中部山岳国立公園 上高地
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2019年01月15日ニホンザル対策の報告会 その1
中部山岳国立公園 上高地 関根陽太
こんにちは。
ニホンザルの対策について書かせてもらいましたが、
シーズン末には、上高地ネイチャーガイド協議会の研修会の一環で、
「上高地のニホンザルの現状と対策」の報告と意見交換をしました。
研修会でお話しした内容は改めてAR日記に書こうと思いますが、
意見交換ではガイドの皆さんならではの意見や情報がたくさん挙がりました。
たとえば、「団体ツアーにもっと効率よく啓発を行った方が効果的なのでは。」といったことから、
「ガイドをしているときに多くのお客さんがじっくり見る看板がある。そのような看板をうまく使うといい」などなど。
また、今年作成したポスターについても良い点や改善点など、
どんどん意見を出し合い、時間が足らなくなるほど盛り上がりました。
上高地一同、試行錯誤でサル対策に取り組んでいますが、
自然の中で楽しむ人のマナーが大切です。
私たちにできることを考えてみませんか?
2019年01月11日ニホンザル対策
中部山岳国立公園 上高地 関根陽太
こんにちは。
上高地のニホンザルの人慣れ問題について何回か書いていますが、
昨年は、施設の方、ガイドの方、ボランティアさんなど
多数の方々に協力してもらい、地域一丸となって対策に取り組みました。
対策は今まで「追い払い」に重点が置かれていましたが、
ここ最近は利用者に対する「普及啓発」にも力を入れています。
「追い払い」は、人やエアガン(弾は自然に返る天然素材です)等で
利用者の多い場所に近づいたサルを脅かして、一定の距離を取るように誘導します。
「普及啓発」は、利用者へ野生動物を観察する際の注意点を伝えるものです。
利用者が安全に、そしてサルの人慣れを進める要因を作らないことが大切です。
サルに「利用者が多いところは避けてね。」と言ってもなかなか伝わりませんが、
利用者の皆さんなら、上高地の事を考えて行動してくれます。
「近づきすぎない、エサをやらないで」などのマナーを伝えながら、
上高地のサルの生活も伝えます。ときには道案内や山や花の名前も。
少しずつですが、ヒトとサルが適切な距離を取り戻せるようにできればと思います。
2019年01月08日上高地アクティブ・レンジャーの冬
中部山岳国立公園 上高地 関根陽太
すっかり年も明け、久しぶりの投稿です。
本年もよろしくお願いします。
上高地はオフシーズン!
アクティブ・レンジャーはいったい何をしているのだろう?
と不思議に思う方も多いかもしれません。
上高地で越冬? それとも長い冬休み? もしや解雇??
いえいえ、山麓の中部山岳国立公園管理事務所で働いています!
この時期に来シーズンに向けて準備が沢山あるんです!
上高地は開山期を通してマイカー規制がありますが、
毎年この時期に、上高地の関係者・機関が協議会として話し合い、
来シーズンはどのようにするか決めています。
特に混雑する日は、観光バスとマイクロバスも規制しているので、
この日程決めは、特に念入りに打合せが必要です。
中部山岳国立公園管理事務所が事務局を務めているので、
アクティブ・レンジャーもマイカー規制関係の業務を行っています。
ちなみに昨シーズン(4/17~11/15)に何人が上高地を訪れたか想像つきますか?
なんと、約114万人です!
夏休みや連休などは一日に1万人が訪れる日もあります。
みんながマイカーで乗り付けては、駐車待ちと大渋滞で散策どころではありません。
快適に上高地を楽しんでもらうために、マイカー規制にご協力いただいております。
特に夏休みや紅葉の時期、天気のいい連休などは、利用が集中してしまい、
バスやタクシーを待つ長い列ができることがあります。
平日や6月は比較的空いているので、ゆっくりと上高地の景色を楽しめオススメです。
さっそく今年の予定を立ててみてください。
2018年11月27日上高地閉山&冬期利用について
中部山岳国立公園 佐藤怜子
11月15日、北アルプスの自然の恵みへの感謝と穏やかな来春の到来を願い、上高地閉山式が行われました。
開山期間中に大きな事故などなく無事に閉山を迎えることができ、ほっと一息です。
閉山式当日は快晴☆
こんな良いお天気の中の閉山式は非常に珍しいとのこと。(例年、寒空の下です)
【快晴の上高地!】
【神事の様子-穂高神社の宮司さんが祝詞をあげました】
【にぎわう様子-多くの人が河童橋のたもとに集いました】
山に感謝。自然に感謝。人に感謝。
閉山に伴い、我々の上高地管理官事務所も閉所いたしました。
閉山期間中は、中部山岳国立公園管理事務所にて勤務しています。閉所して1週間が経ちましたが、上高地が恋しいです...(T_T)
冬期期間中については、冬山であり危険が伴うので安易な入山は控えるようにして下さい。
また、入山する際は注意事項を必ずご確認下さい。
【上高地冬期入山ルール】
詳しくは下記HP等でご確認下さい。
リンク http://chubu.env.go.jp/shinetsu/to_2018/post_99.html 中部地方環境事務所
http://www.kamikochi.or.jp/winter/5513/ 上高地公式ウェブサイト
2018年11月06日今シーズンお疲れ様でした★上高地パークボランティア
中部山岳国立公園 佐藤怜子
こんにちは、上高地パークボランティアの活動運営を担当する佐藤よりパークボランティアの活動についてお伝えします。
11月3日、上高地パークボランティアの反省会を行いました。
上高地パークボランティアは、毎月定例会を行っておりますが、閉山を迎える11月の定例会は上高地での最後の会となるため反省会とし、今年度の上高地での活動を振り返りました。(閉山後も松本市内の公民館等で定例会は行います)
また、反省会に合わせて講演会を行いました。講師に信州大学理学部の東城幸治教授(信州大学学術研究院理学系・生物学領域)をお招きしました。「生物多様性の世界的ホットスポットとしての信州」という演題で、研究事例を挙げながら地史的な観点や遺伝分類学の観点から、日本の生物多様性についてお話してくださいました。
【講演会様子-大勢の参加者があり会場は満員!】
今後のパークボランティア活動に生かせる内容盛りだくさんの講演会でした。
さて、上高地パークボランティアとして日頃から様々なボランティア活動を行っておりますが、反省会当日及び翌日のボランティア活動を紹介いたします。
【田代湿原デッキの清掃様子】
この時期は、遊歩道に落ち葉が積もります。積もった落ち葉が濡れると滑りやすくなることや、そのままにしておくと木道が痛みやすくなるので除去します。
【木道の清掃様子】
【側溝の落ち葉除去様子-側溝の機能を保つために】
【側溝の落ち葉除去様子-落ち葉や土を取り除くのは大変です】
大変な作業ですが、皆さん上高地のために活動して下さいます。
上高地パークボランティアの皆様、上高地のために日々ご尽力いただきありがとうございました。
今シーズンお疲れ様でした!!
2018年11月01日安曇小学校上高地学習~3・4年生の看板清掃活動~
中部山岳国立公園 佐藤怜子
日頃から施設の維持管理作業を職員や自然公園財団、パークボランティアなどで行っておりますが、先日は地元の安曇小学校3・4年生の児童たちが看板清掃を行ってくれました。
「今日は看板をきれいにするぞー!」とやる気で上高地へやってきた3・4年生7名。看板清掃を一生懸命行ってくれました。看板を見つけると我先にと走っていき清掃にとりかかる姿がとても印象的でした(^^)
今回清掃したのは、河童橋~田代橋までの区間にある環境省設置の案内看板です。
スポンジで擦って水で流すと、看板に付いた木の脂や埃などの汚れがきれいに落ちます。汚れが取れるのを実感できるため、みんなやりがいを感じながら活動していました。
【やりがいがあるぞ!】
【看板の端までしっかり汚れを落とすよ!】
【達成感があるね!】
【おおものだ!!】
【ちなみに、この日はこんな良いお天気でした☆】
3・4年生のやる気パワーで看板8枚を清掃することができました。
みんな、上高地のために活動してくれてありがとう!!
これからも『地元』上高地を大切に思い、親しむ心を育んでいってほしいです☆
2018年10月24日* 紅葉が見頃です @平湯 *
中部山岳国立公園 丸山由起子
平湯管理官事務所のある平湯温泉や新穂高付近の紅葉が見頃になっています。
<平湯管理官事務所付近の紅葉>
<平湯温泉からは笠ヶ岳がよく見えます>
山の形は見る場所によって変わりますが、平湯温泉からの笠ヶ岳はとても端正な容姿です。
写真は平湯温泉のバスターミナル付近です。
バスターミナルからは上高地や乗鞍畳平へのバスも出ています。
ここ平湯は上高地へお出かけの際の宿泊地としても便利ですよ!
上高地の紅葉散策とあわせて平湯の紅葉もお楽しみください♪
また乗鞍スカイライン、乗鞍エコーラインは10月31日までで冬期閉鎖となります。
乗鞍岳へ行きたい方はお急ぎください。
【ご注意】乗鞍への道路は道路状況によって(積雪等)は通行止めになることもあります。
<鍋平高原の北アルプス大橋>
平湯から新穂高ロープウェイへ向かうときに中尾温泉を経由すると途中に北アルプス大橋があります。
ここもおすすめの紅葉名所です!
蒲田川に流れ込む外ヶ谷の深い渓谷にかかる橋は被写体としてとても迫力があり、人工物と自然の
コラボが見事です。
国立公園の自然と温泉を楽しめる奥飛騨温泉郷平湯温泉へぜひお越しください。
2018年10月17日*どこを見ても絵になります @乗鞍高原&白骨温泉*
中部山岳国立公園 丸山由起子
昨日(10月16日)乗鞍高原の現地調査に行ったら乗鞍高原はいたるところ紅葉まっさかり。
どちらを見ても絵になる風景でしたので紅葉状況のご報告♪
写真はすべて10月16日撮影のものです。
<一の瀬駐車場付近からの眺め>
<大カエデと乗鞍岳>
大カエデは青い葉っぱが少し残っていました。
今後の天候状況にもよりますが今週末もまだがんばっていてくれそうですよ。
写真のほかにもきれいなところがいっぱいです。
芸術の秋♪自分だけの風景フレームを探しに乗鞍高原を歩いてみてください。
また、乗鞍高原に隣接する白骨温泉は全体が中部山岳国立公園の中に入っています。
こちらの紅葉もおすすめですよ。
<色づき始めた白骨温泉>
<乗鞍高原から白骨温泉に向かうスーパー林道から>
この週末は上高地の黄葉もきっと見頃になってくるはずですので、
「乗鞍高原」「白骨温泉」「上高地」、ついでに「平湯温泉」や「新穂高温泉」などもあわせて
『 紅葉狩りと温泉旅 』を計画されてはいかがでしょう?
【お知らせ】
訪日外国人の方々に国立公園を満喫してもらおう!というプロジェクトの一環で
中部山岳国立公園南部地域を紹介する英語版公式サイトができました。
乗鞍高原や白骨温泉も紹介されています。 ぜひご活用ください。
2018年09月10日「見て!触って!どうぶつ展」開催中☆
中部山岳国立公園 佐藤怜子
上高地インフォメーションセンターでは、企画展示「見て!触って!どうぶつ展」を開催しています。
内容は、ライチョウやニホンカモシカ、ツキノワグマなどの剥製(はくせい)10種類程と、写真40枚程が並ぶ見応えのある展示となっております。
【会場の様子】
今回の目玉は、なんと言ってもライチョウです!
高山に生息するライチョウを実際に見たことがある人は限られていることでしょう。ここでは、高山に登らなくてもライチョウを剥製で見ることができます!
【ライチョウコーナー】
この企画展では、写真と剥製の両方を展示することで、環境省で取り組んでいるライチョウの保護増殖活動のより一層の普及啓発に繋がるよう力を注ぎました。
また、剥製と関連して展示されている写真はどれもステキなものばかり!
見返り美人のタヌキには胸きゅんですよ☆
【ステキな写真がずらり!】
そして佐藤のオススメは、触れる剥製です!実際に触ることで、毛や爪のかんじを体感することができます。毛はふわふわできもち~いですよ(^^)
【ツキノワグマに触れるよ♪】
触れる剥製は、触られる剥製と触った人の両者に問題の無いよう製作されておりますので、安心して触って下さい。また、触れる剥製コーナー以外の剥製には手を触れないようお願いいたします。
【ぜひ自分の手で触って確かめてみてね!!】
この企画展示は10月16日(火)まで開催していますので、ぜひ皆様お越し下さい。
かわいい写真とはくせいたちが皆様をお出迎えいたします♪
協力:小野真吾・市立大町山岳博物館・松本市山と自然博物館
こんにちは。
先日のAR日記に書いた、研修会での内容をざっくり書きたいと思います。
上高地のニホンザルは特別な種類ではないですが、次のような特徴があります。
・極寒の地(冬は-20℃近い日もある)に通年で暮らす
・高山帯に登る(1,500m付近から3,000m峰まで利用する群れもある)
・水生昆虫を食べる
・人間に依存しない
サルの仲間は熱帯地方に多くが分布し、
世界から見ても日本の雪国にサルが生息していること自体が珍しいのです!
そのなかでも、上高地のサルは人間からエサや農作物を得ていなく自立していて、
学術的にも貴重な個体群と言われています!!
そんな貴重なサルですが、
H18頃から売店前の水槽で冷やしていたリンゴを取って食べてしまう案件が多くなってきました。
エサを介してしまうと人慣れが一気に進行してしまい、
他の国立公園や観光地でもみられるように、
人に飛びついたり、物を奪ったりするようになってしまいます。
そこから、上高地関係者と管理官事務所が協力して、
食品管理強化や追い払いの講習会、エサやりの注意喚起を行ってきました。
今年は、管理官事務所の事業の一環で、
自然公園財団に野生生物専門対策員を雇用していただき、
巡視や追い払い、普及啓発活動などを行ってもらいました。
外国人利用者も多いため、英語と中国語で伝えられるボードを作成しました。
このように10年以上対策に取り組んでいる上高地ですが、
人慣れが進み威嚇行動が見られてきたが、直接人間に襲いかかることはほとんどありません。
他地域のように劇的に悲惨な状況にはなっていなく、
なんとか現状維持できていることは取り組みの成果だと思います。
今後も上高地では、追い払いの実施と利用者への普及啓発に地域で取り組んでいこうと思います。
また、近年はハシブトガラスに弁当やおやつを取られる案件も出てきています。
ハシブトガラスは上高地の生態系の一員ですが、
このままではサルと同じように問題となってしまいます。
カラスについても試行錯誤の始まりです。