国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋
285件の記事があります。
2012年07月04日藤前干潟に漂着するもの
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
皆さん、こんにちは。
昨日は名古屋では大雨が降りましたが、
今日は青空が広がって暑いくらいの藤前干潟です。
昨日のような大雨の後には、3つの川の河口にある藤前干潟には大水が流れ込み、
上流から大量で様々な物が流されてきます。
先月半ばに襲来した台風4号とその後の大雨の後も多くのゴミが流れてきていました。
【堤防沿いに漂着したゴミ】
最も目立つごみは、ペットボトルです。
ペットボトルを始めとするプラスチック製品は水に浮くため、
どこまででも流れていきます。
野球やテニス、サッカーのボールも非常に多くみつかるゴミです。
【大量の枯れたヨシとともに流れてきたプラスチックゴミなど】
そして、最近なぜかよく見かけるのが、回転寿司のお店で使われているお皿です。
川の上流で大量に不法投棄されたものが流れ着いたのかもしれません。
さらに、ライターや注射器など危険なゴミも頻繁に目にします。
【回収したお皿やカゴなど(上)、注射器(下)】
これらのほとんどのゴミは、人のちょっとした気遣いによって
川や海への流出が防げたのではないかと思うと、哀しい気持ちになります。
藤前干潟には上述の人工物だけでなく自然の物も漂着します。
例えば流木がそうです。
【堤防に流れ着いた流木】
流木の漂着は漁業の行われていない藤前干潟では大きな問題にはなっていませんが、
伊勢湾の島々では流木が大量に漂着し、漁業に深刻な影響を与えています。
このように、藤前干潟には人工物から自然物まで、様々なものが漂着します。
そして、これらの漂着物をじっくり見ると、
漂着ゴミの問題や藤前干潟の上流や下流の環境のことなどを考えることができます。
皆さんも、干潟や海岸の漂着物をみつけたら、
それらの経緯や行方にも思いを馳せてもらえたら良いなと思います。
~藤前干潟は2012年11月18日でラムサール条約登録10周年を迎えます~
昨日は名古屋では大雨が降りましたが、
今日は青空が広がって暑いくらいの藤前干潟です。
昨日のような大雨の後には、3つの川の河口にある藤前干潟には大水が流れ込み、
上流から大量で様々な物が流されてきます。
先月半ばに襲来した台風4号とその後の大雨の後も多くのゴミが流れてきていました。
【堤防沿いに漂着したゴミ】
最も目立つごみは、ペットボトルです。
ペットボトルを始めとするプラスチック製品は水に浮くため、
どこまででも流れていきます。
野球やテニス、サッカーのボールも非常に多くみつかるゴミです。
【大量の枯れたヨシとともに流れてきたプラスチックゴミなど】
そして、最近なぜかよく見かけるのが、回転寿司のお店で使われているお皿です。
川の上流で大量に不法投棄されたものが流れ着いたのかもしれません。
さらに、ライターや注射器など危険なゴミも頻繁に目にします。
【回収したお皿やカゴなど(上)、注射器(下)】
これらのほとんどのゴミは、人のちょっとした気遣いによって
川や海への流出が防げたのではないかと思うと、哀しい気持ちになります。
藤前干潟には上述の人工物だけでなく自然の物も漂着します。
例えば流木がそうです。
【堤防に流れ着いた流木】
流木の漂着は漁業の行われていない藤前干潟では大きな問題にはなっていませんが、
伊勢湾の島々では流木が大量に漂着し、漁業に深刻な影響を与えています。
このように、藤前干潟には人工物から自然物まで、様々なものが漂着します。
そして、これらの漂着物をじっくり見ると、
漂着ゴミの問題や藤前干潟の上流や下流の環境のことなどを考えることができます。
皆さんも、干潟や海岸の漂着物をみつけたら、
それらの経緯や行方にも思いを馳せてもらえたら良いなと思います。
~藤前干潟は2012年11月18日でラムサール条約登録10周年を迎えます~
2012年06月25日「藤前干潟 写真コンテスト」開催のお知らせ
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
藤前干潟ふれあいデーの開催に合わせて行っている
「藤前干潟 写真コンテスト」が今年も実施されることになりました!
今年の11月18日でラムサール条約に登録されてから10周年を迎える藤前干潟。
登録から10年経った今も、都市と自然が共存する風景の中に、
野鳥を始め、魚、カニなど多くの生き物が藤前干潟には生きています。
そんな藤前干潟の風景、生き物をテーマとした写真を募集します。
(※応募期間は2012年7月13日(金)~9月14日(金)。)
撮影時期は問いませんので、10年前の藤前干潟の風景など、
昔の写真も応募ください。
【応募方法が載っています(↑)。】
また、今回からデジタルデータの応募もできるようになりました。
携帯電話で、気軽に撮った写真の応募も歓迎です。
(メールでの応募は、3MB以内のサイズのデータに限ります。
3MBより大きなデータは受信することができませんのでご注意ください。)
【その他注意事項はコチラ(↑)。応募の前に必ずご覧ください。】
また、応募作品は10月に名古屋駅あおなみ線構内の
あおなみギャラリーにて展示予定です。
(スペースによっては、全ての作品を展示できないことがありますが、
ご了承ください。)
【昨年度のあおなみギャラリーの展示風景】
昨年のあおなみギャラリーの展示の様子はこちら(↓)のAR日記をご覧ください。
「2012年3月7日のAR日記 それは会場で・・・・「藤前干潟フォトコンテスト」入選作品展示中!」
写真を撮ることによって、いつもとは違う視点で藤前干潟をみつめることが
できるかもしれません。
皆さんがみつけた藤前干潟の魅力をぜひ教えてください!
たくさんのご応募お待ちしております。
■写真コンテストに関する問い合わせ先■
名古屋自然保護官事務所
TEL:052-389-2877 FAX:052-389-2878
MAIL:WB-NAGOYA@env.go.jp
~藤前干潟は2012年11月18日でラムサール条約登録10周年を迎えます~
ラムサール条約登録10周年を迎える11月18日(藤前干潟の日)に合わせ、
「藤前干潟ふれあいデー2012」が11月17日(土)・18日(日)に開催される予定です。
ぜひ足をお運びください。
「藤前干潟 写真コンテスト」が今年も実施されることになりました!
今年の11月18日でラムサール条約に登録されてから10周年を迎える藤前干潟。
登録から10年経った今も、都市と自然が共存する風景の中に、
野鳥を始め、魚、カニなど多くの生き物が藤前干潟には生きています。
そんな藤前干潟の風景、生き物をテーマとした写真を募集します。
(※応募期間は2012年7月13日(金)~9月14日(金)。)
撮影時期は問いませんので、10年前の藤前干潟の風景など、
昔の写真も応募ください。
【応募方法が載っています(↑)。】
また、今回からデジタルデータの応募もできるようになりました。
携帯電話で、気軽に撮った写真の応募も歓迎です。
(メールでの応募は、3MB以内のサイズのデータに限ります。
3MBより大きなデータは受信することができませんのでご注意ください。)
【その他注意事項はコチラ(↑)。応募の前に必ずご覧ください。】
また、応募作品は10月に名古屋駅あおなみ線構内の
あおなみギャラリーにて展示予定です。
(スペースによっては、全ての作品を展示できないことがありますが、
ご了承ください。)
【昨年度のあおなみギャラリーの展示風景】
昨年のあおなみギャラリーの展示の様子はこちら(↓)のAR日記をご覧ください。
「2012年3月7日のAR日記 それは会場で・・・・「藤前干潟フォトコンテスト」入選作品展示中!」
写真を撮ることによって、いつもとは違う視点で藤前干潟をみつめることが
できるかもしれません。
皆さんがみつけた藤前干潟の魅力をぜひ教えてください!
たくさんのご応募お待ちしております。
■写真コンテストに関する問い合わせ先■
名古屋自然保護官事務所
TEL:052-389-2877 FAX:052-389-2878
MAIL:WB-NAGOYA@env.go.jp
~藤前干潟は2012年11月18日でラムサール条約登録10周年を迎えます~
ラムサール条約登録10周年を迎える11月18日(藤前干潟の日)に合わせ、
「藤前干潟ふれあいデー2012」が11月17日(土)・18日(日)に開催される予定です。
ぜひ足をお運びください。
2012年06月15日出前講座に行ってきました!
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
みなさん、こんにちは。
東海地方は梅雨に入り、ここ藤前干潟も今日ははっきりしないお天気です。
体調を崩しやすい時期でもあると思いますので、
みなさんもお気を付けください。
【6月5日、天気がいまいちですが、干潟はよく出ていました】
さて、名古屋自然保護官事務所では、藤前干潟に関する出前講座を行っています。
*過去の開催報告はこちら↓をご覧ください。
「中部地方環境事務所 環境省職員による講座について」
出前講座の実施にあたっては、対象や要望に合わせて、
分かりやすくおもしろい講座になるように、毎回、内容や説明方法を考えています。
ですので、事前準備にどうしても時間がかかってしまいますし、
講座前はとても緊張してしまうのですが、
多く方に実際に会って藤前干潟のことを知ってもらえる機会なので、
とても有意義で楽しみな業務の一つです。
6月13日には、名古屋市立春岡小学校に行き、
小学3年生を対象に出前講座を行ってきました!
【講義の様子】
今回の講座のご依頼は、水辺の生き物を紹介してほしいということでした。
春岡小学校の3年生は、校内にある池(人工)を生き物が
今よりもすみやすいような環境に整えることを
これからの総合学習の時間に行っていくそうです。
そこで、その総合学習の導入として、藤前干潟を始めとする水辺の生き物の紹介と、
池の生き物の生息環境について説明を行いました。
【佐藤レンジャーによる池の生き物の紹介】
講座の間中、生徒さんたちはとっても元気で、
こちらの質問に多くの子が手を挙げて答えてくれました。
そして、何より、これから環境を良くしていく校内の池について、多くの質問が出ました。
実は質問の中には答えに窮するものもあったのですが、
それだけ生徒さんたちが池の生き物や環境について真剣に
考えていることが分かり、とても嬉しく思いました。
このようにいろんな反応や質問があるので、
出前講座を実施している私たちも毎回勉強させてもらっています。
春岡小学校の3年生の皆さんには、今回の出前講座をきっかけとして、
校内の池の生き物と環境のことを自分たちでさらに積極的に調べ、
考えていってもらえたら良いなと思います。
今後、池がどのように変化していくのか、とても楽しみです。
名古屋自然保護官事務所では、このような出前講座を随時受け付けています。
講座の内容は藤前干潟に限りませんので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
■問い合わせ先■
名古屋自然保護官事務所
TEL:052-389-2877 FAX:052-389-2878
MAIL:WB-NAGOYA@env.go.jp
~藤前干潟は2012年11月18日でラムサール条約登録10周年を迎えます~
*“11月18日”については、こちら↓のAR日記をお読みください!
「2011年11月19日のAR日記 ★記念日月間★11月18日」
東海地方は梅雨に入り、ここ藤前干潟も今日ははっきりしないお天気です。
体調を崩しやすい時期でもあると思いますので、
みなさんもお気を付けください。
【6月5日、天気がいまいちですが、干潟はよく出ていました】
さて、名古屋自然保護官事務所では、藤前干潟に関する出前講座を行っています。
*過去の開催報告はこちら↓をご覧ください。
「中部地方環境事務所 環境省職員による講座について」
出前講座の実施にあたっては、対象や要望に合わせて、
分かりやすくおもしろい講座になるように、毎回、内容や説明方法を考えています。
ですので、事前準備にどうしても時間がかかってしまいますし、
講座前はとても緊張してしまうのですが、
多く方に実際に会って藤前干潟のことを知ってもらえる機会なので、
とても有意義で楽しみな業務の一つです。
6月13日には、名古屋市立春岡小学校に行き、
小学3年生を対象に出前講座を行ってきました!
【講義の様子】
今回の講座のご依頼は、水辺の生き物を紹介してほしいということでした。
春岡小学校の3年生は、校内にある池(人工)を生き物が
今よりもすみやすいような環境に整えることを
これからの総合学習の時間に行っていくそうです。
そこで、その総合学習の導入として、藤前干潟を始めとする水辺の生き物の紹介と、
池の生き物の生息環境について説明を行いました。
【佐藤レンジャーによる池の生き物の紹介】
講座の間中、生徒さんたちはとっても元気で、
こちらの質問に多くの子が手を挙げて答えてくれました。
そして、何より、これから環境を良くしていく校内の池について、多くの質問が出ました。
実は質問の中には答えに窮するものもあったのですが、
それだけ生徒さんたちが池の生き物や環境について真剣に
考えていることが分かり、とても嬉しく思いました。
このようにいろんな反応や質問があるので、
出前講座を実施している私たちも毎回勉強させてもらっています。
春岡小学校の3年生の皆さんには、今回の出前講座をきっかけとして、
校内の池の生き物と環境のことを自分たちでさらに積極的に調べ、
考えていってもらえたら良いなと思います。
今後、池がどのように変化していくのか、とても楽しみです。
名古屋自然保護官事務所では、このような出前講座を随時受け付けています。
講座の内容は藤前干潟に限りませんので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
■問い合わせ先■
名古屋自然保護官事務所
TEL:052-389-2877 FAX:052-389-2878
MAIL:WB-NAGOYA@env.go.jp
~藤前干潟は2012年11月18日でラムサール条約登録10周年を迎えます~
*“11月18日”については、こちら↓のAR日記をお読みください!
「2011年11月19日のAR日記 ★記念日月間★11月18日」
2012年06月15日ヨシ原の変遷
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一
稲永公園前の永徳スリップ周辺には小規模なヨシ群落が存在します。この場所は現在、写真のように堤防護岸できれいに整備されていますが、以前は良好なヨシ群落が堤防沿いに広がる場所でした。護岸工事が始まってから完成までの期間、取り残された小さなヨシ群落は少しずつその姿を変えており、近年はヨシがパッチ状に散在するようになりました。また、岸近くのヨシ原の根がむき出しになっている場所や、土砂やゴミが堆積して陸地化が進行し、陸生植物が混生する場所も見られます。さらに、ヨシ原の前に広がる干潟の底質も以前に比べてやや堅くなり、底生生物の分布も変化しています。地元の人々によれば、これらの環境変動は護岸工事が始まった頃から見られているので、もしかするとこの影響があるのでは?というお話でした。
【パッチ状に生育するヨシ原(黄線部分)】
工事によって潮流が変化することで細かい粒子の泥が沖に流され、結果的に干潟が粗粒化したのかもしれません。また、この底質変化に伴ってヨシの分布が不連続となり、底生生物の生息分布も同時に変化したのではないかと考えられます。
【陸地化が進行するヨシ原】
【ヨシの根元にゴミが堆積している様子】
岸際のヨシ原は大潮満潮時であっても冠水することは無く、常に陸地となっていること、さらにヨシ原内に漂着した流木やゴミ類があまり移動せずその場に留まって存在することから、台風や大水時に砂利やゴミ等が一度に多量にヨシ原に漂着してヨシの根元を覆った状態となり、通常の潮汐変動ではこれらが海へ流出せずに陸地化が進行しているのではないでしょうか。
このように当水域の環境変動は護岸工事を含めた物理化学的要因が影響している可能性もあるので引き続き底生生物の変動とともに見守っていきたいと思います。
【パッチ状に生育するヨシ原(黄線部分)】
工事によって潮流が変化することで細かい粒子の泥が沖に流され、結果的に干潟が粗粒化したのかもしれません。また、この底質変化に伴ってヨシの分布が不連続となり、底生生物の生息分布も同時に変化したのではないかと考えられます。
【陸地化が進行するヨシ原】
【ヨシの根元にゴミが堆積している様子】
岸際のヨシ原は大潮満潮時であっても冠水することは無く、常に陸地となっていること、さらにヨシ原内に漂着した流木やゴミ類があまり移動せずその場に留まって存在することから、台風や大水時に砂利やゴミ等が一度に多量にヨシ原に漂着してヨシの根元を覆った状態となり、通常の潮汐変動ではこれらが海へ流出せずに陸地化が進行しているのではないでしょうか。
このように当水域の環境変動は護岸工事を含めた物理化学的要因が影響している可能性もあるので引き続き底生生物の変動とともに見守っていきたいと思います。
2012年06月06日大型のカニが見つかりました!!
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一
6月初旬の業務時間外に庄内川河口域を散歩していると、ヨシ原の中でガザガザと何者かが茂みに潜んでいる音がしたので周辺を探索すると大型のカニがヨシ原の奥に隠れているのを発見しました。素手で捕らえて確認するとハマガニという甲幅約5.5cmほどの大型のカニでした。夜行性で河口域の広いヨシ原内にこぶし大の大穴を掘って生息するカニです。同所的に生息するアシハラガニやベンケイガニ類に比べて体やハサミが大きく強そうな外部形態をしていますが、植物の葉を好んで食します。
【庄内川河口域で発見したハマガニの雄】
本種はこれまで庄内川流域ではあまり確認されておらず生息個体数は少ないようです。開発等によりヨシ原が失われると、さらに生息個体数が減少すると考えられますので今後も引き続き見守っていきたいと思います。
【ハマガニが生息する広いヨシ原】
先月は庄内川河口干潟でアリアケモドキという希少なカニが多産することを発見しましたが、このように詳しく藤前干潟を調べることでさらに希少種が発見できる可能性があります。今後も干潟に生きる生物に目を光らせて、新たな発見ができるように頑張りたいと思います。
【庄内川河口域で発見したハマガニの雄】
本種はこれまで庄内川流域ではあまり確認されておらず生息個体数は少ないようです。開発等によりヨシ原が失われると、さらに生息個体数が減少すると考えられますので今後も引き続き見守っていきたいと思います。
【ハマガニが生息する広いヨシ原】
先月は庄内川河口干潟でアリアケモドキという希少なカニが多産することを発見しましたが、このように詳しく藤前干潟を調べることでさらに希少種が発見できる可能性があります。今後も干潟に生きる生物に目を光らせて、新たな発見ができるように頑張りたいと思います。
2012年05月24日今年も行われました、クリーン大作戦
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
藤前干潟で「2012 春のクリーン大作戦」が5月19日に行われました。
藤前干潟クリーン大作戦は2004年から始まった市民による藤前干潟の清掃活動で、
今回で16回目の開催となります(毎年、春と秋の2回開催)。
※昨年の春の藤前干潟クリーン大作戦の記事はこちら↓
「2011年5月23日 藤前干潟のクリーン大作戦」
当日はとても暑かったのですが、庄内川、新川などを含む藤前干潟周辺の清掃活動に
合計約1,800人もの方々の参加がありました。
【クリーン大作戦事務局の方の挨拶。空は見事な快晴でした。】
私たち名古屋自然保護官事務所の職員は、庄内川と新川の間にある
導流堤という場所の清掃活動に参加しました。
【導流堤を歩いて移動する大勢の参加者】
導流堤には堤防に沿ってヨシという植物が生えており、
川を流れてくるゴミがこのヨシに大量にひっかかります。
ゴミの多くは、ペットボトルを初めとする身近なプラスチック製品です。
【ヨシの根元にかかった多量の漂着ゴミ】
このヨシの根元の漂着ゴミを拾うのが導流堤での清掃活動です。
ヨシの生えている堤防下(干潟)まで降りて、
ヨシの隙間からゴミを拾い、カゴに入れます。
そのゴミの入ったカゴを堤防の上にいる人がロープで引き上げ、
分別し、ゴミ袋に入れます。
【黙々と汗を流しつつ作業・・・】
この作業を繰り返し、ゴミを拾った結果、
導流堤だけで約1,100袋(45Lの袋)のゴミが集まりました。
【まさにゴミの山】
しかし、今回、ゴミ袋が足りなくなるぐらいのゴミがあり、
まだまだ拾いきれないゴミもたくさんありました。
さらに、現場に立ってみて、ヨシの根元に深く入り込んだゴミが
層をなしていることも分かりました。
それだけ、藤前干潟周辺には長い間たくさんのゴミが漂着しているということなのですね。
清掃活動の後、少しきれいになったヨシ原を見てすがすがしさを感じた一方で、
まだまだ拾いきれないゴミの多さに考えさせられた参加者の方もいたようです。
私もその一人です。
実際、ゴミは拾っても拾っても、上流から流れ、藤前干潟に漂着します。
それでも、クリーン大作戦を始めてから、藤前干潟の漂着ゴミの量は
減ってきているそうです。
そしてこの活動は、藤前干潟だけではなく、
さらに下流の伊勢湾へ流出するゴミの削減に繋がっています。
その事実を糧に、今後も根気よく清掃活動、普及活動を続け、
藤前干潟、そして藤前干潟とつながる伊勢湾の漂着ゴミ問題を考えていくことが
大切だろうと改めて感じた1日でした。
【広く干出した藤前干潟。この先に伊勢湾が続いています。】
藤前干潟クリーン大作戦は2004年から始まった市民による藤前干潟の清掃活動で、
今回で16回目の開催となります(毎年、春と秋の2回開催)。
※昨年の春の藤前干潟クリーン大作戦の記事はこちら↓
「2011年5月23日 藤前干潟のクリーン大作戦」
当日はとても暑かったのですが、庄内川、新川などを含む藤前干潟周辺の清掃活動に
合計約1,800人もの方々の参加がありました。
【クリーン大作戦事務局の方の挨拶。空は見事な快晴でした。】
私たち名古屋自然保護官事務所の職員は、庄内川と新川の間にある
導流堤という場所の清掃活動に参加しました。
【導流堤を歩いて移動する大勢の参加者】
導流堤には堤防に沿ってヨシという植物が生えており、
川を流れてくるゴミがこのヨシに大量にひっかかります。
ゴミの多くは、ペットボトルを初めとする身近なプラスチック製品です。
【ヨシの根元にかかった多量の漂着ゴミ】
このヨシの根元の漂着ゴミを拾うのが導流堤での清掃活動です。
ヨシの生えている堤防下(干潟)まで降りて、
ヨシの隙間からゴミを拾い、カゴに入れます。
そのゴミの入ったカゴを堤防の上にいる人がロープで引き上げ、
分別し、ゴミ袋に入れます。
【黙々と汗を流しつつ作業・・・】
この作業を繰り返し、ゴミを拾った結果、
導流堤だけで約1,100袋(45Lの袋)のゴミが集まりました。
【まさにゴミの山】
しかし、今回、ゴミ袋が足りなくなるぐらいのゴミがあり、
まだまだ拾いきれないゴミもたくさんありました。
さらに、現場に立ってみて、ヨシの根元に深く入り込んだゴミが
層をなしていることも分かりました。
それだけ、藤前干潟周辺には長い間たくさんのゴミが漂着しているということなのですね。
清掃活動の後、少しきれいになったヨシ原を見てすがすがしさを感じた一方で、
まだまだ拾いきれないゴミの多さに考えさせられた参加者の方もいたようです。
私もその一人です。
実際、ゴミは拾っても拾っても、上流から流れ、藤前干潟に漂着します。
それでも、クリーン大作戦を始めてから、藤前干潟の漂着ゴミの量は
減ってきているそうです。
そしてこの活動は、藤前干潟だけではなく、
さらに下流の伊勢湾へ流出するゴミの削減に繋がっています。
その事実を糧に、今後も根気よく清掃活動、普及活動を続け、
藤前干潟、そして藤前干潟とつながる伊勢湾の漂着ゴミ問題を考えていくことが
大切だろうと改めて感じた1日でした。
【広く干出した藤前干潟。この先に伊勢湾が続いています。】
2012年05月21日入り口にてお待ちしています
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
皆さん、お久しぶりです。
藤前干潟にはササゴイやコアジサシなどの夏鳥が訪れるようになり、
早くも初夏を感じる季節となりました。
【白い縁取りのある羽が笹の葉のように見えるササゴイ】
【庄内川の水際で魚を狙うササゴイ】
暖かくなり、いよいよお出かけシーズン本番到来です。
藤前干潟にある稲永ビジターセンターおよび藤前活動センターでは
干潟での観察会が行われる季節となりましたので、
ぜひ足を運んで観察会に参加してみてくださいね。
観察会の情報などは以下のホームページをご覧ください。
「藤前干潟~人と自然をつなぐ翔橋~ イベント情報」
そして、稲永ビジターセンターでは皆さんをお迎えするために
センターの入り口に情報掲示板「ふじまえニュース」を設置し始めました。
この掲示板で藤前干潟やセンター周辺の生き物などに関する旬な情報を
お伝えしていきたいと思います。
【稲永ビジターセンターの入り口(左)と情報掲示板(右)】
第一弾のニュースは、今、藤前干潟で頻繁に見ることができる「コアジサシ」の生態を
簡単に紹介しています。
【上野ARが担当した第一弾のふじまえニュース「コアジサシ」】
センターにお越しの際は、入り口で情報掲示板をぜひともチェックいただき、
藤前干潟を楽しむのに役立ててもらえれば嬉しいです。
しかし、始めたばかりでまだまだ進化中の情報掲示板です。
(※近々、藤前活動センターにも設置予定です。)
ご意見、ご質問があればお気軽にスタッフに声をかけてくださいね。
順次更新予定ですので、今後の情報にご期待ください!
藤前干潟にはササゴイやコアジサシなどの夏鳥が訪れるようになり、
早くも初夏を感じる季節となりました。
【白い縁取りのある羽が笹の葉のように見えるササゴイ】
【庄内川の水際で魚を狙うササゴイ】
暖かくなり、いよいよお出かけシーズン本番到来です。
藤前干潟にある稲永ビジターセンターおよび藤前活動センターでは
干潟での観察会が行われる季節となりましたので、
ぜひ足を運んで観察会に参加してみてくださいね。
観察会の情報などは以下のホームページをご覧ください。
「藤前干潟~人と自然をつなぐ翔橋~ イベント情報」
そして、稲永ビジターセンターでは皆さんをお迎えするために
センターの入り口に情報掲示板「ふじまえニュース」を設置し始めました。
この掲示板で藤前干潟やセンター周辺の生き物などに関する旬な情報を
お伝えしていきたいと思います。
【稲永ビジターセンターの入り口(左)と情報掲示板(右)】
第一弾のニュースは、今、藤前干潟で頻繁に見ることができる「コアジサシ」の生態を
簡単に紹介しています。
【上野ARが担当した第一弾のふじまえニュース「コアジサシ」】
センターにお越しの際は、入り口で情報掲示板をぜひともチェックいただき、
藤前干潟を楽しむのに役立ててもらえれば嬉しいです。
しかし、始めたばかりでまだまだ進化中の情報掲示板です。
(※近々、藤前活動センターにも設置予定です。)
ご意見、ご質問があればお気軽にスタッフに声をかけてくださいね。
順次更新予定ですので、今後の情報にご期待ください!
2012年05月14日暖かくなり生き物たちが動き始めました。
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一
5月に入って暖かくなり、稲永公園内の木々も新緑が芽生えてきました。いよいよ生き物達が元気に活動を開始する季節が到来した感じがします。
大潮の干潮時に稲永公園前の藤前干潟を覗くと、広大な干潟が出現していたので巡視に併せて干潟の生き物を観察しました。
【永徳スリップ前干潟から名港トリトンを望む(左) 永徳スリップ方面(右)】
先月までは肌寒く、干潟の生き物達もまだ眠りから覚めた直後で動きが鈍い状態でしたが、気温の上昇に伴い活発に地表で活動するようになりました。軟泥質の場所ではヤマトオサガニが盛んに採餌し、転石の下ではタカノケフサイソガニやゴカイ類が多く見られ、ヨシ原前面の砂泥質ではチゴガニ群がWaving行動(はさみを上下に動かす動作)を示していました。この日は転石の下で大型のハサミシャコエビやアリアケモドキが、沈水流木の周辺ではエビジャコ、ヨウジウオ等が確認されました。堤防護岸ではカクベンケイガニが走り回っており、岩盤の割れ目に素早く隠れる様子が観察されました。
永徳スリップに生育するヨシ原は先月までは枯れているような姿でしたが、全体的に背丈が高くなり小さな芽も地面から次々に生え元気が出てきたような感じです。
【転石下で見つかったハサミシャコエビ(左)とアリアケモドキ(中)、護岸を駆け巡るカクベンケイガニ(右)】
【流木周辺の潮だまりで見つかったエビジャコ(左)とヨウジウオ(右)】
稲永ビジターセンター前の藤前干潟には今年もコアジサシがやってきました。この鳥は、群れで行動することが多く、ダイビングして魚を捕ることができますが、深くは潜れないようです。繁殖期は5~7月、海岸や埋め立て地、河原の砂利地で繁殖活動をします。藤前干潟周辺では、彼らの繁殖地となる砂利地が少ないので繁殖できる場所は限られています。
【飛翔中のコアジサシ】
都市部に残されたこの藤前干潟にこれほど多くの生き物たちが住んでいるとは驚きです。干潟で多様な底生生物に出会えたのは今シーズン初めてでしたので興奮してしまいました。
このように稲永公園周辺は暖かくなり多くの生き物で賑わってきましたので、是非観察に来て下さい。
観察会のご案内です。
5月27日(日)にNPO法人藤前干潟を守る会と中部地方環境事務所の共催イベントとして、「ヨシはらをあそぼう!」を開催します。ヨシとはどのような植物なのか?ヨシ原の中にはどのような生き物が住んでいるのか?そ~っとのぞいてみましょう!
観察会の詳細は以下の通りです。
ご応募お待ちしております!!
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
◆ヨシはらをあそぼう!◆
開催日時:5月27日(日)13:30~15:30
定員:20名(申込先着順)
対象:幼児~大人 (ただし、小学校3年生未満は保護者同伴)
開催場所:稲永ビジターセンター(名古屋市港区野跡4-11-2)
参加費:大人200円、小学生100円、幼児無料
持ち物:水筒、タオル、着替え、帽子、汚れてよい服装・靴
申込・問い合わせ先:稲永ビジターセンター(TEL:052-389-5821)
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大潮の干潮時に稲永公園前の藤前干潟を覗くと、広大な干潟が出現していたので巡視に併せて干潟の生き物を観察しました。
【永徳スリップ前干潟から名港トリトンを望む(左) 永徳スリップ方面(右)】
先月までは肌寒く、干潟の生き物達もまだ眠りから覚めた直後で動きが鈍い状態でしたが、気温の上昇に伴い活発に地表で活動するようになりました。軟泥質の場所ではヤマトオサガニが盛んに採餌し、転石の下ではタカノケフサイソガニやゴカイ類が多く見られ、ヨシ原前面の砂泥質ではチゴガニ群がWaving行動(はさみを上下に動かす動作)を示していました。この日は転石の下で大型のハサミシャコエビやアリアケモドキが、沈水流木の周辺ではエビジャコ、ヨウジウオ等が確認されました。堤防護岸ではカクベンケイガニが走り回っており、岩盤の割れ目に素早く隠れる様子が観察されました。
永徳スリップに生育するヨシ原は先月までは枯れているような姿でしたが、全体的に背丈が高くなり小さな芽も地面から次々に生え元気が出てきたような感じです。
【転石下で見つかったハサミシャコエビ(左)とアリアケモドキ(中)、護岸を駆け巡るカクベンケイガニ(右)】
【流木周辺の潮だまりで見つかったエビジャコ(左)とヨウジウオ(右)】
稲永ビジターセンター前の藤前干潟には今年もコアジサシがやってきました。この鳥は、群れで行動することが多く、ダイビングして魚を捕ることができますが、深くは潜れないようです。繁殖期は5~7月、海岸や埋め立て地、河原の砂利地で繁殖活動をします。藤前干潟周辺では、彼らの繁殖地となる砂利地が少ないので繁殖できる場所は限られています。
【飛翔中のコアジサシ】
都市部に残されたこの藤前干潟にこれほど多くの生き物たちが住んでいるとは驚きです。干潟で多様な底生生物に出会えたのは今シーズン初めてでしたので興奮してしまいました。
このように稲永公園周辺は暖かくなり多くの生き物で賑わってきましたので、是非観察に来て下さい。
観察会のご案内です。
5月27日(日)にNPO法人藤前干潟を守る会と中部地方環境事務所の共催イベントとして、「ヨシはらをあそぼう!」を開催します。ヨシとはどのような植物なのか?ヨシ原の中にはどのような生き物が住んでいるのか?そ~っとのぞいてみましょう!
観察会の詳細は以下の通りです。
ご応募お待ちしております!!
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◆ヨシはらをあそぼう!◆
開催日時:5月27日(日)13:30~15:30
定員:20名(申込先着順)
対象:幼児~大人 (ただし、小学校3年生未満は保護者同伴)
開催場所:稲永ビジターセンター(名古屋市港区野跡4-11-2)
参加費:大人200円、小学生100円、幼児無料
持ち物:水筒、タオル、着替え、帽子、汚れてよい服装・靴
申込・問い合わせ先:稲永ビジターセンター(TEL:052-389-5821)
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2012年04月09日4月からアクティブ・レンジャーとなりました。
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一
はじめまして。この度、名古屋自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーとして活動させていただくことになりました上野淳一です。一日でも早く業務を覚えて、藤前干潟の保全と情報の発信に取り組みますのでよろしくお願いいたします。
幼少の頃からカニ類が大好きで、標本の作製や生体飼育、生息環境の調査等を行ってきました。
藤前干潟にも多くのカニ達が生息しているようなので、どのようなカニに出会えるのか楽しみです。
すっきりしない天候が続く中、久しぶりに雲の間から日が差してきたので、稲永ビジターセンター周辺の巡視に併せて周辺環境を覚えに出かけました。
稲永公園入り口の桜の様子です。やや蕾が残る8分咲きで満開まであともう少しの状態でした。この先、気温の上昇とともに満開になる見込みですので是非、稲永公園にお越し下さい。
【稲永公園入り口の桜(左)と蕾が残る枝(右)】
一方、運動場周辺のユキヤナギは満開で見頃を迎えております。稲永ビジターセンター横にある丘の斜面にはタンポポが数多く群生していました。
【満開のユキヤナギ(左)と丘に群生するタンポポ(右)】
稲永スポーツセンター前に位置するヨシ原の現在の様子です。干潟はまだ寒々しく、カニや貝類もまだ地表活動を行っていませんでしたが、ユリカモメ達は干潟上で活発に動き回り餌を探索して
いました。転石の下には小型のアシハラガニが隠れており、冬眠開けのゆったりとした動きで必死に逃げて行きました。現況では干潟の生物相は薄いですが、これから夏に向けて多様な生物が活動を開始するので、暖かくなったら足を運んでみてはいかがでしょうか。
【現在のヨシ原の様子】
【活発に行動するユリカモメ(左)と眠気の残るアシハラガニ(右)】
幼少の頃からカニ類が大好きで、標本の作製や生体飼育、生息環境の調査等を行ってきました。
藤前干潟にも多くのカニ達が生息しているようなので、どのようなカニに出会えるのか楽しみです。
すっきりしない天候が続く中、久しぶりに雲の間から日が差してきたので、稲永ビジターセンター周辺の巡視に併せて周辺環境を覚えに出かけました。
稲永公園入り口の桜の様子です。やや蕾が残る8分咲きで満開まであともう少しの状態でした。この先、気温の上昇とともに満開になる見込みですので是非、稲永公園にお越し下さい。
【稲永公園入り口の桜(左)と蕾が残る枝(右)】
一方、運動場周辺のユキヤナギは満開で見頃を迎えております。稲永ビジターセンター横にある丘の斜面にはタンポポが数多く群生していました。
【満開のユキヤナギ(左)と丘に群生するタンポポ(右)】
稲永スポーツセンター前に位置するヨシ原の現在の様子です。干潟はまだ寒々しく、カニや貝類もまだ地表活動を行っていませんでしたが、ユリカモメ達は干潟上で活発に動き回り餌を探索して
いました。転石の下には小型のアシハラガニが隠れており、冬眠開けのゆったりとした動きで必死に逃げて行きました。現況では干潟の生物相は薄いですが、これから夏に向けて多様な生物が活動を開始するので、暖かくなったら足を運んでみてはいかがでしょうか。
【現在のヨシ原の様子】
【活発に行動するユリカモメ(左)と眠気の残るアシハラガニ(右)】
【南陽海岸堤防に造成された土盛りの様子】
この土盛りを良く観察してみると誰かの巣穴や草の動きがあり、「キキュッ!」という鳴き声も聞こえてきました。どうやらここにはたくさんの生き物たちが暮らしているようです。あちらこちらに空いている巣穴がどうしても気になったので穴の中を枝でやさしく刺激し、お邪魔してみると穴の中から毛むくじゃらの逞しい足が数本出てきました。しばらくすると体全体を現したので確認すると赤い体と爪が特徴のベンケイガニでした。他の巣穴には黒っぽいクロベンケイガニが暮らしていました。直径1~3cm程度の穴は全てベンケイガニの巣穴であることが分かり、いずれも甲幅2cmほどの小型個体でした。堤防の完成により、内地と海が遮断されてしまい、普段海に近い内陸に住んでいて海に放卵する陸生カニたちは困っていましたが、この土盛りを利用することで険しい堤防を乗り越えなくても海にすぐ出ることができるようになりました。
【ベンケイガニ類の巣穴】
【巣穴から出てきたベンケイガニ】
この土盛りにはカニの他にもバッタやコオロギ、フナムシ、ゲジゲジ、ツチガエル等がこれまでに見つかっているので、今後も新たな生き物が住み着くことでしょう。