ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2014年9月

20件の記事があります。

2014年09月17日ツキノワグマにご注意下さい

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 山本美智子

最近、室堂平周辺でのツキノワグマの目撃情報が多く寄せられています。
ツキノワグマは主に植物食の動物なので、この時期、下界より一足先に実る
高山帯の果実を食べに来ているのかもしれません。

クマに出会わないために、人の少ない場所を通るときや視界が悪いときには、
クマ鈴を付ける、笛を鳴らす等、音を出して自分の存在をクマに知らせましょう。
万が一、クマに出会ってしまったら、不用意に近づいたり刺激したりせず、
背中を向けずにゆっくり離れましょう。

※雷鳥沢キャンプ場で野営される方へ※
生ゴミはビニール袋等に入れ、絶対にテントの外に放置しないで下さい。
クマを誘因する原因となり、他の利用者の方への迷惑になります。



山を安全に楽しむために、事故防止にご協力下さい。

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2014年09月16日神の田圃(続き)

中部山岳国立公園 後立山 アクティブレンジャー 則武敏史

こんにちは、中部山岳国立公園(≒ 北アルプス)後立山地区からです。

前回(8月26日)に続き「神の田圃(かみのたんぼ)」の紹介です。前回は、栂池自然園から半径5kmの中にある3箇所のうち2箇所(下図の①、②)を紹介しました。
今回は残りの1箇所の「神の田圃(かみのたんぼ)」(下図の③)を紹介します。
また、その神の田圃を通る、鉱山道(こうざんどう)と呼ばれる歩道(登山道)の状況をお伝えします。

<神の田圃の位置図。今回紹介するのは図の左にある③の神の田圃とそこを通る鉱山道。青色の線は登山道。>


<雪倉岳の東斜面にある神の田圃。奥に見えるのは鉢ヶ岳の稜線。>


さて、鉱山道の状況をお伝えします。今回は蓮華温泉への下りに利用しました(9月4日)。

<鉱山道の入口。写真奥に進むと鉱山道。>


<鉱山道に入ってすぐはザレ場です。岩へのマークを見つけながら歩いてください。>


<飛び石伝いの渡渉が2箇所あります。1箇所目。>


<2箇所目の飛び石伝いの渡渉。手前に残雪が見えますが、残雪が沢全体に薄く残っている時期は慎重な通過が必要になる箇所です。蓮華温泉側から撮影。>


なお、ササ等の刈り払いが行われていたので道ははっきりしており、道を誤りそうな箇所では密にマーキングがされていました。
また、瀬戸川の仮設橋も通行に支障はありませんでした。
瀬戸川を渡り蓮華温泉に近づくと木道が出てきます。木道は滑りやすいので注意して歩いてください。

さて、今回紹介した鉱山道は糸魚川市にあります。糸魚川市のアメダス観測所では9月13日の最低気温が17.0℃でした。この観測所の標高は8mです。気温逓減率を0.5℃/100mとすると標高3,000mでは2.0℃、気温逓減率を0.6℃/100mとすると標高3,000mではマイナス1.0℃になります。この時期からは、北アルプスの稜線を歩くには、それなりの装備が必要になることが分かると思います。



<ミヤマカラマツ。線香花火のように見えました。>

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2014年09月12日「渡り鳥調査隊」を実施しました!

国指定藤前干潟鳥獣保護区 名古屋 アクティブレンジャー野村 朋子

少し前のことになりますが、
8月23日(土)に藤前干潟ふれあい事業として実施している調査プログラム、
「渡り鳥調査隊」が名古屋市野鳥観察館にて開催されました。

藤前干潟では、干潟や干潟をとりまく環境の現状を知るために
定期的に野鳥や底生生物等の生き物の調査が行われています。

今回、その調査の楽しさや重要性を知ってもらうために、
市民の方に野鳥の調査にチャレンジしてもらいました。
8月23日の「渡り鳥調査隊」の参加者は13人。
内、小学生の参加が6人ありました。

プログラムは、野鳥のレクチャーから始まり、
今の時期に藤前干潟で見られる野鳥の紹介とその見分け方が
野鳥観察館のスタッフから簡単に解説されました。


【レクチャー】メモを取りながら熱心に聞いている参加者も・・・。

さらに、野鳥の調査方法の解説があり、
野鳥観察館内で、簡単に調査の練習をしました。


【調査の練習】みんな真剣に望遠鏡をのぞいています。

その後、いよいよ野鳥観察館を出て調査に出発。
3班に分かれて、野鳥観察館の前を流れる庄内川(藤前干潟鳥獣保護区内)に
飛来した野鳥の種類と数を調べました。





【調査】庄内川にはどんな鳥が見られたでしょうか?

参加者一人一人に担当の鳥(例えばカルガモ)を受け持ってもらい、
同じ種の鳥を漏らさないように、カウントしてもらいました。
カワウやカルガモ、ウミネコは100羽以上確認された班もありましたが、
担当の子は望遠鏡とカウンターを上手に使って
最後の一羽まで根気強くカウントしてくれました。


【干潟の上にいるカワウやウミネコなど】

プログラムの最後は、野鳥観察館に戻ってきて
調査結果のまとめをみんなで行い、
それぞれの班で確認された鳥の種類と数を発表してもらいました。
その各班の結果がこちら↓。


【渡り鳥調査隊の調査結果】

今回の調査では全体で、21種、2,171羽の野鳥がカウントできました。
多く見られたのはカワウの1,405羽、ウミネコの266羽、
カルガモの174羽でした。
上流にはカルガモ、下流にはウミネコが多く見られました。
また、秋の渡り鳥であるアオアシシギ、ソリハシシギ、ホウロクシギ等も
確認でき、秋の渡りが確実に始まっていることが分かりました。


【アオアシシギとソリハシシギ(一番右)】

参加者からは、「鳥の特徴について知ることができて良かった」、
「今まで知らない鳥を見ることができた」、
「またこのプログラムに参加したい」等の感想がありました。
また、個人的には参加している子供たちが本当に熱心に
望遠鏡をのぞきながら、野鳥を探している姿が印象に残っています。
今回の調査の体験で藤前干潟の野鳥や調査に対しての関心が
大きくなっていると良いと思います。

渡り鳥調査隊は12月6日(土)にも予定されています。
この頃には、冬の渡り鳥であるカモがきっと藤前干潟に
たくさん来ているはずです。
カモ(特にオス)は色が鮮やかで識別もカウントもしやすい野鳥です。
みなさんもぜひ、気軽に参加してみてください。
詳細はこちらのチラシをご覧ください↓。
「藤前干潟生きもの調査隊 チラシ」

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2014年09月12日今年もやります!JPR!!

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

昨年度に引き続き、今年も子どもパークレンジャー(略称:JPR)を開催します!
今年はなんと4回の開催です!!火山について、様々な場所をレンジャーと共に巡りながら調査します。

対象は、浅間山麓周辺の近隣市町村(東御市・小諸市・御代田町・軽井沢町・長野原町・嬬恋村)の小学校に通う3~6年生。
また、原則として4回の活動全てに参加いただける方とさせていただいております。
詳しくはこちらのチラシをご確認ください↓




各JPR活動の報告については、随時こちらのAR日記にてお知らせいたします。
お楽しみに~♪

※このJPRに関する問い合わせ先→TEL:0267-23-3124(浅間山麓国際自然学校)

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2014年09月11日外来種防除作業報告

上信越高原国立公園 万座 アクティブレンジャー 小林映絵

谷川岳エコツーリズム推進協議会が主催する「特定外来生物除去ツアー」に参加してきました。

対象は“オオハンゴンソウ”。

花芽が大きく、綺麗な黄色いお花ですね。
それもその筈。このお花、明治中期に“観賞”を目的として日本に輸入されたのです。
原産国は北米で、標高の高い寒いところでも生育が可能で、繁殖は種と根から行います。なにより厄介な事に、自分自身は生育できるが他の植物が生育できない環境を根から出る科学物質により作り出します。これを“アレロパシー作用”といいます。
つまり、そこに生育してきた在来種を駆逐してしまうのです。また、その地域特有の固有種がオオハンゴンソウにより駆逐され、絶滅してしまう恐れも・・・。

そうそう、オオハンゴンソウの生命力の強さについて、お分かりいただけるであろう画像がありました。こちらです・・・・↓


はい、こんな感じです。
オオハンゴンソウの葉っぱを見つけて抜いたら「あら、こっちにも」「あら、あそこにも」。
そんな感じで作業をしているうちに、ポッカリとした空間ができてしまいました。

今回の防除作業は軽トラック一台分のオオハンゴンソウが除去されました。


谷川岳エコツーリズム推進協議会では、谷川岳の自然景観を護るためにオオハンゴンソウの除去活動を行っています。この取り組みはエコツアーのイベントの一つとして行っており、一般の方もお申し込み頂ければ参加が可能です。
谷川の魅力をご存じのアナタ。そう、アナタです!!この素晴らしい自然景観保全のために活動へ参加してみてはいかがでしょうか。

谷川岳エコツーリズム推進協議会HP→http://www.tanigawadake-eco.com/

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2014年09月11日室堂平の秋近し

中部山岳国立公園 立山 アクティブレンジャー 吉井 良治

9月10日の室堂平は少し秋めいて来ました。
コケモモやガンコウランの果実がみくりが池周辺で
観察できます。

実った種のチングルマ、黄色く色づいてきたイワイチョウ

果実が赤く親しみやすいコケモモ

これからライチョウが好んで食べるガンコウランの果実

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2014年09月09日志賀高原の湿原

上信越高原国立公園 志賀高原 アクティブレンジャー則武 敏史

こんにちは、志賀高原からです。
長野県山ノ内町の志賀高原を特徴づける「池」と「湿原」と「原生林」を紹介するシリーズの2回目です。前回(8月22日)は「池」をいくつか紹介しました。
今回は志賀高原の「湿原」をいくつかを紹介します。これらは、ここ1ヶ月のうちに調査した歩道(登山道)沿いにあるものです。
なお、湿原内は木道を歩いてください。

【前山湿原】
標高約1,820mにある高層湿原です。
志賀高原で多くの人が訪れるトレッキングコースの一つ「池めぐりコース」の起点近くにあります。硯川バス停からリフトまたは徒歩で前山山頂まで上がると、渋池方面に前山湿原があります。

<前山湿原が写真奥に向かって広がっています。イワショウブの花が見ごろでした。8月15日撮影。>

前山山頂からの景色も見どころです。硯川地区の施設群、笠ヶ岳とスキー場、横手山、鉢山、志賀山といった近くの景色から、視界が良ければ、遠く北アルプスまで望むことができます。


【四十八池湿原】
標高約1,880mにある高層湿原です。志賀山と鉢山の間にあります。この湿原も「池めぐりコース」の途中にあり、前山湿原から約1時間のところにあります。
この湿原には木道が設置されており、湿生植物を間近に見ることができます。また、池塘が多くあり、中には浮島がある池塘もあります。
湿原の南側にはベンチ付きの東屋、北側にはベンチ付きのテラスがあるので、湿原を眺めながら休憩できます。
四十八池湿原は長野県指定天然記念物です。

<四十八池湿原の「池塘」と「浮島」。裏志賀山を望みます。8月15日撮影。>

<赤いのはモウセンゴケ、黄色い花はキンコウカ、奥のほうの白い花はイワショウブ。そのほかスゲの仲間やコバイケイソウなどが見られます。8月15日撮影。>


【田ノ原湿原】
標高約1,610mにある高層湿原です。国道292号線沿いにあります。
この湿原にも木道が設置されており、湿生植物を間近に見ることができます。湿原の南寄りにはテラスとベンチが設置され、湿原を眺めながら休憩できます。
また、この湿原からは笠ヶ岳の特異な山容を望むことができます。
田ノ原湿原も長野県指定天然記念物です。

<北端から南を望む。8月15日撮影。>

<奥ににょっきり笠ヶ岳。平成23年8月24日撮影。>


ところで、今回紹介した湿原はすべて「高層湿原」です。では、「高層湿原」とはどんな湿原でしょう?
「標高の高いところにある湿原」ではありません。「高層湿原」とは、泥炭が多量に蓄積されて周囲よりも標高が若干高くなったために地下水では涵養されず、雨水、雪解け水のみで維持されている貧栄養な湿原のことを言います。「周囲よりも高くなっている」ことがポイントです。
蛇足ながら、「低層湿原」は周囲より標高が若干低く、周辺からの水(川の水など)が流れこんでいる湿原です。また、高層湿原と低層湿原の中間的な特徴をもつ「中間湿原」もあります。

最後に、前回と今回の記事で紹介した「池」と「湿原」の位置図を載せます。



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2014年09月09日パークボランティアによる自然探勝路維持管理作業と黒沢池

上信越高原国立公園 妙高(~2015.3.26) アクティブレンジャー 大河内優子

 9月に入り初秋の爽やかな日が続いています。妙高高原ではもう半袖から長袖へと替わりつつありますが、皆様の町はいかがでしょうか?

 先日、パークボランティアの皆さんと笹ヶ峰キャンプ場周辺自然探勝路の維持管理作業を行いました。


夏の間に伸びた草刈りや枝打ち、危険な枯損木の撤去、歩道や水路の落ち葉かきなどの作業です。

【鎌や草刈り機を使って笹藪を刈ります】【落ち葉もきれいに】

 笹ヶ峰キャンプ場周辺にはいくつか自然探勝路がありますが、今回はキャンプ場上側の展望台コースと、下側の乙見湖脇を通る周遊コースを行いました。どのコースも1~1時間30分ほどで回れます。これから紅葉が始まり、また夏とは違った散策が楽しめると思いますので、ぜひ遊びに来て下さい。


 また併せて黒沢池のモニタリング調査を行いましたので、黒沢池のご紹介をします。
 妙高山と火打山の間にはいくつもの湿地が点在しており、黒沢池はそのうちの一つで妙高山の外輪山と黒沢岳、茶臼山の間に広がる草原と湿地帯です。

【茶臼山の麓に池塘が広がる】

【茶臼山中腹から見下ろした湿地】

【外輪山の三田原山(手前右)と妙高山(左奥)が見渡せます】

 ここの池の水は黒沢と呼ばれる沢になり、笹ヶ峰の乙見湖を経由して関川本流として日本海へと続いていきます。

【黒沢の源流】

 花は7月頃~チングルマ、ハクサンコザクラ、ワタスゲ、モウセンゴケ、イワイチョウ、8月頃~イワショウブ、ヒメウメバチソウ、今の時期ですとオヤマリンドウが見事に咲き誇り、開けた平坦な地形のため、汗もかかずに快適に風景を堪能しながら歩けます。

【オヤマリンドウ】

【オトギリソウの草紅葉】

【ミヤマセンキュウ】

 火打山に登られる方々にとって黒沢池は少し回り道をしなければなりませんが、一時間前後で高谷池や富士見平から行くこともできます。こちらまで足をのばしてみてはいかがでしょうか。


 黒沢池からは、大倉乗越の急登を越えて1時間15分ほど行くと長助池、また茶臼山を越えて1時間10分ほどで高谷池、さらにそこから15分ほどで天狗の庭へ行くことができます。これらの湿原や湿性のお花畑は、冬に降る大量の雪によって育まれています。

【高谷池】  【天狗の庭(逆さ火打)】

【天狗の庭手前。イワイチョウの黄葉が始まってきています】


 補足ですが途中登山道沿いに見つけたたくさんの山の実り。



 火打には一足早い山の秋の涼しい風が吹き抜けていました。
 これから実り多い秋山の登山が楽しみな季節です。

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2014年09月08日*レンジャー写真展in石川*

白山国立公園 白山 アクティブレンジャー 小島永莉子

白山の短い夏があっという間にすぎ、先月8月31日には閉山祭が執り行われました。山はもう寒くすっかり秋の気配を感じられるようになってきました。
残念ながら8月は週末に悪天候が続き、公園に通じる道が通行止めになったりしたため、例年より登山客は少なかったように思います。ですが、これからの時期もまた違った白山を楽しめます。白山室堂は10月半ばまで営業していますので、行けなかった・・・という方もまだチャンスはありますよ!
ただ、山には危険がつきものです。白山へ向かう救急車の音を聞く度、心配になります。白山は決して易しい山ではありませんので、ご自身の体力を考慮し無理はせず、しっかり装備して登山に臨んでください。


さて、先月福井商工会議所で行った環境省レンジャー写真展は、ありがたいことに概ね好評だったようです。そして今月は石川県に場所を移動し、9/4から9/15まで環境省レンジャー写真展を開催しています!




★ 環境省レンジャー写真展 ★
【場所】石川県庁19階展望ロビー
【期間】9月4日(木)~9月15日(月)
【時間】10:00~20:00(期間中無休)

白山はもちろん、伊勢志摩・藤前干潟の美しい写真もご覧いただけます。伊勢志摩や藤前干潟は北陸の人にとっては馴染みのない遠い場所ですので、新鮮に感じられると思います。近くに来た際はぜひ立ち寄ってみてください。
会場である19階展望ロビーからは、天気が良ければ白山が見えますので、景色も同時に楽しんでくださいね♪

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2014年09月05日新穂高にて アクティブレンジャー写真展開催します。

中部山岳国立公園 上高地 アクティブレンジャー 松尾野里子

今日は上高地ではなく、併任している平湯のお仕事で、アクティブレンジャーの国立公園写真展の展示を行いました。

天候はあいにくの雨でしたが、今回の会場は個人的に3回目でしたので、だいぶ慣れもあり、スムーズに搬入出来ました。





今年は中部山岳国立公園が指定80周年を迎えその記念として中部山岳国立公園の紹介ポスターやライチョウポスターが加わり、少しボリュームが増しています。
また、長野管内の観光パンフレットも置かせていただきました。




紅葉には一足早いかもしれませんが、一緒に楽しんでいただけたらと思います。


会場の目印は、新穂高ビジターセンター様が作成してくれた素敵な笠ヶ岳をバックにした看板が目印です!




場所は新穂高ロープウェイのしらかば平駅、高原の画廊『飛騨乃風』になります。



お立ち寄りの際は、ノートを配置しておりますので感想などをご記入いただけましたら幸いです。

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