国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋
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2012年03月29日稲永ビジターセンターの屋根にご注目!
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
今年はいつまでも寒いですが、今日は久しぶりに暖かく、
稲永ビジターセンター前の庄内川は穏やかに流れ、
川に浮かぶカモたちは心なしかのんびりと過ごしているように見えました。
一方、稲永公園内の松林では、カワラヒワの鈴をころがしたようなかわいい鳴き声や、
ヒヨドリのピィーという鳴き声などが聞こえ、とても賑やかでした。
こちらの芝生にはキジバトがいました。
実は、この芝生は、稲永ビジターセンターの屋上にある芝生です。
稲永ビジターセンターでは、屋根の上に土を載せ、芝などの植物を生やしています。
【玄関側(右)と庄内川側(左)から見た稲永ビジターセンター(赤い矢印が草が生えている部分)】
これは、「屋上緑化」と呼ばれ、環境に配慮した技術のひとつです。
(ちなみに藤前活動センターの屋上も緑化されています。)
屋上に植物が生えていることにより、屋根への直射日光が遮られるため、
屋内の室温があがりにくく、夏場の節電につながっています。
また、植物から水分が蒸発するときに熱を奪うため、周囲の温度を下げる効果
(ヒートアイランド現象への対策)もあるとされています。
【屋上にのぼると草がたくさん生えているのが分かります(昨年9月)】
さらに屋上緑化が施されていることにより、建物が周りの松林にとけこみ、
鳥などの生き物にも影響を与えにくいと考えられています。
実際、この屋上は植物の種などを食べたり、休息したりと、
キジバトの他にスズメ、ムクドリなどの鳥たちが訪れる場所にもなっています。
ちなみに、稲永ビジターセンターの屋根は最近とてもきれいになりました。
冬に植物が枯れて荒れていましたが、この3月半ばに雑草や枯れ草を抜き、
土を足して、芝を貼り替えるという補修工事をしました。
【大きなクレーンで土などを屋根の上にあげていました】
【補修前(左)と補修後(右)】
補修後は、屋根がとてもすっきりさっぱりし、
来館者の方にも自信を持ってご紹介できるようになりました。
今はまだ植物があまり生えていませんが、これから、暖かくなるにつれ、
屋上には様々な植物が育ち、そして季節ごとに姿を変えていくと思います。
たくさんの鳥たちも訪れるでしょう。
稲永ビジターセンターに訪れる際には、屋上緑化を一度ご覧になってみてくださいね。
屋根の上にも生物多様性を感じられるかもしれません。
稲永ビジターセンター前の庄内川は穏やかに流れ、
川に浮かぶカモたちは心なしかのんびりと過ごしているように見えました。
一方、稲永公園内の松林では、カワラヒワの鈴をころがしたようなかわいい鳴き声や、
ヒヨドリのピィーという鳴き声などが聞こえ、とても賑やかでした。
こちらの芝生にはキジバトがいました。
実は、この芝生は、稲永ビジターセンターの屋上にある芝生です。
稲永ビジターセンターでは、屋根の上に土を載せ、芝などの植物を生やしています。
【玄関側(右)と庄内川側(左)から見た稲永ビジターセンター(赤い矢印が草が生えている部分)】
これは、「屋上緑化」と呼ばれ、環境に配慮した技術のひとつです。
(ちなみに藤前活動センターの屋上も緑化されています。)
屋上に植物が生えていることにより、屋根への直射日光が遮られるため、
屋内の室温があがりにくく、夏場の節電につながっています。
また、植物から水分が蒸発するときに熱を奪うため、周囲の温度を下げる効果
(ヒートアイランド現象への対策)もあるとされています。
【屋上にのぼると草がたくさん生えているのが分かります(昨年9月)】
さらに屋上緑化が施されていることにより、建物が周りの松林にとけこみ、
鳥などの生き物にも影響を与えにくいと考えられています。
実際、この屋上は植物の種などを食べたり、休息したりと、
キジバトの他にスズメ、ムクドリなどの鳥たちが訪れる場所にもなっています。
ちなみに、稲永ビジターセンターの屋根は最近とてもきれいになりました。
冬に植物が枯れて荒れていましたが、この3月半ばに雑草や枯れ草を抜き、
土を足して、芝を貼り替えるという補修工事をしました。
【大きなクレーンで土などを屋根の上にあげていました】
【補修前(左)と補修後(右)】
補修後は、屋根がとてもすっきりさっぱりし、
来館者の方にも自信を持ってご紹介できるようになりました。
今はまだ植物があまり生えていませんが、これから、暖かくなるにつれ、
屋上には様々な植物が育ち、そして季節ごとに姿を変えていくと思います。
たくさんの鳥たちも訪れるでしょう。
稲永ビジターセンターに訪れる際には、屋上緑化を一度ご覧になってみてくださいね。
屋根の上にも生物多様性を感じられるかもしれません。
2012年03月28日人の交わりにも季節あり
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 玉津佐知子
藤前干潟名物のハマシギの群舞が見られるようになりました。
群れをなして旋回、上昇。太陽光を受けた翼は、その角度ごとの輝きを放ち、万華鏡のように形を変えていきます。「自然に勝る芸術はない」。この時期になると、誇らしげにハマシギを眺めてきたのですが、この春はこれまで特別な思いで鳥の楽園を眺めています。
【春は出会いと別れの季節でもある】
実はこの3月で名古屋自然保護官事務所を退職することになりました。その理由は、健康上の問題からなのですが、踏ん切りがつかない時に、背中を押してくれたのが、民俗学者にして植物学者としても知られる南方熊楠が残した「人の交わりにも季節あり」という一文でした。
この一文は、熊楠が親友である中国の革命家・孫文にあてた書簡の一節です。
熊楠31歳、孫文32歳の時、二人は、イギリスで出会い、硬い友情を誓います。
その後二人は、各々の分野で才能を開花させ、中でも孫文1911年のいわゆる辛亥革命で臨時大統領に押され、中華民国を発足の立役者となるのですが、その後、熊楠に会うことを強く望んだ孫文に充てた手紙に書かれていたのが、冒頭の「人の交わりにも季節あり」なのです。
その意味は、青年期の出会いを春だとすれば、もうわたしたちは大人になって別の世界に生きている。あの友情の季節は終わったのだ、となるのでしょうか。
孫文は、熊楠の気持ちを察し、会うことをあきらめたといいます。
【ハマシギは、藤前干潟の代名詞となっている】
思えば干潟には、季節ごとの出会いと別れがあります。渡り鳥同士の出会いと別れ、渡り鳥を求めて訪れる人と人の出会いと別れ。
渡り鳥が北へ旅立ち次の世代を残すように、人もまた中継地で出会いと別れを繰り返しながら、成長をしていくのかもしれません。
またいつか一回り大きくなって、藤前干潟に帰ってきたいと思います。それまで皆様お元気で。お世話になりました。
【藤前干潟にて。左から野村AR,佐藤R】
群れをなして旋回、上昇。太陽光を受けた翼は、その角度ごとの輝きを放ち、万華鏡のように形を変えていきます。「自然に勝る芸術はない」。この時期になると、誇らしげにハマシギを眺めてきたのですが、この春はこれまで特別な思いで鳥の楽園を眺めています。
【春は出会いと別れの季節でもある】
実はこの3月で名古屋自然保護官事務所を退職することになりました。その理由は、健康上の問題からなのですが、踏ん切りがつかない時に、背中を押してくれたのが、民俗学者にして植物学者としても知られる南方熊楠が残した「人の交わりにも季節あり」という一文でした。
この一文は、熊楠が親友である中国の革命家・孫文にあてた書簡の一節です。
熊楠31歳、孫文32歳の時、二人は、イギリスで出会い、硬い友情を誓います。
その後二人は、各々の分野で才能を開花させ、中でも孫文1911年のいわゆる辛亥革命で臨時大統領に押され、中華民国を発足の立役者となるのですが、その後、熊楠に会うことを強く望んだ孫文に充てた手紙に書かれていたのが、冒頭の「人の交わりにも季節あり」なのです。
その意味は、青年期の出会いを春だとすれば、もうわたしたちは大人になって別の世界に生きている。あの友情の季節は終わったのだ、となるのでしょうか。
孫文は、熊楠の気持ちを察し、会うことをあきらめたといいます。
【ハマシギは、藤前干潟の代名詞となっている】
思えば干潟には、季節ごとの出会いと別れがあります。渡り鳥同士の出会いと別れ、渡り鳥を求めて訪れる人と人の出会いと別れ。
渡り鳥が北へ旅立ち次の世代を残すように、人もまた中継地で出会いと別れを繰り返しながら、成長をしていくのかもしれません。
またいつか一回り大きくなって、藤前干潟に帰ってきたいと思います。それまで皆様お元気で。お世話になりました。
【藤前干潟にて。左から野村AR,佐藤R】
2012年03月07日それは会場で・・・・「藤前干潟フォトコンテスト」入選作品展示中!
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 玉津佐知子
藤前干潟に、カワラヒワの鳴き声が届くようになりました。「チュウーン」という鳴き声が庄内川河口に響けば、藤前干潟の春はすぐそこ。本格的な春の渡り鳥シーズンがやってきます。
【藤前干潟に春のわたり鳥のシーズンがやってきました】
ハマシギの群舞を見たい。干潟で羽を休めるシギ・チドリを見たい。でもどうやって藤前干潟に行ったらいいのか、わからないという人が意外と多いようです。
鳥の楽園「藤前干潟」へは、自動車、電車、バスと様々な方法がありますが、おススメは、JR、名鉄、近鉄が乗り入れている名古屋駅から乗り換えなしで行ける「あおなみ線」。名古屋駅から9つ目の駅「野跡」で下車し、10分も歩けば到着です。
そんな藤前干潟への、玄関口ともいえる「あおなみ線」の名古屋駅構内にあるあおなみギャリーにて、すでに発表された「藤前干潟フォトコンテスト」の入選作品を3月29日まで展示しています。
【3月29日まで開催!】
実はこのコンテストは昨年10月に開催された「藤前干潟ふれあいデー」に連動するもので、渡り鳥のシーズンを迎える3月に、再び入選作品を展示して藤前干潟の魅力を伝えようと企画されました。
【あおなみ線名古屋駅構内にある「あおなみギャラリー」】
広く一般に募集した藤前干潟フォトコンテストのテーマは、藤前干潟で、ダイナミックな鳥の飛行風景あり、生命力あふれる底生生物の姿あり、と内容は多岐にわたっています。
もちろん名古屋自然保護官事務所の職員3名もコンテストに応募し、3点が展示されています。
【佐藤Rの「藤前干潟で、僕と握手」】
【野村ARの「夏のきらめき」】
佐藤Rは、巡視中に出あったカニのユーモラスな表情を、野村ARは、干潟の観察会での夏の一コマを、そして書いているわたしの写真はというと、それは会場でぜひお楽しみください。
そして写真を楽しんだ後は、写真の舞台となった藤前干潟へ。シャッターを切りたくなる瞬間に出会うはずです。
【藤前干潟に春のわたり鳥のシーズンがやってきました】
ハマシギの群舞を見たい。干潟で羽を休めるシギ・チドリを見たい。でもどうやって藤前干潟に行ったらいいのか、わからないという人が意外と多いようです。
鳥の楽園「藤前干潟」へは、自動車、電車、バスと様々な方法がありますが、おススメは、JR、名鉄、近鉄が乗り入れている名古屋駅から乗り換えなしで行ける「あおなみ線」。名古屋駅から9つ目の駅「野跡」で下車し、10分も歩けば到着です。
そんな藤前干潟への、玄関口ともいえる「あおなみ線」の名古屋駅構内にあるあおなみギャリーにて、すでに発表された「藤前干潟フォトコンテスト」の入選作品を3月29日まで展示しています。
【3月29日まで開催!】
実はこのコンテストは昨年10月に開催された「藤前干潟ふれあいデー」に連動するもので、渡り鳥のシーズンを迎える3月に、再び入選作品を展示して藤前干潟の魅力を伝えようと企画されました。
【あおなみ線名古屋駅構内にある「あおなみギャラリー」】
広く一般に募集した藤前干潟フォトコンテストのテーマは、藤前干潟で、ダイナミックな鳥の飛行風景あり、生命力あふれる底生生物の姿あり、と内容は多岐にわたっています。
もちろん名古屋自然保護官事務所の職員3名もコンテストに応募し、3点が展示されています。
【佐藤Rの「藤前干潟で、僕と握手」】
【野村ARの「夏のきらめき」】
佐藤Rは、巡視中に出あったカニのユーモラスな表情を、野村ARは、干潟の観察会での夏の一コマを、そして書いているわたしの写真はというと、それは会場でぜひお楽しみください。
そして写真を楽しんだ後は、写真の舞台となった藤前干潟へ。シャッターを切りたくなる瞬間に出会うはずです。
2012年01月31日冬の鳥たちと赤い実
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
今冬の気温は全国的に例年を下回る日が多いそうで、藤前干潟も寒い日が続いています。
今日は特に伊吹山から川を沿って下ってくる「伊吹おろし」が身にしみます。
【朝、霜が降りていました】
寒い日だと外に出るのも億劫になってしまうほどですが、
こんな日にも藤前干潟やその周辺には多くの鳥たちがいます。
稲永ビジターセンター周辺にはグミなどの実がなる木がたくさん生えており、
冬の間、これらの実を食べる鳥たちがたくさん訪れるのです。
こちらはちょうどお食事中のカワラヒワです。
(カワラヒワは稲永公園で年中見ることができます。)
【12月初旬にグミの実を食べるカワラヒワ。まだ赤い実がたくさんなっています。】
しかし、12月初めには木の枝という枝になっていたグミの実は
様々な鳥に食べられてしまい、いまやほとんどない状態に・・・。
そんなカワラヒワが今どうしているかというと、
下に落ちた実の破片を拾って食べていました。
【落ちているのもおいしい?!】
稲永ビジターセンターの周辺では、他にもこのような鳥たちが見られます。
【今回は干潟の鳥ではなく、野の鳥をご紹介しています。】
冬鳥のツグミを初め、メジロ、シジュウカラ、そしておなじみのスズメたち。
ツグミやメジロはよくグミやピラカンサといったの赤い実を食べていますよ。
そしてこんな寒い日々に、一生懸命生きるこれらの小さな生き物をみるにつけて
季節に応じて生きていく生き物のたくましさを感じます。
しかし、気が付けば間もなく立春・・・。
出勤途中に稲永公園付近でシデコブシの芽をみつけました。
藤前干潟周辺では、すでに春の足音も確実に聞こえているようです。
【フサフサの衣をまとっています。】
冬のバードウォッチングも楽しいですが、「春」が待ち遠しい日々です。
鳥たちも春を待っているでしょうか・・・。
今日は特に伊吹山から川を沿って下ってくる「伊吹おろし」が身にしみます。
【朝、霜が降りていました】
寒い日だと外に出るのも億劫になってしまうほどですが、
こんな日にも藤前干潟やその周辺には多くの鳥たちがいます。
稲永ビジターセンター周辺にはグミなどの実がなる木がたくさん生えており、
冬の間、これらの実を食べる鳥たちがたくさん訪れるのです。
こちらはちょうどお食事中のカワラヒワです。
(カワラヒワは稲永公園で年中見ることができます。)
【12月初旬にグミの実を食べるカワラヒワ。まだ赤い実がたくさんなっています。】
しかし、12月初めには木の枝という枝になっていたグミの実は
様々な鳥に食べられてしまい、いまやほとんどない状態に・・・。
そんなカワラヒワが今どうしているかというと、
下に落ちた実の破片を拾って食べていました。
【落ちているのもおいしい?!】
稲永ビジターセンターの周辺では、他にもこのような鳥たちが見られます。
【今回は干潟の鳥ではなく、野の鳥をご紹介しています。】
冬鳥のツグミを初め、メジロ、シジュウカラ、そしておなじみのスズメたち。
ツグミやメジロはよくグミやピラカンサといったの赤い実を食べていますよ。
そしてこんな寒い日々に、一生懸命生きるこれらの小さな生き物をみるにつけて
季節に応じて生きていく生き物のたくましさを感じます。
しかし、気が付けば間もなく立春・・・。
出勤途中に稲永公園付近でシデコブシの芽をみつけました。
藤前干潟周辺では、すでに春の足音も確実に聞こえているようです。
【フサフサの衣をまとっています。】
冬のバードウォッチングも楽しいですが、「春」が待ち遠しい日々です。
鳥たちも春を待っているでしょうか・・・。
2011年12月28日年の瀬の藤前干潟から
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
先月、アクティブレンジャー日記を更新してから随分寒くなりました。
名古屋は26日の朝に雪が積もり、最近は非常に寒いです。
また、稲永ビジターセンターから望む鈴鹿山脈や伊吹山は白く、冬本番を感じます。
【うっすらですが、南陽工場の後ろに雪山が見えます】
さて、いよいよ今年も終わりに近づいてきました。
今年の4月から藤前干潟のアクティブレンジャーとなり、
周りの皆さんのおかげで何とかここまでやってこられたことを感謝するとともに
来年はアクティブレンジャーとしてさらに成長できるよう
頑張りたいと思っているところです。
今年を思い返して、一番印象に残っている出来事は、
アクティブレンジャー日記でも開催予告をした、
「ふれあいデー2011」で行った「サイエンス・カフェ in 藤前干潟」です。
開催日当日(10月30日)はあいにくの雨でしたが、予想以上の方に来ていただき、
稲永ビジターセンターのレクチャー室はほぼ満席でした。
第一部は日本ワシタカ研究センター所長の中島京也さんによる
猛禽類の保護とお話でした。
藤前干潟に飛来するミサゴのお話もしていただき、
勉強になることばかりでした。
とても強くかっこいいイメージを持たれる猛禽類ですが、
食物連鎖の頂点に立つが故に、実はとっても弱い立場にいる生き物であると
いう中島さんの言葉がとても印象に残りました。
だからこそ、ミサゴにとっても魚が豊富な藤前干潟という場所が
重要なのだということも再認識できました。
【第一部の様子】
第二部は名古屋港水族館の飼育員である中嶋清徳さんによる
水族館と名古屋港の生き物のお話でした。
生きているクラゲやペンギンの卵(中身は空)などを見たり、
クイズ大会を行ったり・・・。
とても楽しいサイエンス・カフェになったと思います。
【第二部の様子】
参加された多くの方はサイエンス・カフェは初めての経験だったようですが、
普段の講演会とは違って、お茶(今回はウーロン茶を提供させていただきました)を飲みながら、
気楽に質問などもできて、有意義な時間を過ごしていただけたのではないかと思っています。
ゲストのお二方とファシリテーターの蓑田さん、
そしてこのサイエンス・カフェの開催に尽力いただいた皆さんに大変感謝しています。
私も大変楽しく、勉強させていただくことができました。
また、機会があれば、サイエンス・カフェ形式の講座を開き、
藤前干潟の魅力、おもしろさなどを伝えていけたら良いと思います。
【今、藤前干潟にはたくさんのカモたちがいます】
来年は藤前干潟が国の鳥獣保護区として指定されて、
そしてラムサール条約湿地として登録されて10年を迎える節目の年です。
生き物と人がつないできた藤前干潟の歴史を今後さらにつないでいくために何ができるのかを
多く考える年になればと思います。
【トリトンを望んで】
それでは、皆様良いお年をお迎えください。
名古屋は26日の朝に雪が積もり、最近は非常に寒いです。
また、稲永ビジターセンターから望む鈴鹿山脈や伊吹山は白く、冬本番を感じます。
【うっすらですが、南陽工場の後ろに雪山が見えます】
さて、いよいよ今年も終わりに近づいてきました。
今年の4月から藤前干潟のアクティブレンジャーとなり、
周りの皆さんのおかげで何とかここまでやってこられたことを感謝するとともに
来年はアクティブレンジャーとしてさらに成長できるよう
頑張りたいと思っているところです。
今年を思い返して、一番印象に残っている出来事は、
アクティブレンジャー日記でも開催予告をした、
「ふれあいデー2011」で行った「サイエンス・カフェ in 藤前干潟」です。
開催日当日(10月30日)はあいにくの雨でしたが、予想以上の方に来ていただき、
稲永ビジターセンターのレクチャー室はほぼ満席でした。
第一部は日本ワシタカ研究センター所長の中島京也さんによる
猛禽類の保護とお話でした。
藤前干潟に飛来するミサゴのお話もしていただき、
勉強になることばかりでした。
とても強くかっこいいイメージを持たれる猛禽類ですが、
食物連鎖の頂点に立つが故に、実はとっても弱い立場にいる生き物であると
いう中島さんの言葉がとても印象に残りました。
だからこそ、ミサゴにとっても魚が豊富な藤前干潟という場所が
重要なのだということも再認識できました。
【第一部の様子】
第二部は名古屋港水族館の飼育員である中嶋清徳さんによる
水族館と名古屋港の生き物のお話でした。
生きているクラゲやペンギンの卵(中身は空)などを見たり、
クイズ大会を行ったり・・・。
とても楽しいサイエンス・カフェになったと思います。
【第二部の様子】
参加された多くの方はサイエンス・カフェは初めての経験だったようですが、
普段の講演会とは違って、お茶(今回はウーロン茶を提供させていただきました)を飲みながら、
気楽に質問などもできて、有意義な時間を過ごしていただけたのではないかと思っています。
ゲストのお二方とファシリテーターの蓑田さん、
そしてこのサイエンス・カフェの開催に尽力いただいた皆さんに大変感謝しています。
私も大変楽しく、勉強させていただくことができました。
また、機会があれば、サイエンス・カフェ形式の講座を開き、
藤前干潟の魅力、おもしろさなどを伝えていけたら良いと思います。
【今、藤前干潟にはたくさんのカモたちがいます】
来年は藤前干潟が国の鳥獣保護区として指定されて、
そしてラムサール条約湿地として登録されて10年を迎える節目の年です。
生き物と人がつないできた藤前干潟の歴史を今後さらにつないでいくために何ができるのかを
多く考える年になればと思います。
【トリトンを望んで】
それでは、皆様良いお年をお迎えください。
2011年11月19日★記念日月間★ 11月18日
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
皆さん、こんにちは。
藤前干潟にある名古屋自然保護官事務所の
野村アクティブレンジャーです。
白山【山】と名古屋【干潟】、そして志摩【海】のそれぞれの記念日に合わせて
アクティブレンジャー日記を更新していく記念日月間リレーの
第二走者をつとめます。
11月12日の「白山国立公園指定日」に続いて、
11月18日は藤前干潟のとある記念日です。
藤前干潟は国立公園ではないので、国立公園指定日ではありません。
それでは、何の記念日かというと・・・、
藤前干潟が「ラムサール条約」に登録された日なのです。
藤前干潟は国指定鳥獣保護区であり、その一部がさらにラムサール条約湿地に登録され、
保全されている場所です。
【ラムサール条約湿地登録の記念碑】
ラムサール条約は正式名称を、
「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と言います。
藤前干潟は、干潟の生き物を餌とする渡り鳥が非常にたくさんやってくる
日本有数の湿地です。
渡り鳥の中には12,000㎞もの長距離を移動するものもいます。
そんな渡り鳥たちにとって、渡りの中継地となる藤前干潟の存在は
大変重要なのです。
しかし、藤前干潟は皆さんの想像しているような大自然を感じることのできる場所では
ないかもしれません。
皆さん、自然というと深い森や青い海が広がっている風景を想像しませんか?
藤前干潟の周辺は工業地帯で、緑は少ないですし、
青く透き通った海が見られるわけでもありません。
先に紹介のあった白山のように色鮮やかな花をつける高山植物が
見られるというわけでもありません。
生き物の宝庫である干潟は灰色をしていて、干潟の生き物たちの色も一見地味な印象です。
【藤前干潟の生き物たち】
(※じっくり見ると生き物たちはとっても魅力的で、干潟はとってもおもしろい場所です!)
でも、この工業地帯の真ん中にあることが藤前干潟の何よりの特徴、魅力、
そして存在意義だと私は思います。
それは、藤前干潟が守られてきた歴史に理由があります。
かつて伊勢湾最奥部にあった広大な干潟の中で
1960年以降の大規模な開発で埋め立てされずに唯一残った藤前干潟。
しかし、1981年にこの最後に残った藤前干潟を埋め立てるという計画が
持ち上がりました。
私たちの出すゴミを捨てる埋め立て処分場とするために・・・。
しかし、市民らの反対運動の結果、1999年、この埋め立て計画は中止され、
2002年11月1日に国指定鳥獣保護区に、
同年の11月18日にラムサール条約湿地に登録され、
藤前干潟は将来に渡って保全されることになったのです。
【記念碑にある認定証】
また、こんなに都会に近く、工業地帯の隙間にある藤前干潟だからこそ、
訪れた人に感じてもらえることがたくさんあると思います。
「こんな場所にもこんなにたくさんの生き物がいるんだ!」という驚きを得ると同時に、
川の上流から流れてくる排水やゴミの問題を実際に見て、
私たちの生活と自然が繋がっていることを実感できる場所だと思います。
そして、白山の世良アクティブレンジャーも白山に携わる人々に思いを馳せていましたが、
私も藤前干潟に携わっている人の思いを日々感じながら業務にあたっています。
様々な観点から藤前干潟で活動している人、訪れる人、見守っている人がいます。
藤前干潟の日(11月18日)を記念して先日開催した「藤前干潟ふれあいデー」では、
延べ6,300人もの方の来場がありました。
また、11月12日に行われた藤前干潟のゴミ清掃活動であるクリーン大作戦には
1,500人もの市民の方が参加し、汗を流しました。
都会に近い場所だからこそ、訪れ、関わる人が格段に多いのも
藤前干潟の特徴だと思います。
11月18日の今日、藤前干潟はとっても穏やかです。
冬鳥であるカモが水上で羽繕いをしたり、採餌したりしているのが観察できます。
藤前干潟で過ごす彼らの姿を見ながら、人と自然との共存の難しさを思うとともに、
来年でラムサール条約湿地登録から10年という節目を迎える藤前干潟の
自然と関わる人々の思い、活動が今後も続いていくことを願ってやみません。
それでは、この藤前干潟と伊勢湾を通してつながっている
志摩の村松アクティブレンジャーにバトンを渡したいと思います。
村松アクティブレンジャー、よろしくお願いしま~す!
(※11月19日のアップになりましたが、11月18日に執筆しています。)
藤前干潟にある名古屋自然保護官事務所の
野村アクティブレンジャーです。
白山【山】と名古屋【干潟】、そして志摩【海】のそれぞれの記念日に合わせて
アクティブレンジャー日記を更新していく記念日月間リレーの
第二走者をつとめます。
11月12日の「白山国立公園指定日」に続いて、
11月18日は藤前干潟のとある記念日です。
藤前干潟は国立公園ではないので、国立公園指定日ではありません。
それでは、何の記念日かというと・・・、
藤前干潟が「ラムサール条約」に登録された日なのです。
藤前干潟は国指定鳥獣保護区であり、その一部がさらにラムサール条約湿地に登録され、
保全されている場所です。
【ラムサール条約湿地登録の記念碑】
ラムサール条約は正式名称を、
「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と言います。
藤前干潟は、干潟の生き物を餌とする渡り鳥が非常にたくさんやってくる
日本有数の湿地です。
渡り鳥の中には12,000㎞もの長距離を移動するものもいます。
そんな渡り鳥たちにとって、渡りの中継地となる藤前干潟の存在は
大変重要なのです。
しかし、藤前干潟は皆さんの想像しているような大自然を感じることのできる場所では
ないかもしれません。
皆さん、自然というと深い森や青い海が広がっている風景を想像しませんか?
藤前干潟の周辺は工業地帯で、緑は少ないですし、
青く透き通った海が見られるわけでもありません。
先に紹介のあった白山のように色鮮やかな花をつける高山植物が
見られるというわけでもありません。
生き物の宝庫である干潟は灰色をしていて、干潟の生き物たちの色も一見地味な印象です。
【藤前干潟の生き物たち】
(※じっくり見ると生き物たちはとっても魅力的で、干潟はとってもおもしろい場所です!)
でも、この工業地帯の真ん中にあることが藤前干潟の何よりの特徴、魅力、
そして存在意義だと私は思います。
それは、藤前干潟が守られてきた歴史に理由があります。
かつて伊勢湾最奥部にあった広大な干潟の中で
1960年以降の大規模な開発で埋め立てされずに唯一残った藤前干潟。
しかし、1981年にこの最後に残った藤前干潟を埋め立てるという計画が
持ち上がりました。
私たちの出すゴミを捨てる埋め立て処分場とするために・・・。
しかし、市民らの反対運動の結果、1999年、この埋め立て計画は中止され、
2002年11月1日に国指定鳥獣保護区に、
同年の11月18日にラムサール条約湿地に登録され、
藤前干潟は将来に渡って保全されることになったのです。
【記念碑にある認定証】
また、こんなに都会に近く、工業地帯の隙間にある藤前干潟だからこそ、
訪れた人に感じてもらえることがたくさんあると思います。
「こんな場所にもこんなにたくさんの生き物がいるんだ!」という驚きを得ると同時に、
川の上流から流れてくる排水やゴミの問題を実際に見て、
私たちの生活と自然が繋がっていることを実感できる場所だと思います。
そして、白山の世良アクティブレンジャーも白山に携わる人々に思いを馳せていましたが、
私も藤前干潟に携わっている人の思いを日々感じながら業務にあたっています。
様々な観点から藤前干潟で活動している人、訪れる人、見守っている人がいます。
藤前干潟の日(11月18日)を記念して先日開催した「藤前干潟ふれあいデー」では、
延べ6,300人もの方の来場がありました。
また、11月12日に行われた藤前干潟のゴミ清掃活動であるクリーン大作戦には
1,500人もの市民の方が参加し、汗を流しました。
都会に近い場所だからこそ、訪れ、関わる人が格段に多いのも
藤前干潟の特徴だと思います。
11月18日の今日、藤前干潟はとっても穏やかです。
冬鳥であるカモが水上で羽繕いをしたり、採餌したりしているのが観察できます。
藤前干潟で過ごす彼らの姿を見ながら、人と自然との共存の難しさを思うとともに、
来年でラムサール条約湿地登録から10年という節目を迎える藤前干潟の
自然と関わる人々の思い、活動が今後も続いていくことを願ってやみません。
それでは、この藤前干潟と伊勢湾を通してつながっている
志摩の村松アクティブレンジャーにバトンを渡したいと思います。
村松アクティブレンジャー、よろしくお願いしま~す!
(※11月19日のアップになりましたが、11月18日に執筆しています。)
2011年10月21日あと一週間!!
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
今、藤前干潟は何やら落ち着かない気分に包まれています。
それは、前回のAR日記でお知らせしました「藤前干潟ふれあいデー」が
一週間後の10月29日(土)、30日(日)に迫っているからなのです。
【↑藤前干潟ふれあいデー2011の案内】
一昨日には、29日10時から行うオープニングイベントの中で
踊りと歌を披露してくれる名古屋市立港西保育園の園児さんたちが
稲永ビジターセンターにリハーサルに来てくれました。
踊りは既にばっちりで、ふれあいデー当日にはより元気な踊りを見せてくれるはずです。
園児さんたちのかわいい姿を見に来てくださいね!
(※オープニングイベントは稲永ビジターセンターで行います。)
また、ふれあいデーに合わせて行われたフォトコンテストの応募作品が
稲永ビジターセンターの隣の名古屋市野鳥観察館(2階)で展示されています。
力作揃いの写真展となっていますので、皆さん、足をお運びください。
(※展示期間:10月7日(金)~11月6日(日))
【↑藤前干潟の新たな一面に気づけるかもしれません。】
この他にもふれあいデーの準備が着々と行われていますが、
私が大きな期待を抱きながら準備しているのが、
藤前干潟で初めて行う「サイエンス・カフェ in 藤前干潟」です。
【↑会場となるレクチャー室(稲永ビジターセンター)】
いろんな方の助けを受けながら、目下準備に励んでおります。
楽しい「サイエンス・カフェ」を目指していますので、
皆さんぜひお越しくださいね。(※申込み・参加費は不要です。)
「サイエンス・カフェ in 藤前干潟」の詳細はこちら↓。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
開催日時:10月30日(日)
【第1部】10:30~11:30
「ワシ・タカ・ハヤブサ~猛禽類の魅力と保護・救護技術の最前線!~」
ゲスト:中島京也氏(日本ワシタカ研究センター所長)
【第2部】13:30~14:30
「水族館職員が語る!名古屋港の生き物との出会いかた
~プランクトンからペンギンまで~」
ゲスト:中嶋清徳氏(名古屋港水族館職員)
【ファシリテーター】蓑田裕美氏(国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ、WEcafe事務局代表)
開催場所:稲永ビジターセンター 1階 レクチャー室
対象:中高生から一般
参加費:無料
お問い合わせ:名古屋自然保護官事務所 (TEL:052-389-2877)
主催:「藤前干潟ふれあいデー」実行委員会
※事前申し込み不要※
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
ふれあいデー当日は混雑が予想されますので、ご来場には
公共交通機関をお使いください。
アクセス方法はコチラ(↓)をご覧ください。
http://c-chubu.env.go.jp/wildlife/fujimae/access/index.html
当日の公共交通機関の時刻表はコチラ(↓)です。
たくさんの方のご来場お待ちしております!!
それは、前回のAR日記でお知らせしました「藤前干潟ふれあいデー」が
一週間後の10月29日(土)、30日(日)に迫っているからなのです。
【↑藤前干潟ふれあいデー2011の案内】
一昨日には、29日10時から行うオープニングイベントの中で
踊りと歌を披露してくれる名古屋市立港西保育園の園児さんたちが
稲永ビジターセンターにリハーサルに来てくれました。
踊りは既にばっちりで、ふれあいデー当日にはより元気な踊りを見せてくれるはずです。
園児さんたちのかわいい姿を見に来てくださいね!
(※オープニングイベントは稲永ビジターセンターで行います。)
また、ふれあいデーに合わせて行われたフォトコンテストの応募作品が
稲永ビジターセンターの隣の名古屋市野鳥観察館(2階)で展示されています。
力作揃いの写真展となっていますので、皆さん、足をお運びください。
(※展示期間:10月7日(金)~11月6日(日))
【↑藤前干潟の新たな一面に気づけるかもしれません。】
この他にもふれあいデーの準備が着々と行われていますが、
私が大きな期待を抱きながら準備しているのが、
藤前干潟で初めて行う「サイエンス・カフェ in 藤前干潟」です。
【↑会場となるレクチャー室(稲永ビジターセンター)】
いろんな方の助けを受けながら、目下準備に励んでおります。
楽しい「サイエンス・カフェ」を目指していますので、
皆さんぜひお越しくださいね。(※申込み・参加費は不要です。)
「サイエンス・カフェ in 藤前干潟」の詳細はこちら↓。
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開催日時:10月30日(日)
【第1部】10:30~11:30
「ワシ・タカ・ハヤブサ~猛禽類の魅力と保護・救護技術の最前線!~」
ゲスト:中島京也氏(日本ワシタカ研究センター所長)
【第2部】13:30~14:30
「水族館職員が語る!名古屋港の生き物との出会いかた
~プランクトンからペンギンまで~」
ゲスト:中嶋清徳氏(名古屋港水族館職員)
【ファシリテーター】蓑田裕美氏(国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ、WEcafe事務局代表)
開催場所:稲永ビジターセンター 1階 レクチャー室
対象:中高生から一般
参加費:無料
お問い合わせ:名古屋自然保護官事務所 (TEL:052-389-2877)
主催:「藤前干潟ふれあいデー」実行委員会
※事前申し込み不要※
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
ふれあいデー当日は混雑が予想されますので、ご来場には
公共交通機関をお使いください。
アクセス方法はコチラ(↓)をご覧ください。
http://c-chubu.env.go.jp/wildlife/fujimae/access/index.html
当日の公共交通機関の時刻表はコチラ(↓)です。
たくさんの方のご来場お待ちしております!!
2011年10月21日都会と自然のはざまで
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 玉津佐知子
俳句の秋の季語に「初鴨」があるが、藤前干潟でもカルガモをはじめ、さまざまなカモが見られるようになった。
満潮時、カモがたゆたう姿は見ていて微笑ましい。秋が来たことを実感する瞬間でもある。
【稲永公園内にある名古屋自然保護官事務所周辺の木々も色づきはじめた】
【稲永公園でみつけたコテングタケモドキ。実は菌(キノコ)も秋の季語となっている】
今からちょうど1年前の秋、愛知県名古屋市でCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が開催された。その時、里山里海という言葉が新聞の見出しを飾った。
里は、大自然に対して人が住むところをさし、都市に対して田舎という意味もある。つまり山や海、大自然と都市の中間に位置するが里山里海というわけだ。自然と人の交差点と言い換えられるかもしれない。
わたしにとって一番身近な(個人的に思う)里山里海は、勤務地でもある藤前干潟だ。
【新東名高速道路と新名神高速道路をつなぐ伊勢湾岸道路】
北に名古屋市と中京工業地帯を代表する工業都市四日市市を結ぶ国道23号線、南に新東名高速道路と新名神高速道路をつなぐ伊勢湾岸道路(名港西大橋)という新旧の交通の大動脈の間に位置する藤前干潟は、名古屋市唯一の里海だと思う。
【都会と自然のはざまにある藤前干潟】
お昼休みにわたしのお気に入りに場所、庄内川沿い河口にある干潟に行くと、いつもカニやハゼといった底生生物が迎えてくれる。最初は人の気配に驚き干潟の巣穴や岩の合間に身を隠すのだが、息をひそめていると、そっと外を伺い、住み家からぞろぞろと這い出してくる。
【コンクリートの隙間は、絶好の隠れ家だ!クロベンケイガニ】
【カニに比べるとなかなか会うことができないトビハゼ】
「ひっかかったな」と、さらに息をひそめていると、カニは足で泥をすくっては口に運び、ハゼは胸ビレを使って干潟をはい回り、何か感じるものがあったのかジャンプをして、驚かせてくれる。
命を謳歌しているようにみえる底生生物だが、渡り鳥や大きな魚に食べられる危険をはらんでいる。命のリレーと言ってしまえばそれまでだが、一生懸命なだけに少し胸が痛む。
愛知県名古屋市では、報道によるとCOP10以降、生物多様性が浸透しつつあるとのことだが、大自然の中だけでなく、都会と自然のはざまで命の限りに生きる小さな生き物がいることをこれからも伝えていきたいと思った。
満潮時、カモがたゆたう姿は見ていて微笑ましい。秋が来たことを実感する瞬間でもある。
【稲永公園内にある名古屋自然保護官事務所周辺の木々も色づきはじめた】
【稲永公園でみつけたコテングタケモドキ。実は菌(キノコ)も秋の季語となっている】
今からちょうど1年前の秋、愛知県名古屋市でCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が開催された。その時、里山里海という言葉が新聞の見出しを飾った。
里は、大自然に対して人が住むところをさし、都市に対して田舎という意味もある。つまり山や海、大自然と都市の中間に位置するが里山里海というわけだ。自然と人の交差点と言い換えられるかもしれない。
わたしにとって一番身近な(個人的に思う)里山里海は、勤務地でもある藤前干潟だ。
【新東名高速道路と新名神高速道路をつなぐ伊勢湾岸道路】
北に名古屋市と中京工業地帯を代表する工業都市四日市市を結ぶ国道23号線、南に新東名高速道路と新名神高速道路をつなぐ伊勢湾岸道路(名港西大橋)という新旧の交通の大動脈の間に位置する藤前干潟は、名古屋市唯一の里海だと思う。
【都会と自然のはざまにある藤前干潟】
お昼休みにわたしのお気に入りに場所、庄内川沿い河口にある干潟に行くと、いつもカニやハゼといった底生生物が迎えてくれる。最初は人の気配に驚き干潟の巣穴や岩の合間に身を隠すのだが、息をひそめていると、そっと外を伺い、住み家からぞろぞろと這い出してくる。
【コンクリートの隙間は、絶好の隠れ家だ!クロベンケイガニ】
【カニに比べるとなかなか会うことができないトビハゼ】
「ひっかかったな」と、さらに息をひそめていると、カニは足で泥をすくっては口に運び、ハゼは胸ビレを使って干潟をはい回り、何か感じるものがあったのかジャンプをして、驚かせてくれる。
命を謳歌しているようにみえる底生生物だが、渡り鳥や大きな魚に食べられる危険をはらんでいる。命のリレーと言ってしまえばそれまでだが、一生懸命なだけに少し胸が痛む。
愛知県名古屋市では、報道によるとCOP10以降、生物多様性が浸透しつつあるとのことだが、大自然の中だけでなく、都会と自然のはざまで命の限りに生きる小さな生き物がいることをこれからも伝えていきたいと思った。
2011年09月30日「サイエンス・カフェ in 藤前干潟」を実施します!
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
すっかり秋めいてきましたね。
渡り鳥であるシギ・チドリの飛来が段々と増え、夜は虫の音が賑やかとなり、
藤前干潟にも徐々に秋が訪れているのを感じます。
【名港西大橋を臨んで。空が高くなりました。】
また、秋の藤前干潟のイベントといえば「藤前干潟ふれあいデー」です。
藤前干潟がラムサール条約に登録された11月18日を記念して毎年行われる
藤前干潟最大のイベントです!!
今年は藤前干潟ふれあいデーは10月29日(土)・30日(日)に実施されます。
例年好評のバードウォッチングや生き物観察会、地元野菜の販売、箸づくり、
凧づくりなど、今年も魅力的なイベントが盛りだくさんです。
詳細はコチラをご覧ください(↓)。
http://www.city.nagoya.jp/kankyo/page/0000028412.html
そして、この藤前干潟ふれあいデーで、今回初めての試みとして実施するのが
「サイエンス・カフェ in 藤前干潟」です!
【玉津ARの作成したチラシです!】
私たち、名古屋自然保護官事務所が今年度初めから温めてきた企画で、
目下、ゲストや打ち合わせや広報など忙しく準備をしているところです。
(※主催は「藤前干潟ふれあいデー」実行委員会)
ところで、サイエンス・カフェって何?と思われる方も多いかと思います。
サイエンス・カフェとは、科学(自然含む)に関する専門家を招き、
お茶を飲めるカフェのような雰囲気の中で科学を語り合う場のことです。
ファシリテーター(進行役)を参加者と専門家の間におき、
参加者から質問や意見を引き出すことにより、
より科学を身近に感じ、より興味を持ってもらうことを目的に、
近年様々な場所で開催されています。
今回のサイエンス・カフェは藤前干潟にも生息する生き物の専門家を
2人お招きして、それぞれの生き物の魅力・現状を伺うとともに、
参加者のみなさんと藤前干潟を始めとする自然、生き物との共生についての
思いを語る場としたいと思っています。
一人目のゲストは、猛禽類の専門家である
日本ワシタカ研究センター所長の中島京也さん。
猛禽類の研究、生息地の保全、鷹狩の技術を用いたワシタカの保護などの
活動を行ってみえます。
これらの活動と藤前干潟にやってくるミサゴなどの
猛禽類のお話をしていただきます。
【藤前干潟に頻繁に飛来する猛禽類であるミサゴ】
二人目のゲストは、名古屋港水族館職員の中嶋清徳さん。
名古屋港水族館の飼育員さんで、もちろん海の生き物全般にお詳しいのですが、
名古屋周辺の干潟や海、川の生き物に特別関心を持ってみえます。
水族館の飼育員さんの視点からみた海、干潟の生き物等について語っていただきます。
【名古屋港水族館(左上)と干潟の生き物(左下:ヤマトオサガニ、右上:ヤマトシジミ、右下:アナジャコ)】
そして、この生き物の専門家と参加者をつなぐファシリテータ役に
国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータの蓑田裕美さんをお迎えします。
数々のサイエンス・カフェの進行を経験してみえるだけでなく、
大変明るく、楽しい方です!
サイエンス・カフェは講演会とは違って肩肘張らずに
参加いただけるイベントです。
「ワシとタカって何が違うの?」
「藤前干潟には猛禽類がいるの?」
「名古屋港、藤前干潟にはどんな生き物がいるの?」
「名古屋港でペンギンって??」
こんな初心者的な質問も大歓迎です。お気軽にご参加くださいね!
詳細は上のチラシ、もしくはコチラをご覧ください(↓)。
http://aichi-science.jp/events/single/298
(あいちサイエンスフェスティバルに登録しています。)
渡り鳥であるシギ・チドリの飛来が段々と増え、夜は虫の音が賑やかとなり、
藤前干潟にも徐々に秋が訪れているのを感じます。
【名港西大橋を臨んで。空が高くなりました。】
また、秋の藤前干潟のイベントといえば「藤前干潟ふれあいデー」です。
藤前干潟がラムサール条約に登録された11月18日を記念して毎年行われる
藤前干潟最大のイベントです!!
今年は藤前干潟ふれあいデーは10月29日(土)・30日(日)に実施されます。
例年好評のバードウォッチングや生き物観察会、地元野菜の販売、箸づくり、
凧づくりなど、今年も魅力的なイベントが盛りだくさんです。
詳細はコチラをご覧ください(↓)。
http://www.city.nagoya.jp/kankyo/page/0000028412.html
そして、この藤前干潟ふれあいデーで、今回初めての試みとして実施するのが
「サイエンス・カフェ in 藤前干潟」です!
【玉津ARの作成したチラシです!】
私たち、名古屋自然保護官事務所が今年度初めから温めてきた企画で、
目下、ゲストや打ち合わせや広報など忙しく準備をしているところです。
(※主催は「藤前干潟ふれあいデー」実行委員会)
ところで、サイエンス・カフェって何?と思われる方も多いかと思います。
サイエンス・カフェとは、科学(自然含む)に関する専門家を招き、
お茶を飲めるカフェのような雰囲気の中で科学を語り合う場のことです。
ファシリテーター(進行役)を参加者と専門家の間におき、
参加者から質問や意見を引き出すことにより、
より科学を身近に感じ、より興味を持ってもらうことを目的に、
近年様々な場所で開催されています。
今回のサイエンス・カフェは藤前干潟にも生息する生き物の専門家を
2人お招きして、それぞれの生き物の魅力・現状を伺うとともに、
参加者のみなさんと藤前干潟を始めとする自然、生き物との共生についての
思いを語る場としたいと思っています。
一人目のゲストは、猛禽類の専門家である
日本ワシタカ研究センター所長の中島京也さん。
猛禽類の研究、生息地の保全、鷹狩の技術を用いたワシタカの保護などの
活動を行ってみえます。
これらの活動と藤前干潟にやってくるミサゴなどの
猛禽類のお話をしていただきます。
【藤前干潟に頻繁に飛来する猛禽類であるミサゴ】
二人目のゲストは、名古屋港水族館職員の中嶋清徳さん。
名古屋港水族館の飼育員さんで、もちろん海の生き物全般にお詳しいのですが、
名古屋周辺の干潟や海、川の生き物に特別関心を持ってみえます。
水族館の飼育員さんの視点からみた海、干潟の生き物等について語っていただきます。
【名古屋港水族館(左上)と干潟の生き物(左下:ヤマトオサガニ、右上:ヤマトシジミ、右下:アナジャコ)】
そして、この生き物の専門家と参加者をつなぐファシリテータ役に
国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータの蓑田裕美さんをお迎えします。
数々のサイエンス・カフェの進行を経験してみえるだけでなく、
大変明るく、楽しい方です!
サイエンス・カフェは講演会とは違って肩肘張らずに
参加いただけるイベントです。
「ワシとタカって何が違うの?」
「藤前干潟には猛禽類がいるの?」
「名古屋港、藤前干潟にはどんな生き物がいるの?」
「名古屋港でペンギンって??」
こんな初心者的な質問も大歓迎です。お気軽にご参加くださいね!
詳細は上のチラシ、もしくはコチラをご覧ください(↓)。
http://aichi-science.jp/events/single/298
(あいちサイエンスフェスティバルに登録しています。)
しかし、藤前干潟には確実に春が来ています。
冬の間は昼間にほとんど見ることができなかった干潟ですが、
広大な干潟が見られる時期になりました。
【藤前活動センター前の堤防から望んだ藤前干潟】
そして干潟の上にはトビハゼや多くのヤマトオサガニが出てきていています。
また、カンムリカイツブリは冬羽から夏羽に換羽をして、
全体的に鮮やかな色になり、きれいな顔の飾り羽も生えていました。
さらに、飛島干潟(名古屋港にある干潟のひとつ)へも行ってみたところ、
様々な生き物や、生き物が生息している痕跡を観察することができました。
【飛島干潟の様子】
大きく現れた飛島干潟の上には多くの環境省のレッドリストの準絶滅危惧種に指定されているフトヘナタリ、
干潟にしか生息できないカワザンショウガイといった巻き貝や、カニが見られました。
他に飛島干潟の水際にはのんびりと休んだり採餌したりするハシビロガモの群れ、
飛島干潟にあるヨシ原にはヨシの茎につく虫を食べているオオジュリンに出会えました。
暖かくなり、活発に活動を始めた様々な生き物に会えるのは嬉しいことです。
春に藤前干潟に訪れるホウロクシギが、昨日藤前干潟で確認されたという情報も入ってきて、
個人的には小躍りしたいくらいでした。
一方で、藤前干潟で越冬していたカモたちは徐々に北へ渡っており、
オナガガモやスズガモなどはかなり数が少なくなってきています。
生き物に関しても春は出会いと別れの季節だと実感する日々です。
とにもかくにも、稲永公園の桜が咲く春本番はもうすぐです。
シギなどの渡り鳥たちもたくさん訪れるはずです。
春の藤前干潟にもぜひお越しください!
【稲永公園の桜の開花は間もなくです!】