中部山岳国立公園 平湯
48件の記事があります。
2020年07月31日2020年度 環境省アクティブ・レンジャー 国立公園写真展
中部山岳国立公園 福澤春彦
こんにちは中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。
来たる2020年8月4日(火)から8月30日(日)まで「アクティブ・レンジャー国立公園写真展」
が高山市役所1階ロビー(https://www.city.takayama.lg.jp/)で開催されます!
高山市には中部山岳国立公園と白山国立公園の2つの国立公園があります。
今回の開催地が高山市役所ということもあり、白山国立公園のアクティブ・レンジャー
からも写真ご提供をいただきました!
これにより環境省信越自然環境事務所にある上信越高原国立公園、妙高戸隠連山国立公園、中部
山岳国立公園に白山国立公園を加えた4公園の素敵な写真を見ていただけます!
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
●アクティブ・レンジャー国立公園写真展」●
環境省信越自然環境事務所では、国立公園の魅力や環境省と地域の取組、アクティブ・レンジャー
の活動などを紹介するため、平成20年度より「アクティブ・レンジャー国立公園写真展」を開催
しています。上信越高原国立公園、妙高戸隠連山国立公園、中部山岳国立公園の3公園で活動する
アクティブ・レンジャーが、令和元(平成31)年度の業務で撮影した数多くの写真から厳選して展示します。
それぞれの写真に込められたメッセージや国立公園の魅力を感じて頂ければ幸いです。
http://chubu.env.go.jp/shinetsu/pre_2020/post_94.html
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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
2020年07月22日新穂高ロープウエイ新ゴンドラが営業開始!
中部山岳国立公園 福澤春彦
中部山岳国立公園の北アルプスの山々を間近に臨むことができる日本有数の
山岳観光地、また西穂高岳の代表的な登山口である新穂高ロープウエイにか
かるゴンドラがリニューアルされ7月22日に営業を開始しました。
新穂高ロープウエイは、この7月で50周年を迎え、それに合わせて今回リニュ
ーアルされたのは第2ロープウエイの2階建てゴンドラと「しらかば平駅」です。
実は旧ゴンドラも日本初の2階建てゴンドラでしたが、今回も2階建て、しかも
機能やデザインがバージョンアップされた「日本唯一」に相応しい2階建てゴ
ンドラなんです。
朝9時にいつもの第一ロープウエイ乗り場に到着すると既に登山客や観光客が
並んでいらっしゃいました。
みなさん新ゴンドラを楽しみにされている様子がうかがえます。
私も新ゴンドラを楽しみにしながら、数年ぶりになる新穂高ロープウエイが懐
かしくてたまりません。
西穂高岳や奥穂高岳に向かう緊張で胸が高鳴るのが今も思い出されます。
乗車口には消毒液、整列時の間隔を示したテーピング、また第一ロープウエイ
の乗客を定員45名に対して20名にするなど、しっかりした新型コロナ対策が
取られていました。
「鍋平駅」で降車して第二ロープウエイに向かうと、まず目に入ったのは新しくな
った「しらかば平駅」で、素敵なベーカリーやカフェが白を基調としたお洒落な雰
囲気を醸し出しています。
新ゴンドラ乗車口までの導線もまさに白樺をイメージさせる落ち着いた白色は
山岳リゾートの雰囲気を高めてくれます。
私は発車の写真が撮りたくて第二便にしました。
新聞社やテレビ局など報道の方々と肩を並べロープウエイ直下にベストポジション
を探します。
発車ベルがなり、ついに姿を現した新ゴンドラは、これまでの白ボディーと違いシック
なグレーに新しい新穂高ロープウエイのロゴが光ります。
第一印象は「窓、でかい!」でした。
カメラを構える私たちに満面の笑みで手を振るお客さん達を乗せた新ゴンドラは、その
大きさをほとんど感じさせない静かな通過音を残してあっという間に西穂高口駅に上っ
ていきました。
いよいよ新ゴンドラに乗車。
外見から感じましたが、実際に乗車すると窓の大きさに驚きます。
窓の面積は旧車両の約1.5倍だそうです。
そして窓上のサイネージには国際色豊かな4カ国語(日本語、英語、中国語、韓国語)の
アナウンスに合わせ、周囲の山岳情報などが綺麗に表示されていました。
今日は生憎山岳眺望は望めませんでしたが、山肌の緑、麓の温泉街や河川などの景色は
十分に堪能できました。
関係者の方々のお話も伺うことができましたが、幸いにも7月の豪雨影響は最小限に留ま
ってくれたようで、新型コロナとの新しい生活様式における準備もしっかりできている印象です。
最後に、先日読んだ6月21日岐阜新聞からの引用ですが、新ゴンドラはオーストリア製で
現地メーカーの担当者が1階と2階の組み立てを指示するところ新型コロナの影響で来日で
きず、滋賀県の国内メーカーがオーストリアと綿密に打ち合わせをしてトラブルなく作業
完了したそうです。
沢山の方々が携わってオープンを迎えた新穂高ロープウエイ。
ますます中部山岳国立公園に沢山の人を運んでくれることを期待せずにはいられません。
・新穂高ロープウエイ
https://shinhotaka-ropeway.jp/
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2020年07月08日「乗鞍岳外来植物除去ボランティア」
中部山岳国立公園 福澤春彦
こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。
7月3日(金)、乗鞍美化の会による毎年恒例の外来植物除去作業が、
乗鞍岳畳平周辺で行われました。
外来植物とは本来その地に生育していなかった植物で、人や車に様々
な形で種が付着して入り込みます。
対して元々生育している植物を在来植物と呼びますが、外来植物は在来
植物に大きな影響を与えることが知られています。
簡単に言うと、外来植物は在来植物の住みかを奪ったり、在来種と混ざり
雑種をつくったりして生態系を変えてしまう事が危惧されます。
それは元々あった自然景観さえも変えてしまうほどです。
ここ乗鞍では、本来の景観を将来にわたって維持保存するため「乗鞍美化
の会」など地元団体のご尽力と呼びかけに応じ集まってくださったボラン
ティアの皆様のご協力で15年もの間この外来植物除去活動が行われています。
今回は、ボランティアの方々を含め約50人で畳平周辺のセイヨウタンポポ
除去作業にあたりました。
環境パトロールの方からセイヨウタンポポの説明や除去の方法、また道具
の使い方などのレクチャーがあり、その後5班に分かれ作業しました。
小さなセイヨウタンポポでも丈夫な根っこがびっくりするほど深く根付いていました。
確実に除去するには、根が地中に残らないよう慎重な作業が求められます。
慣れてくると皆さんの手際も見事なもので、深い深い根を上手に掘り出していました。
セイヨウタンポポの見分け方は、総苞片(花の付け根のガクのようなもの)を見ます。
二ホンタンポポは総苞が閉じていますが、セイヨウタンポポは開いて反り返っています。
<地上に出ている部分の3倍以上の根を上手に掘り出す>
この作業は、8月までにあと3回行われる予定です。
ボランティアも募集していますので興味がある方は下記HPを閲覧ください。
皆さんの作業のおかげで大量のセイヨウタンポポを除去できました。
※注意
国立公園内では外来種の植物であっても許可なく除去することができない場合があり
ますのでご注意ください。
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2020年07月06日【入山注意】乗鞍岳
中部山岳国立公園 関根陽太
中部山岳国立公園管理事務所の関根です。
乗鞍エコーライン(乗鞍高原から乗鞍岳の畳平付近)において、バスやタクシーの運行が7月1日から始まりました。
これに合わせて週末の利用状況調査へ行ってきました。
長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「入山注意報」を発表しています。
乗鞍岳における登山の取扱いが「入山はお控えください」から「入山注意」に更新されたこともあり、
登山に向かう方やバスターミナルのある畳平周辺を散策する方の姿も見られました。
乗鞍岳に登山される際は、以下の情報等をご覧ください。
●岐阜県「新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた登山について」
●環境省発表「中部山岳国立公園における登山について(新型コロナウイルス感染症)」
生憎の天気でしたが、畳平周辺だけでもコマクサやハクサンイチゲなどの高山植物を見ることができます。
雨の多い時期ですが、高山植物は次々に開花しています。
また、今はライチョウが抱卵・孵化する時期でもあります。
ライチョウを見かけても近づかず、そっと見守りましょう!
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2020年06月30日乗鞍高原から雲上の世界へ
中部山岳国立公園 関根陽太
中部山岳国立公園管理事務所の関根です。
乗鞍高原から乗鞍岳へ延びる「乗鞍エコーライン」が7月1日に冬季閉鎖が解除され、
7月1日から路線バスやタクシーが畳平まで運行される予定です。
運行開始前に関係者で現地の状況と安全確認へ行ってきました。
標高1450mの乗鞍観光センター付近の季節は夏になろうとしていますが、
乗鞍岳に向かうに連れて季節が戻っていきます。
おおよそ11~6月までの長い冬期閉鎖期間中に、道路脇の樹木が倒れかかったり、土砂が動いたりしていないか、除雪の状況等安全に利用していただけるように現地を確認しました。
今回は梅雨空の下での確認でしたが、天気が良ければ中部山岳の山々はもちろん、
中央アルプスや南アルプス等も眺めることができます。
(平成30年7月撮影)
また、今はライチョウが抱卵・孵化する時期でもあります。
ライチョウを見かけても近づかず、そっと見守りましょう!
三本滝ゲートより乗鞍岳方面は、マイカー規制となっています。路線バスやタクシーに乗り換えをお願いします。バスについては、アルピコ交通HPをご確認ください。畳平を経由して平湯、高山方面へも行けます。濃飛バスHPもご確認ください。
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2020年06月29日子どもパークレンジャー「自然観察&自然と地形地質のつながりを知ろうin平湯温泉」
中部山岳国立公園 福澤春彦
こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。
いよいよ全国的に雨の季節になりましたが、ここ平湯でも雨の日が多くなり
暑かったり寒かったり、とても体調に気を遣う季節です。
そんな中、6月22日(月)は雨模様でしたが、元気いっぱいの地元中学一年生
20名が環境省事業のひとつ「子どもパークレンジャー(JPR:Junior Park Ranger)」
に参加してくれました。
子どもたちが自然の中で楽しみながら自然の大切さを学ぶプログラムで、全国の国立
公園で行われています。
https://www.env.go.jp/kids/gokan/jpr/about/index.html
今回のプログラムでは、新型コロナウイルス感染症対策(講師のマスクの着用、手洗い
など)に加え、熱中症予防行動(水分・塩分の補給、距離を取ってマスクを外すなど)
をスタッフを含めた全員で行いました。
まずは環境省中部山岳国立公園平湯管理官から国立公園やレンジャー(自然保護官)
の仕事、そして子どもレンジャー3箇条(1.自然を大切にしよう2.友だちをたくさん
つくろう3.スタッフの言うことを守ろう)の説明があり「子どもパークレンジャー任命
手帳」が一人一人に手渡されました。
今回、平湯のプログラムは「自然観察&自然と地形地質のつながりを知ろうin平湯温泉」と
題し、飛騨・北アルプス自然文化センターから平湯自然探索路を通り平湯大滝まで元気に
歩きました。
地元の見慣れた自然ですが、自然や地質の専門ガイドさんが面白く、そして時には専門的に
説明してくれるとみんな興味津々で説明に聞き入っていました。
「森」、としか認識していなかった大きな緑色の木々の集合体が、曲がった木や真直ぐの木、
岩に生えている木や木に生えている木、背丈に規則性がある木々、熊の爪痕など・・・
ちょっと変わったな植物も、個性豊かな平湯の森の自然にみんな驚いていました。
もう一つの平湯の魅力はジオ(地形地質)です。
今、高山市では飛騨山脈ジオパーク推進協議会が主体となり飛騨山脈のジオパーク登録を
目指しています。
https://www.city.takayama.lg.jp/kurashi/1000024/1000130/1001304/1011141.html
今回のJPRでは飛騨山脈ジオパーク推進協議会からガイドさんをお招きしており、平湯の
地形地質や文化、歴史などを交え解説して頂きました。
前半の自然探索路は自然豊かな森だとすれば後半の平湯キャンプ場から平湯大滝の散策
では火山活動の跡が所々見え隠れする、まさに大地の公園でした。
これから学校で習うであろう事もたくさん含まれていたので、ちょっと難しかったかも
しれませんが、きっと平湯大滝までの景色がふと浮かび上がる授業があるはずです!
朝の集合時の「子どもパークレンジャー」任命式、最初は正直よくわからなかったかも
しれません。
でも今日学んだことは知識だけではなく、現代において自然は護(まも)られているんだ
と言うこと。
今日の経験は家族や友達に大いに話してもらい、貴重な平湯の自然は自分たちが護るんだ!
という種をみんなの心に蒔けたとしたら、「子どもパークレンジャー」大成功です。
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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
2020年05月26日♯STAYHOME 乗鞍スカイラインの巡視に行ってきました
中部山岳国立公園 福澤春彦
こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。
飛騨山脈(北アルプス)の南端には、その名の通り馬の鞍のようなとても大きな山容
の乗鞍岳があります。
乗鞍岳は、岐阜県と長野県にまたがる太古の火山活動によってできた大小23
峰からなる山域全体の総称で、その一つ剣ヶ峰は標高3,026mの高峰です。
その乗鞍岳には、岐阜県側から乗鞍スカイライン、長野県側からは乗鞍エコーラインを
利用して公共交通機関で畳平ターミナル(標高2,702m)にアクセスすることができます。
雪に閉ざされていた岐阜県平湯からの乗鞍スカイラインは例年通り5月15日に冬期通行止めが解除されましたので、巡視に行ってきました。
現在、緊急事態宣言は解除されたものの、引き続きコロナウイルスの感染症の防止のため
公共交通機関(バスやタクシー)及び畳平周辺施設は、運休並びに休業中です。
詳細は乗鞍スカイラインホームページにてご確認ください。
https://norikuradake.jp/
<畳平駐車場の様子>
当日は霧で視界が効かない天気でしたが、時折雲の切れ間から日が差すと
残雪に碧い水が映える鶴ヶ池や摩利支天、大黒、魔王、富士見など近景の峰々が
姿を見せていました。
<雪解けの鶴ヶ池>
天気はなかなか良くなりませんが、こんな天気でもと少し期待できることが
あります。周辺を歩いてみると思った通り、雷鳥に出会えました!
ちょうど夏羽に変わった頃でしょうか、オスとメスのカップルに出会えました。
7月頃には、微笑ましい親子の姿が見られるはずです、楽しみですね。
<乗鞍の雷鳥(オス)>
最近、群発地震が起きていることから畳平周辺の遊歩道を確認しましたが、大きな影響
は出ていませんでした。
しかし畳平一帯は標高3000mに迫る山岳地帯です。
まだまだ周辺には沢山の残雪があり、遊歩道にも残っている箇所が見受けられます。
この時期の雪は、降雨や大きな気温差で溶けたり凍ったりを繰り返します。
歩道に残るわずかな雪でも転倒しないよう注意深く歩くことが肝要です。
例年と違いこれまで人が入っていない山岳地帯の道は、浮き石も多く見られ
落石や転倒に一層注意する必要がありました。
<歩道の様子>
また、5月中旬とは言え当日の畳平では0度、風に吹かれれば体感はマイナス温度と
なります。
山岳地帯など高所への観光には防寒着や防寒グッズは必須ですね。
乗鞍以外にも中部山岳国立公園を存分に楽しんで頂くには、お出かけの際に「寒いかな?」と頭に思い浮かべてみてくださいね。
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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、都道府県をまたいでの不要不急の来訪や、感染リスクが高まるような行動の自粛をお願いしています。お出かけの前に、各自治体や訪問先が発信している情報をご確認ください。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。
http://chubu.env.go.jp/shinetsu/pre_2020/stayhome.html
2020年05月15日♯STAYHOME 平湯「春の環境整備ボランティア」
中部山岳国立公園 福澤春彦
こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。
5月12日に平湯温泉まちづくり委員会と平湯温泉観光協会が中心となって
「春の環境整備ボランティア」が行われました。
平湯は中部山岳国立公園に属しており、環境省平湯管理官事務所では日頃より
平湯温泉の地域関係者と協力のうえで国立公園の維持管理に取り組んでいます。
眩しく暖かな春の陽気の中、平湯管理官と共に私も参加してきました!
<公民館に集合>
朝、平湯公民館には30名を超える地元や建設工事に携わる方々が集合されていました。
まちづくり委員長のご挨拶では、環境整備に集まって頂いた方々への感謝と
規制解除の後にはお客様に気持ちよく訪れてほしいという気持ちが強く伝わってきました。
早速、作業の分担と地区の割り当てがされ、私たちは平湯自然散策路(探索路)を
担当することに。
春に行われる環境整備は、大きく2つあります。
一つは厳しい自然環境の中で生じてしまう自然の"荒れ"を整備、もう一つは人的な"荒れ"で
最たるものは、ゴミ拾いです。
とても悲しいことですが、車道に面した雑草帯には信じられないほど多くのゴミが棄てられていました。
<取り除いた様々なゴミ>
不思議なことに特定の場所に固まってゴミが集中していました。
同じ人が大量のゴミを棄てたとは考えられないことから、誰かがはじめに棄てた一つ
のゴミが、同じ行動をとる後続者を誘発したのではないでしょうか。
「自分の家の前には捨てないでしょ?」とよく言われますが、地球全体が皆さんの
家だと思ってください。
さて、自然散策路ではようやく雪も無くなり、笹や雑草が伸び雑木が折れて道を
塞いだりしていました。
また道標にはクマがかじった痕跡もありました・・・やっぱり自然の中なんだなあ。
<クマの仕業!>
ご一緒した地元工事に係る方々は手慣れた作業でどんどん綺麗にしていきます。
皆さんの作業のおかげで散策路はすっかり整備され、訪れた方が気軽に足を踏み
入れることができるようになりましたよ。
<手慣れた作業でどんどんきれいに整備されていきます!>
他にも町内の路や国道沿いの外植栽木の整備、また平湯の看板も綺麗にお化粧直し
されました。
<平湯の顔、看板もキレイに!>
お昼には皆さんが作業を終え公民館に再集合、どの面々も満足気で作業の充実が
一目でわかるほどでした。
皆さま、ほんとうにご苦労様でした!
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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止の政府方針を受け、当面の利用の自粛をお願いしています。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。
2020年05月11日♯STAYHOME 平湯大ネズコと平湯大滝
中部山岳国立公園 福澤春彦
こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。
多くの皆さんがSTAYHOMEで過ごされた今年のGW。
GW中の各地の様子は、ニュースなどでご覧になった方も多いと思いますが
中部山岳国立公園を取り巻く環境もとても静かでした。
5月2日と3日に担当地区の平湯周辺を巡視してきましたのでいくつかご報告です。
平湯は中部山岳国立公園岐阜県側の入り口で、北アルプスのイメージがあると
思います。平湯バスターミナル周辺からの屏風のように聳える笠ヶ岳とそこに
繋がる稜線の迫力は息をのむほどです。今は緊急事態宣言を受け平湯周辺の施設
や駐車場は休業状態で、ほとんど車を見かけませんでした。
平湯バスターミナルから徒歩20分ほどのところに平湯キャンプ場があり、
そのキャンプ場を起点に、平湯大ネズコと平湯大滝を初めて巡視しましたので
ご紹介したいと思います。
<道標に導かれ急登>
キャンプ場に入ってすぐの道標に導かれ「平湯大ネズコ」を目指します。
ものすごい急登を約15分ほど、すぐにその荘厳な姿を現しました。
樹齢約1000年、高さ23m、幹周760cmにもなる大きなクロベの木です。
林野庁の「森の巨人たち100選」にも選ばれている名木です。
間近で見ると本当に生命力を感じて、ここまで登った人に力を与えてくれている
気がしました。今の世界中に平湯からネズコパワーを送ってほしい!
そして(恥ずかしながら)初めて社会教育者「篠原無然」と言う名を知りました。
大正時代にこの地に入り、この大ネズコを後世に残し、乗鞍岳登山道を整備し、当時
の人々に大きな影響を与えた教育者。
私も平湯をもっと勉強して、この日誌に篠原の名を挙げていきたいです!
さて大ネズコを後にしてキャンプ場の奥へ緩やかに降りていくと、平湯大滝に続く
舗装路に出ます。
駐車場も閉鎖されておりお客さんは居ませんでしたが、地元の方が歩道の補修を
熱心に作業していらっしゃいました。
側溝の泥や土砂の撤去、また流れてしまった歩道の周りを補修されているところでした。
少しお話を伺うと、やはりGW中の観光客はほとんど無かったようです。
歩道補修のお話を聞きながらご一緒に大滝へ。
轟音とともに、落差のあるもの凄い滝が間近に迫ります。
落差64m、幅約6m。「日本の滝百選」、「岐阜県の名水50選」に選ばれている名瀑です。
<飛騨の名瀑 平湯大滝>
近くにある今は使われなくなった乗鞍岳への登山道(旧道)のお話など貴重なお話も
お聞きでき、滝を見ながら古道への想いを馳せました。
今回の巡視では、政府や都道府県の要請通り皆さんが自宅で過ごされたようで
ほとんど観光客や乗用車に出会いませんでした。
概ね整備が必要な箇所のチェックや今後の検討案件など勉強させて頂きました。
巡視を終えて感じたことは、大ネズコも大滝も、大自然すべてですが、人が居ても
居なくても観ても観なくても関係なく、絶対的な存在感をもってそこにあるんだなぁ
と言うことです。
人間に「もっとデンと構えて、自信もって!」と言っているようでしたよ。
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中部山岳国立公園では、コロナウイルス感染拡大防止の政府方針を受け、当面の利用の自粛をお願いしています。早期収束に向け、みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。
なお、この投稿は「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」に基づいて実施しています。
こんにちは、中部山岳国立公園管理事務所の福澤です。
8月6日、西穂高岳(2909m)の巡視に行ってきましたのでご報告です。
先ずは先日の日記で紹介しましたリニューアルされた新穂高ロープウエイで西穂高登山口駅まで行きます。(http://chubu.env.go.jp/blog/2020/07/post-1030.html)
初日は登山道から90分ほど歩いた標高2367mに建つ西穂山荘泊まりです。
山荘支配人の粟澤さんに様々なお話をお伺いできました。
西穂山荘は標高2300mを超える厳しい自然条件にありながら通年営業で、登山基地としてはもちろん四季を通して北アルプスの自然を目の当たりにすることができる貴重な場所です。
また粟澤さんは気象予報士で、山の天気に関してとても有名です。
過去に起きた落雷事故からの教訓や山岳域での気象と自然について沢山教えて頂きました。
今期の山小屋営業ではコロナ対策が前提となりますが、西穂山荘でもしっかりと対策されていました。
密を避ける宿泊者の人数管理や検温と消毒の徹底、また食堂テーブルの個別間仕切りなど、山岳地帯にありながら街中のような対策がとられていました。
翌日は粟澤支配人の予報通り好天の中、西穂高岳を往復しました。
最初の樹林帯を抜け、丘のようなピーク丸山まで登ると朝の爽やかな空気の中、岐阜県側には笠ヶ岳から北アルプス奥部に続く山並み、長野県側には穂高の連峰、そして登山する両県境の稜線は前方に荒々しい西穂高岳稜線、後方には焼岳と乗鞍岳のまさに大パノラマを見ることができます。
<西穂山荘と焼岳 遠景は乗鞍岳>
西穂高岳までは、独標(11峰)から順に10峰、9峰、8峰(ピラミッドピーク)、7峰、6峰、5峰、4峰(チャンピオンピーク)、3峰、2峰、主峰西穂高岳と大小様々なピークが連なり、アップダウンが続き北アルプスの中でも岩場難度の高いルートです。
<アップダウンを繰り返す険しい登山道>
登りの岩場をなんとかクリアできても、同じルートを下山しなくてはなりません。
この連続する岩場の下りが最大の核心で、もし独標(11峰)の降りで不安を感じたら
その先には進まないようにと言われているようです。
登山道は7月の大雨被害は見当たりませんでしたが、今も続いている地震の影響は、崩落などいくつかの岩場に見られました。
幸い西穂山荘はじめ山岳関係者の方々の整備のおかげで登山に大きな支障はありませんが、登山前の情報収集をお願い致します
岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会
(https://www.kitaalpsgifu.jp/index.html)
久しぶりの好天にも恵まれ、安全に巡視することができました。
<西穂高岳山頂の風景 遠景は笠ヶ岳>
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