上信越高原国立公園 谷川
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2015年12月04日冬の始まり 雪化粧した谷川岳
上信越高原国立公園 谷川 小竹俊平
こんにちは、11/26には麓でも一時的にうっすら積雪し、冬が始まったみなかみです。
麓の雪はすぐに溶けて無くなりましたが、山の方はすっかり雪化粧しています。
↑水上インターチェンジ付近から見た谷川岳の様子です。(11月27日)
さて、11/27と12/1に、谷川連峰の登山者カウンターを撤去しに行きました。谷川連峰の登山者カウンターは、天神尾根と三国峠の2カ所に設置してあります。
↑11/27の天神尾根の様子。5~10cm位の積雪でした。周りの木々は落葉し、葉が生い茂っている頃とは景色がかなり違って見えました。
↑天神尾根の登山者カウンターは熊穴沢避難小屋の近くに設置していました。前を人が通るとセンサーが反応してカウントする方式です。かじかむ手で部品を解体し、ザックに収納した頃には雪が降り始めました。
↑天神平に戻ってきたときには雪は本降りでした。スキー場のオープンが待ち遠しいですね。
↑一方こちらは12/1の三国峠の様子です。登山口は晴れていましたが、峠には新潟県側から冷たい雲が押し寄せていました。
↑三国峠の登山者カウンターは権現の灯籠の傍に設置していました。この先を登ると三国山に着きます。吹雪いてはいませんでしたが、風がとても寒かったです。
撤去した登山者カウンターは来年の6月頃まで事務所で保管します。登山者カウンターが外されている11月~翌年の6月頃の間は、基本的に山の中に雪があると考えてください。入山する場合は、雪山に対応できるしっかりした装備が必須ですので十分注意しましょう。
2015年11月24日冬はもうすぐ かぐらスキー場安全祈願祭
上信越高原国立公園 谷川 小竹俊平
こんにちは、谷川の小竹です。最近の谷川・苗場地域では落葉樹の葉がほとんど散り、あとは雪を待つばかりといった様子です。ただ、今年は例年より冬への移行が遅く、山頂付近も積雪はあまり進んでいないようです。この時期はいつ積雪があってもおかしくないので、気象状況には十分注意しましょう。
↑新潟県湯沢町三俣地域の苗場山麓の様子です。葉が残っているのは針葉樹林だけです。
さて、雪が降ればいよいよスキーシーズンが到来します。11/16、国立公園事業である苗場山域のかぐらスキー場にて、安全祈願祭が行われました。特設テント内で神事が行われ、冬期の安全が祈願されました。
それと同時に、11/21にオープンしたカフェ&レストラン「スノーマン」の竣工式も行われました。
「スノーマン」はかぐらスキー場のみつまたロープウェー山頂駅舎の傍にあり、大きなガラス窓からはゲレンデを一望できます。開放的でおしゃれな雰囲気、ブーツの着脱所やドライヤーなどの設備も魅力です。
谷川・苗場地域はこれから冬山シーズンを迎え、スキーヤー、ボーダーの方々を中心に冬の賑わいを見せ始めます。冬の雪国にお越しの際は、車の運転など、くれぐれも注意してください。私にとっても、初めて過ごす冬のみなかみとなりますので、雪や寒さに負けないようにがんばりたいと思います。
2015年11月13日秋の森を感じる 赤谷の森自然散策
上信越高原国立公園 谷川 小竹俊平
こんにちは、谷川の小竹です。10/24、赤谷の森自然散策に参加しました。
赤谷の森自然散策とは、赤谷プロジェクト地域協議会、(公財)日本自然保護協会、赤谷森林ふれあい推進センターの3団体が中心になって推進している「赤谷プロジェクト」の一環で開催されたイベントで、上信越高原国立公園内にある「赤谷の森」という国有林の自然や環境を学ぶことを目的としています。
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赤谷の森の自然や歴史についての解説を聞きながら、旧三国街道やその周辺を散策しました。参加者のこども達にもわかりやすいように、クイズを出すなど解説も工夫されていました。
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散策では途中で色々なイベントが開かれました。その一つ目が途中のあずま屋で開かれた「森の美術館」です。1枚の画用紙に木の葉や木の実で絵を描くシンプルな内容ですが、作品に参加者の様々な個性が現れてとても面白かったです。
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三国峠では旧三国街道や麓の猿ヶ京の歴史にまつわる民話と紙芝居が上演されました。三国権現のそばというロケーションで行われたパフォーマンスは歴史情緒あふれるものでした。他の登山客も思わず足を止めて、民話と紙芝居に聞き入っていました。
赤谷の森自然散策は、ただ参加者に森の中を歩いてもらうだけではなく、森の中でいろんな体験をしてもらおうと、色々な方の協力やアイデアがまとまってできたイベントでした。参加者の中には去年のリピーターの方もいらっしゃり、主催者、参加者が一緒になって赤谷の森を盛り上げている様に感じました。
赤谷の森自然散策は、毎年3回開催されており、3回目となる次回は来年2/11(木・祝)に開催される予定です。
詳細については、下記のURLをご参照ください。http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/kanto/akaya_fc/index.html
2015年10月19日秋は紅葉だけじゃない 谷川岳秋の実り
上信越高原国立公園 谷川 小竹俊平
こんにちは、谷川の小竹です。
立て続けに紅葉を紹介しましたが、秋山の見所は紅葉だけではありません。色々な木の実を見つけることもできます。
10/9に谷川岳を巡視したときに見つけた秋の実りをご覧ください。
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オニグルミの実が沢の近くにごろごろ転がっていました。
左写真の黒くて丸いものは外皮に包まれた姿で、外皮を取ると右写真のようなおなじみのクルミの姿が現れます。
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ブナ林にはあちこちにブナの実が落ちていました。今年は豊作のようです。
ブナは左写真の様に実を付け、外側の殻斗の口が開くと右写真のような堅果が出てきます。
堅果の中にはナッツのような実が詰まっており、ブナ林に生息する動物たちの貴重な食料となります。
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他にもトチ(左写真)、ツノハシバミ(右写真)などの実がなっていました。
トチの実は渋抜きして郷土料理の栃餅に加工されます。ツノハシバミの実は中に丸い堅果があります。
木々の実りは秋山の魅力の一つです。この時期、紅葉もすばらしいですが、木の実を探してみるのもいかがでしょうか?
※秋の実りはそこで暮らす動物の貴重な食料ですので、観察したら元の場所に戻しておきましょう。
2015年10月14日秋本番 平標山の紅葉
上信越高原国立公園 谷川 小竹俊平
こんにちは、秋まっただ中のみなかみです。
先日谷川岳山頂付近の紅葉を紹介しましたが、谷川山域の各地で紅葉シーズン到来、ということで、紅葉の記事第2弾として、10/5に巡視した谷川連峰の平標山の紅葉をご紹介します。
↑湯沢町元橋口から登る松手山コースの様子。松手山山頂付近から色づきが目立ち始めました。空の青やササの緑に紅葉がよく映えていました。
↑平標山~仙ノ倉山間の鞍部の様子。この辺りは春から夏にかけて高山植物の花がよく咲くのですが、この日は綿毛の飛び去ったチングルマの紅葉がきれいでした。ピークは少し過ぎているようでした。
↑平標山の家周辺や平元新道の上の方も見頃でした。
さて、最近本当に日が短くなったと思います。秋は山で行動できる時間帯も短くなります。
日が沈み、暗くなると視界が悪く、また予想以上に寒くなり、非常に危険です。日が出でいるうちに下山できるよう、時間に配慮した計画を立てましょう。
2015年09月30日谷川岳田尻沢 通行可能に
上信越高原国立公園 谷川 小竹俊平
こんにちは、谷川の小竹です。
7/20の豪雨で荒廃した田尻沢ですが、復旧工事が進み、田尻尾根に通じるコースは通行可能な状態となっています。
以下、9/24に谷川岳ロープウェイのゴンドラから撮影した田尻沢の様子です。
↑崩落した橋の様子。新しく架けられた鉄骨の上に板が渡されています。
↑激流で掘り起こされたコンクリート管も直っています。
なお、田尻沢の修繕工事は現在も続行中で重機が道を出入りしています。通行の際は注意してください。
2015年09月30日紅葉シーズン到来 色づき始める谷川岳
上信越高原国立公園 谷川 小竹俊平
こんにちは、最近は朝晩肌寒く、徐々に涼しくなっているみなかみです。
さて、谷川岳では山頂付近で紅葉が始まっています。9/24に天神尾根を往復した時の様子をお送りします。
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天神尾根の様子です。所々色づいている葉もありましたが、まだ緑も多かったです。
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一方、こちらは谷川岳の山頂付近(トマノ耳~オキノ耳~奥の院)の様子です。新潟県側の斜面が赤やオレンジで彩られていました。
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主にカエデやツツジが山頂付近を彩っていました。
これからの紅葉シーズン、谷川岳も混雑が予想されます。狭い道や岩場などでは声を掛け合う、道を譲り合う、無理な追い越しをしない等、混雑した登山道で思わぬ事故に遭わないように登山者同士で意識しましょう。安全で楽しい紅葉シーズンをお楽しみください。
2015年09月18日夏から秋へ 大源太山(みなかみ町)
上信越高原国立公園 谷川 小竹俊平
こんにちは、谷川の小竹です。
9/3、大源太山の歩道調査を行いましたので、その時の様子を紹介します。
新潟県湯沢町の大源太山は7月の記事でも紹介しましたが、今回紹介するのは群馬県みなかみ町にある別の大源太山で、平標山から三国山まで縦走する間に位置しています。今回は赤谷林道(群馬県みなかみ町)から入山し、浅貝(新潟県湯沢町)に下山しました。
赤谷林道は木材の伐採、運搬で重機が出入りしていました。赤谷林道は一般車通行止となっているので、こちらから登る場合は川古温泉手前の駐車場に車をとめ、そこから歩くこととなります。
林業の作業現場を過ぎると、林道終点はもう少しです。写真の沢を渡ると本格的な登山道が始まります。
樹林の急登が続きます。つづら折りで道幅が狭いため、足の踏み場に注意しましょう。登るにつれ、周りにササが増えていきます。
黒金山まで登ると、勾配が緩やかになります。途中、ミヤマナラの葉に赤い実のようなものが付いているのを見つけました。これはナラハヒラタマルタマバチというハチが作った虫こぶ(虫えい)で、中でハチの幼虫が育っています。おいしそうな色をしていますが口にしないように。落葉した後、幼虫はこの虫こぶの中で越冬します。
大源太山山頂。晴れていれば谷川連峰の仙ノ倉山、エビス大黒ノ頭などが見えますが、今回はガスに包まれて何も見えませんでした。
大源太山~三角山間は花がたくさん咲いていました。(左:ウメバチソウ、右:アキノキリンソウ)共に8月から秋にかけて見頃を迎える花です。
三角山から浅貝までの道はミズナラを中心とした樹林帯で、道幅は広く、全体的になだらかです。ここで運良くミヤマクワガタを見つけました。ミヤマクワガタは細かな体毛が特徴ですが、時間と共に毛が脱落することが多いそうです。この個体には毛があまり見られず、動きもゆっくりめで少し弱っている印象でした。羽化してかなり時間が経った個体の様です。
登山道を下りきると浅貝ゲレンデに出ました。ゲレンデでは色づいたススキが風になびいて秋の気配が漂っていました。ゲレンデ内の舗装路を進めば、新潟県湯沢町苗場のスキーリゾート地が見えてきます。
今回の歩道調査では、見つけた生き物から夏から秋への移り変わりを感じることができました。夏から秋へ移りゆき、過ごしやすくなるこの時期ですが、山では時間や場所によって気候が大きく変化します。今回の歩道調査でも、序盤の急登で夏の暑さを、ガスに包まれ風がよく吹いた大源太山山頂付近で早秋の寒さを感じました。気候の変化に対応できるような服装の準備を忘れないようにしましょう。
2015年09月11日藪漕ぎの先に... 佐武流山
上信越高原国立公園 谷川 小竹俊平
こんにちは、谷川の小竹です。
8/20に苗場山~佐武流山間の縦走路を調査しましたので、その様子を紹介します。
佐武流山は新潟県南魚沼郡湯沢町と長野県下水内郡栄村の県境の山脈にある200名山で、100名山の苗場山の南に位置しています。
苗場山山頂付近は平坦な湿原が広がり、しばらく木道を進みます。
木道がなくなると、湿地帯ともお別れです。一旦森に入ります。
森を抜けると新潟県側(写真左)が開けていて、展望がよいです。長野県側(写真右)に天狗の庭という湿地があるようですが、森で見えません。
ぬかるんだ樹林の急登を登り切ると赤倉山に着きます。
赤倉山山頂。山頂手前に赤湯に下る分岐もあります。ここに来るまでも途中ササ深い所が何カ所かありましたが、ここから先が本格的な藪漕ぎの道でした。
背の高さを超えたササが茂り、前の人がよく見えません。一応、ここも道です。
今回合同で参加した志賀高原自然保護官事務所の瀧口レンジャーが難解な道のトップを歩いてくださいました。
藪漕ぎの道も時々見晴らしがよくなり、苗場山や谷川連峰の平標山が見えました。
苗場山はてっぺんが平なのがよく分かりますね。
ナラズ山直後の様子。ササ藪で道が最も分かりにくかったところです。木村レンジャーの地形図の読図と志賀高原自然保護官事務所の則武アクティブレンジャーのGPSの活用とでこの難局を乗り切ることができました。
ササ藪を抜け、広々とした土舞台に到着。
「ササ藪がないのがどれだけありがたいことか!」かみしめながら踏みしめながら急登を進みます。
西赤沢源頭分岐。下山時は佐武流山山頂からこの分岐へ戻り、切明温泉方面へ進みました。
西赤沢源頭分岐から佐武流山への道。基本的に樹林ですが、時々開けて新潟県側がよく見えます。佐武流山は200名山ということで人が多少通るのか、道は踏み固められ、わかりやすかったです。
佐武流山山頂に到着。オオシラビソの木が少々かかりますが、新潟県側の展望がよいです。
苗場山~佐武流山の縦走路は利用者が少なく、8/20の時点では赤倉山~土舞台間が特にササ藪が濃く、一般向けのルートとしてはおすすめできない状態でした。ササ藪の中を行く際は地形図やコンパス、GSP等を活用する技術と余裕を持った計画が必要となります。
なお、赤倉山~佐武流山間のルートの現状については栄村秋山郷観光協会(HP:http://sakae-akiyamago.com/play/)へ事前に確認してください。
こんにちは、12/19には麓も降雪しましたが、麓で積雪はほとんど見られないみなかみです。
↑12/10の土合の谷川岳山岳資料館前の様子です。土合にある谷川岳山岳資料館と谷川岳登山指導センターは現在閉館しており、少し静かな雰囲気になった土合です。
静かな冬の谷川岳で、生き物たちは寒さに負けず暮らしています。
今回は冬の谷川岳で出会った動物を紹介します。
土合橋から湯檜曾川沿いを上流に歩いて20分くらいの所で、ニホンカモシカに出会いました。
対岸の急斜面からじっとこちらを見つめ、微動だにしません。
しばらくにらめっこしていると、警戒を解いたのか、おもむろに口をモグモグ動かし始め、ゆっくりと斜面を登っていきました。食料が乏しい中、余計なエネルギーを使わないように意識した動きにも見えました。
一方こちらは良く晴れた日の朝のこと、土合から一ノ倉沢まで通じる舗装路にてキツツキを見かけました。
「ドツ、ドツ」と何か鋭利な物を木に打ち付けるような音が聞こえたので、ふと見上げると、キツツキ(アカゲラ)がブナの木の枯れた部分を盛んにつついていました。どうやら木の中にいる虫を探していた様です。キツツキは冬の森でも食料となる虫を捕まえられるので、その土地にとどまることができるのではないでしょうか。
冬山でも、穏やかな天気の日なら生き物を見つけられるかもしれません。見かけたときはそのたくましい姿を静かに見守ってください。