2021年11月
8件の記事があります。
2021年11月22日立山室堂平の積雪期利用ルール
中部山岳国立公園 立山 平松新一
こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松です。
立山室堂はすっかり冬の様相、みくりが池の水面にも氷が張っています。
さて、この時期、立山室堂地域関係者で構成する「室堂平周辺積雪期利用適正化協議会」では、室堂平周辺を訪れる利用者の安全確保と自然環境保全のため、積雪後から11月30日までの間の利用ルールを策定しています。
■積雪期におけるテント泊について
・テント泊を予定している方は、冬山に対する高度な知識と技術、十分な装備を持った上で自己責任のもと利用してください。また、登山届を事前に提出している場合であっても、室堂ターミナル内の入山安全相談窓口で必ずレクチャーを受けてください。
・雷鳥沢野営管理所は10月31日から翌年4月下旬まで冬期閉鎖しています。野営場は利用可能ですが、トイレや水場は使用できないため、携帯トイレをお持ちください(入山安全相談窓口、ホテル立山2F売店で販売しています)。
・技術、体力、装備に不安のある方は山小屋(一部山小屋は11月24日宿泊まで営業)やホテルをご利用ください。
■室堂平仮設野営指定地の開設について
・すべての山小屋が休業する11月25日からアルペンルートが閉鎖する11月30日までの間、応急的に室堂平仮設野営指定地を開設します。詳細は中部山岳国立公園管理事務所HPでご確認ください。
野営地について
・11月25日までは雷鳥沢野営場をご利用ください。
・11月25日宿泊から雷鳥沢野営場または、室堂平の仮設野営指定地をご利用ください。
・室堂平では、上記以外の場所ではテント設営はできません。
立山周辺や雷鳥沢野営場、室堂平の植生上、登山道上にし尿やゴミが放置されていることがあります。必ず携帯トイレをお持ちください。
この時期には雪上に動物たちの足跡が見られます。ライチョウはもちろん、キツネ、テン、オコジョ、ウサギ、ネズミ類など、普段その姿を目にすることのできない動物たちの足跡があちらこちらに残っています。積雪期のルールを守って、こんな動物たちの痕跡を見つけるのも楽しいですよ。
******************
中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
2021年11月18日近自然工法の登山道整備 ~たまには山へ恩返しin乗鞍~
中部山岳国立公園 関根陽太
中部山岳国立公園管理事務所の関根です。
昨年度に引き続き、近自然工法による登山道整備を行いました。
その名も「たまには山へ恩返しin乗鞍」です!
8日間で、延べ116名の方に携わっていただきました。
近自然工法での整備に取り組む北海道山岳整備の方に来てもらい、地元の皆さんや行政関係者が参加しました。
そして今年は、観光協会のSNSで一般の方の募集もしました。
一般の方は、山好き・乗鞍好き・登山道に興味がある方などが、延べ23名の方々が参加しました。
資材を運ぶのも楽しみのひとつです!
力がなくてもそれぞれできることがあります!
土砂をヤシネットで包んだものも活用しました。
植生や歩道に影響が出ていた箇所に手を付けられたとともに、
皆で山に恩返しする喜びを感じ、皆で登山道のあり方や整備の必要性を考えるきっかけをつくることができました。
自然に恩恵を受けている地域内外の皆で考え、今後も取り組んでいければと思います。
近自然工法については、信越自然環境事務所HPに「登山道を直す 近自然工法の考え方と技法」を掲載しています。ぜひご覧ください。
*********************************
中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
2021年11月17日(ご案内)藤前干潟のオンラインイベント
国指定藤前干潟鳥獣保護区 西部理恵
みなさま、藤前干潟からこんにちは。
アクティブ・レンジャーの西部です。
今日は、晴れてとても気持ちの良い藤前干潟です。
カモ類がだんだんと増えてきましたし、ハマシギも1000羽を超えて、
にぎやかな藤前干潟になってきました。
なかなか忙しくて、ゆっくりと干潟を観察する時間がないのが残念。
せかせかと干潟上で何かを食べているハマシギの動きは、見ていて飽きませんよ。
<何年か前に撮影したハマシギの飛翔風景>
さて、今日は皆さまにご案内です。
6月に実施した藤前干潟ふれあい事業オンライン講座の続編が、
11月、12月と続けて開催されます。
今度は、干潟初心者、鳥の観察初心者向けの楽しいイベント!
オンラインなので、どこからでも参加出来ますし、人数制限もほとんどなしに近い状態です。
ぜひ皆さま、ご参加ください。
●藤前干潟ふれあい事業
ラムサール条約登録20周年プレ・イヤー オンライン講座
◇「バーチャルガタツアーin藤前干潟~オンライン干潟観察会~」
日時:2021年11月27日(土)
13時30分~15時
会場:オンライン(ZOOMを予定)
講師:かに君@梅村幸稔氏(NPO法人藤前干潟を守る会)
対象:子どもから大人までどなたでも
定員:100名程度
申込:藤前干潟ふれあい事業実行委員会
TEL:052-223-1067、FAX:052-223-4199
メール:ecopal@n-kd.jp
〆切:11月23日(火・祝)必着
◇「カモって面白いカモよ?~初心者向けカモの見分け方講座~」
日時:2021年12月5日(日)
13時30分~15時
会場:オンライン(ZOOMを予定)
講師:櫻井佳明氏(加賀市鴨池観察館)
対象:子どもから大人までどなたでも
定員:100名程度
申込:藤前干潟ふれあい事業実行委員会
TEL:052-223-1067、FAX:052-223-4199
メール:ecopal@n-kd.jp
〆切:12月1日(水) 必着
他にも、ラムサール条約登録20周年の機運を高めるべく、藤前干潟ふれあい事業では楽しい企画が盛りだくさんです!
詳しくは下記のチラシをご確認ください。
https://www.city.nagoya.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000140/140354/Ramsar20pre_add.pdf
2021年11月16日志賀高原 スキー場のオープンまでもう少し
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
志賀高原では、標高の低い所でも紅葉が終わりました。
また、志賀高原や周辺では冬期閉鎖区間の規制が始まったので、志賀高原へのアクセスは、山ノ内町市街地から国道292号を通るルートのみになりました。
さて、志賀高原の琵琶(びわ)池では、先日まで水位が低い状態が続いていました。
<水位の下がった琵琶池。11月10日撮影。>
琵琶池の水は発電に利用されています。発電所への取水口での作業のため水位を下げていました。
なお、国立公園の特別地域内の河川、湖沼の水位・水量の増減については、自然公園法の許可を要する行為です。行為をお考えの際は相談ください。
<取水口での作業の様子。11月10日撮影。>
琵琶池周辺の地図です。
これを見ると、琵琶池には、東(地図の右側)にある横湯川からと、南(地図の下側)にある角間川からの2つの水路があることが分かります。角間川からの水は丸池をいったん経て琵琶池に流入します。
取水口は琵琶池の北西側にあり、発電所へ導水されます。発電所との標高差は約400mです。
<地理院タイルに琵琶池と発電所への水の流れを説明する語句を追記した>
ちなみに、琵琶池からの水を利用している平穏(ひらお)第一発電所は、岡鹿之助さん(洋画家、1898年-1978年)の「雪の発電所」(1956年)のモデルになったものです。この作品に描かれたのと同じ建物が現在も使われています。この発電所も国立公園内にあります。
では、本題。
志賀高原のスキー場では、人工降雪機のあるスキー場でも気温が下がらないので雪づくりには苦労されているようです。それでも、志賀高原で最も標高の高い所にあるスキー場では19日に一部コースをオープン予定とのこと。
ウインターシーズンが始まります。
志賀高原など上信越高原国立公園の標高の高い所へは、冬用タイヤ装着やチェーンを携行してお出かけください。
【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、引き続き、「三つの密」を徹底的に避ける、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」及び「手洗いなどの手指衛生」等の基本的な感染対策の実施をお願いします。
2021年11月03日子どもパークレンジャー
中部山岳国立公園 関根陽太
中部山岳国立公園管理事務所の関根です。
先日、子どもパークレンジャー事業「呼び起せ!生き抜く力。ブッシュクラフトに挑戦!」を実施しました。
秋の乗鞍高原に元気な子どもたちが集まりました。
今回は、ブッシュクラフトを得意とするスタッフのすえっちから自然と共に生きていくことを教わります。
まず初めに、それぞれが心地いいと感じた場所で身体の感覚を研ぎ澄ましました。
「日差しが暖かい」「風が冷たい」「鳥の鳴き声が聞こえた」など
感じたことは人それぞれ。自然の中では、感覚が大切なことを知りました。
また、自然の中で自分を守り生き抜くために「空気、シェルター、水、火、食料」が必要なことも教わりました。
その後、ナイフを使ってペグを作り、ロープワークを駆使してシェルターを張りました。
途中、昼食のホットサンドを作るために焚火に挑戦!
苦戦した班もありましたが、みんな暖かいお昼ごはんを食べることができました。
シェルターも無事に完成し、自然の中で生き抜く力は災害時にも必要になることを学びました。
普段は便利な生活をしているけれど、自然の中の一員として生きていることや、
自然を知り係わっていく楽しさと大切さも皆感じていました。
*********************************
中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
2021年11月02日志賀高原の紅葉は標高の低い所へ
上信越高原国立公園 志賀高原 則武敏史
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
今年も長い期間、紅葉を楽しめています。
11月になり、標高の高い所では紅葉の終盤です。紅葉の見頃の場所は標高の低い所に移っています。写真は11月2日撮影。
■蓮池(標高約1,500m)
<色あせや落葉した木が目立ち始めました。紅葉の見頃を過ぎたように感じます。志賀高原管理官事務所から蓮池を望む。>
■琵琶池(標高約1,400m)
<紅葉の見頃を少し過ぎたように感じますが、日が当たるとまだ見栄えがします。奥に見える坊寺(ぼうでら)山の山頂部の木々は落葉しています。>
・池の水が発電に使われるので水位の増減があります。水位が少なく岸が現れています。
■坊平(ぼうだいら)(標高約1,200m)
<紅葉の見頃なのですが、落葉した木も目立ちます。坊平橋から坊寺山(右)を望む。>
・この近くには色付いたカラマツも見られます。
・中央の谷間に「澗満滝(かんまんだき)」があります。滝の落差は100mを超えると言われています。国道292号沿いの駐車場から徒歩2分で展望台があります。
さて、志賀高原及び周辺では道路の冬季閉鎖の日時が迫ってきました。
■11月4日(木)10時から 野沢温泉村、木島平村及び栄村から志賀高原への道路
■11月10日(水)15時から 高山村の山田牧場から志賀高原への道路
■11月11日(木)15時から 須坂市の五味池破風高原に通じる道路
■11月12日(金)15時から 国道292号の長野県山ノ内町陽坂から群馬県草津町天狗山ゲートの区間
■11月12日(金)15時から 高山村牧から群馬県万座方面への道路
(情報源は長野県北信建設事務所の道路情報、長野県須坂建設事務所の道路情報及び栄村の道路情報)
この時期、志賀高原など上信越高原国立公園の標高の高い所では、天候により道路が積雪や凍結することがあります。お車でお出かけの際は冬用タイヤの装着やチェーンの携行をしてください。
また、積雪や凍結により道路が一時的に通行止めになることがあります。事前に道路情報や気象情報をご確認ください。
【上信越高原国立公園instagram】
アカウント名「joshinetsukogen_nationalpark」、下の画像からどうぞ。
【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、引き続き、「三つの密」を徹底的に避ける、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」及び「手洗いなどの手指衛生」等の基本的な感染対策の実施をお願いします。
2021年11月01日「白山国立公園オオバコ草木染め体験」イベントをやります!
白山国立公園 大石佳織
皆さん、こんにちは。白山自然保護官事務所の大石です。
|
こんにちは、上信越高原国立公園の志賀高原です。
■赤とんぼ
志賀高原管理官事務所の近くにある蓮池(標高約1,500m)で、11月17日に赤とんぼを見ました。
<打水産卵をしていました。このほかに単独の2個体(同一個体かもしれません)を確認。種類を同定できる写真は撮れませんでした。>
蓮池では、既に降雪が何度かあり、最低気温が0℃前後の日が続いています。
このトンボはいったいどこで過ごしていたのでしょう? とても不思議です。
寒さに強い種類なのか? 志賀高原には温泉があるので、寒さをしのげるような環境が局所的にできているのか? と考えたりしますが。
■エビのしっぽ
岩菅山(いわすげやま、標高2,295m)の山頂部で撮影しました。
<11月18日撮影。手前は志賀高原の山々。奥の山並みは北アルプス(≒中部山岳国立公園)。>
「エビのしっぽ」は、空気中の過冷却な水滴(0℃以下の水滴)が木などにぶつかった衝撃で瞬間的に凍り付き、次々にぶつかり長く伸び、エビのしっぽのような形になったものです。霧氷(むひょう)と呼ばれる現象の一つです。
この岩菅山のエビのしっぽがさらに成長するかどうかは天候次第です。この日は太陽が見え隠れする天気で、歩いていると氷が落ちる音がしていました。
エビのしっぽがさらに成長したり、降雪で雪が付着したりすると「樹氷」や「スノーモンスター」と呼ばれるものになります。
<根子(ねこ)岳の山頂部のスノーモンスター。根子岳は長野県須坂市と上田市の境に山頂があります。平成27年2月12日撮影。>
岩菅山も根子岳も歩いて上って写真を撮影しました。
でも、志賀高原やその周辺のスキー場ではリフトやゴンドラを使って、ほとんど歩くことなく霧氷や樹氷を見ることができます。その時期が来たら情報発信します。
【新型コロナウイルス感染拡大防止についてのお願い】
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、引き続き、「三つの密」を徹底的に避ける、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」及び「手洗いなどの手指衛生」等の基本的な感染対策の実施をお願いします。