黒姫山開山登山

2023年06月07日

戸隠土屋達郎

6月4日（日）信州しなの町観光協会主催の黒姫山開山登山が行われました。
今年の参加者は5名。例年と比べるとやや少なかったですね。これは日本山岳ガイド協会などで推奨されるガイドレシオ（一人のガイドで安全を管理できる参加者数）に沿って募集人数を減らしてその代わりに参加費を上げたからのようです。まあ安全第一ですからね。
戸隠自然保護官事務所からは私も登山道の巡視および国立公園の利用状況調査を兼ねて参加してきましたよ。

黒姫山は妙高戸隠連山国立公園内にあり、妙高山・戸隠山・飯縄山・斑尾山とともに信越五岳（北信五岳）と呼ばれる山の一つです。
火山である黒姫山の山頂部には火口跡があり、火口の内側は国立公園の中でも最も利用規制の厳しい「特別保護地区」に指定されています。そこには火口原が広がっており峰ノ大池や七ツ池などが点在する美しい湿原になっています。
また火口の中には小黒姫（御巣鷹山）（2,046ｍ）と呼ばれる小山があり、これがおよそ4万年前の黒姫山の最後の噴火の時にできた中央火口丘と考えられています。黒姫山の最高地点である山頂（2,053ｍ）は小黒姫ではなく外輪山の稜線上にあります。

往路は大橋林道～新道を通って外輪山の稜線伝いに山頂へ向かうルート。途中、カラマツやブナ、ダケカンバなどの美しい新緑やたくさんのお花、飯縄山や雨飾山などの「一目五山」と言われる妙高戸隠連山国立公園特有の絶景を生み出す山々を堪能しながら歩きました。更に北アルプスや遠くにうっすらと富士山までもが見渡せました。
一目五山とは⇒「火山・非火山の結集地」が生んだ絶景”一目五山”　

下山路は火口原に降りて西登山道、大ダルミ経由のルートへ。このルートは美しい火口原の景色を堪能し、また天狗岩などのスリリングな難所通過などのアトラクション的要素のある楽しいコースなのですが、いかんせん距離が長くて、最後の方はもうヘロヘロでしたよ。

下山路ではお目当てのオサバグサも見ることが出来ました。ただ、まだつぼみが多かったですね。
オサバグサは葉がシダ状で、この周辺では黒姫山だけに自生するという珍しい植物です。オサバグサの名称は葉が機織りに使う筬（おさ）という道具に似ていることからついたそうです。
今年は雪解けが早く下界ではお花の開花が例年より早かったり、山頂部の残雪も過去と比べるとほとんど無いにもかかわらず、オサバグサの見頃にはまだ若干早かったようです。4月は暑かった反面、ここのところ肌寒い日が続いていたからでしょうか。

参考2022年開山登山　
　　2021年開山登山　
　　2020年開山登山

台風2号の影響がどうなるか心配でしたがすっきりと晴れ渡り、私達以外にもたくさんの登山者がいらっしゃいました。皆さん気持ちよく登山を楽しまれていたようです。

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

黒姫山開山登山

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