ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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伊勢志摩国立公園 志摩

236件の記事があります。

2017年10月12日レンジャー写真展@南伊勢町

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

中部地方環境事務所では、

白山国立公園、伊勢志摩国立公園、藤前干潟国指定鳥獣保護区の

レンジャーとアクティブ・レンジャーが撮影した写真を

巡回展示する写真展を毎年開催しています。

9月末より伊勢志摩国立公園の南伊勢町における展示が始まりました。

また、写真展開催期間の特別企画として、

9月26日に「レンジャーと作ろう!地球生きものおりがみ」を開催しました。

南伊勢町町民文化センターのロビーです。

昨年度に改修されてとても明るくなりました。

風景と生きものをテーマに、全部で36点の写真を展示しています。

展示をしてすぐにお客様が集まってきてくれました。

おりがみ教室は主に地元の小学生を対象にして行いました。

講師を務めるのは麻生ARです。

伊勢志摩国立公園のパークボランティアさんにもお手伝いいただきました。

作成したおりがみの一部はメッセージを書いて

南伊勢町の風景の写真に貼ってもらいました。

この写真展は11月には鳥羽市でも開催します。

ぜひ御覧いただきたいと思います。

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2017年09月07日秋の訪れ

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー 半田俊彦

屋外で見かけるトンボとクモがふえてくると秋の訪れを感じます。

トンボは俳句では秋の季語にもなっているようです。

夏の日中は暑くて見られる生き物も少なかったのですが、

秋になると日中でも涼しくなるので、見られる生き物が増えてくるようです。

忙しい夏も一段落しました。

伊勢志摩国立公園で秋の自然観察を楽しんでみませんか。

オオシオカラトンボ

シオカラトンボに似ていますが、一回り大きいです。

ショウジョウトンボ

全身が真っ赤なトンボです。水辺でよく見られます。

ウスバキトンボ

飛び回っていてなかなか止まらないトンボです。

ナガコガネグモ

細かなしま模様が特徴です。明るい草原に巣を張ります。

サツマノミダマシ

緑色が鮮やかなクモです。サツマノミとはハゼノキの果実のことです。

ジョロウグモ

大きなクモがメスです。周囲にいる一回り小さいのがオスです。

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2017年08月23日「海女漁体験」に参加しました!

伊勢志摩国立公園 志摩 麻生里衣

志摩市のともやま公園にて様々な自然体験を提供している「志摩自然学校」と横山ビジターセンターの共同企画事業、「海女漁体験(中級者編)」が7月29日(土)に行われました。

伊勢志摩の大きな魅力の一つである「海女文化」。

今回は実際に海女さんと一緒に潜り漁が体験できるという、とっても貴重な機会でした!

外洋で行われる予定だった中級者編ですが、この日はあいにくの高波。

そこで、波の穏やかな英虞湾の中に浮かぶ「間崎島」に向かいます。

左手には、サミット会場となった「志摩観光ホテル ザ・クラシック」が見えます。

kasikojima 賢島 志摩観光ホテル

間崎島に到着後、まずは海女の現状や海女漁について、30分ほどのレクチャーを受けます。

シュノーケリングやダイビングが趣味で、海女漁にも興味深々の参加者のみなさん、とっても真剣に聞いております!

レクチャー

その後、着替えて浜へ!

そこで気が付いたこと...カメラを持っていると泳げない!

優しい海女さんにフォローしていただきつつ、漁スポットに向かいました。

海女 海女漁体験 志摩 ama Shima

到着すると、海女さんがお手本にダイブ!

海女 海女漁体験 志摩 ama Shima

そして、潜り慣れた参加者の皆さんが次々とダイブ!

私も後を追います!

海女 海女漁体験 志摩 ama Shima

海藻の生えたカキをゲット!

場所を移動してみると...

海女漁体験

ウニをゲット!

ポイントによってよくとれるものが違うようです。

海女漁体験 ウニ 

内海なので海藻は少なめで小さいですが、それでもいろいろな生きものが見られました!

いい写真は撮り逃してしまいましたが、英虞湾はウミウシがたくさんいることがダイビング・シュノーケリングの魅力のようです!この日も、白や青が鮮やかなウミウシが見られました!

普段は見られない、美しいの海の中の世界を楽しんでいると、時間はあっという間に過ぎ、漁は終了。

とれたものを見てみると、サザエがダントツの1位。ほかにも、アワビに似ているトコブシやタコなども捕まりました!

今回の漁でとったものは、すべて海にかえしました。

そしてお待ちかねのランチタイム!

地元の名物「てこね寿司」や、アワビ、サザエ、ヒオウギ貝など、豪勢な食事が並びます!

てこね寿司

豪華な志摩の海の幸で、お腹いっぱいになりました!

そして最後に磯着で記念撮影!

磯着 海女 海女漁体験 ama

参加者の皆さんも、とっても楽しんでくれていました♪

ご協力くださったみなさま、本当にありがとうございました!

★「海女漁体験」は、間崎地区漁業管理委員会と間崎自治会より、特別な許可を得て活動しています。

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毎年満員御礼の「海女漁体験」は、先着順に参加者が決まります。

来年の「海女漁体験」や、志摩で行われているその他の自然体験プログラムに関してのお問い合わせはこちら。

志摩自然学校 

0599-72-1733
http://www.shima-sg.com/

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2017年08月15日レンジャー出前授業@鳥羽市河内川

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

8月3日(木)に鳥羽市の河内川で鳥羽志摩地区の小学校の先生方を対象に

レンジャー出前授業を行いました。

今回は川の生物を採集して名前を調べたり、川の生態系について学んだりしました。

はじめに採集のポイントや道具の使い方、

安全の確保や危険な生物に関する話などをしてから、

川に入りガサガサを開始しました。

30分ほどガサガサした後、「生き物チェックシート」を使って名前を調べ

今日見つかった生物を記録しました。

12名で採集を行いましたが、魚類はカワヨシノボリやカワムツなど4種を、

魚類以外ではモクズガニ、コヤマトンボのヤゴ、ヘビトンボの幼虫など、

12種類ほどを見つけることが出来ました。

今回は参加者全員に「お気に入りの生き物」を一種類決めて発表してもらいました。

やはり自分が苦労して採集した生物には思い入れがあるようで、

こうして一種類ずつでも名前を覚えてもらうことが出来れば

少しずつ川にも親しんでもらえると思いました。

サワガニです。

コオニヤンマのヤゴです。

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2017年08月10日レンジャー出前授業@志摩市歴史民俗資料館

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

7月29日に志摩市歴史民俗資料館でレンジャー出前授業を行いました。

この資料館では「志摩の自然を知ろう」という企画展示で

レンジャーが伊勢志摩国立公園で撮影した写真の展示と

パークボランティアが伊勢志摩国立公園内で採集した昆虫標本の

展示を9月10日まで行っています。

はじめに私が「伊勢志摩国立公園の自然と生き物について」という話を行い、

続いてパークボランティアの中山惇さんが「昆虫の探し方や観察のしかた」

についての話を行いました。

レクチャーを聴いていただいたあとには、

昆虫や貝殻、岩石など参加者が持ち寄った自然のものを標本箱に入れて

作品を仕上げました。

標本には必ずラベルが必用で、いつ、どこで、誰が取ったものなのか、

必ず一緒に入れてもらうようにしました。

今回の出前授業には小学生から大人まで約20名の方に参加いただきましたが、

自然に親しむだけではなく、きちんと調べたり、記録を残したりすることの

大切さについても伝えることが出来たと思いました。

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2017年08月09日創造の森・横山でオオフサモ防除

伊勢志摩国立公園 麻生里衣

6月と7月、横山園地のため池にて、特定外来種の「オオフサモ」の防除作業を、伊勢志摩国立公園パークボランティアのみなさんと一緒に行いました。

赤い★が防除作業を行ったため池です。

この池では環境省の特定外来種にも指定されている「オオフサモ」が増殖し、もともと近隣に生息している在来の藻などの生育を阻んできました。

こちらが、オオフサモです。

オオフサモ

切れやすい地下茎を少しでもとり残すと、すぐにそこから新しい芽が出てきます。

6月の作業前の様子がこちら。

この時期は雨の日が続いたため、水が濁り水量も多い状態でした。

横山 創造の森 オオフサモ

池では、所々に在来の水生植物がみられ、アカハライモリやツチガエルもたくさん見られました。

そして、7月の作業前の様子がこちら。

なんと!以前とは池の色が全く違います。

横山 創造の森

7月は雨が少なく、水深も浅く水は透き通っており、在来の「オオトリゲモ」が、池の底一面を覆っています。深い緑色がとっても綺麗です!

早速、オオフサモの防除に取り組みます。

池に降りるとまず現れたのがツチガエル。藻の上に乗って顔を出しています。

ツチガエル 横山

そしてトノサマガエルも顔を出します。

トノサマガエル 横山

この時期、池には様々な種類のトンボも飛び交っています。

こちらは、鮮やかな赤色のショウジョウトンボ。

ショウジョウトンボ 横山

詳しい種類はわかりませんでしたが、お尻のあたりに水色の線が2本入った、イトトンボの一種もいました。

イトトンボ 横山

つがいで仲良く飛んでいる姿も。

イトトンボ つがい

ボランティアさんたちも、とても熱心にご協力してくださいました!

横山 パークボランティア

そして、終了後の池がこちら。

さすがのオオフサモもかなり少なくなりました!

横山 ため池 オオフサモ駆除

こうやって、この池が再び在来の動植物の貴重な生息地として再生できたのも、長年オオフサモ駆除のために協力してくださっている人々の努力の「結晶」のように感じました。

今後も、この池と池に住む動植物を見守っていければと思います。

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2017年07月24日志摩の自然を学ぼう

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー 半田俊彦

志摩市歴史民俗資料館では7月25日より夏休みの企画展示として

「志摩の自然を学ぼう」展が開催されます。

今回の企画展では志摩自然保護官事務所と横山ビジターセンターが協力をして

「伊勢志摩国立公園レンジャー写真展」と「伊勢志摩国立公園の昆虫標本展示」、

また「レンジャー出前授業」として体験型の講座を開催したりします。

本日、その設営作業をパークボランティアさんと一緒に行いました。

伊勢志摩国立公園内でレンジャーが撮影した写真パネル36枚、

伊勢志摩国立公園内で採集した昆虫の標本15箱を展示しました。

7月29日(土)と8月20日(日)にはレンジャー出前授業として

展示に関するお話をしたり、昆虫標本の作り方教室をしたり、

木の実や貝殻などを使ったクラフト体験をしたりもします。

夏休みの自由研究のヒントが見つかるかもしれません。

ぜひお越し下さい。

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2017年07月15日南伊勢町の押渕湿地で植物調査

伊勢志摩国立公園 麻生里衣

伊勢志摩国立公園の南西部に位置する南伊勢町の押渕湿地は、貴重な湿地性の動植物が残っている場所です。

ところが、最近は乾燥化による植生の遷移や生物多様性の喪失が懸念されており、今回は植物の調査を行いました。

押渕湿地 調査
今回は植物のエキスパートの皆さまの調査に、パークボランティアさんと一緒に同行しました。

押渕湿地

構造物のない本来の姿を留めた小川の横を歩いていくと、普段は見慣れない様々な植物が目につきます。

ハンゲショウ

こちらはハンゲショウという、葉の一部だけが白化する植物。遠目には大きな白い花の様に見えます。

さらに進むと、稀少なミクリ科の植物が見つかりました。ちいさい栗のような花と実が可愛らしい植物です♪

ヒメコウホネ
絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているヒメコウホネも、数か所で綺麗な花を咲かせています♪

グンバイトンボ

さらにこちらのグンバイトンボ(準絶滅危惧:NT)や、ウナギも見つかりました!

きれいな冷た~い湧き水が出ています。「それで小川の水がこんなにきれいなのか!」と思わされました。

この押渕湿地が、本当に様々な動植物が見られる貴重な場所であることを再確認しました。

それと同時に湿地の今後が危ぶまれます...。

話によると、以前はもっと水量が豊富で、トンボの数も今よりずっと多かったといいます。

地元の方々が大切に守ってきた押渕湿地。

数が減っている湿地の生きものや植物の楽園を、なんとか守っていければ...と思います。

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2017年07月11日出前授業@志島小

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

少し前の話になりますが、

志摩市立志島小学校で出前授業を行いました。

「大好き志島」をテーマに毎回違うゲストティーチャーが登場する授業の第一回目で、

学校近くの布海苔浜で磯の生物観察を行いました。

はじめに、伊勢志摩国立公園やパークレンジャーの仕事について

お話をしました。

今日の観察はいくつかのテーマに沿って行いました。

生きものを探すだけでなく、海水の干満や、

海底の地形のことなどについても気づいてもらうためです。

アラレタマキビという小さな巻き貝を集め、

海水に入れて観察します。

すると・・・

この貝は水がきらいで、上の方へ移動してきました。

アラレタマキビがいる場所は、満潮時にも海水につからない場所なのです。

一方でカメノテやフジツボがいる場所は、満潮時には海水につかります。

この浜は「布海苔浜」と呼ばれているだけあって、

フノリという名前の海草がたくさん生えていました。

海藻をかき分けたり、石をひっくり返したりしてみると

たくさんの生きものが見つかりました。

この日に観察できた生きものは、

ヒザラガイ、マツバガイ、スガイ、アラレタマキビ、イシダタミ、アメフラシ、

サザエ、トコブシ、アゴハゼ、クサフグ、ギンポ、

イソスジエビ、ホンヤドカリ、ヒライソガニ、フジツボ、カメノテ、イワガニ、

ヨロイイソギンチャク、ミドリイソギンチャク、ウメボシイソギンチャク、

イトマキヒトデ、ニホンクモヒトデ、ヤツデヒトデ、マナマコ、などでした。

児童たちの感想を見ると、

ラーメンのような姿をしたアメフラシの卵塊や、

イソギンチャクを触ったときの感触や、

とても小さなアラレタマキビという貝がたくさんいたことなどが印象に残り、

ほかにもいろいろな発見があったようです。

そして、磯での生物観察が楽しく、

また行きたいと言ってくれたことがうれしかったです。

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2017年07月05日海岸の漂着ごみ

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

伊勢志摩国立公園は「海の国立公園」とも呼ばれており、

美しい海岸線はそのほとんどが特に規制の厳しい「特別地域」に指定されています。

しかし、そのような美しい海岸にも多くの漂着ごみが流れ着いています。

ここは南伊勢町の海岸で、30分ほど森の中を歩いて行かなければならない浜です。

美しい海岸ですが、たくさんの漂着ごみがあります。

ここで6月24日に磯の生物観察と漂着ごみの清掃を行いました。

狭い範囲だけでしたが、ほとんどの人工物を収集することが出来ました。

ここは鳥羽市にある答志島の海岸です。

答志島は伊勢湾の湾口近くにあり、伊勢湾全体の約半分のごみが流れ着くと言われています。

6月18日に行ったプログラムでは、

漂着ごみの清掃と、漂着物を使ったクラフト体験を行いました。

ごみだったものが作品に生まれ変わるのはうれしいものです。

写真の中央にキャタピラーのような跡があるのがわかりますか?

これはアカウミガメが産卵のために上陸した足跡です。

ウミガメが産卵に来る海岸にも漂着ごみはあり、

志摩自然保護官事務所では特にウミガメが産卵する海岸で漂着ごみ清掃を行っています。

海岸に漂着するごみの8割は自然系のごみです。

これを無くすことは出来ませんが、残り2割の人工物は私たち人間が排出したものです。

まずはごみを出さないような生活を、

そして次には清掃などの具体的なアクションを継続していきたいです。

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