ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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伊勢志摩国立公園

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2015年05月15日出前授業@越賀小学校(1回目)

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

5月8日に志摩市立越賀小学校で1回目の出前授業を行いました。

越賀小学校では3・4年生9名を対象にして

四季の自然を記録します。

  

はじめに教室の中で伊勢志摩国立公園や、

レンジャーの仕事についての話を聞いてもらいました。

全員を越賀小レンジャー(見習)に任命して、調査に出発です。

越賀小学校も海が近くにある小学校です。

この日は潮時も良く、さっそく海岸へ行きました。

 

学校から歩いて10分くらいの海岸です。

ここには美しい砂浜と磯が広がっています。

 

今回は、はじめに生物を絞って観察をしました。

ひとつはアラレタマキビです。

みんなは「水がきらいな貝」だと言うことを知っていましたが、

本当かどうか確かめるために実験です。

バケツに貝を集め海水を入れてしばらく待ちます。

 

するとどうでしょう!

見事にたくさんのアラレタマキビが水から出て来ました。

 

次はイソギンチャクを探しました。

姿は知っていても、実際に触ったことのある人は少なかったです。

開いているイソギンチャクを指で触れると、

ぴゅっと指に吸い付くようにして引っ込みます。

くせになるとなかなか良い感触です。

みんな喜んで触っていました。

 

最後に自由な観察時間を設けて、

見つけた生き物をチェックシートに記録しました。

短い時間でしたがかなりたくさんの生き物を見つけており、

全部で20種類にもなりました。

 
越賀小学校の近くには生き物がたくさんいて

すばらしい海岸があることが分かりました。

次回は夏に再びこの海岸に来て生き物探しをします。

どんな生き物に出会えるか楽しみです。

 
児童のみなさん、学校の先生方、どうもありがとうございました。

 

ホオズキフシエラガイです。

 

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2015年05月11日出前授業@志島小学校(1回目)

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

4月27日に志摩市立志島小学校で出前授業を行いましたので報告します。

志島小学校では昨年度の遠足の時に「市後浜」海岸で出前授業をさせていただき、

市後浜の自然を守る「志島小レンジャー」として任命させてもらいました。

 
今年度は4・5年生を対象にして、もっと地域の自然について学び、

広く自然を守れる志島小レンジャーを目指して活動をします。

 

はじめに教室で、伊勢志摩国立公園やそこで働くレンジャーについて、

昨年話した内容のふりかえりを行いました。

 

今回のフィールドは学校から歩いて5分程度の「前の浜」海岸です。

ここは岩礁海岸と砂浜海岸が隣接してあり

それぞれの違いをくらべるのにも良い場所です。

 

今回は、砂浜の植物をメインに調査しました。

ハマダイコン、ハマヒルガオ、コウボウシバの3種を選び

大きさや花の様子、そのほかの特徴などを記録しました。

 

ハマダイコンは特に若い果実が生で食べられ、

「大根おろし」のような味がします。

根を抜いてみると細い大根があり、

芯は硬かったですが皮のあたりは大根のように食べることが出来ました。

 

ほかにも漂着しているクルミから芽生えているのを見つけたり、

スナガニの巣穴を掘って観察したりしました。

 

次回は夏に磯の生物を観察する予定です。

学校の先生方、児童のみなさん、どうもありがとうございました。

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2015年04月22日磯の生物観察

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

春は日中に海の潮が大きく引く日が多く、

磯の生き物観察には最適な時期です。

 
4月19日に予定されていた横山ビジターセンターの自然観察会

「磯の生き物観察会」は雨で中止になってしまいましたが、

下見や調査で訪れた志摩市志摩町の磯の生き物を紹介します。

ここは特に海藻が多く、

貝の仲間であるウミウシ類が多く観察できました。

 

アオウミウシやシロウミウシは3cm程度の大きさですが

そのカラフルな色彩からよく目立ちます。

クロシタナシウミウシは7cmくらいの大きさがあり

活発に動き回ります。

ムカデミノウミウシはエラ突起がびっしりと並ぶ

独特の姿で、大きさは6cmくらいでした。

アメフラシも巻き貝の仲間で、ウミウシよりも大型です。

ウミウシやアメフラシは日本では「牛」ですが、

外国では「ウサギ」にたとえられるそうです。

タツナミガイも15cmくらいの大きさがあるアメフラシの仲間ですが、

ほとんど動き回らずに「やわらかい岩」のような印象です。

ミスガイは貝殻を背負っていますが、

体を全て貝殻の中にしまうことは出来ません。

メリベウミウシという独特の形をしたウミウシもいました。

 

ホンヤドカリは触角が縞模様をしていますが、

ケアシホンヤドカリは触角が赤色で、

脚に長い毛がびっしりと生えています。

ヤツデヒトデはその名の通り腕が8本あります。

ケヤリムシはゴカイの仲間で、

花が咲くように広がったエラの様子が美しいです。

 
他にもたくさんの生き物がみられましたが、

今回はほんの一部を紹介させていただきました。

 

磯遊びの際には必ず潮位を確認すること、

波浪注意報などが出ている時には海に近づかないこと、

また、観察した生物は生きたまま戻すようにしてください。

特に伊勢志摩の海では海藻や貝類が

海女さんの重要な漁業資源になっています。

美しく豊かな里海を守れるように協力してくださいね。

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2015年03月25日出前授業@成基小学校(5回目)

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー 半田俊彦

3月19日に志摩市立成基小学校で出前授業を行いました。

成基小学校では昨年の4月から春・夏・秋・冬と4回、

学校近くの自然を観察して記録する授業を行いました。

今回はそのまとめとなる最後の授業です。

 

はじめに教室でこれまでの内容を振り返りました。

 

1年たって、自然はどのように変化しているのか、

いつもの定点観察ポイントへ見に行くことにしました。

 

途中で雨が降ってきてしまいましたが、

春になってツクシが大量に生えていたり、

タンポポやオオイヌノフグリの花が咲いていたり、

朽ち木のなかにいるクワガタの幼虫を見つけたりできました。

 

昨年の春に見られたものと同じ花が咲いていたとしても

それは季節の変化を経て、繰り返し同じ姿を見せていること、

また、レンジャーの視点で見た成基小の自然の豊かさなど

をお話しした後、「成基小レンジャー」の任命書に

それぞれ自分の決意を書いてもらいました。

 

最後に1年間一緒に学んだ4年生5人全員を

正式な「成基小レンジャー」として任命させてもらいました。

これから自然を守るための活動を一緒に頑張っていってほしいです。

児童のみなさん、先生方、

1年間どうもありがとうございました。

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2015年03月13日アカガエルの産卵

伊勢志摩国立公園 志摩 アクティブレンジャー 半田俊彦

こんにちは。

3月も半ばとなり、伊勢志摩国立公園では春らしい日が増えてきました。

ウグイスやコジュケイのさえずりが聞かれたり、

ツクシやタンポポの花が見られたりしています。

 

なかでも最も早く「春」を伝えてくれるのはアカガエルです。

1月の中頃から早くも産卵が始まり、

2月にはオタマジャクシが泳ぎ出すのです。

 

創造の森横山では伊勢志摩国立公園パークボランティアが

モニタリングサイト1000里地調査の一環として

毎年アカガエルの卵塊の数を調査しています。

 

【アカガエルはこんなカエルです】

 

今年は1月23日の調査で最初の卵塊を確認し、

3月12日までにニホンアカガエルとヤマアカガエルの卵塊を

合計で443個確認しました。

 

【今年最初に確認したアカガエルの卵塊です】

 
これは、2008年度に調査を開始して以来、

最も多い卵塊の数になります。

もしかすると水辺を整備したり、周辺を草刈りしたりするなどの

日頃の活動の成果が現れているのかもしれません。

 

【確認した卵塊には旗のようなマークを立てます】

 

今後も調査を継続するとともに、

アカガエルが住める環境の保全活動に生かしていきたいと

思っています。

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2015年02月12日出前授業@成基小学校(冬)

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

少し前の話になってしまいましたが、

1月20日に志摩市立成基小学校で出前授業を行いました。

4年生の理科で春夏秋冬の自然を記録していますが、

今回は4回目で「冬の自然」です。

 

はじめに、寒い冬に動物や植物はどうやって過ごしているのかを、

姿を想像したり、自分に置き換えてみたりしながら考えてもらいました。

 

今日のテーマは「生きものは冬、何している?」

・春にたくさん咲いていた「タンポポ」の姿は?

・夏にたくさん捕れた「昆虫」はどこに行ったのか?

・秋に調べた「どんぐり」の今は?

大きく3つの疑問が出ました。

さっそく確認のために外へ出ます。

 

向かったのは定点観察ポイントとして決めた大きな柿の木の周辺です。

柿の木は葉も果実もなくなっていましたが、

秋にどんぐりを観察したアラカシをはじめ、

周辺には冬でも緑色の葉を付けている樹木がたくさんありました。

常緑樹が多い伊勢志摩の特長が、冬の山を見ることで実感できます。

 

枯れ草や朽ちた木が積んである場所を見つけ、割ってみました。

中からはキマワリやコメツキムシの幼虫、ゴミムシダマシの仲間のほか、

大量のシロアリなどが出てきました。

 

春にタンポポの花やオオイヌノフグリをスケッチした地面に目を向けると、

ほとんどの植物はロゼット状になり地面に貼り付くようにしていましたが、

そこにはもうすでに小さな春が見つけられました。

よく見ると、ツクシが芽を出していたり、

テントウムシが草の下に隠れていたり、

早くもタンポポの開花を見つけたりしました。

 

どんぐりがたくさん落ちていた道には

割れたどんぐりのかけらや落ち葉が積もっていました。

時間がなくて十分に観察できなかったのですが、

ここでは根を出したどんぐりを発見できました。

秋の授業で、どんぐりは殻斗の付いている偏平な側ではなく

反対のとがった方から芽や根を出すと言う話をしたのですが、

土に埋まったどんぐりを探すと、その様子がよく分かります。

 

今回の授業で、四季の自然観察は終了です。

次回は1年間のふりかえりを行う、まとめの授業です。

みんなが成基小レンジャーとして活躍できるように

私も頑張って授業を行いたいです。

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2015年01月16日オシドリの観察

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

こんにちは。
今年は暖冬かと言われながらも、
時折冬型の気圧配置が強まる寒い日が続いていますね。
本日の話題は冬ならではの生物で、
野鳥の中でも有名な方だと思われる「オシドリ」についてです。


オシドリはカモの仲間で、日本では夏に北海道や東北などで繁殖し、
冬になると主に西日本へ移動して越冬します。
伊勢志摩国立公園でも毎年冬になると
たくさんのオシドリが越冬のために訪れる場所があります。

 

ここは志摩市磯部町の「神路ダム」です。

志摩市の水源地になっており周辺への立入りが禁止されているので

大変警戒心の強いオシドリでも安心して訪れる場所です。


横山ビジターセンターでは、

毎年1~2月頃にパークボランティアの案内によって

「オシドリの観察会」を行っています。

今日はその下見に行ってきました。

名前が有名な割には野生のオシドリを見たことのある人は

少ないのではないかと思います。

 

この写真は小さなデジカメのレンズを

望遠鏡に押し当てて撮ったものなので、写りはかなりイマイチですが、

たくさんのオシドリが木陰で休息している様子が分かります。


オシドリは人の気配を察するとすぐに飛び立ってしまいますが、

数百羽程度がここで越冬している様子が分かりました。

観察会の本番は来週、1月24日(土)です。

参加には必ず事前申込みが必要ですので、

よろしければ横山ビジターセンターへお問合せください。

http://www.yokoyama-vc.jp/

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2014年12月11日ミニ門松づくり

伊勢志摩国立公園 アクティブレンジャー 半田俊彦

先日、出張で名古屋市に行ってきました。
夜の街はクリスマスイルミネーションに彩られてとても華やかでした。
一方、本日の話題はクリスマスの先、お正月の準備です。


横山ビジターセンターでは12月になると、
小学校や児童館などから依頼をいただいて「ミニ門松」づくり
の体験を行っています。
先日、志摩市の和具幼稚園で開催されたファミリー参観の
ミニ門松づくり指導に参加したので報告します。


当日は園児19名とその家族を含めて約50名が参加しました。
ミニ門松づくりの材料はあらかじめ切って、
数や大きさをそろえ準備してありますが、
グルーガンを使う作業もあって親子で協力して作りました。


この日のスタッフは私のほかにビジターセンターの職員と
パークボランティアが参加しました。
今回を含め12月は5回ほどのクラフトイベントがありますが、
材料の調達やパーツの準備が実は一番大変な作業なのです。


今回使用した竹は節の部分で切断してあるのがポイントで、
断面が笑っている顔のように見えます。
3本の竹を固定し、わらを巻いて飾りをするだけの簡単な作業ですが、
笑顔で良い年を迎えられるように皆心を込めて作っていました。


自然物に直接触れたり、伝統の飾りを自ら作ったりする体験は、
現代ではとても貴重で大切なものになっていると思います。
12月18日には横山ビジターセンターで本格的な「しめ縄づくり」の
自然観察会も開催されます。
ぜひ多くの方に体験していただきたいと思います。

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