中部山岳国立公園
317件の記事があります。
2017年07月21日今年も始まりました!安曇小学校~外来植物対策~
中部山岳国立公園 佐藤怜子
昨年から、地元〝上高地〟へ学習に来ていた安曇小学校の児童たちが、今年も上高地へやってきました!
外来植物対策などに関心を持ち、「自分たちもぜひ外来植物対策を行いたい」と願う3~6年生の児童たちが、7/10(月)と7/18(火)に活動しました。
7/10(月)【3・5年生】
この日の活動は、外来植物ヒメスイバの除去。
外来植物対策を行うのは初めての児童たちでしたが、皆一生懸命抜き取りを行っていました。
河童橋周辺のゴミ拾いも行い、「自分たちも上高地のために何かできた!!」と達成感のある面持ちで帰って行きました。テーブルやベンチの下にゴミが落ちていることが多いということを発見しましたね。すごいぞ!!
7/18(火)【4・6年生】
この日の活動は、外来植物シロツメクサとアカツメクサの除去。
6年生は、抜き方の見本を見せてくれたり、根を残さないように抜くよう気をつけたり、頼りになりました。上高地についての情報もしっかり覚えていてくれ、昨年の活動の成果を感じ、ちょっぴり感動しました。
4年生は、初めての外来植物対策でしたが、よく自分から動いて活動していました。4・6年生もゴミ拾いをしっかり行いました。ゴミを見つけるのが上手になりましたよね!!〝ゴミを見つける目〟になるのも、実はなかなか大変なんですよ~。
外来植物対策をやりたいと考え、それを実践できる すてきな安曇小学校の児童たち。
これからも「自分たちにできること」を考えて、実践していってほしいです☆
2017年07月10日朝日岳山開き
中部山岳国立公園 中山博人
こんにちは、立山自然保護官事務所の中山です。
非常に暑くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
7月8日(土)、9日(日)に朝日岳山開き登山会に参加しました。
朝日岳は、富山県と新潟県にまたがり、北アルプス・後立山連峰にある山です。
非常に多くの積雪があり、雪解け後には多くの高山植物が花を咲かせます。
この山開きに参加し、今シーズンの登山の安全を祈願してまいりました。
8日には、麓の朝日町・小川温泉元湯に関係者らが集い、入山式が行われ、登山における注意事項等を説明していただきました。
入山式後には登山口である北又小屋まで移動し、テープカットを行いました。
【入山式】7月8日撮影
北又小屋から宿泊地の朝日小屋までは標高差約1400mあり、急な場所もあるため、ゆっくりと登り深緑や高山植物を楽しみました。
【キヌガサソウ】7月9日撮影
朝日小屋に到着後、小屋の近くにある朝日神社にて山開き及び登山安全祈願祭を行い、今シーズンの登山の安全を祈願しました。
【山開き、登山安全祈願祭】7月8日撮影
9日早朝、真っ暗な中ヘッドライトを点けて朝日岳山頂に向かいました。
山頂でしばらく待つと、素晴らしい朝日(ご来光)が見られました。
山開きの日に朝日が見られたのは4,5年ぶりとのことで、初めて登頂した私としてはとても幸運でした。
【ピンク色に染まった朝日】7月9日撮影
朝日岳への登頂ルートはいくつかありますが、いずれも長時間歩く必要があります。
7月9日現在、まだ残雪が多く、視界が悪いときは道迷いの危険性があります。
事前に情報を確認され、余裕をもった計画を立てて登山していただきたいと思います。
2017年06月28日立山町千寿ヶ原コミュニティ防災訓練
中部山岳国立公園 中山博人
こんにちは、立山自然保護官事務所の中山です。
6月27日に、立山町主催の千寿ヶ原地域コミュニティの防災訓練に参加しました。
千寿ヶ原地域は、中部山岳国立公園の富山県側の玄関口であり、国内外から多くの観光客が訪れます。
立山自然保護官事務所では、地獄谷の火山ガス対策を行っており、地域住民の方に火山ガスのことやその対策を知っていただきたく思い、説明する機会をいただきました。
始めに、集中豪雨による土砂災害を想定した防災訓練が行われました。
立山駅で待っていると放送が流れ、近くの国立登山研修所へ避難するよう指示があり、消防や警察の協力の元避難訓練が行われました。
日本語だけでなく台湾語と英語でも放送し、外国人観光客に向けても情報を発信しました。
避難後には保健師による救護・健康観察を行い、参加者はアルファ米と飲料水を受け取りました。
【国立登山研修所へ避難】6月27日撮影
防災訓練後は立山駅に戻り、火山ガス対策について説明しました。
まずは火山ガスの基礎知識(性質や対策)、火山ガス検知機器の設置や情報発信状況について、木村保護官が説明しました。
その後、防毒マスクと簡易呼吸器(酸素ボンベ)の装着方法について中山が説明し、参加者にも実際に装着していただきました。
普段見ることがないであろう防毒マスクや簡易呼吸器に、地元住民の方々は興味津々であり、「防毒マスクをつけても思ったより息苦しくない」「簡易呼吸器は重い」と言った声があがりました。
【火山ガスに関する説明】6月27日撮影
【防毒マスクの装着の実演】6月27日撮影
防毒マスクや簡易呼吸器は、緑色の防災箱に入っています(エンマ台に今後置く予定です)。
地獄谷の火山ガス濃度が高くなり危険を感じた場合は、ご使用ください。
また、水で濡らしたタオルやハンカチ等で口や鼻を覆うことで、影響を減らすこともできます。
詳細は以前の日記(http://chubu.env.go.jp/blog/2017/06/post-389.html)もご覧ください。
2017年06月23日もうすぐ夏山シーズンの立山
中部山岳国立公園 中山博人
こんにちは、立山自然保護官事務所の中山です。
富山県も梅雨入りし、これから本格的に雨が降るのかと思いきや、意外と降っておりません。
さて、だいぶ雪が少なくなってきており、もう少しで北アルプスの3000m級の山々も本格的に夏山シーズンが到来しますね。
もう予定を立てているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
立山は1週間後の7月1日(土)に夏山開きを迎えますが、その前に室堂周辺を歩いてきました。
【みくりが池と立山三山】6月22日撮影
みくりが池はまだ半分以上は水面が見えていません。手前に写っている山本ARは、みくりが池に踏みいらないようポール・ロープを移動させています。みくりが池や地獄谷に落ちないよう、ポール・ロープがある場所では外れて歩かないようお願いします。
【歩道のひび割れ】6月22日撮影
エンマ台から雷鳥荘方面へ数分下りた歩道にひび割れがあります。バランスを崩したり足を捻ったりする危険性がありますので、歩く際はご注意ください。
【水場の設置】6月22日撮影
雷鳥荘前と火山ガス情報ステーション前に水場が設置されました。地獄谷では火山ガスが発生しており、濃度が上昇する場合があります。臭いを感じましたら、タオル等を水で濡らして口に当てることによって、影響を少なくできます。詳しくは、右のリンク先をご覧ください。http://chubu.env.go.jp/nagano/post.html
【水浴び中】6月22日撮影
目の前でカヤクグリが水浴びをしていました。私や山本ARから距離3,4m程度でしょうか。こんな至近距離でも逃げようとしませんでした。
立山は夏山シーズンには大変な賑わいをみせますが、今の時期は観光客・登山客ともに少なく、静かな立山を楽しむことができます。
歩道上にはまだ雪が残っていますので、長靴や登山靴等を準備されることをおすすめします。
2017年06月15日> かわらばん @乗鞍 <
中部山岳国立公園 丸山由起子
乗鞍畳平よりこんにちは。
これは何の新芽でしょう?
正解は↓
ハクサンイチゲです。 (6月14日撮影)
今日私が見たハクサンイチゲの中で、しっかり開いていたのはこれだけでした。
「一番みっけ!」といったところ。
こんな高山植物が車道脇にポッと咲いているのが乗鞍です。
開花準備中のハクサンイチゲが車道脇にいっぱいありましたよ♪
畳平のお花畑はまだ雪の下。
(6月14日撮影)
雪が融けるにはまだ時間がかかりそうです。
昨年と比べたら今年は花の時期が遅くなりそうですね。
※畳平の高山植物の開花情報は下記にお問い合わせください。
「飛騨乗鞍観光協会 http://www.hida-norikura.com/norikura/ 」
こちらの風景、かの有名な「双六岳からの槍ヶ岳」の風景に負けていないと思いませんか?
(6月14日撮影)
これは大黒岳の頂上から少し桔梗ヶ原の方へ歩いた場所からの風景。
正面奥は穂高連峰~笠ヶ岳あたりの北アルプスの山々です。
バスを降りてのんびり30分ほど散策すればこんな風景が目に飛び込んできます。
参考までに「双六岳からの槍ヶ岳」 (ここも平湯自然保護官事務所の管内です)
(平成28年9月15日撮影)
雪のミニ壁もまだ楽しめます。
(6月14日撮影)
高さは、高いところで5mくらいでしょうか。
奥に小さく自転車が写っているのが見えますか?
自転車好きの方は、乗鞍スカイラインを自転車で上がって下りるのも最高に気持ちよさそうです。
(ただし、スピードの出し過ぎと、自動車にはご注意ください。)
7月になると長野県側の乗鞍エコーラインが開通して、学校登山も始まり
賑やかになってきますが、今はまだ静かでのんびりとした雰囲気です。
今のうちに静かな乗鞍畳平を楽しみに来ませんか?
※ご注意※
剣ヶ峰方面はまだ雪が多いです。雪山に必要な装備をご用意ください。
2017年06月14日ナショナルパークの魅力展開催中
中部山岳国立公園 佐藤怜子
柳絮(リュウジョ:白い綿毛の付いた柳の種子)の舞う上高地よりこんにちは。
柳絮が舞う様子は、まるで初夏に雪が舞うようですよ♪
さて、現在、上高地インフォメーションセンター2Fでは「中部山岳国立公園写真展~ナショナルパークの魅力~」を開催しております。
【会場風景】選りすぐりの写真30点を展示しています。
中部山岳国立公園内の美しい写真と併せて、かわいい動物たちの剥製も展示しています。
剥製は触ることができますので、毛並みなど直接触って確かめることができます。
ふわふわで気持ち良いですよ~☆
【ツキノワグマ、テンの剥製】ぼくたちも待っているよ!!
その他に、上高地や乗鞍の見所なども紹介しております。ぜひご来場下さい!
2017年06月13日* レンゲツツジ開花状況 @乗鞍高原 *
中部山岳国立公園 丸山由起子
乗鞍高原一ノ瀬より、こんにちは。
今週のレンゲツツジ開花状況をお知らせいたします。
一ノ瀬のツツジ園が部分的にいい感じになってきました♪
(6月13日撮影)
先週と比較するとこんな↓感じです。
全体的にはまだ寂しい感じですが、これからどんどん咲いてきます。
(6月13日撮影)
でも、今でも十分お楽しみいただけると思いますよ。
(6月13日撮影)
残雪の乗鞍岳、シラカンバの白い肌、そして萌える緑に映える
色鮮やかなレンゲツツジを撮りに来ませんか?
車を降りればすぐにこんな写真を撮れる場所になっています。
お気軽にお越し下さい。
2017年06月13日薬師岳夏山開き
中部山岳国立公園 中山博人
こんにちは、立山自然保護官事務所の中山です。
6月に入っても立山町はそれほど暑くはなく、比較的快適に過ごしています。
6月10日(土)、11日(日)と薬師岳夏山開き安全祈願祭及び記念登頂会に参加しました。
この夏山開きは、夏山シーズンの登山者の安全を祈願し、また全国に薬師岳の夏山シーズンの到来をPRするものです。
10日は、まず富山市大山地区の亀谷(かめがい)温泉郷に関係者が集い、槍ヶ岳を開山したことでも知られる播隆上人(ばんりゅうしょうにん、現在の富山市大山地区出身)像の前で登山者の安全を祈願しました。
【安全祈願祭】6月10日撮影
その後に登山口である折立(おりたて)に移動し、登山口に入ってすぐの十三重之塔へ。
昭和38年に三八豪雪に遭い薬師岳遭難死した愛知大学山岳部員13名の慰霊のため設置されたものです。
【十三重之塔】6月10日撮影
10日は太郎平小屋まで向かい、翌11日に薬師岳山頂へ登頂しました。
山頂には祠があり、薬師如来が安置されました。
薬師如来は、左手に薬壺(やっこ)を持ち、病気に苦しむ人々を救う仏であるとされています。
夏山開き時に山頂の祠に薬師如来を安置することで、夏山シーズンの登山者の安全を祈願しました。
【薬師岳山頂での安全祈願】6月11日撮影
登頂した11日は晴天に恵まれ、山頂や登山道からは素晴らしい景色を堪能できました。
立山、剱岳、槍ヶ岳、穂高連峰と言った山だけでなく、富山平野や日本海も望めました。
【薬師岳山頂から立山・剱岳方面の景色】6月11日撮影
【薬師岳登山について】
6月11日現在、薬師岳はまだ多くの残雪に覆われています。
山頂付近は特に風が強く、急に天候が変化することもあります。
雨具、防寒着、アイゼン等を準備してお越しください。
2017年06月07日> かわらばん @乗鞍高原 <
中部山岳国立公園 丸山由起子
乗鞍高原 一ノ瀬園地からこんにちは。
今見頃の花は「ミツガシワ」
池の上の無数の白い花です。
<あざみ池>
新緑もきれいですよ!
<どじょう池>
ここは乗鞍岳とミツガシワのお花畑を一緒に撮影できるビュースポット。
ツツジ園のレンゲツツジはぽつぽつと咲き始めましたが、見頃はまだ少し先になりそうです。
来週末頃なんかよいかも?
「あっ、シオカラトンボ!」と思ってよくよく見るとちょっと違う。
シオカラトンボに比べると色が薄いし、なにやらずんぐりしているような・・・
いろいろ検索してみて「シオヤトンボ」と判明!
シオヤトンボは平地でもよくみかけるシオカラトンボと違って、丘陵地や低山地にいるそうです。
そして、トンボの中では春先一番に出てくるそう。
春一番に出会えてちょっと得した気分になりました♪
乗鞍岳からこんにちは。
乗鞍岳の畳平周辺で「乗鞍美化の会」主催の外来植物除去作業が行われました。
参加者は関係機関と乗鞍美化の会が公募したボランティアさん達です。
この活動は、もう10年以上続けられています。
今回も多くのボランティアさん達が参加してくださいました。
最初に岐阜県の乗鞍環境パトロール員がセイヨウタンポポの特徴や抜き方などを説明してくれます。
地道な作業ですが、皆さん黙々と作業してくれていました。
除去対象であるセイヨウタンポポ。
総ほう片(そうほうへん)という外側のガクのように見える部分が反り返っています。
乗鞍には在来のタンポポもあり、こちらは総ほう片が反り返っていません。
総ほう片で区別をするのが一番わかりやすいです。
セイヨウタンポポは昔、食用として北海道へ持ち込まれたのが最初という話があります。
寒さに強く、乗鞍岳のような気候が厳しいところでも、放っておくとどんどん増えてしまいそうな気配です。
平成15年まで乗鞍畳平にマイカーで入ることができたため、車や人にくっついてセイヨウタンポポなどの
外来植物が入ってきたと言われています。
また、乗鞍畳平周辺は人工の構造物が多く、工事の時に外から運んできた土や材料にくっついて
入ってきたものも多いようです。
そのため、車道沿いや人工構造物近くに多く見られます。
セイヨウタンポポは根を残すと再生してしまいますが、写真でもわかるように岩の隙間やコンクリートの
隙間にしっかりと根を張っているため、根を全部抜くことはほぼ不可能に近いです。
これは上手く抜けた方ですが、ちょっぴり切れてしまっています。
とても根っこが長いので、岩やコンクリートの隙間から掘り出すのは本当に大変な作業です。
畳平周辺では10年以上も除去活動を続けているのに、セイヨウタンポポが無くならないのは
根まできれいに取り切れないことも原因のひとつと考えられます。
それでも10年以上続けてきたからこそ、セイヨウタンポポの繁殖を今の程度で抑えられている
とも言えるかもしれません。
まずは「外来植物を入れないこと」、それが一番ですね。
そして、これ以上拡げないためにこういった地道な活動を続けていくことが必要となっています。
【ご注意】
国立公園内での外来植物の除去につきましては規制等がありますので環境省や自治体にご相談下さい。