上信越高原国立公園 志賀高原
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2015年07月09日焼額山の山頂部でワタスゲが見頃でした
上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原(長野県山ノ内町)です。
焼額山(やけびたいやま、標高2,009m)の山頂部には池と湿原があります。6月25日はワタスゲが見頃でした。
<左は稚児池。右は稚児池の周辺に広がる高層湿原。綿のような白い穂を付けたものがワタスゲ。山頂部にこのような景観が広がるのはとても不思議です。>
<湿原の植物。左はヒメシャクナゲ、右はモウセンゴケ。>
<シュレーゲルアオガエルの卵塊がありました。左の2つのように水際に産むのですが、右の3つは水際に産んだものが何らかの理由で今は水から離れています。>
今回、私たちは一の瀬→焼額山山頂→奥志賀というコースを歩きました。一の瀬から焼額山山頂まで約1時間30分かかりました。 しかし、8月にゴンドラが運行されると、約10分で山頂直下まで行けるので、稚児池や湿原を訪れやすくなります(もちろんお金がかかりますが)。
一の瀬から上る登山道は、ゲレンデとゲレンデ脇の森林を縫うように付いています。ゲレンデと森林の境には写真のように竹竿が立てられています。この目印によりスムーズに誘導されます。
<斜面上部は写真のように針葉樹林です。斜面下部は落葉樹林や植林になっています。>
<林内で見ることができた花。上左:ゴゼンタチバナ、上右:ツマトリソウ、下左:マイヅルソウ、下右:ギンリョウソウ。すべて白い花でした。>
奥志賀ではレンゲツツジがまだ花を付けていました。
志賀高原では7月1日に横手山や志賀山の山開きが行われ、本格的なグリーンシーズンに入りました。 志賀高原の標高は1,500m以上あるので、半袖ではまだ肌寒く感じます。羽織るものをお持ちいただくと快適に過ごせると思います。
どうぞグリーンシーズンも志賀高原にお出かけください。
2015年07月09日峠の三十三観音コース
上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原(長野県山ノ内町)です。
少し古い話題ですが、6月17日は「峠の三十三観音コース」を歩きました。
このコースは、渋温泉(長野県山ノ内町)と草津温泉(群馬県草津町)を結ぶ、かつて草津街道と呼ばれた約28kmの道の一部にあたります。
上林(かんばやし)から志賀高原の玄関口であるサンバレーまでの約7kmの区間に33体の石の観音様が祭られているので、この名が付けられています。観音様は文政2(1819)年に、旅人や草津街道の物流などで働く人の安全を祈念して祭られたものだそうです。
<各箇所は、観音様、観音様の説明、ポスト、標柱の4つのセットからなります。ポストの中には御朱印(スタンプ)があります。>
<第一番の脇には由来を書いた解説標識があります。>
なお、この写真で「上り約2時間30分(下り約1時間30分)」となっていますが、私たちは下りで約2時間30分かかりました。時間は目安なので、スタンプを押す、または、観音様で詠歌鑑賞など楽しみ方により、さらに時間がかかると思います。
さて、歩道の状況です。
注意すべき点が2点あります。1点は、車道(国道292号線:志賀草津道路)を横断する箇所が複数あることです。車の運転者に対しても「横断者あり」の注意標識(右写真)がありますが、特に下りの車はスピードを出しているものが多いです。注意して横断してください。
注意すべきもう1点は、沢にかかる木橋の湾曲が3箇所あることです。写真のように通行は可能ですが、踏面が傾いています。濡れていると特に滑りやすいので、状態を見て、注意して通行してください。
また、コースの中で分かりにくい箇所がありました(これは歩く方の経験にも寄ると思いますが)。
左:道路を横断して林内に入る箇所にテープ(○の箇所)があります。観音様に立ち寄る道と、コースの道と2つあるので、慎重に見つけてください。
右:コースは左上に上っていきます。○は誘導標識ですが表示面が柱から落ちています。表示面にビニルテープで進むべき向きの表示があります。
<緑色が「峠の三十三観音コース」、赤が「国道292号線」、星印が上の写真で示した分かりにくい箇所です。なお、公衆トイレは途中の名水公園にあります。>
※背景地図は地理院地図<http://maps.gsi.go.jp/>を使用し、コース(緑色)、施設(第一番、トイレ、第三十三番)の位置・名称及び分かりにくい箇所の情報を独自に追加しました。)
第一番から第三十三番までの標高差は約570mです。峠の三十三観音コースは、志賀高原観光協会のトレッキングマップでは「探勝歩道(中級/一般向けコース)」に位置付けられています。(このほかのカテゴリーは「遊歩道(初級/ファミリー向けコース)」と「登山道(上級/健脚向け)」です。)
グリーシーズンの志賀高原にもお出かけください。
2015年06月15日カヤの平高原にはブナ林があります
上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史
こんにちは。6月11日はカヤの平高原(かやのたいらこうげん、長野県木島平村)を歩きました。
カヤの平高原は上信越高原国立公園内にあり、標高はおおよそ1,400から1,750mです。ブナの天然林が見どころの一つです。
車を降りて、傾斜の緩やかな遊歩道を15分ほど歩くだけで、下の写真のような林を散策できます。
<比較的直径の大きい木からなる区域もあります。余談ですが、写っているのは志賀高原自然保護官事務所の瀧口自然保護官です。ブナの大きさの目安にしてください。>
ここで突然ですが、上の写真の中央にある2本のブナの幹に注目してください。
幹の色が途中で急激に変わり、下は白っぽい色、上は深緑色をしています。不思議な現象です。このように色が異なるのはなぜでしょうか。
色が異なる境は、積雪深を表していると言われています。
白っぽい色はブナ本来の幹の色や、幹に着生した地衣類(ちいるい)などによるもので、深緑色はブナの幹に着生している蘚苔類(せんたいるい、いわゆるコケ)などによるものです。(着生とは、他のもの(この場合は幹)にくっついて生活しているということ。)
この現象は、雪に覆われるところでは、雪により、緑色に見える蘚苔類などがはがされて、白っぽい幹本来の色などが見えるようになるために起こると考えられています。雪によってはがれる仕組みは、ネットで調べるといくつかの説明があります。
下の写真は別のブナの幹です。ブナの幹にもともと模様があるように見えるのですが、実際は蘚苔類や地衣類が付いて幹の模様のように見えていることが分かります。この中にはブナ本来の幹の色もあるのですが分かりづらいくらいです。
<地衣類は、大きな区分では菌類に含まれ、からだは菌類と藻類が共生してできています。>
また、下のような花が咲いていました。スミレ以外はどちらかというと初夏の花なので、花の咲いているものは少なかったです。
<左:スミレの仲間、右:ツマトリソウ>
<左:チゴユリ、右:マイヅルソウ>
さて、カヤの平高原の見どころには、ブナ林のほかに「北ドブ湿原」と呼ばれる湿原があります。7月中旬から下旬にはニッコウキスゲが湿原一面を覆うように咲きます。
下の写真にたくさん写っている細長い葉を持つものがニッコウキスゲです。これが咲いたらどんな景色になるのか楽しみです。
また、緩やかな傾斜の散策だけでは物足りない方は、高標山(たかっぴょうやま、こうひょうやま)のトレッキングはいかがでしょうか。カヤの平の中心的な施設、カヤの平総合案内所から高標山山頂まで標高差約300m、コースタイムは上り約90分、下り約60分です。山頂からはほぼ360度の展望があり、視界が良ければ北アルプスを望むことができるそうです。
今回は残念ながら曇りがちの天気で、比較的近くにある山並みさえうっすらとしか見えませんでした。
<高標山山頂から南東方向を望む。岩菅山(左奥)を望むが雲の中で見えない。中央が焼額山(やけびたいやま)、右が竜王山(りゅうおうさん)。>
なお、カヤの平高原の場所、アクセス等は、例えば、木島平村観光協会のページ<http://www.kanko-kijimadaira.com/modules/pico/index.php?content_id=50>をご覧ください。
2015年06月08日すぐ近くで自然を楽しむ
上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原からです。
志賀高原(長野県山ノ内町)でのグリーンシーズンの楽しみ方の一つはトレッキングです。志賀高原にはトレッキングコースがたくさんあり、中には下の写真のように駐車場や宿泊施設のすぐ近くからアクセスできるコースがあります。
<6月4日に歩いたのは「せせらぎコース」と呼ばれるトレッキングコース。写真は一の瀬地区で撮影。赤線は遊歩道の位置を分かりやすくするために加えました。>
<「せせらぎコース」の上流部の高天ヶ原(たかまがはら)地区の駐車場から撮影。右上の木道がコースの一部。白く見えるのはミズバショウの仏炎苞(ぶつえんほう)。手前左のミズバショウは花期が終わり、葉が大きくなっています。>
せせらぎコースは、小雑魚(こざこ)川の最も上流にあり、流れに沿うように付けられた木道を歩くコースです。緩やかな傾斜で、いくつもの小さな湿原をつないでいます。
すぐ近くに車道があるのですが、下の写真のようにそれをあまり感じない景色があります。湿った所に生える植物や針葉樹林の植物を観察できます。
なお、小雑魚川は信濃川(日本一長い川!)につながります。一の瀬地区、高天ヶ原地区はその小雑魚川の最上流部、つまり信濃川支流の源流部にあります。この地区には写真のとおり宿泊施設が川や湿原の近くに多くあるのですが、清流や湿原の環境を保つため、地域の方がさまざまな努力をされています。
せせらぎコースで見ることのできた花は、ミズバショウのほか、リュウキンカ、ムラサキヤシオツツジなどでした。
<左:リュウキンカ、右:ムラサキヤシオツツジ>
また、同じように駐車場に近くて、今の時期に花が見頃になるのは一沼(いちぬま)です。ほとりにレンゲツツジが多く咲きます。下の写真では咲き始めなので分かりにくいのですが、満開になるともっと目立ちます。
さて、志賀高原のトレッキングコースの情報は、例えば、志賀高原自然保護センターのトレッキング情報のページ<http://shizenhogo-center.shigakogen.gr.jp/mountain.html>を参考にしてください。いくつもあるコースから、日程、体力、技術などに応じてコースをお選びください。
志賀高原自然保護センターは長野県などが運営する施設で、志賀高原総合会館98内にあります。志賀高原の自然について理解していただくための展示や解説、また、トレッキング情報の発信などをしています。トレッキング前の情報収集や雨天時に利用されてはどうでしょうか。
2015年06月05日なんという水の色でしょう
上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原からです。
6月1日は大沼池(長野県山ノ内町)で行われた水神祭に出席しました。
大沼池は上信越高原国立公園内にあり、志賀高原の中で一番大きな池です。
見どころの一つは「水の色」です。この写真では深い青色です。しかし、光の加減によりエメラルド色に見えることもあるそうです。
また、池の向こうに志賀山を望む景色も見どころです。大沼池はこの山の溶岩流により堰き止められてできた池です。水の色は、この写真では少し緑がかって見えます。
さて今回、大沼池へは、大沼池入口バス停から未舗装の林道を約1時間歩いて大沼池畔に着き、そこからレストハウス(休憩所)までほぼ平坦な山道を約15分歩きました。大沼池入口バス停の標高は約1,560m、大沼池の標高は約1,720mです。
大沼池へは、このほか、国道292号線の硯川(すずりかわ)バス停から、渋池、四十八池(しじゅうはちいけ)湿原を経て大沼池に着き、大沼池入口バス停に至るコースがあります。この「池めぐりコース」は志賀高原を代表するトレッキングコースと言われています。全長は約10km、所要時間は約3時間30分です。
この道を当日歩いてきた方によると、「まだ雪があるが、思っていたほどではなかった」とのこと。ちなみに、志賀高原観光協会のトレッキングコース状況のページ<http://www.shigakogen.gr.jp/info/trekking.html>では6月2日現在、「残雪あり、登山靴等でお越しください。」となっています。
<トイレは、硯川、四十八池湿原、大沼池、大沼池入口にありますが、四十八池湿原はまだ開いていません。ご注意ください。>
<林道から少しはずれると原生的な林が広がります。林道脇の谷沿いには残雪がありました。>
<林道から見える木々はまだ淡い色合いでした。>
志賀高原では、この後、7日(日)に「岩菅山開山祭」、13日(土)に「志賀高原新緑祭」が行われる予定で、いよいよグリーンシーズンが始まります。
それに合わせるように、花も咲き始めています。グリーンシーズンも志賀高原にお出かけください。
<左:タカネザクラ、右:ゴゼンタチバナ>
<左:ミヤマカタバミ、右:イワナシ>
<左:エンレイソウ、右:ムラサキヤシオツツジ>
2015年06月02日米子大瀑布(よなこ だいばくふ)
上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史
こんにちは、志賀高原から上信越高原国立公園の見どころを紹介します。
米子大瀑布は長野県須坂市にあり、日本の滝百選に選ばれています。また、須坂市の指定文化財(種別は名勝)です。
<米子大瀑布は不動滝(右:落差85m)と権現滝(左:落差75m)の2本の滝の総称です。>
<それぞれの滝の近景。左が不動滝、右が権現滝。不動滝は流れ落ちる水が風により霧状になびいていました。>
米子大瀑布は、四阿火山のカルデラの断崖を流れ落ちています。下図の黒実線で書いている、根子岳(ねこだけ)、四阿山(あずまやさん)、浦倉山、奇妙山の稜線が外輪山です。また、赤い実線は周遊道です。
<余談ですが、四阿山から浦倉山にかけての稜線は中央分水嶺です。分水嶺とは雨水が異なる方向に流れる境界のことで、中央分水嶺は日本海側と太平洋側に流れる境界です。米子大瀑布の水は日本海側に流れます。>
さて、米子大瀑布を見るには、駐車場から2つの滝までの往復だと約1時間、2つの滝と鉱山跡地を周遊すると約1時間30分から2時間かかります。
駐車場の標高が約1,300m、不動滝直下が約1,450mなので、駐車場から不動滝まで標高差が約150mあります。普段山歩きをされていない方には急と感じるかもしれない区間もあります。このため、お出かけの際にはトレッキングのできる靴・服装をご用意ください。また、不安定な状態の石、スリップ等に充分ご注意ください。
滝以外の見どころは「米子不動尊奥之院(よなこふどうそんおくのいん)」、「米子鉱山跡地」があります。
<「米子不動尊奥之院」は2つの滝の間の林の中にあります。「米子鉱山跡地」は左に見える平らな部分です。また、右側の不動滝の奥の稜線の一番高いあたりが根子岳山頂付近です。>
なお、米子大瀑布へのアクセスマップなどは、須坂市の米子大瀑布を紹介するウエブページhttp://www.city.suzaka.nagano.jp/enjoy/kankou/yonako/をご覧ください。
2015年01月09日祝!認定 苗場山麓(なえばさんろく)ジオパーク
上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史
少し前の話になりますが、新潟県津南町と長野県栄村にまたがる「苗場山麓ジオパーク」が、昨年12月22日の日本ジオパーク委員会において、日本ジオパークに新規認定されました。おめでとうございます。
◆国立公園もジオパークも、ともに「自然公園」(自然の風景地をそのまま利用してつくられる公園)です。
◆国立公園の対象は「日本を代表するすぐれた自然の風景地」です。一方、ジオパークの対象は「重要な地形・地質とそれに付随する文化」です。
◆国立公園は、重要な地形・地質についても、すぐれた自然の風景地を構成する要素としているため、ジオパークの対象地が国立公園と重複することがあります。
◆国立公園を保護・管理する環境省は、ジオパークの取組との連携を進めています。
苗場山麓ジオパークでも、国立公園と重複する見どころが大きく6つあります。
「苗場山と伊米(いめ)神社」
「鳥甲山(とりかぶとやま)」
「切明温泉周辺」
「雑魚川の大滝(おおぜん)」
「鬼沢(おにさわ)火砕流跡」
「魚野川左岸の遊歩道」です。
・見どころの位置図は苗場山麓ジオパークのウェブページ<http://naeba-geo.jpn.org/geo_map>でも見ることができます。
・この図には国立公園内の見どころしか載せていませんが、この図幅内で国立公園外にも見どころがいくつもあります。
これらのうち、いくつかを紹介します。
1「苗場山」
山頂の標高は2,145m。山頂部は新潟県湯沢町、津南町及び長野県栄村にまたがります。山頂部が台地状になっているのが特徴で、高層湿原が広がります。日本百名山、花の百名山に選ばれています。主な登山口は湯沢町の祓川と栄村の小赤沢です。
<広大な山頂部に高層湿原が広がり、数多くの池塘が点在します。平成26年7月30日撮影。>
2「鳥甲山(とりかぶとやま)」
山頂の標高は2,037m。東斜面の岩壁が特徴的です。また登山道には「カミソリの刃」と呼ばれる狭い岩稜など、足元に注意が必要な箇所が多くあります。日本二百名山に選ばれています。主な登山口はムジナ平で、屋敷側に下りることが一般的です。
<東斜面を望みます。岩壁の続く景観が特徴。国立公園区域に含まれるのは稜線より西側なので写っていません。平成26年8月15日撮影。>
3「雑魚川の大滝(おおぜん)」
志賀高原に発する雑魚川の上流部にあります。雑魚川渓谷で代表的な滝です。渓谷沿いにブナの原生林を通る散策路があります。付近にはこのほかにもさまざまな滝があります。
<平成23年10月14日撮影。>
現在、切明温泉や雑魚川の大滝へのアクセス道路は、冬期の通行規制で閉鎖されています。解除は5月下旬の予定です。
2014年12月24日日本最大級のウインターリゾート 志賀高原
上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー 則武敏史
こんにちは、志賀高原からです。
志賀高原には日本最大級のウインターリゾートがあります(志賀高原の観光パンフレット「SHIGA KOGEN WHITE BOOK」による)。12/20から志賀高原内のほとんどのスキー場がオープンし、本格的なウインターシーズンに入りました。
さて、今日の話題は、12月15日に焼額山の山頂部で行なったロープ張りについてです。主催は志賀高原山岳遭難防止対策協会で、地元の方々の協力の下、遭難防止のために行われています。
焼額山の山頂部は稚児池(ちごいけ)湿原という名の湿原になっていて、稚児池があります。
<中央の標識の奥に稚児池があります。一面雪ですが、まだシーズン初めなので、標識の支柱の下部が埋まる程度の積雪です(スキー場のゲレンデには十分な積雪があるのでご心配なく)>
8月7日に撮影した稚児池です。池の奥に鳥居が見えます。積雪の最も多い時期には、この鳥居のほとんどが雪に埋まってしまうそうです。
<作業は人の背よりも長い竹の棒を雪面に刺していきます。多量の積雪があっても雪面の上に棒を見えるようにするため、この長さが必要になります。>
<焼額山山頂近くからのスキーコース。グリーンシーズンは登山道として利用されます。歩くと時間がかかる距離ですが、スキーで下ると短い時間で着いてしまいます。右は8月7日に撮影。>
冬の志賀高原に是非お出かけ下さい。ゲレンデでのスキー、スノーボードだけでなく、バックカントリーツアーやスノーシューを使った散策も楽しめますが、くれぐれも遭難等にはご注意ください。また、アフタースキーに、温泉宿での宿泊や立ち寄り入浴もどうぞ。 また、グリーンシーズンの稚児池にもお出かけください。
2014年12月02日長野市で写真展開催中
上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史
お近くにお出かけの際は、ぜひお立ち寄りください。
今回は、展示ケースに写真を展示しているので、いつもと雰囲気が違います。
また、展示室が広いので、これまでの写真展で使った資料も展示に利用しています。
■場所
「信濃教育博物館」(長野県長野市旭町1098)
・長野市立図書館の西側にあります
・駐車場は信濃教育会館のものをご利用ください
■期間
・平成26年12月1日(月)~12月16日(火)
土曜日、日曜日は休館
16日午後は片付けのため展示はありません
・開館時間は9時から17時
■観覧無料
■展示内容
中部山岳国立公園と上信越高原国立公園で撮影した写真45枚など
今年は「中部山岳国立公園指定80周年」。
中部山岳国立公園は1934年(昭和9年)12月4日に指定されました。
この写真展の期間中に指定80年の区切りの日を迎えます。
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原(長野県山ノ内町)です。
7月7日は東館山、奥志賀渓谷を歩きました。
■東館山(ひがしたてやま)
<今年はコバイケイソウが比較的多く開花しています。コバイケイソウは数年に一度、開花の当たり年があります。>
<ぶえもん池にはミツガシワが群生しています。>
<東館山から30分ほどの岩菅山登山口からの景色です。曇り空でしたが、北アルプス(≒中部山岳国立公園)の稜線が見えました。白馬乗鞍岳から針ノ木岳のあたりまで望むことができ、鹿島槍ヶ岳付近の奥には剱岳と立山も見えます。天気と視界の良い時にもう一度見たい景色です。>
<手前右の山は飯縄山(いいづなやま)です。こちらは妙高戸隠連山国立公園の山です。>
東館山へのアクセスは、徒歩のほかに次の2通りがあります。一つは発哺(ほっぽ)からのゴンドラリフトを利用する方法、もう一つは高天ヶ原(たかまがはら)からのサマーリフトを利用する方法です。上の二つの交通機関を利用すると、標高約2,000mの東館山山頂近くまで到達することができます。
■奥志賀渓谷(おくしがけいこく)
奥志賀渓谷へは、志賀高原中心部から雑魚川(ざこがわ)に沿うように付いている県道を、栄村(秋山郷)方面へ下っていくとあります。
遊歩道が整備されています。
<ブナやミズナラの大径木のある素晴らしい林が広がります。>
緑の葉が生い茂る時期もよいのですが、紅葉の時期も素敵です。また、渓谷という名のとおり、流れのある景色も見どころです。
<左:ブナ林の紅葉、右:渓谷にある滝の一つ。平成23年10月14日撮影。>
■その他
奥志賀渓谷から秋山郷方面へ、秋山林道(雑魚川林道)を進んでいくと、鬼沢付近で、道路脇の谷に突然、残雪が出てきます。標高約1,200m付近という低い標高にもかかわらずこのような景色が広がるのは驚きです。
今回は、登山者カウンター(登山者数を計測するセンサー)を、岩菅山登山口(寺小屋スキー場上端)、奥志賀渓谷、苗場山小赤沢登山口の3箇所に設置する途中で見られた景色を紹介しました。