アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]
歩くアルペンルートを歩こう!~立山の魅力~その6 一ノ越~黒部ダム
2022年03月25日こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松&一ノ枝です。
今回はシリーズ最終回となる第6回目です。今回は一ノ越からゴール地点の黒部ダムまでを歩きます。
<↑今回の区間。 出典:電子地理院地図を加工。>
一ノ越(2705m)を東一ノ越方面へ進みます。
<新しくなった一ノ越にある看板>
東一ノ越へ向かう途中、鬼岳、獅子岳を間近に見ることができました。また、この辺りでは御山谷の氷食地形を見ることができます。御山谷は中部山岳国立公園の中でも最大の氷食谷となっており、ダイナミックな地形を望めます。
<鬼岳、獅子岳方面を望む。下には御山谷>
道沿いにバッタがいました。クモマヒナバッタです。立山の高山帯では比較的よく目にする種類で、10月の雪が降る頃までその姿を見ることができます。
<クモマヒナバッタ>
10月になるとチングルマの花はすっかり終わっていて、長い毛をまとった実が風に揺れていました。紅葉もこの時が盛りでした。
<チングルマ>
朝晩は氷点下になるこの時期ですが、まだ花が咲いている植物もありました。
<ハクサンボウフウ>
<イワツメクサ>
実を付けている植物もあります。
<オオヒョウタンボク>
<ベニバナイチゴ>
東一ノ越(2450m)に到着です。ここは広場になっており、パノラマを眺めながら休憩することができます。
<東一ノ越からタンボ平、遠景には後立山連峰>
東一ノ越からタンボ平に下りていく途中は、急峻になるのでゆっくり足下を確認して下りていきます。タンボ平周辺は紅葉真っ盛りでした。
<赤と山と青空が美しい>
<オオカメノキ>
<ハウチワカエデ>
また、この区間はアルペンルートの立山ロープウェイが通っており、真上を通過していきます。こちらもなかなかの迫力です。
<上に見えているのが大観峰駅>
立山ロープウェイと黒部ケーブルカーの乗り継ぎ駅が「黒部平(1822m)」です。ここからさらに黒部湖へ向かって下りていきます。この区間は、クロベ、ブナ、コメツガなどの高木が現れ、樹林帯の中を通っていきます。
<樹林帯の森林浴が気持ちいい>
<コメツガの葉>
黒部湖まで下りてきました。かんぱ谷橋を渡り、黒部ダムはすぐそこです。
<かんぱ谷橋。下には黒部湖>
帰りは、アルペンルートを使って室堂まで戻ります。ロープウェイの上からタンボ平の絶景を見ることができました。
大観峰駅には展望台もあり、待ち時間も楽しめます。
<大観峰駅展望台より。鳴沢岳、赤沢岳など後立山連山が連なる>
今回、歩くアルペンルートをシリーズとして投稿をしてきました。
このルートは標高500mから3000mと高低差も大きく、環境変化に富んでいます。まさに「富の山」"富山"を五感で楽しむことができるのが「歩くアルペンルート」です。
ぜひこの夏、歩かれてみてはいかがでしょうか。
○過去の投稿はこちら
第1回目 歩くアルペンルートを歩こう!~立山の魅力~その1 立山駅から美女平
第2回目 歩くアルペンルートを歩こう!~立山の魅力~その2 美女平から弥陀ヶ原
第3回目 歩くアルペンルートを歩こう!~立山の魅力~その3 弥陀ヶ原から室堂
第4回目 歩くアルペンルートを歩こう!~立山の魅力~その4 室堂平
第5回目 歩くアルペンルートを歩こう!~立山の魅力~その5 室堂平~雄山山頂
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