中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、上信越高原、妙高戸隠連山、中部山岳、白山、伊勢志摩国立公園があります。
ミズバショウに負けず劣らず咲き誇るこの花、氷河期の遺存種といわれています。つぼみの先端は桃色に染まり、5つにわかれて開いた花冠の内側には縮れた毛が見られます。ヨシが大きくなる前に見ることができれば、ミズバショウとはまた違った表情をみせるいもり池を味わっていただけると思います。
一方、火打山登山口近くの笹ヶ峰にもようやく遅い春がやってきました。
調査をかねて訪れた笹ヶ峰ダム(乙見湖)の奥は「春の妖精=スプリング・エフェメラル」たちの楽園でした。
「春の妖精=スプリング・エフェメラル」とは、春先に花を咲かせ、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養素を蓄え、その後は翌年の春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごす、といったライフ・サイクルを持つ植物で、「林床性多年生植物」と言ったりするようです。
カラマツを抜ける歩道のわきにはその「春の妖精」の一つ、
エゾエンゴサクがそよ風にゆれていました。
ミズバショウとカタクリは最盛期で、そのほかにもキクザキイチゲ、リュウキンカ、ニリンソウ、エンレイソウ、シロバナエンレイソウなどを見ることができました。
さらに、新潟以北の日本海側に限って見ることができる、
コシノカンアオイ「三兄弟(?)」もひっそりと咲いていました。
こんなに一度に多くの種類の花々が咲き乱れる光景を見ることができたのは、生まれて初めてです。
歩道わきの池ではクロサンショウウオの団体さんとその卵をみることができましたし、乙見湖休憩舎付近では飛び交うイワツバメも見ることができました。
標高750mほどのいもり池周辺から1300mほどの笹ヶ峰まで、車で片道40分程度の間に、様々な自然の息づかいを体感できることが、この地域の大きな魅力の一つでもあります。
また一つ、妙高高原の自然の奥深さと豊かさを学ぶことができました。