-24
TEL:0599-44-0567 
FAX:0599-46-0701






★全国のアクティブ・レンジャーが綴る「日本のいのち」
日本のいのち、つないでいこう!

★環境省 生物多様性ホームページ
生物多様性-Biodiversity-

★COP10/MOP5日本政府公式ウェブサイト
生物多様性条約COP10/MOP5日本政府公式ウェブサイト

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2010年08月27日【日本のいのち、つないでいこう!COP10まで50日前】

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

《貝なのに水が苦手? アラレタマキビ》

突然ですが!
みなさん、貝がいる場所を思い浮かべてみてください。
貝を見かけるのって、海など水が豊富にある場所ですよね?
貝って水が好きなんでしょ?というイメージを覆すような、ちょっと変わった種類をご紹介します。

「アラレタマキビ」という巻き貝です。
この貝は、潮間帯(ちょうかんたい)と呼ばれる潮が満ち引きする場所で見られ、海辺にいながら波を避けて岩場にくっついています。例え水の中に移動させたとしても、乾いた岩の上まで上がってきて、波しぶきがすこーしかかるだけの場所に落ち着きます。生息地は、北海道南部以南。沿岸部であれば、ほぼ確実に見つけることができます。


アラレタマキビ【盤足目タマキビ科】


炎天下で焼けた岩の上に引っ付いているのを見て、暑くないのかなぁ?と心配になり、調べてみたところ・・・
このアラレタマキビという貝は、殻口の一部でつま先立ちをして暑さをしのぐことができるのだそうです!
本当に暑さをしのぐための行動かどうかは、アラレタマキビに聞いてみないと分かりませんが、これは他の貝には見られない行動です。(その姿をカメラに納めることができたら、別の機会にご紹介いたします!)


水の中でも平気な貝たち


上の写真の貝たちは、水の中でも平気。同じ貝の仲間なのに、いろんな性格があって面白いですよね。

「生物多様性」を理解することってなかなか難しいですが、こういう小さな違いに気付いたり、興味を持つことが第一歩。「違い」を敏感に感じ取れるようになったら、地球のいのちのいろんな変化やつながりが見えてくるはずです。



★全国のアクティブ・レンジャーが綴る「日本のいのち」
日本のいのち、つないでいこう!

★環境省 生物多様性ホームページ
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★COP10/MOP5日本政府公式ウェブサイト
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2010年08月22日いのちを育む「タイドプール」

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー村松さや華

伊勢志摩国立公園は、日本で数少ない海の国立公園です。
同じ海でも、季節や時間帯によって違った一面を見せてくれます。

今回は、そんな一面のひとつ「タイドプール」についてご紹介します♪
「タイドプール」というのは、潮が引いた後にできる海水の水たまりのこと。
「潮だまり」とも呼ばれます。その海岸の地形によって大小さまざまな水たまりができ、とってもきれいで不思議な海の景色を作りだします。



【伊勢志摩国立公園内のタイドプール(志摩市志摩町片田麦崎)】


海から切り離されたタイドプールの中は、小さな生きものたちにとっては、絶好の隠れ家になります。
特に今の時期の海は、とってもにぎやか。色とりどりの海藻の間を、元気いっぱい泳ぎ回るちいさな魚たち。岩にくっついた数え切れないほどの貝やイソギンチャク。岩陰から顔を覗かせるカニやエビ。
時には、タコに遭遇することも・・・!その様子は、まるで自然の水族館です。



【タイドプールの生きものたち】


今月は、そんなタイドプールでの観察会が伊勢志摩国立公園で開かれます。
海の生きものたちの暮らしを覗いてみませんか?

 『タイドプールのいきものワールド』
  日時:8月29日(日)12:30~15:00
  定員:20名(小学4年生以上)
  集合場所:志摩市志摩町片田・麦崎周辺

夏休み最後の思い出作りに、ご家族やお友達を誘って遊びに来て下さいね。
みなさまの参加をお待ちしています♪



【昨年の観察会のようす】


詳しくは、横山ビジターセンターまでお問い合わせください。

伊勢志摩国立公園 横山ビジターセンター
〒517-0501 三重県志摩市阿児町鵜方875-24
TEL:0599-44-0567 
FAX:0599-46-0701

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