ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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中部山岳国立公園 平湯

48件の記事があります。

2017年09月27日> ホシガラス、まだがんばっています @乗鞍いきもの編 <

中部山岳国立公園 丸山由起子

山の上はだいぶ寒くなってきましたが、先日もご紹介したホシガラスくんたちは

まだせわしくハイマツの実を集めて飛び回っています。

今の乗鞍岳で一番出会いやすく観察しやすい生き物ですので、乗鞍岳へ紅葉を見に

お越しになった際には、畳平~肩の小屋付近で飛び回っているホシガラスにも

ぜひ注目してみてください。

 

ハイマツからハイマツへとマツボックリを集めて飛び回るホシガラス

ホシガラスは、頭に焦げ茶色のベレー帽をかぶり、カラダは星空模様のマントを羽織ったような、

よく見るとかなりお洒落な鳥です。

 

この子はマツボックリからハイマツの実を取り出してくわえています。

ため込んだハイマツの実がいっぱいノドに入っているのか、ノド袋がすごくふくらんでいますね。

 

こちらの子は片足でマツボックリを押さえて実を取り出していました。

 

それにしても、きれいに器用に実を取り出しますね。

 

防寒対策をしっかりして、お茶目なホシガラスに会いに乗鞍岳へお出かけください!

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2017年09月22日>草紅葉 @乗鞍岳<

中部山岳国立公園 丸山由起子

みなさん、秋のお出かけ先は決まりましたか?

乗鞍岳は上の方から秋色に模様替えが始まっていますよ!

<畳平のお花畑の草紅葉> 9月15日撮影

 

畳平のお花畑は現在木道の改修工事中ですが、周回の半分ほどは歩けますので

ぜひ歩いてみてください。 ↓こんな風景が見れますよ。

<畳平のお花畑の草紅葉 お花畑木道から撮影> 9月10日撮影

色合いは地味ですが、秋のお花畑もよく見れば色がいっぱいです♪

 

<鶴ヶ池付近> 9月15日撮影

晴れていれば奥に穂高連峰や槍ヶ岳も見ることができます。

 

<不消ヶ池(きえずがいけ)付近> 9月15日撮影

  

<剣ヶ峰入口付近> 9月15日撮影

ザレ場にパッチワークのような草紅葉

 

<剣ヶ峰への登山道の途中から> 9月10日撮影

 

 

9月15日時点ではまだでしたが、もうしばらくすればエコーラインの紅葉も見頃になってくるでしょう。

このハイマツの緑をウラジロナナカマドの赤色やダケカンバの黄色がパッチワークのように

色を添え、緑とのコントラストが素晴らしくきれいになります。

去年の紅葉はいまひとつでしたので、今年は鮮やかになりますよーに!

ぜひ、秋の乗鞍岳へおでかけください。

 

【畳平の木道工事については下記URLでご確認ください】

http://chubu.env.go.jp/nagano/to_2017/post_69.html

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2017年07月26日> 外来植物除去作業 @乗鞍畳平 <

中部山岳国立公園 丸山由起子

乗鞍岳からこんにちは。

 

乗鞍岳の畳平周辺で「乗鞍美化の会」主催の外来植物除去作業が行われました。

参加者は関係機関と乗鞍美化の会が公募したボランティアさん達です。

この活動は、もう10年以上続けられています。

 

今回も多くのボランティアさん達が参加してくださいました。

最初に岐阜県の乗鞍環境パトロール員がセイヨウタンポポの特徴や抜き方などを説明してくれます。

  

地道な作業ですが、皆さん黙々と作業してくれていました。

 

 

除去対象であるセイヨウタンポポ。

総ほう片(そうほうへん)という外側のガクのように見える部分が反り返っています。

 

乗鞍には在来のタンポポもあり、こちらは総ほう片が反り返っていません。

 

総ほう片で区別をするのが一番わかりやすいです。

 

セイヨウタンポポは昔、食用として北海道へ持ち込まれたのが最初という話があります。

寒さに強く、乗鞍岳のような気候が厳しいところでも、放っておくとどんどん増えてしまいそうな気配です。

 

平成15年まで乗鞍畳平にマイカーで入ることができたため、車や人にくっついてセイヨウタンポポなどの

外来植物が入ってきたと言われています。

また、乗鞍畳平周辺は人工の構造物が多く、工事の時に外から運んできた土や材料にくっついて

入ってきたものも多いようです。

そのため、車道沿いや人工構造物近くに多く見られます。

セイヨウタンポポは根を残すと再生してしまいますが、写真でもわかるように岩の隙間やコンクリートの

隙間にしっかりと根を張っているため、根を全部抜くことはほぼ不可能に近いです。

これは上手く抜けた方ですが、ちょっぴり切れてしまっています。

とても根っこが長いので、岩やコンクリートの隙間から掘り出すのは本当に大変な作業です。

畳平周辺では10年以上も除去活動を続けているのに、セイヨウタンポポが無くならないのは

根まできれいに取り切れないことも原因のひとつと考えられます。

それでも10年以上続けてきたからこそ、セイヨウタンポポの繁殖を今の程度で抑えられている

とも言えるかもしれません。

 

まずは「外来植物を入れないこと」、それが一番ですね。

そして、これ以上拡げないためにこういった地道な活動を続けていくことが必要となっています。

【ご注意】

国立公園内での外来植物の除去につきましては規制等がありますので環境省や自治体にご相談下さい。

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2017年06月15日> かわらばん @乗鞍 <

中部山岳国立公園 丸山由起子

乗鞍畳平よりこんにちは。

 

これは何の新芽でしょう?

 

正解は↓

ハクサンイチゲです。 (6月14日撮影)

今日私が見たハクサンイチゲの中で、しっかり開いていたのはこれだけでした。

「一番みっけ!」といったところ。

こんな高山植物が車道脇にポッと咲いているのが乗鞍です。

開花準備中のハクサンイチゲが車道脇にいっぱいありましたよ♪

 

 

畳平のお花畑はまだ雪の下。

(6月14日撮影)

雪が融けるにはまだ時間がかかりそうです。

昨年と比べたら今年は花の時期が遅くなりそうですね。

 ※畳平の高山植物の開花情報は下記にお問い合わせください。

 「飛騨乗鞍観光協会 http://www.hida-norikura.com/norikura/ 」

 

 

こちらの風景、かの有名な「双六岳からの槍ヶ岳」の風景に負けていないと思いませんか?

(6月14日撮影)

これは大黒岳の頂上から少し桔梗ヶ原の方へ歩いた場所からの風景。

正面奥は穂高連峰~笠ヶ岳あたりの北アルプスの山々です。

バスを降りてのんびり30分ほど散策すればこんな風景が目に飛び込んできます。

 

参考までに「双六岳からの槍ヶ岳」 (ここも平湯自然保護官事務所の管内です)

(平成28年9月15日撮影)

 

雪のミニ壁もまだ楽しめます。

(6月14日撮影)

高さは、高いところで5mくらいでしょうか。

奥に小さく自転車が写っているのが見えますか?

 

自転車好きの方は、乗鞍スカイラインを自転車で上がって下りるのも最高に気持ちよさそうです。

(ただし、スピードの出し過ぎと、自動車にはご注意ください。)

 

 

7月になると長野県側の乗鞍エコーラインが開通して、学校登山も始まり

賑やかになってきますが、今はまだ静かでのんびりとした雰囲気です。

今のうちに静かな乗鞍畳平を楽しみに来ませんか?

 

※ご注意※

剣ヶ峰方面はまだ雪が多いです。雪山に必要な装備をご用意ください。

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2017年05月26日『保護と利用』の先進地-五色ヶ原- @乗鞍

中部山岳国立公園 丸山由起子

5月20日(土)は五色ヶ原の開山祭でした。

 

 

五色ヶ原は中部山岳国立公園の南端に位置し、乗鞍岳の岐阜県側山麓に広がる

溶岩台地にできた森です。

 

認定ガイドが同行することでのみ入山が可能で、オーバーユースにならないよう

入山者の人数制限も行われています。

国立公園というと自然を守る「保護」だけをしていると思われがちですが、

適正な「利用」も推進しています。

ここ五色ヶ原のシステムは、まさに 『自然を守りつつ利用する』 という

先進的な取り組みで、岐阜県丹生川村(現高山市)が2004年にスタートさせました。

案内してくださるガイドさんたちは地元の自然を熟知しており、五色ヶ原の植生や地形、

生活と山との関わりなどいろいろな話をしてくれます。

 

<出発前のレクチャー風景>

  

 

「岐阜の宝もの」にも認定されている五色ヶ原の魅力はなんといっても『 豊富な水 』!

 

旧丹生川村はダムを作らなくても水力発電が可能なほど豊富な水に恵まれた土地だそうで、

コース中にはたくさんの素晴しい滝があります。

 

<青垂(あおだれ)の滝 雄滝>

寝っ転がると、柱状節理の段々岩を水が流れ落ちてくる様が、一層の迫力で見えるそうです。

 

こんな感じに見えました。

 

 

<布引の滝>

水の流れが幾重もの糸のように繊細に広がっていて、水のベールのようでした。

 

 

驚くことに、上に紹介したふたつの滝は、湧き水の流れでできているのだそうです。

布引の滝の上部をクローズアップするとこんな。 

 

川じゃないでしょう?

それでこんなにも大きな滝ができるなんてすごいですね!

 

 

この豊富な水が、乗鞍の溶岩の巨岩が積み重なった地形とあいまって、

素晴らしい苔むす森をつくっています。

苔好きにはたまらないようで、新たな苔を発見すべく訪れる研究者も

後を絶たないようですよ。

 

どうぞ五色ヶ原を訪れてみてください。

豊富な水が作り出す豊かな自然の表情と、その自然を愛するガイドさんたちの話に

魅了されるはずです。

詳しくはこちらにて↓

「五色ヶ原公式サイト http://goshiki2004.com/ 」

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2017年05月16日= 乗鞍スカイライン開通式 & 乗鞍岳山開き祭 =

中部山岳国立公園 丸山由起子

5月15日、乗鞍スカイラインが開通しました。

これにあわせて乗鞍畳平では「乗鞍岳山開き祭」が開催されました。

 

ほおのき平駐車場でのシャトルバスの出発式。

テープカット後、このバスで畳平へ向かいました。

 

ほおのき平では曇り空でしたが乗鞍スカイラインを上っていくと途中から雨になり、

畳平ではガスって何も見えず、あられが降るような天気となってしまいました。

この日の畳平の気温はマイナス1℃です。

 

畳平にある乗鞍本宮中之社にて安全を祈念して。

 

 

式典は建物の中でとなってしまいましたが獅子舞や乗鞍連峰太鼓が披露され、

樽開きのふるまい酒を皆さん楽しまれていました。

 

 

乗鞍岳はマイカー規制をしております。

お越しになる際はシャトルバスやタクシーをご利用ください。

シャトルバスはほおのき平駐車場から出ています。(運行時間・料金は濃飛バス等のHPでご確認ください)

今年はこんなバス停が登場していますよ。

 

「バスのりば 標高日本一2702m」で記念撮影はいかがですか?

 

下界では夏のような暑さでも、山の上では凍える寒さとなることがあります。

お越しの際は防寒対策をお忘れなく。

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2016年11月07日> アクティブ・レンジャー写真展@新穂高 <

中部山岳国立公園 丸山由起子

こんにちは。

松本・平湯地区担当の丸山です。

 

新穂高ロープウェイしらかば平駅「飛騨乃風」にて、アクティブ・レンジャー写真展が始まりました!

 

飾られている写真は、長野自然環境事務所管内のアクティブ・レンジャーが昨年度一年間に撮影した

「これぞ!」という1枚1枚です。

 

 

今回は "アクティブ・レンジャーの1年" をコンセプトに、撮影時期を5月から1月へと並べてみました。

長野自然環境事務所管内の国立公園は山岳が中心で、冬は雪に閉ざされ山が眠りに入ってしまいます。

そのため我々アクティブ・レンジャーもほとんど現場に行けず、6~10月の写真が多くなっています。

そんな背景を感じていただきつつ、アクティブ・レンジャーが捉えた一瞬の風景を、季節の移ろいの

様子とともにお楽しみいただければ嬉しいです。

 

展示は、「こだわりの芸術監督」上高地の佐藤AR(アクティブ・レンジャー)指揮のもと、

満足のいく仕上がり(写真の配置、ライティングなど)となりましたので、そのあたりも

感じていただけるとなお嬉しいです♪

 

また、ライチョウ"愛" からライチョウコーナーを設けてあります♪♪

ぜひ、環境省の生物情報 収集・提供システム<いきものログ>へ、ライチョウ目撃情報の登録を

よろしくお願いいたします!

→ いきものログ ライチョウ目撃調査

 

 

~ アクティブ・レンジャー写真展@新穂高 ~

場所:   新穂高ロープウェイ しらかば平駅「飛騨乃風」

開催日時: 11/2~11/24 9:00~16:30 無休

入場無料!!!

~~~

 

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2016年06月20日乗鞍岳 登山者カウンターの設置など

中部山岳国立公園 平湯 丸山由起子

6月1日に乗鞍岳の剣ヶ峰口に登山者カウンターを設置してきました。

 

 

この黒っぽいボックスがカウンター装置です。

 

道の反対側にも同じようなものがあり、その間を通過するとカウントされます。

 

カウンターで登山道の利用者数を調査し、得られたデータは登山道や施設などの

維持・管理を行うために利用します。

 

 

そして先週、カウンターのデータ回収第1回に行ってまいりましたので

6月15日現在の道の状況(肩の小屋口~畳平)を少しお知らせします。

 

【肩の小屋口から肩ノ小屋方向を見上げる】

最初の急な斜面に雪が残っていますので、雪の状況によっては軽アイゼン等の

滑り止めやストックが必要になると思われます。

赤矢印経路がこの日の上りやすいルートでした。

写真右側の黄色い実線部分は夏道が出ていて雪が無いですが、その上はまだ

雪があり、急斜面をトラバース(黄色点線)する形になります。

(※雪の状況は日々変わりますのでご注意ください)

また、写真下部の雪がない場所はグリーンロープ内です。 植生保護のため

ここを避ける形でグリーンロープ外や雪の上を回り込んで雪渓に出てください。

  

雪渓の直登が終わるとグリーンロープが張られた夏道が確認されますが、

まだ雪が残っていました。

必要であれば滑り止めを着用し、安全に気をつけ歩行してください。

  

肩の小屋口~肩ノ小屋間で雪が残っているのはおおよそですが

下図の黄緑線部分になります。(6月15日現在)

 

肩ノ小屋までの上の方(オレンジ線)では写真のように夏道上に

雪はありませんので、グリーンロープ内の歩行をお願いします。

 

 

肩ノ小屋周辺では現在(6/15)キバナシャクナゲが綺麗に咲いています

 

  

 

 

肩ノ小屋前では剣ヶ峰登山等を楽しまれた方々が休憩されていました。

※ 肩ノ小屋はまだ営業していません

 

 

さて、ここで山での重要課題!「トイレ」について。

肩の小屋口から上ってしまうと少々わかりづらいですが、

ここには公衆トイレがあるのです。

上写真で見えている肩ノ小屋の裏手にまわると下写真のような案内があります。

  

  

写真奥は東大の宇宙線研究所で、その手前の赤丸が公衆トイレです。

一応使用可能となっていました。

  

トイレの場所がわからず困っている方がいましたので、少しでもお役に立てばと

ここで記載しましたが、小屋の反対側にも何か案内があるといいのかな?

実は私も最初は場所がわからなかったもので(汗)・・・小屋が開いていれば

聞けますが閉まっているときは聞けないですものね。

 

 

次に肩ノ小屋から畳平までですが、地図上のオレンジ線(車道)も富士見岳を

経由するコースも雪はありませんのでのんびり散策をお楽しみください。

 

車道を下から見上げると雪が邪魔しているように見えますが、実はこんな風で

通れますのでご安心を!

 

 

それから、今年は全国的にクマの目撃情報が多いのでご注意ください。

乗鞍ではこの日、不消ヶ池(きえずがいけ)で目撃されていました。

 

【不消ヶ池】

 

【参考】

乗鞍岳でのクマの目撃情報が岐阜県から発表されています

→ http://www.pref.gifu.lg.jp/kurashi/kankyo/kankyo-hozen/c11265/norikura-kuma.html

クマに対する注意事項等も書かれています

→ http://www.pref.gifu.lg.jp/kurashi/kankyo/shizenhogo/c11265/kuma-map.html

こういった情報を参考に安全に登山や散策等をお楽しみください。

 

 

さて、畳平のお花畑ではハクサンイチゲやミヤマキンバイが咲き始めています!

これからどんどん咲いてくるので楽しみですね♪

 

【ハクサンイチゲ】

  

【ミヤマキンバイ】

  

【ショウジョウバカマ】 ただいま絶賛活躍中

 

 

<オマケの話>

乗鞍ではパン皮状火山弾が見られると青柳保護官に教えていただきました。

パン皮?・・なるほど~と一目瞭然でした、こんな石です。

 

ヒビ割れの雰囲気がフランスパンの皮のヒビ割れに似ていませんか?

これは、噴火でマグマの岩片が飛んでいるときに表面は冷えて固まったけれど

内部はまだ熱く融けてガスを含んだ状態であり、そのガスで膨張してヒビが

入ったものだそうです。

乗鞍岳の上の方にはこんなおもしろい石もありますので探してみてくださいね。

ただし、国立公園なので石を持って帰ることはできませんのでご注意を(*^_^*)

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