ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2011年5月31日

2件の記事があります。

2011年05月31日ライチョウは恋の季節を迎えました

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 吉井 良治

5月28日~29日にライチョウ調査に同行しました

「グアー、グアー」と鳴くオスライチョウが求愛行動しながら
メスに近づく、姿が観察されます。
純白の冬羽は雪解けとともに徐々に生えかわり
メスは茶色の夏羽にオスは黒と白のまだら模様になり
目の上の肉冠が赤くなり仲良く寄り添う姿が観察できます。





歩道脇に現れたライチョウカップル
観光客には大人気
7月頃にはかわいいヒナを連れ添う
姿が見られでしょう。


かわいいメスこれから抱卵期・ヒナ誕生
を迎え忙しい子育てが初冬まで続きます。


室堂平の積雪量調査標柱
室堂平はまだ6mの積雪があります。
今年は雪解けがあまり進んでいなく
17日には約20センチの降雪がありました

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2011年05月31日守るぞ!地域の環境を!

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

皆さん、こんにちは。
とうとう、梅雨入りになったようですね。例年より2週間程度早いそうです。
ここ数日、万座事務所管内でもスッキリしない天候が続いておりましたが、今日は久々の青空です♪事務所の外では鳥たちが忙しそうに飛び回っています。天候が良いと、活気が満ち溢れています。

先日、鹿沢インフォメーションセンター運営協議会員の皆さんと外来植物である“ハルザキヤマガラシ“の除去作業を行ってきましたので、その報告をさせていただきます。
除去をはじめると、ハルザキヤマガラシのお花畑があちこちで広がっており、総勢19名で作業を行いましたがだいぶ手こずりました。ハルザキヤマガラシは種ばかりでなく根からでも繁殖する外来植物で、道路ののり面などコンクリートの隙間にまでも根を張り花を咲かせます。また、表面に出ている株は小さくても、根っこが太く鉛筆の芯程のものもあり、簡単には引き抜けません。全体重を掛けながらの引き抜き作業が必要なものも多くありました。


【のり面に生えたハルザキヤマガラシ】

除去した距離は約3km、除去したハルザキヤマガラシは軽トラック2台分もありました!!(下の写真参照)
皆さん、お疲れ様でした。

環境省では、在来生物と我々人間の生活を守るため「外来生物法」を制定しています。
外来生物法では、外来生物の中でも外国からやってきた外来生物で、生態系や人の生命・身体、農林水産業へ影響を与えるもの、与える恐れのあるものを「特定外来生物」と指定し、飼育・栽培・保管・運搬・販売・譲渡・輸入などを規制しています。アライグマやブラックバス、オオハンゴンソウやオオキンケイギクなどが指定されています。(外来生物法・指定生物についての詳しい情報は環境省のHPをご覧ください
http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html

今回除去したハルザキヤマガラシは、その生態や与える影響について明らかとなっていないため「要注意外来生物」指定となっています。外来生物法の対象にはなりませんが、取り扱いには十分注意を払う必要があります。
除去のポイントとして①結実前に行う(ハルザキヤマガラシの場合、1株に4万~12万ほどの種子を付けます。結実後に作業を行うような場合は、引き抜く前に花芽の部分を種を落とさないように切り取り、密閉出来るようなビニール袋に入れてください)②根から引き抜く(移植ゴテなどの道具を使用すると引き抜きやすくなります)③根気強く行う(一度や二度で根絶できるものではありません。続けて行う事が必要です)

いかにも地味で大変な作業に思えてしまうかもしれませんが、除去作業を行った後は爽快感で満たされる事間違いナシです!また作業を行う事により、本来あるべき自然環境が戻ってくる事があります。地方公共団体やNPOが主催となった、外来生物についての取り組みが徐々に行われています。また、一般の方向けの参加型のものも増えつつあります。
ステキな日本の風景を、日本だからこその風景を、日本に住み生きる私たちの手で守りましょう!


【鹿沢園地に咲くマイズルソウ】

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