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アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26)

45件の記事があります。

2013年06月28日妙高山整備登山

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 西林 琢也

 昨年に引き続き、6月の中旬、自然保護官とともに妙高市の主催する妙高山整備登山に参加しました。

 この整備登山はグリーンシーズンを迎える前に行われるもので、毎年雪害によって傷んでいるところがでてきてしまうため、実際に妙高山周辺の各登山道の現場を5班にわかれて確認するとともに、その場で対応できるものは修繕を済ませてしまおうというものです。

 5班中3班が早朝の燕温泉に集合し、妙高市の方から説明を受けた後それぞれのルートの点検に出発です。

 私たちのグループは、妙高市、警察署、地元ボランティアの皆さんの合計8名構成で、通称「湯道」から「川原」、「称名滝・光明滝」を通って「胸突き八丁」を越え、「天狗堂」に至るルートを担当しました。

 霧の中、標高1,100mほどの燕温泉を出発し、残雪の残るコンクリート作業道を上って行きます。

 上下併せて落差100m弱の光明滝・称名滝の横を通り、



 背丈ほども残る雪壁の脇を通って沢を渡り、



 道幅の狭くなった登山道への恐怖心を感じさせないほど美しい、
アカモノとイワカガミの群落やシラネアオイ、マイヅルソウなどの花々に癒やされながら、



 小さな祠が祀ってある標高1,930mの「天狗堂」まで、残雪や濡れて滑る足下に注意しつつ点検しながら約2時間半で登り、霧雨が降る中一旦休憩。



 登りで確認した手当ての必要な箇所を、グループの皆さんと協力して手当てしながら、燕温泉まで無事に戻ってきました。今回は軽アイゼンを持っていきましたが、何回も活躍してくれて大助かりでした。

 下りの最後「湯道」に入る頃には、前日までのカラカラ天気が嘘のような、強い雨脚となり、整備には不向きな1日となってしまいましたが、作業自体は比較的しっかりこなすことができました。
 この3年間は怪我などもあって実際の整備まで十分なお手伝いができず心苦しく感じてきましたが、ようやく今年、少しはお役に立てたのではないかと胸をなでおろしています。また、毎年のこととは言え、皆さんのご努力と体力には、ただただ頭が下がるばかりです。

 その後の約10日間は梅雨らしい天候が続いていますが気温の低い日もあるため、「湯道分岐」から「胸突き八丁」あたりまではまだ残雪が多く残っていると思います。
 また、この時期は突然の豪雨に見舞われる場合もありますし、残雪や低温の可能性も十分考えられます。比較的低い山にお出かけの場合でも、山歩きの際は、周辺の気象情報や装備に十分に気を配り、現地の情報を事前によく集めて頂くことで、事故の無い、楽しい登山を心がけて頂きたいと思いますし、楽しみながら国立公園の魅力を思う存分味わって頂きたいと思います。

 「雨の中、山に出かけるのはちょっと…」とお考えの皆様には、6月末から約1ヶ月の予定で、糸魚川市フォッサマグナミュージアムにて長野自然環境事務所・糸魚川ジオパーク協議会共催の特別展「特設 アクティブ・レンジャー国立公園写真展」も開催予定となっております。

 写真展は無料となっておりますので(フォッサマグナミュージアム展示室等のご観覧は有料となっております。)、お近くにお越しの際は是非足をお運び頂き、長野自然環境事務所管内の国立公園の様子と環境省の取り組み、国立公園とジオパークの関係等についてゆっくりとご覧頂ければ幸いです。

 特別展に関する詳しい情報は、
糸魚川ジオパーク協議会(担当:糸魚川市交流観光課ジオパーク推進室 電話:025-552-1511)
までお問合せ頂くか、
環境省長野自然環境事務所(担当:妙高高原自然保護官事務所 電話:0255-86-2441)
までお問合せください。

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2013年06月13日妙高高原地区パークボランティア養成研修会

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 西林 琢也

 長野自然環境事務所では、5月から妙高高原地区パークボランティアの追加募集を行ってきました。

 今回は10名を越える応募者があり、6月上旬、妙高高原ビジターセンターをお借りし、1日かけてボランティア養成研修会を実施しました。この研修会への出席が、パークボランティア認定への大切なステップとなります。

堅苦しい雰囲気になってしまうかとおもいきや、




出席者の皆さんには、和やかな雰囲気の中で受け付け等を済ませて頂けたようで、まずは一安心。

 スタッフ紹介と応募者自己紹介を行ってから、いよいよ養成研修会のスタートです。

 はじめに、妙高高原自然保護官事務所の自然保護官から、長野自然環境事務所、自然公園制度、パークボランティア制度等についてスライドを使って説明させていただきました。

 皆さん真剣そのもの、



熱心に研修を受けて頂きました。

 続いて、活動の注意点の詳細説明を行って午前の研修は終了しましたが、応募者の中には、昼休み中にも上信越高原国立公園の範囲や、活動方法について質問にこられる方もおられ、皆さんの熱意が伝わってきました。

 午後は、妙高高原ビジターセンター館長さんから、妙高高原の自然について館内の展示を使いながら紹介して頂きました。


 
 一般の入館者の皆さんが観覧されている中での解説でしたので、館内をくまなく紹介して頂くことはできませんでしたが、館長さんの解説に皆さん静かに聞き入っておられました。

 その後グループに分かれて、現役パークボランティア役員の皆さんによる、自然解説の体験研修も受けて頂きました。




 妙高高原の豊かな自然と、その自然を求めてこられる皆さんに、現役ボランティアが普段どのように自然解説を行っているのかを体感して頂くことができたと思います。

 今回、研修会の下案作成から、広報、スケジュール調整、関係機関との打合せ、細々とした準備、当日の受付から後片付け、司会進行まで全般にわたり携わらせて頂きましたが、多くの方々に支えられて無事終了することができたことに胸をなでおろしています。ありがとうございました。
 中でも、施設の一部を快くお貸し頂き、妙高高原の自然や施設の紹介をしていただいた妙高高原ビジターセンターの竹腰館長、写真撮影も担当して頂いたスタッフのNさん、後片付けまで手伝って頂いたスタッフのKさん、そしてなにより、熱心に受講していただいた応募者の皆さんにこの場をお借りして御礼申し上げます。
 一方、自然解説体験の他に、特定外来生物(植物)の駆除も体験して頂きたかったのですが、時間が足りなくなってしまった点については、受講者の皆さんに大変申し訳ないことをしてしまったと感じています。

 また、アクティブ・レンジャーから妙高高原地区パークボランティア活動内容の全般について説明させて頂いたものの、「妙高高原地区パークボランティア活動=自然解説活動」と受け止められてしまったのではないか、養成研修会の本来意図するところをうまく伝えられたのか、このような研修会を実施する上の難しさを思い知らされた、そんな研修会となりました。

 今回の貴重な体験と反省点を、今後の研修会・ボランティア活動運営等をよりよく進めていくために活かしていければ、と考えています。

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2013年06月03日火打山近況

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 西林 琢也

 九州地方が梅雨入りした5月の最終週、登山道の一部の状況確認と、火打山ライチョウ調査のため、高谷池ヒュッテに向かいました。

 今年度初めて火打山の登山口である笹ヶ峰に入りましたが、昨年より雪消えは早く感じられ、当日はちょうど笹ヶ峰牧場で放牧される牛たちが運ばれる日で、牛が乗ったトラックのあとをついて笹ヶ峰に入りました。

 笹ヶ峰の登山口から高谷池を目指して総勢20名で登りはじめましたが、高度があがるにつれ周囲は一面の銀世界となり高谷池ヒュッテ周辺は、



まだ1m以上の積雪が残っている状態。

 火打山、影火打、焼山(右から順に)を後にして、




18名の調査員の皆さん、自然保護官とともに、ライチョウを求めて山頂手前の雷鳥平を目指します。




 火打山のライチョウは、日本最北限、最少の個体群とされ、30羽前後しかいないと考えられています。そのため生息状況の調査が必要になっているのです。

 調査の皆さんとともに雷鳥平周辺のハイマツ帯をチェックしながら山頂まで探しましたが、丁度この写真の右手の、雪が消えて低木と地面が露出しているくぼ地あたりに、夏毛に生え替わったライチョウのペアを確認することができ、さらに下の谷を「ゲー」と鳴きながら移動するオスのライチョウを確認することができました。

 今年はすでに縄張りをつくり終えていたようで、残念ながら去年のように縄張り争い中の個体を間近で観察することはできませんでした。


 下山途中、



今年はちょうど満開のシラネアオイが迎えてくれました。

 5月最終週の調査でしたので、その時点の状況になりますが、黒沢橋周辺から急な登り坂が続く「十二曲り」周辺はところどころ雪が残り、断続的に残雪の上を歩かなくてはならない状態。

 その上のオオシラビソの樹林帯から富士見平、高谷池ヒュッテ、そして山頂付近までは一面の残雪で覆われている状態でした。装備はアイゼン、ピッケル、軽アイゼン、ストックを準備し、中でも軽アイゼンはかなり活躍してくれました。調査後の妙高高原は夏を思わせる暖かさが続いていますが、6月いっぱい位は雪上を歩く区間が残ると思います。

 火打山山頂への登山道は、笹ヶ峰にある登山口で標高1300m以上、高谷池ヒュッテで標高2000m以上、山頂で標高2462m。3000m級の山々ではないため、気軽に訪れる登山客の皆さんが年々増えてきているように個人的には感じています。

 昔から、山は高くなくても、「天気は変わりやすい」と言われていますし、ヒュッテの職員さんも高谷池ヒュッテ周辺の天候は特に予想できないと言っていました。

 これからの季節、たとえ平野部で夏のような陽気でも山の上では冷たい雨が降ってくることもありますし、雪解け水でぬかるんでいるなど足場の良くない箇所も所々あると思います。

 事前に周辺の天候や登山道情報をできる限り収集し、装備も十分準備することで、火打山を訪れる皆さんが安全で楽しい登山と妙高高原の豊かな自然を心ゆくまで体験されることを、いつも願っています。

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2013年05月14日妙高高原春だより

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 西林 琢也

 今年は連休あたりまで気温の低い日が多く、平野部の田んぼに水が引かれるのも遅れていましたが、先週から気温も徐々に上がり、妙高高原もようやく春のさかりを迎えたように感じます。

 環境省パークボランティアの皆さんの「ミズバショウ解説活動」は連休で終了しましたが、その後もしばらく続いた気温の低い日のおかげで、いもり池周辺の少し小ぶりなミズバショウたちは例年に比べて長く見頃が続き、訪れた多くの皆さんに楽しんで頂くことができました。




 先週まで一面、白い仏炎苞で満たされていた湿原は、週末から今日までの暖かさのお陰もあり、葉の緑が強くなっていましたが、まだところどころ白いミズバショウもみられ、今日も、暖かな春の日差しに誘われたのか、多くの来訪者の皆さんで賑わっていました。

 湿原の裏側を通る遊歩道に入れば、侵入防止柵の手前からになりますが、間近でミズバショウを観察することもできます。




 立ち上がっていた仏炎苞は下がり、代わりに鮮やかなグリーンの葉がすでに40cmほどの高さまで力強く伸びてきていました。




 周りをよく見わたせば、ミズバショウの大きな葉の下にピンク色のショウジョウバカマの花がひっそり咲いていたり、遊歩道脇ではスミレの仲間も多く見みることができました。




 その他、花期は終わりに近づいていますが、ヤマザクラやモクレンの仲間のタムシバなどもあと少し楽しむことができ、妙高高原の春に彩りをそえてくれています。

 いもり池周辺は、ミズバショウやその他ご紹介した花々が終わっても、すでに花を付け始めたミツガシワをはじめとした多くの植物の花期が続き、自然を身近に体験できる貴重なスポットとなっています。

 現在、環境省長野自然環境事務所では、このような妙高高原地域の美しい自然を守るために活動して頂けるパークボランティアを追加募集しています。詳しくは環境省長野自然環境事務所ホームページ( http://c-chubu.env.go.jp/nagano/ )でご確認頂くか、妙高高原自然保護官事務所までお問合せください。

妙高高原自然保護官事務所
電話:0255-86-2441(平日8:30~17:15)

 いもり池周辺の季節の自然情報や妙高高原の各種イベント等の詳しい情報は、妙高高原ビジターセンター、妙高市観光協会でも提供されています。

妙高高原ビジターセンター
電話:0255-86-4599
URL:http://www.myoko.tv/mvc/

妙高市観光協会
電話:0255-86-3911
URL:http://www.myoko.tv/

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2013年04月17日早春の妙高高原

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 西林 琢也

 妙高高原自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーとして今年で4年目の春を迎えました。
また新たな気持ちで取り組んでいきたいと思いますので、今年度もよろしくお願いします。

 さて、先週は、妙高高原ビジターセンターで共催行事「雪上観察会」等で3月末まで一般参加のお客様に貸し出した歩くスキー、スノーシュー、スキー架台等の用具類を
「今シーズンもお世話になりました。来シーズンもよろしくお願いします。」
の気持ちを込めて、新しく来られた館長さん、スタッフさんたちとともに丁寧に片付けました。




 併せて、ビジターセンター雪囲いの片付けもお手伝いしました。
 毎年この作業を済ませると、妙高高原にもいよいよ春がやってくるなぁ、と感じます。

 週末から今日までは、かなり暖かい日が続き、通勤途中に眺める妙高山の雪形「跳ね馬」も日に日にくっきりしてきて、雪解けに時間のかかる妙高高原も一気に春めいてきました。

 午前中から風もなく気温も上がったせいか様々な鳥のさえずりも多く聞こえるようになり、事務所前のブッシュではアカゲラがせわしなく餌を探していました。
 残雪が消えた地面からはフキノトウも一気に黄緑色の顔をだしていましたので、動植物たちの様子が気になって、いもり池周辺に春を探しに行ってきました。




 池の遊歩道脇では、上越市内から訪れた皆さんが霞たなびく妙高山を写生されていました。妙高山は、季節毎に違った表情と独特の美しさで、訪れる人々を迎えてくれます。

 いつものように周辺のゴミ拾いをしながら、木道を歩いて妙高山側の湿原に近づくと、餌を探していたのでしょうか、ハクセキレイが2羽、慌てて飛び立ちました。
 セキレイが飛び立ったあとの雪の消えた湿原に目をこらすと、ポツポツと白いものが…




 写真では見えにくいかもしれませんが、すでに白い仏炎苞のミズバショウが出始めていました。
 大雪だった昨年よりかなり早い春の到来を感じました。

 いもり池の中を覗くと、コイやフナたちが驚いて一斉に体を翻し、ビジターセンター駐車場に向かえばキセキレイが飛び立ちます。妙高高原の春のさかりもあと少しといった感じ、なんだかウキウキしてくるショート・トリップでした。
 4月末からは、環境省パークボランティアによるいもり池周辺の自然解説「ミズバショウ解説活動」が始まりますし、連休中には妙高に春の訪れを告げるお祭り「艸原祭」も開催されます。
 皆さんも、今年の春は妙高高原で豊かな自然の恵みに癒やされに訪れてはいかがでしょうか。

 いもり池周辺の季節の自然情報や各種イベント等の情報は、妙高高原ビジターセンターでも提供されています。
電話:0255-86-4599
URL:http://www.myoko.tv/mvc/

 「艸原祭」などの妙高全般に関する情報は、妙高市観光協会で提供されています。
電話:0255-86-3911
URL:http://www.myoko.tv/

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2013年03月22日妙高高原の冬を満喫!「雪上観察会」

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 西林 琢也

 3月10日の日曜日、雪の舞う妙高高原いもり池周辺で、妙高高原ビジターセンターとの共催で開催している「雪上観察会」を行いました。環境省パークボランティアの案内で、いもり池周辺の森の中をスノーシューや歩くスキーを使ってゆっくり歩きながら、国立公園である妙高高原地域の自然の豊かさを体感して頂くイベントです。

 受付と参加費の確認が済み、ビジターセンターの案内でレンタルスノーシュー等を受け取ってトイレを済ませた方から、ビジターセンターの向かい、まだ2mほどの高さが残る雪堤の上のスタート地点に移動します(下の写真の黒い線が車道です)。

 パークボランティアさんがレンタルスノーシュー等の履き方や歩き方を丁寧に指導しますので、初めての方や小学生、道具をお持ちでない方も気軽に、安心して参加して頂けます(ただし、防寒着、手袋、ゴーグル、帽子、耳当て、冬用長靴や飲み物、おやつなどは各自でご持参頂いております。)。




 環境省と妙高高原ビジターセンターから、妙高高原の特徴、イベント内容の説明、ボランティアとコースの紹介、安全確認等を済ませて、いよいよ冬の高原に出発です!

 コースは、ここ数日の融雪で締まった雪の上に朝方から降り始めた新雪が少し積もった程度ですので、長靴では歩きにくくても、スノーシューなら全く問題なく歩けます。道を外しさえしなければ、小学生から年配の方まで気軽にアドベンチャー体験を味わって頂けるコースです。




 ザクッ、ザクッと雪をしっかり踏みしめながら木々の間をゆっくり進んでいきますし、パークボランティアさんが雪の重みで曲がった木の前などで時々止まって、特徴や面白い生態、妙高高原の歴史などを詳しく解説してくれますので、小学生でも置いていかれることはほとんどありません。




 この木の実は、雪がなければ2m以上の高さの枝に付いていますから、指でふれながら観察できるのも国内有数と言われる積雪のおかげ。別の場所では目線の高さで若いヤドリギを観察することもできたりと、厳しい寒さと積雪の妙高高原をたくましく乗りこえようとする生きものたちの生命力、工夫と知恵を間近に観察できるのも、雪深い妙高高原ならではの楽しみのひとつです。

 雪が断続的に降っていたため鳥は確認できませんでしたが、動物の痕跡を観察するアニマルトラッキングも楽しむことができました。

 ときおり雪が吹き付けるあいにくな天気だったので、参加者の皆さんの反応が気になりましたが、
「ぶらぶら目的もなく歩くより、解説してもらいながらの散策は楽しかった!」
と口をそろえて答えて頂けましたので、ほっと胸をなでおろしました。

 イベント終了後、案内したボランティアさんとの記念撮影を終えた参加者の若いお二人に、スノーシューを1日借りることができることを伝えると、
「もう少し散策してきます!」
と笑顔で再び森の中を散策に行かれました。

 この「雪上観察会」は、3月17日、3月24日の日曜日も開催される予定ですので、春に向かいつつある妙高高原の自然を体感しにいらしてはいかがでしょうか。

 今年は昨年に比べ今のところ雪解けは早く進んでいるようですが、日によって寒暖の差が大きい時期になってきましたので、天候次第で自然への対応を臨機応変に変えて行く必要があります。冬ならではのイベントを安全に満喫するためにも、事前に道路情報や天気予報を十分ご確認頂き、装備もチェックして体調を整えた上で妙高高原にお越し頂きたいと思います。

 「雪上観察会」に関する詳しい情報は、環境省の下記ホームページのトピックスをご覧ください。また天候による予定変更等の各種お問い合わせは、妙高高原ビジターセンターまでお電話にてお願い致します(0255-86-4599 受付時間9:00~17:00 定休日:毎週水曜日・木曜日)。

「環境省長野自然環境事務所ホームページ」
http://c-chubu.env.go.jp/nagano/

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2013年02月08日妙高高原の様子と「雪上観察会」のお知らせ

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 西林 琢也

 いまのところ、大雪だった昨冬よりは降雪の日が少ない日が続いている妙高高原。

 とはいえ、1月末には事務所周辺の除雪機と人力での除雪が限界に達し、やむなく、昨年同様業者さんに、屋根からの落雪分も合わせて4m近くまで積み重なった雪堤の除雪をお願いしました。




 11tクラスのホイルローダーで事務所の壁ギリギリまで除雪する高度なテクニック、思わず見とれてしまいます。

 さて、そんななか今年も妙高高原ビジターセンターとの共催で、2月17日から3月24日までの毎週日曜日、環境省妙高高原地区パークボランティアさんたちの案内によりいもり池周辺をスノーシューなどで散策する「雪上観察会」を予定しています。




 昨年の「雪上観察会」でのワンシーン。




 写真のような好天に恵まれると、いもり池周辺の森の中では、動物の痕跡、鳥、冬の高原の様子や木々の変化を間近で観察することができます。

 きついアップダウンのない約3kmの観察コースを、1時間半ほどかけてゆっくり散策することで、冬の高原を雄大な妙高山の眺めとともに、より一層楽しんで頂けるのではないかと思います。

 この時期は、特に天候次第で自然への対応を臨機応変に変えて行く必要もあります。お車で遠方からお越しになる皆様は、念のためチェーンをご持参いただければ、安心して観察会場まで来て頂けると思います。

 また、冬ならではのイベントを思う存分楽しんで頂くためにも、事前に道路情報や天気予報を十分確認し、装備もチェックして体調を整えた上でお越し頂き、妙高高原の大自然を満喫して頂ければと思います。

 「雪上観察会」に関する詳しい情報は、環境省の下記ホームページのトピックスをご覧ください。
 各種お問い合わせ及び事前予約につきましては、
妙高高原ビジターセンターまで、お電話にて(0255-86-4599 受付時間9:00~17:00 休館日:毎週水曜日・木曜日)お願い致します。

「環境省長野自然環境事務所ホームページ」
http://c-chubu.env.go.jp/nagano/

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2012年11月07日「妙仙橋」の通行止め

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 西林 琢也

 妙高山に向かう登山道には様々なルートがありますが、燕温泉の温泉街を抜けて太田切川にかかる「妙仙橋」を渡るコースもよく利用される歩道のひとつです。
この「妙仙橋」について、橋全体を雪害から守るための養生を行うため、11月5日より冬季通行止めとさせて頂くことになりました。




 一旦登山道を通って温泉街の対岸に着いてしまうと大田切川を渡ることが困難になり、引き返すしかなくなってしまうため、写真の看板をいくつかある登り口に設置して注意を呼びかけることになりました。

 先日、職員で手分けをして、登山道の登り口や分岐を中心に看板設置作業を行いました。
作業当日の朝は気温も低く、歩き始めた標高1500mを越えるあたりから週末の雪が残り、




 無人の避難小屋「大谷ヒュッテ」(標高約1780m)の周辺は写真のような状態でした。
この道の突き当たりを右手に入って行くと、「天狗堂」(標高約1930m)に至る急な登り坂です。
歩道は踏み固められた雪が氷状になっていたため、4本爪アイゼンを装着してから登りました。

 次の2枚組写真の上側が「天狗堂」で、到着すると15cmほどの締まった雪で覆われている状態。
ここに看板を1セット設置し、今度は燕温泉に向かう道を下っていきます。




 この2枚の写真の間は「胸突き八丁」という別名の通りの急な登山道で、雪が20cmほど着いていて歩きにくい状況でした。ここもアイゼンを装着したまま下りました。

 2枚組下の写真が「北地獄谷麻平分岐」、通称「湯道分岐」(標高約1590m)で、ここまで下ると岩がかなり露出していました。ここにも看板を1セット設置して作業を完了、もと来た道を戻りました。

 気温の高い日が続くと、
「明日も天気が良さそうだから。」
「歩いているうちに暑くなるから。」
と、つい軽装備で出かけてしまいたくなります。ですが、この時期の妙高高原周辺は、天候が短い周期で変わることが珍しくありません。写真のように前回の降雪が残っていることも十分考えられます。また、一旦雪が降ってしまうと周囲の景色が無雪期と大きく変わって見える場合もあります。

 「釈迦に説法」ではございますが、妙高山に限らず山へお出かけの際は、十分な装備で、余裕をもった行程を心がけて頂きたいと思います。また、今回のような注意情報等を事前に収集して頂くことも、無事に帰宅するためには必要ではないかと考えております。

 しっかりした準備と装備のもとで、冬に向かう妙高高原の自然を十二分に満喫して頂きたいと思います。

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2012年11月07日今年度2回目の「環境省アクティブ・レンジャー国立公園写真展」

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 西林 琢也

 妙高高原自然保護官事務所管内での今年度2回目の「環境省アクティブ・レンジャー国立公園写真展」を、10月31日から約1ヶ月の会期で、妙高市の複合文化施設である「新井総合コミュニティセンター」で開催させて頂くこととなりました。



 今回の写真展開催にあたっては、公益財団法人「妙高文化振興事業団」事務局長さんをはじめとした職員の皆様のご理解とご協力、広報にご協力頂いた地元の組織や団体といった多くの皆様のお力添えを頂きました。この場をお借りし、担当者として心からお礼申し上げます。

 さて、開催日前日に設営作業を行いましたが、会場に到着したところ「妙高文化振興事業団」職員の皆様のご配慮によりパネルはすでに設置済みで、展示スペースも図書館と文化ホールを結ぶ、多くの方が利用する通路に確保して頂いてありました。




 ちょうどこの日は、複合施設内の「妙高市文化ホール」で「妙高市ジュニア芸術展」、「ふれあい会館」では「妙高市美術展覧会(市展)」が開催されており、平日の日中にもかかわらず多くの方がこれらの作品を観賞しに来られていたのですが、ありがたいことに展示作業中のアクティブ・レンジャー写真展会場においても、たくさんの方が足を止めて写真をご覧になっていかれました。

 写真をパネルにひととおり掲示しおわったのち、パネルの空きスペースを活用して、環境省のパンフレット「日本の国立公園」や事務所ごとの写真カタログも掲示することで、よりわかりやすい展示になるよう工夫を加え、その結果30m弱という長い通路が、見応えのある写真展会場へとうまれ変わりました。



 この日は戸隠自然保護官事務所勤務のアクティブ・レンジャーの応援もあり、スムーズかつ短時間で展示作業を終了することができたのですが、多くの方のご理解とご協力に支えられてこの写真展の巡回展示が成り立っていることを、改めて感謝とともに実感しました。

 回を重ねるごとに、アンケートを通して観覧者の皆様から写真展に対する多くの反響を頂くようになり、それが、私たちアクティブ・レンジャー(自然保護官補佐)の日々の活動への大きな励みの一つになってきているとも感じております。
 これから約1ヶ月間は妙高市での開催となりますが、「道の駅あらい」からのアクセスも比較的良い立地の会場ですので、お近くにお寄りの際は是非会場に足を運んで頂きたいと思います。
 そして、この写真展をご覧頂くことで、一人でも多くの方に環境省の様々な取り組みをご理解頂きたい、四季折々の国立公園のリアルな姿を感じて頂きたいと考えております。

 今後この写真展は、12月に「楓の館」(山ノ内町)を会場として巡回展示させて頂く予定です。
 写真展開催に関する詳しい情報は、
「環境省長野自然環境事務所」 電話 026-231-6570
までお問い合わせ頂くか、
「環境省長野自然環境事務所ホームページ」
http://c-chubu.env.go.jp/nagano/
でご確認ください。

 また、今回の会場に関するお問合せは、
「妙高文化振興事業団」電話0255-72-9411
までお問い合せ頂くか、
「妙高文化振興事業団ホームページ」
http://myoko-bunka.jp/
でご確認ください。

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2012年10月25日秋のいもり池周辺と妙高山

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 西林 琢也

 つい1ヶ月前までは「暑い暑い」と言っていたと思ったら、環境省のビジターセンターがある笹ヶ峰
(標高1300m前後)はあっというまに紅葉が終わり、笹ヶ峰牧場のウシたちも下に降りたとのこと。
盛りも徐々に平地に移っていく時期になりました。

 最近は事務所にほど近いいもり池周辺(標高750m前後)が日増しに色を帯び、
これから紅葉の盛りを迎えようとしています。
池を覆っていたスイレンも、少し葉がまばらになったようで、花もみかけなくなりました。

 流れ込みにかかる小さな木橋の上には、




 キトンボが止まって休んでいました。
 動きが速く警戒心も強いためか、なかなか上手くとらえられず、2年越しでようやく撮影できました。
やわらかな秋の光が黄色い羽根を木橋に写し、このトンボの特徴をはっきり伝えてくれます。
 他にも、マユタテアカネのカップルやアキアカネもみることができました。

 そんな深まりゆく秋の中、事務所での作業の合間にふと目をあげると、
朝方は雲にかくれていた妙高山の山頂が、うっすら白く輝いているのが見えました。

 昼休みにデジカメをつかんで事務所を飛び出し、いもり池に向かうと、




 透き通った秋の光と風の中、
写生、散策、撮影、一服、
たくさんの方が思い思いに妙高高原の秋を楽しんでおられるところでした。

「ひょっとしたら、今まで見ることができなかった景色が見られるかも…」
と淡い期待を抱きながら、利用者の皆さんを縫って小走りに歩道を進んで流れ出しにかかる橋までくると、
 目の前には、




 山頂はうっすら雪化粧、中腹は紅葉、麓は緑がまだまだ多く残る、
「三段錦の妙高山」が迎えてくれました。

 三年目にして初めて目にする、そして「是非一度見てみたい」と思っていた風景です。
地元紙の新潟日報も、翌日の1面でこの「三段錦の妙高山」を取り上げ、数年ぶりと伝えていました。

 しばらく粘ると風は止み、いもり池に映る「逆さ妙高」と「三段錦」を同時に見ることもできました。

 これから妙高高原一帯は、一年で最も鮮やかな色にあふれた季節を迎えます。

 短い期間ではありますが多くの方にお越し頂き、
さわやかな秋の空気に満たされた、ここでしか、そして今しか味わえない
上信越高原国立公園「妙高高原」の美しすぎる秋を、体感して頂きたいと考えております。

 是非一度、紅葉が終わってしまう前にお越しください。

 妙高高原へのアクセス方法や紅葉などの詳しい情報は、
妙高市観光協会
(電話:0255-86-3911、ホームページ:http://www.myoko.tv/
妙高高原ビジターセンター
(電話:0255-86-4599、ホームページ:http://www.myoko.tv/mvc/
もご参照ください。

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