上信越高原国立公園 万座
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2016年07月12日平成27年度JPR活動新聞展示①
上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 小林映絵
現在、「嬬恋村観光案内所」の1階にて昨年度開催した子どもパークレンジャー(略称:JPR)活動新聞を掲示しています!!
昨年度のJPRは、野生鳥獣とその問題について知り、どのように向き合っていくかを子どもたちに考えてもらいました。
それぞれの班で考えた子どもたちの野生鳥獣と共存するための多様なアイデアには大いに関心されられます( ^-^)
玄関を入ってすぐのスペースをご提供頂いているので、立ち止まってじっくり見てくださる方も多いようです!!
この嬬恋村観光案内所は、JR「万座・鹿沢口駅」の傍にあります。
嬬恋村にお越しの際には、是非お立ち寄りください^^
なお、展示期間は7/28(木)までとなっております。
8月は小諸市にて展示を予定しています。
2016年06月24日続ける事の大切さと広がる輪 ―自然環境功労者環境大臣表彰授賞―
上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 小林映絵
今月上旬、湯の丸レンゲツツジ保存会の活動に参加してきました。
当日は、新宿御苑でボランティア活動をされている"グリーンアカデミークラブ"さんにもお越し頂き、共に活動をおこないました。
普段は違う場所で活動している2団体が、こういった活動を通じて交流できるというのはとても素敵なことだと思いました。
今回活動を行った、湯ノ丸山の裾野に広がる湯の丸高原には、一目60万株といわれるレンゲツツジ群落を見ることができます。
この群落が形成された背景には、明治から昭和にかけ、湯の丸牧場として家畜の放牧が行われていたという歴史的かつ人為的なものがあります。(詳しくは以前のアクティブ・レンジャー日記をご確認ください)。
現在でも観光を目的とした放牧は行われていますが、年々放牧頭数が減少傾向にあり、それに伴ってレンゲツツジ群落は縮小の危機にあります。
湯の丸高原のレンゲツツジ群落を維持していくためには、放牧される牛や我々人間の力が引き続き必要とされています。
レンゲツツジ保存会(会長:下谷博さん、事務局:嬬恋村教育委員会)は、平成12年に立ち上げられてから、支障木の伐採やササの刈り払い作業などのほか、湯の丸高原にレンゲツツジ群落を見に来られた方が歩きやすいように歩道を整備するなどの活動をボランティアで行って頂いています。また、地元の高校生も巻き込んでご活動いただき、自然環境保全についての地域への普及啓発に一役買っていただいています。
この度、これらの活動を讃え「自然環境功労者環境大臣表彰」の保全活動部門で表彰を行わせて頂きました。
【湯の丸レンゲツツジ保存会会長 下谷博さん】
長きにわたる保全活動、本当にありがとうございます!
湯の丸高原のレンゲツツジ群落は、万座自然保護官事務所管内における見どころのひとつとなっており、環境省も活動に参加させて頂いています。今回の授賞、自分のことのようにとても嬉しく思いました^^
-継続は力なり- 地道な活動ではありますが、絶えず活動が行われていることは地域にとっての宝であると感じています。今後も素敵な活動となりますよーに(´∀`)
(6/21に撮影したレンゲツツジ♪)
2016年06月24日やらねばならぬ!-外来種への取り組み-
上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 小林映絵
万座自然保護官事務所管内で"フィーバー"発生中(゜Д゜)!!
突然の書き出しで"?"ですよね・・・失礼しました(汗)
一体、何がフィーバー中かと申しますと・・・"外来種フィーバー"なのです。
全国的に問題が深刻化している"外来種問題"。当所管内も例外ではなく、外来種が生息しています。
ですが、ただ黙って見ている訳ではございません!!「本来の自然景観を保全しよう!」といった思いから、当所管内でも様々な活動主体による外来種対策の取り組みが積極的に行われているんですよ^^そういった活動に、春からガッツリと参加してきました。
まず、鹿沢インフォメーションセンター運営協議会が主体となっている「ハルザキヤマガラシ」の駆除作業を皮切りに・・・
(湯の丸高原のレンゲツツジ群落と鹿沢高原の自然環境保全のため、鹿沢温泉から湯の丸高原を通る県道沿いで作業)
次に、嬬恋軽井沢自然倶楽部が主体となっている「オオキンケイギク」「オオハンゴンソウ」の駆除作業を・・・
(バラギ高原の自然環境保全のため、バラギ温泉湖畔の湯周辺で作業)
浅間・高峰観光協議会、白根山系の高山植物を護る会がそれぞれ主体となっているハルザキヤマガラシの駆除作業にも・・・
(高峰高原や浅間山の自然環境保全のため、小諸市市道「チェリーパークライン」沿いで作業)
(ラムサール条約登録湿地である芳ヶ平湿地群の自然環境保全のため、国道292号線沿いで作業)
このような取り組みは、地道な活動であり、「本当に意味があるの?」という意見も伺ったことがありますが、私は個人的に、成果は徐々に出てきているように感じています。
鹿沢で取り組んでいるハルザキヤマガラシの駆除については、少なくとも8年は続いており、取り組みが行われていない場所と比べると目の前に広がる景観の明らかな違いに気付かされます。
外来種問題には、輸入・輸出、旅行による移動など、私たちヒトの営みが起因しています。そして、これらの保全活動も、ヒトとして外来種問題に向き合うひとつの営みであると思います!今後も頑張って取り組みを行っていきたいです。
ここで、駆除した外来種の特徴について、写真で簡単にご紹介~。
【ハルザキヤマガラシ】(総合対策外来生物)
菜の花に似ていますが、花芽が小さく葉にテカリがあるのが特徴です。
繁殖力が強く、在来種を駆逐します。
【オオキンケイギク】(特定外来生物)
コスモスに似ていますが、花びらの先端に切れ込みがあり、葉の両面に荒い毛があることが特徴です。
繁殖力が強いため、在来種を駆逐します。
【オオハンゴンソウ】(特定外来生物)
ヨモギに似た葉で、裏に荒い毛があります。また、黄緑色の大きな花が特徴です。
繁殖力が強く、「アレロパシー」という物質を根から出し在来種を駆逐します。
※もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物(動物及び植物)を"外来種"と呼びます。
環境省では、外来生物法において日本国外から来た外来種のうち、地域の自然環境だけでなく人や農林水産業に被害を及ぼすものを"特定外来生物"に指定し、飼育・運搬などの規制や防除の対策を行っています。(詳しくは環境省HP「ニホンの外来種対策」をご確認ください。)
ーお願いー
特定外来生物の防除は哺乳類と鳥類を除き誰でも行うことができますが、生きたまま他の場所に運ぶことは法律で規制されています。特定外来生物を見かけた場合は、まず行政機関にご相談ください。
2016年06月17日野生生物保護功労者表彰!おめでとうございます^^
上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 小林映絵
国指定鳥獣保護区の管理(密猟防止のための巡視、利用者指導、鳥獣の生息状況調査、環境省直轄施設の管理)については、基本的に環境省職員が行っていますが、区域が広大であることなどから職員のみでは十分な管理が行えない現状があります。
そのため、鳥獣に詳しい地元住民の方に業務を委託し管理のお手伝いを頂いています。その名も"国指定鳥獣保護区管理員"!!
現在、国指定浅間鳥獣保護区においては4名の国指定鳥獣保護区管理員にご活動頂いています。毎月のご報告、ありがとうございます♪
この度、国指定浅間鳥獣保護区で国指定鳥獣保護区管理員としてご活動頂いている井出悦雄さんが"自然環境局長賞"を授賞されました!!
平成12年より環境省の国指定鳥獣保護区管理員として、長らく積極的にご活躍頂いたことが授賞の決め手でした。
常陸宮同妃両殿下ご臨席のもと執り行われた第70回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」(神奈川県小田原市にて開催)の表彰式には日程が合わなかったため、長野自然環境事務所にて、中山所長より表彰状と副賞を贈らせて頂きました。
以前のアクティブ・レンジャー日記で浅間鳥獣保護区の標識リニューアル工事についてお伝えしましたが、そのリニューアル工事を行う際に、地元住民の方へ鳥獣保護区について分かり易く丁寧に解説を行って頂いた事がとても印象に残っています。
私たち現地職員も、井出さんには粋の良い情報のご提供や整備手法についてのご助言などを頂き、とてもお世話になっています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!!
最後に記念撮影。パシャッ☆
(左より:万座自然保護官 山根、長野自然環境事務所長 中山、井出悦雄さん、野生生物課係長 澤野)
井出さん、改めまして、おめでとうございます(o´∀`o)♪
2016年06月09日Let'sパーティー!-"彩りの季節"到来-
上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 小林映絵
関東甲信地方が梅雨入りしたとのことですね。
確かに、雨が降ることは無いながらも、スッキリしない天気が続いてはいました。
しかし、梅雨入りとは・・・なんだか、あっという間に春が通り過ぎた気がします。
さて、そのような状況はありますが、山々ではパーティーの準備が整いつつあるみたいです。ちょっと、パーティー会場を覗いてみましょう!
【ミツバツチグリ】
葉が3枚あり、根が太く膨らむ形を栗にみたて呼ばれたそうです。
花も丸くクリッとした印象で、かわいいですよ^^
【ショウジョウバカマ】
花を能楽に登場する猿-猩々(しょうじょう)-の赤い顔に、葉を袴に見立て名付けられたそうです。
猿の顔・・・きっとモッサリしたお猿さんからイメージされたのではないでしょうか。
【ミツバオウレンの群落】
【ミツバオウレンのアップ】
葉が3枚あり、根っこは黄色く横に伸びて群落を形成する事から名付けられたそうです。
花に見える白い部分はガク片で、花弁は黄色い部分です。何とも不思議な花の付け方ですね。
【イワカガミ】
光沢のある丸い葉の様子から名付けられたそうです。
花が終わった後も、その葉の存在は目立つように感じます。群生していることも多いので、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
【ツバメオモト】
葉がオモトという植物に似ており、結実色が紫でツバメの頭に似ていることから名付けられたそうです。
白根山や浅間山はこれからが花のシーズンとなるそうですよ。
【シロバナエンレイソウ】
エンレイソウが薬草として利用されていて、深山に生え白い花を付けることから名付けられたそうです(通常のエンレイソウは褐色)。
すっと伸びた茎に、大きな葉っぱが3枚。そこにチョコンと乗ったお花がかわいらしいです。
どのお花も素敵な装いでしたねっ☆
これからより一層華やかな状況となる事でしょう。楽しみですね^^
なお、今年は例年よりも、お花の開花が全体的に早め傾向です(2週間程度)。
ただ、暖かな気候に誘われて花芽を開き始めたものの、ここ数日の寒さで霜が降り開花できず仕舞いだったものも目にしました。
これから気候の大きな変動がないことを祈りつつ、素敵な姿と彩りで楽しませてくれることを期待したいと思います(o´∀`o)
※名前の由来には諸説あります。今回、ご紹介させて頂くにあたり自然公園財団草津支部にご協力頂きました。ありがとうございました!!
2016年05月27日自治体によるニホンジカ駆除の取組(※シカ解体画像あり)
上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 小林映絵
以前のアクティブ・レンジャー日記(http://chubu.env.go.jp/blog/2016/02/post-166.html)でも取り上げましたが、ニホンジカの個体調整が急務となっています。
その反面、捕獲後の個体の処理が捕獲する上での問題のひとつとなっていました。
その問題解決のひとつの方法として、捕獲したニホンジカの肉を活用しようとする動きが小諸市であり、ようやくそれが形となりました!
そ・れ・は、捕獲したニホンジカの肉を加工するための施設の設置です!
地方創生先行型交付金を活用し、現在使用されていない施設を改築して設置されました。
先日、その完成したばかりの施設で関係者を招いての説明会が行われました。
【施設についての説明】
【捕獲個体を運搬するための冷凍車】
【捕獲されたニホンジカ】
【解体中】
今後、ここで処理されたシカ肉はペットフードに加工され、商品化される予定とのことです。
近々、一般向けに販売が行われるのではないかと思います。ニホンジカ駆除に一役買う取組として期待したいと思います。
2016年04月04日平成28年度アクティブ・レンジャー国立公園写真展開催中!
上信越高原国立公園 アクティブレンジャー 小林映絵
桜の満開情報について、色々と情報が飛び交っていますね。
万座自然保護官事務所管内周辺では、梅が咲き始めました。
桜の木々も蕾がふっくらと色づきが増し、気持ちの良い気候に包まれています。
そんな素敵な気候に包まれながら、無事に新年度を迎えることができました。
今年初めのお仕事は、「平成28年度アクティブ・レンジャー国立公園写真展」の展示作業でした!!
どんっ。
どどんっ。
現在、草津町温泉図書館をお借りし、展示中です。
こちらの図書館は、草津町のバスターミナルの待合所に併設されており、乗車するバスを待ちながら利用も可能であるとのことです。

(バスターミナルにもちょこっと展示中)
国立公園の美しさはもちろん、そこで行われている取り組みなどなど・・・紹介していますので、足をお運びください♪
素敵な写真たちがお待ちしております☆
【図書館入り口】
場所など詳しくはこちらをご覧ください。
2016年02月29日ニホンジカ被害対策に向けて~地域との協力~
上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵
ニホンジカの食害などによる農林や生態系への被害が全国的に問題となっていますが、浅間山周辺も例外では無い状況です。
私自身、実際に現地調査を行っている時に、ニホンジカによるものと考えられる高山植物や樹皮の食べ跡などを目にすることが多くなってきたように感じます。
【角研ぎ跡】
【樹皮の剥被】
【高山植物の花芽の食跡】
このように樹皮を剥がれてしまった樹木は、再生することができず枯れていってしまいます。花芽を食べられてしまった高山植物は、種を付けられず命をつないでいくことができなくなってしまいます。
浅間山周辺は、上信越高原国立公園や国指定浅間鳥獣保護区に指定されており、その美しい自然には多様ないきものが生息しています。しかし、ニホンジカの急激な頭数増加と分布拡大により、そのような環境の維持が困難になりつつあります。その自然を守ろうと、浅間山周辺の各地域では様々な取り組みが行われています。
そこで、各地域の取組を情報共有し、今後のニホンジカ対策に生かすため、環境省長野自然環境事務所主催で情報交換会を開催しました!
【行政担当者による活動内容の発表(第1部)】
【市民団体による取組の発表(第2部)】
【会場の様子(第2部)】
この情報交換会では、行政や市民団体による浅間山麓での取組紹介が行われ、そこで行われている活動について知ることができました。また、森林や景観の保全、貴重な高山植物や高山蝶などのいきものの保護のために、ニホンジカ対策の必要性があることを共通認識として持つことができたのではないかと思います。
全国各地でニホンジカによる影響が問題となっています。捕獲数は伸びているものの依然としてニホンジカの個体数増加や分布拡大に歯止めがかかっていません。地球温暖化による冬の雪不足なども要因の一つとして考えられ、私たち人間のライフスタイルの変化も影響しているのかもしれません。現在の自然や景観を今後も残せるように、ニホンジカとも共存していける環境作りを行っていきたいと感じました
*ご協力のお願い*
環境省長野自然環境事務所では、ニホンジカ対策の一環として浅間山周辺のニホンジカ目撃等の情報収集を"いきものログ"を活用し行っています。情報がありましたら是非ご協力をお願いいたします。
2016年01月08日「子どもパークレンジャー活動新聞」展示中⑤
上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵
今年初めてのアクティブ・レンジャー日記です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年の7月より浅間山麓の6市町村を巡回する形で行っておりました「子どもパークレンジャー活動新聞」の展示。
いよいよ、最後となる6ヶ所目の会場は、"御代田町立図書館"です。
長野県御代田町にある"エコールみよた"という施設内にある図書館の入口にて開催中。
【展示状況】
図書館入り口左側に展示しています。
展示期間は平成28年1月8日から平成28年2月16日まで。
今回で展示納めです!まだご覧になってない方はいらっしゃいませんか?
最後のチャンスです。是非、足をお運びください☆
先月の25・26日の2日間に渡り、鹿沢万座パークボランティア(以下、鹿沢万座PV)の養成研修会を行いました。
養成研修会には8名の新規登録希望者の出席のほか、既存登録者の方にも多数ご参加頂きました。
☆1日目☆
午前の部は、吾妻広域消防嬬恋分署の職員の方の指導の下、救急救命についての研修を行いました。
人工呼吸や心臓マッサージ、AEDの使用と注意点などの救命法と、傷の手当てなどの応急処置について学びました。
私自身、何度かこの講習を受講しているのですが、順番が回ってきたときに手順に戸惑っている自分がいました。いざという時のために、スムーズな救命処置が出来るように体で覚えていきたいと感じました。
午後の部は、万座自然保護官事務所から、PV制度や自然公園法などについての説明を行いました。また、PVの会にご協力頂き、活動拠点となる鹿沢園地での実際の解説活動や注意点、PVの会の活動についてご説明頂きました。
【山根自然保護官から国立公園などの説明】
【鹿沢万座PVから園地と植物についての説明】
☆2日目☆
長野県東御市にある池の平湿原にてフィールド研修を行いました。
一般財団法人自然公園財団草津支部支部長の湯田氏を講師にお招きし、インタープリテーションについて学びました。
インタープリテーションを行うに当たっては、植物やその場所の歴史・特色の把握や、安全管理・配慮・判断が重要であるとの説明をいただきました。
特に、お客さんを連れて歩く場合、その人の体調把握やもしもの場合の応急処置がとても重要であるとのことでした。
また、研修中には思わぬ珍客も。ツキノワグマを見ることが出来ました。(写真に収めることが出来ず・・・><)遠くから個体を確認したため、恐怖よりも感動がありましたが、やはり危険要因には間違いありません。適切な対応方法についてシッカリと知識を身につける必要があると感じました。
新しく登録される方達の本格的な活動は8月頃からとなります。これからよろしくお願いします!!
【「雲上の丘」からの池の平湿原】