国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋
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2015年06月23日藤前干潟を飛び出して・・・
国指定藤前干潟鳥獣保護区 西部理恵
早いもので、気づくともう6月半ば。
藤前干潟はというと、
疲れを癒やした渡り鳥たちがどんどん旅立ち、
今は、ちょっぴり寂しくなって来ました。
これからの季節は、鳥たちにかわって私たちが干潟でのひとときを楽しむ番です。
さて、私たちアクティブ・レンジャーは、
そんなちょっと寂しい藤前干潟を飛び出して、
最近は、「出前講座」に飛び回っています。
出前講座では、藤前干潟の生き物や環境の話だけでなく、
どうやって藤前干潟が守られてきたのか、といった歴史など、
依頼内容に沿ってお話をしています。
私たちが出前講座を行った時の様子は、
詳しくご覧頂けます。
名古屋市内の小中学校はもちろん、近隣市町村の教育機関や団体、勉強会など、
年中どこでも、藤前干潟のお話をするために参上します!
興味をお持ちの方は、ぜひ名古屋自然保護官事務所までお問い合わせください。
2015年05月28日初夏の藤前干潟
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
昨日の名古屋は30度を超え、早くも夏日となりました。
まだ5月末とは思えないような暑さにぐったりです。
【ハマヒルガオが咲きました】
しかし、干潟のベストシーズンである5月前半は、
さわやかに晴れる日もあり、
休日には家族連れやバードウォッチャーが、
平日には校外学習などで小学生の団体が訪れ、
藤前干潟周辺は賑わいを見せていました。
【潮だまり観察会】
【愛鳥週間(5/10~5/16)にあわせて開催されたバードウォッチング】
前回のAR日記でご案内した5月9日開催のコアジサシ講演会には
60名余りの方が参加され、熱心にコアジサシの話を聞いていました。
5月末の現在、シギやチドリなどの春の渡り鳥たちは
ほとんどが北へ渡ってしまい、干潟は少し寂しくなりました。
【5月半ばに撮影したキアシシギ】
しかし、これからは干潟の上のカニたちが主役の季節です。
観察会などは6月以降も行われますので、暑さ対策を万全にして、
ぜひ、藤前干潟へお越しください!
2015年05月08日干潟で模様探し!
国指定藤前干潟鳥獣保護区 西部理恵
みなさん、こんにちは。
アクティブレンジャーの西部です!
GWはリフレッシュされましたか?
お天気に恵まれたGWだったので、潮干狩りに行かれた方も多かったのではないでしょうか?
4月は雨が多くどんよりした日が続いたので、
干潟に入る機会がなかなか来ませんでしたが、
なんとか時間を作って干潟に入った時に面白いものを見つけました。
これです。
ただの干潟の写真じゃんっ!
と思った方、それは、、、正解です!正解なんですが!
これは干潟ならではの模様を写したものなんですよ。
表面が波打って模様が出来ているのがわかりますか?
クリックすると大きな画像が見られると思います。
これは干潟が海水の満ち引きによって影響される場、であることを示しています。
海水の動きによって出来る波の模様、リップルと言います。
一方向の流れの時はカレントリップル、波が寄せては返す往復運動の時はウェーブリップル、
と呼んでいますが、動きの性質によって出来る模様が違ってきます。
とても綺麗に模様が出来るので、干潟に遊びにいったらぜひ表面の凸凹にも注目してみてください。
さて、お次の写真は、これ。
わかりますか??
やっぱり同じ干潟の泥?!
いえいえ、よーく見てください。
3本線と1本線の組み合わせ(下絵)、もうわかりましたね?
鳥の足跡です。
私は鳥の専門家ではないので、残念ながら足跡だけでは鳥の名前は当てられませんが、、、
泥状の干潟なので、鳥の足跡もクッキリ残るんですね!
足跡以外にも穴がポツポツと見えますが、これも干潟に良く見られる現象です。
穴があったら、掘ってみよう!
この日、見つけたのはシジミでした!!
潮干狩りももちろん楽しいのですが、
今度はちょっと目線を変えてこんな干潟の模様探しをしてみてはどうでしょうか?
5月に入り、スカッとはれる日も多くなりました。
ビジターセンターのある稲永公園もとても気持ちが良いですよ。
ぜひ、遊びにいらしてください!
2015年04月30日今年もやってきました、コアジサシ!
国指定藤前干潟鳥獣保護区 アクティブレンジャー野村 朋子
早いもので今日で4月も終わりです。
今日の藤前干潟は青空も見え、さわやかな風が吹き、
とても気持ちが良いです。
干潟には、チュウシャクシギ、オオソリハシシギ、キョウジョシギなどの
春の渡り鳥たちが訪れています。
さらに、夏鳥であるコアジサシも干潟にやってきて、
魚を捕るために、盛んに水面にダイブする姿が見られます。
毎年、このAR日記でもコアジサシについて取り上げていますが、
このコアジサシ、初夏に藤前干潟にやってきて干潟周辺の砂利地で子育てを行います。
黒いマスクを被ったようなキリッとしたその顔から、
ファンの多い鳥でもあります。
しかし、近年、子育てをする砂利地が開発などで少なくなっており、
コアジサシの飛来数が減っているのです。
現在、コアジサシの繁殖地を確保するため、
様々な関係者で話合いなども行われています。
さらに、そんなコアジサシのことを皆さんに知ってもらうべく、
5月9日(土)にコアジサシの講演会が開かれます。
東京でコアジサシの保全を行っている方を講師にお招きして
お話しを伺います。
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「藤前干潟ふれあいトーク 渡り鳥コアジサシについて学ぶ」
日時:平成27年5月9日(土)14:00~16:00
場所:稲永ビジターセンター(名古屋市港区野跡4-11-2)
講師:北村亘さん(NPO法人リトルターン・プロジェクト)
定員:当日先着60名
主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会
問合せ先:TEL:052-972-2622
藤前干潟ふれあい事業実行委員会事務局(名古屋市環境局環境活動推進課)
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藤前干潟は5月中頃までシギ・チドリなどの渡り鳥も見られ、
本当に良い季節です。
ぜひ、この機会に藤前干潟にお越しください!
(5月9日には「渡り鳥調査隊」も野鳥観察館で行われます。)
この他にも藤前干潟では様々な団体がイベントを行います。
詳細はこちら(↓)をご覧ください。
2015年04月14日着任のご挨拶
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 西部理恵
はじめまして。
4月1日より藤前干潟のアクティブレンジャーとして着任いたしました西部 理恵(にしぶ りえ)です。
幼少期は海のない県、岐阜県で育ち、水辺といえばもっぱら長良川河畔のことでした。
あまり海を知らないまま大学では海について学ぶことになりましたが、川とは全く違う海の広さに感動したのを覚えています。
特に、満ちている時と引いている時の、風景がダイナミックに変化する干潟は、いつ見ても飽きることがありません。
実は、私は名古屋に干潟が残っていることを最近になるまで知りませんでした。始めて訪れた時には、この名古屋港にこんな干潟が残されていたんだ!と本当に驚きました。
まだ着任したばかりですが、今後は前任の上野さんが残された仕事を引き継ぎながら、さらに発展させて自分らしい活動をしていけたらと思っています。
ぜひ藤前干潟に遊びに来てくださいね!
2015年03月30日開館10周年を迎えました!
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
日差しが暖かくなり、稲永公園の桜がきれいに咲いています。
また、晴れた日は干潟にカニが見られるようになりました。
まだまだ寒い、寒いと思っていましたが、
いつの間にやら春が今年も訪れています。
さて、そんな春うららかな3月27日、
藤前干潟はある記念日を迎えていました。
3月27日は藤前干潟を学習する施設である
稲永ビジターセンターと藤前活動センターが開館した日でした。
さらに、両施設は今年で「開館10周年」を迎えました!
10年前の2005年3月27日が両施設の開館日なのですが、
2005年はセントレアの開港、愛知万博の開催など、様々なことがあった年です。
それから10年、学校や企業、各地で活動している団体など多くの方々に来館いただきました。
その数、両施設で延べ60万人余り。
ときには、外国から鳥を見に来たり、藤前干潟のことを学びに来る方もみえました。
今後も、たくさんの方に施設を利用いただき、
少しでも藤前干潟のおもしろさや大切さを知ってもらいたいと思っています。
季節は春まっただ中です。
これから、藤前干潟は一年の中で一番良い季節を迎えます。
干潟を代表する渡り鳥であるシギ・チドリが春の渡りで藤前干潟を訪れます。
もう少し暖かくなると干潟の中の生きものが活発に動き始めます。
最も広大な干潟が昼間に見られる時期でもあります。
ぜひ、開館10周年を迎えた稲永ビジターセンターと藤前活動センターに来て、
そんな生きもの豊かな藤前干潟を体感してほしいと思います!
観察会などのイベント予定はコチラ(↓)でチェックしてみてください。
藤前干潟でお待ちしています。
2015年03月02日干潟のモニタリング調査を実施しました。
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一
藤前干潟は、渡り鳥の飛来地として有名であり、
これまで鳥類に関する調査は数多く実施されています。
しかし、鳥類の餌となるゴカイやカニなど干潟に住む
生物について調査した事例は少なく、有用なデータが
ほとんど無い状況です。
そこで名古屋自然保護官事務所では、約3年前より
毎月1回、藤前干潟の2箇所で底生生物(カニやゴカイ、
貝類など)の生息状況を把握するためにモニタリング調査を
実施しています。庄内川河口左岸のヨシ原内及び藤前活動
センター前の干潟に複数の定点を設けて、干潟の泥の中に
どんな生きものがどれだけ住んでいるか調べています。
また、各定点の泥の状態も同時に調べて底生生物と生息環境の
関係も探っています。
【調査を実施している干潟】
2月に実施した庄内川河口左岸のヨシ原内の調査では、
愛知大学の先生と学生さんにも協力してもらいました。
今の季節は生物の出現個体数が少なく、春や秋に比べて寂しい感じです。
【泥の中から生きものを選別する愛知大学の学生さん】
この日は地盤高が高い地点で30×30cm方形の枠内に
カワザンショウガイと呼ばれる小型の巻貝の仲間が
約240個体も確認されました。この巻貝の体の大きさは
5mm以下と非常に小型で、毎年この時期にはたくさん見られます。
シジミやカニの仲間が少なくなる冬季に、彼らが群を抜いて
多く出現する原因が分からないので、ご存じの方は名古屋
自然保護官事務所まで是非お知らせ下さい。
【たくさん確認されたカワザンショウガイの仲間】
これまでの3ヶ年分の調査結果をまとめていると、底生生物の出現種や
個体数、季節変動等の傾向が徐々に明らかとなってきました。
底生生物の出現個体数と種数はともに、春季と秋季に多く、
夏季と冬季に減少する季節変動を示すことが分かりました。
この増減の要因は生息環境(泥の状態)と外気温が大きく
影響しているものと考えられました。
【これまでの調査で確認された生きもの】
【底生生物 出現個体数の季節変動】
今年は藤前干潟を訪れるハマシギの飛来数が特に少なく、
ゴカイやカニなどの餌が減少しているのではないかと不安視されています。
そのため、今後は鳥類の飛来数と底生生物の資源量を関連付けた調査を
していくことが望まれます。
今の季節は干潟で見つかる生きものは少ないですが、これから春に向けて
暖かくなってくると生きものは徐々に増えてくることでしょう。今の時期から
春の初めまでは、カモがたくさん見られる時期でもありますので、
是非藤前干潟に来て観察してみて下さい。
2015年01月27日★ヨシ原を再生しています。
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー 上野淳一
藤前干潟に流れ込む庄内川の河口域には、豊かなヨシ原が
広がっています。しかし、堤防の耐震化改修工事によって、
一部のヨシ原が消失し、不連続な群落が見られるように
なりました。工事の際、ヨシの根を含んだ土砂を
元に戻すことで、ヨシ原の再生が図られていますが、
ヨシの再生速度が遅く、藤前干潟の関係者でも
心配のタネとなっています。
【工事でヨシ原が消失した場所】
このような状態を受けて国土交通省庄内川河川事務所では、
堤防改修の際に失われたヨシ原を早期に再生しようと、
埋め立てられたヨシ原に定点を設け、昨年度から継続的に
ヨシの生育状況をモニタリングしています。
【ヨシの再生エリア】 【ヨシの茎高を計測】
これまでの調査結果によると、ヨシの生育状況はあまり良くなく、
現在は冬季のためほとんど成長が見られていないそうです。成長不良の
原因はまだ不明ですが、専門家によると土壌硬度や粒度組成が関係して
いるのではないかと言われています。
【ヨシ原再生エリアを覆う多量の漂着物】
また、観測定点では、流れ着いた流木や枯れ落ちたヨシの破片、
漂着ごみ等が表面を覆っていました。
この状態が続くと土の中に酸素が供給されなくなり、土の中に住む
生きものが住めなくなるだけでなく、ヨシの生育阻害ともなります。
また、これらを放置すると、さらなる漂着ごみが絡みつくこともあり、
幹の直径が30cm以上もある大木も漂着していました。
このような状態を少しでも改善しようと、藤前干潟の関係者が話し合い、
ヨシの生育を促進するためにも漂着物の撤去を行うことになりました。
撤去作業は庄内川を管理する国土交通省庄内川河川事務所が
約1週間かけて実施し、現在はきれいな状態です。
【集められた漂着物】
今回の作業では、ヨシの新芽を踏みつけないために、重機等を使用せず、
全て人力で漂着物を収集・撤去していたため、大変な労力がかかったようです。
また、この場所では外来植物の生育も確認されており、これがヨシの生育を
阻害する可能性もあるため、今後は外来植物の抜根作業も検討されます。
ヨシ群落には、環境浄化作用があり、多様な動物の生育の場としても重要です。
環境省としても、国土交通省等の藤前干潟関係者と協力しつつ、ヨシ原再生の
取り組みに貢献していきます。
2015年01月06日レンジャー写真展 in 名古屋港ポートビル
国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子
新しい年が始まりました。
今年も藤前干潟の生きもの紹介やイベント案内などを
この場で発信していきます。よろしくお願いします。
さて、現在、名古屋港ポートビル(1階、ロビー)において
「レンジャー写真展」を開催中です(12月13日(土)~1月12日(月・祝))。
中部地方環境事務所管内にある「白山国立公園」、「伊勢志摩国立公園」、
そして「国指定藤前干潟鳥獣保護区」の3つの事務所で働く
レンジャーとアクティブレンジャーが撮影した
それぞれの自然の風景と生きものの写真を展示しています。
】
【名古屋港ポートビルの外観(左)と展示の様子】
今回の展示会場である名古屋港ポートビルは、
「名古屋港水族館」があるガーデンふ頭にあります。
また、ポートビル内には、名古屋港の歴史などを知ることのできる「海洋博物館」と
「展望室」があります。
言わずと知れた名古屋の観光スポットであるガーデンふ頭に
遊びに行かれたついでには、ぜひ、レンジャー写真展ものぞいて行ってくださいね。
実は、藤前干潟は名古屋港の一部でもあり、ポートビルや水族館のすぐ近くにあります。
ポートビルや水族館ほど目立つ建物や生きものはありませんが、
自然の中で生きる生きものたちを藤前干潟では見ることができます。
そして何と言っても、潮の満ち引きによって、干出を繰り返す「干潟」があり、
自然の大きな力を感じられる場所でもあると思います。
ぜひ、今年は、そんな藤前干潟にもお越しください!
【広大な藤前干潟】
<レンジャー写真展 in 名古屋港ポートビル>
展示期間:12月13日(土)~1月12日(月・祝)
※休館日:12月15日(月)、22日(月)
開館時間:9:30~17:00
展示場所:名古屋港ポートビル 1階 ロビー
アクセス:地下鉄名港線「名古屋港」駅下車3番出口より徒歩5分
※駐車場あり(有料)
◎入場は無料です!
昨日から7月に入りました。
梅雨真っ只中で、藤前干潟はすっきりしない天気が続きますが、
稲永ビジターセンターのある稲永公園では今日からセミの鳴き声がしています。
もうすぐ夏です!夏休みです!!
ということで、今回はこの夏、藤前干潟で行われる2つの企画展をご案内します。
1つ目は藤前活動センターで一昨日から開催されている
『藤前干潟の七不思議展』です。
藤前干潟の自然や生きものなどに関するたくさんの不思議を
紹介、解説しています。
期 間:平成27年6月30日(火)~9月30日(水)9:00~16:30
(毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、第三水曜日は休館)
場 所:藤前活動センター2階(名古屋市港区藤前2-202)
入館料:無料
問合せ:藤前活動センター TEL:052-309-7260
2つ目の企画展は、稲永ビジターセンターで7月18日から始まる
その名も『カニ展』です。
何といっても干潟の人気者№1のカニの多様性と生態を紹介します。
標本や生体展示もありますのでお楽しみに!
期 間:平成27年7月18日(土)~10月31日(土)9:00~16:30
(毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、第三水曜日は休館)
場 所:稲永ビジターセンター1階(名古屋市港区野跡4-11-2)
入館料:無料
問合せ:稲永ビジターセンター TEL:052-389-5821
☆7月18日(土)、8月1日(土)にはカニに関する講演会も
稲永ビジターセンター内で開催されますので、
今年はカニ好きにはたまらない夏休みとなりそうですよ。
どちらの企画展も夏休みの自由研究のヒントになる内容がきっとあるはず!!
ぜひ、ご家族やお友達と一緒にお越しください。
さらに、夏休み中には干潟観察会などの環境学習プログラムが
数多く行われますので、こちらにもご参加ください!
(↑案内チラシの一部です。)
プログラムの詳細は以下のHPをご覧ください。
「藤前干潟 イベント情報」
「名古屋市 藤前干潟ふれあい事業」