ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中部地区]

中部地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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中部山岳国立公園 立山

171件の記事があります。

2021年11月22日立山室堂平の積雪期利用ルール

中部山岳国立公園 立山 平松新一

 こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松です。

 立山室堂はすっかり冬の様相、みくりが池の水面にも氷が張っています。

氷の張ったみくりが池

 さて、この時期、立山室堂地域関係者で構成する「室堂平周辺積雪期利用適正化協議会」では、室堂平周辺を訪れる利用者の安全確保と自然環境保全のため、積雪後から11月30日までの間の利用ルールを策定しています。

 立山室堂へお越しの際は以下のルールをお守りください。

■積雪期におけるテント泊について

・テント泊を予定している方は、冬山に対する高度な知識と技術、十分な装備を持った上で自己責任のもと利用してください。また、登山届を事前に提出している場合であっても、室堂ターミナル内の入山安全相談窓口で必ずレクチャーを受けてください。

・雷鳥沢野営管理所は10月31日から翌年4月下旬まで冬期閉鎖しています。野営場は利用可能ですが、トイレや水場は使用できないため、携帯トイレをお持ちください(入山安全相談窓口、ホテル立山2F売店で販売しています)。

・技術、体力、装備に不安のある方は山小屋(一部山小屋は11月24日宿泊まで営業)やホテルをご利用ください。

■室堂平仮設野営指定地の開設について

・すべての山小屋が休業する11月25日からアルペンルートが閉鎖する11月30日までの間、応急的に室堂平仮設野営指定地を開設します。詳細は中部山岳国立公園管理事務所HPでご確認ください。

 野営地について

・11月25日までは雷鳥沢野営場をご利用ください。

・11月25日宿泊から雷鳥沢野営場または、室堂平の仮設野営指定地をご利用ください。

・室堂平では、上記以外の場所ではテント設営はできません。

 立山周辺や雷鳥沢野営場、室堂平の植生上、登山道上にし尿やゴミが放置されていることがあります。必ず携帯トイレをお持ちください。

 この時期には雪上に動物たちの足跡が見られます。ライチョウはもちろん、キツネ、テン、オコジョ、ウサギ、ネズミ類など、普段その姿を目にすることのできない動物たちの足跡があちらこちらに残っています。積雪期のルールを守って、こんな動物たちの痕跡を見つけるのも楽しいですよ。

ライチョウの足跡

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中部山岳国立公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する政府や各自治体の方針を受け、「新しい生活様式」に沿った慎重な行動をお願いしています。中部山岳国立公園へお出かけの際には、各自治体や訪問先が発信している情報を事前にご確認いただき、3つの密の回避や手指の消毒など、感染防止対策にご協力ください。みなさまのご理解ご協力をお願いいたします。

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2021年10月28日雪の立山室堂

中部山岳国立公園 立山 平松新一

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松です。

 立山室堂では、10月には氷点下となったり、雪が降ったりする日が増えてきます。11月末で室堂までの道路も閉鎖されるため、室堂にある施設ではこの時期に冬に備えての様々な準備を行います。私たちも積雪期への準備や確認のため、10月25日に室堂を訪れました。

この日の室堂はすでに冬の様相で、積雪は30cmくらいありました。すでにスノーウェア、長靴は必須です。

<ベンチの上部がかろうじて見えるくらいの積雪です>

<みくりが池水面には雪の雄山や浄土山が写っていました>

<地獄谷では一年中火山ガスが噴出しています>

雷鳥沢野営管理所は10月31日から閉鎖になり、それ以降は管理所のトイレ・水場は利用できなくなります。管理所前や代替歩道にかかる橋も撤去されました。これらのお知らせは室堂ターミナルなどに掲示してありますので、室堂に行かれる際はご確認ください。

<雷鳥沢野営場にはテントはありませんでした>

<雷鳥沢にかかる橋も橋げたが取り外されています>

<通行注意の掲示をした代替歩道室堂側入口>

 

今後本格的な積雪シーズンになり、スキーや冬山登山を計画されている方もいらっしゃると思います。立山室堂では、自然保護や安全のため、この時期に守っていただくルールを策定しています。これらルールについてはホームページなどを通して近々お知らせする予定です。

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2021年10月18日絶滅危惧種イタセンパラとひみラボ水族館

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。立山管理官事務所の一ノ枝です。

先日、富山県氷見市に生息するイタセンパラの保全活動調査に同行させてもらいましたのでその様子をご紹介します。

イタセンパラとは、コイ科のタナゴ亜科タナゴ属に分類される淡水魚です。

生息地は富山平野北西部を含め3つのエリアのみで、環境省のレッドリスト絶滅危惧IA類に指定されています。ちなみにライチョウは絶滅危惧IBに指定されているので、ライチョウよりも絶滅の危険性が高い生き物という位置づけになっています。

イタセンパラは漢字で「板鮮腹」と書き、その名の通り繁殖期となる秋には腹のあたりが色鮮やかな美しい姿を見ることができます。

<イタセンパラのメス(左)とオス(右)>

オスは「婚姻色」が特徴的で、メスは「産卵管」を持っており、二枚貝に卵を産みます。

そのイタセンパラの保全活動に尽力されているのが氷見市にある「ひみラボ水族館」です。

<館内の様子>

今回は、氷見市にある川に入り、地引き網を使って生息個体の把握を行うお手伝いをさせていただきました。

<地引き網で捕獲している様子>

足を川床にあて引きずりながら、ゆっくりと網を回していきます。

<地引き網で捕獲している様子2>

<網の中にたくさんの魚たちが入っていた。>

ひみラボ水族館に戻り、種類を分けていきます。

<種類ごとにバケツで分けていく>

<イタセンパラの個体サイズを計測>

イタセンパラが生息する水域にもタイリクバラタナゴなどの外来種が侵入しており、在来種の生息地を脅かしています。

<大漁のタイリクバラタナゴ>

その後外来種は駆除し、イタセンパラをはじめとする在来種は元の水系へとリリースします。

氷見市は中部山岳国立公園とは異なり、いわゆる里山が広がる場所です。そんな里山にも豊かな自然環境があることを知りました。

ひみラボ水族館では、イタセンパラをはじめ、氷見の川に生息する生き物たちを中心に見ることができますので、富山にお越しの際はぜひ立ち寄ってみてください。

ひみラボ公式サイト

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2021年10月15日旧日電歩道補修工事 完成検査

中部山岳国立公園 立山 平松新一

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松です。

旧日電歩道は、下ノ廊下とも呼ばれている黒部ダムから仙人谷ダムまでの黒部川沿いのルートです。そこは優れた渓谷美を有している反面、断崖絶壁など危険箇所も多い、上級者向きのルートです。この歩道は関西電力が管理しており、例年補修工事を終えた9月下旬以降に開通します。今年は10月8日に、関西電力による歩道の完成検査があり、私はその検査に同行しました。

 <黒部ダムから歩き始めます>

 <はじめは黒部川の流れも緩やかです>

スタートは黒部ダムです。ここから内蔵助谷出合までは急峻な場所は少なく比較的ゆったりと歩くことができます。しかし、そこを過ぎると道はどんどん険しくなり、幅が1メートルにも満たない断崖絶壁の道が何カ所も現れるようになります。途中途中にある丸太を組んだ橋やはしごは、毎年補修工事で設置しているそうです。聞いたところでは、毎年のようにどこかの岩盤が崩れ、そのために新たに橋を架ける箇所も出てくるそうです。

   <岩盤を削ってできた道>

 

<切り立った崖にかかっているはしご>

   

<気の抜けない断崖の道>

道は高いところでは谷から100mもあり、目もくらむほどです。新越沢や別山谷を過ぎ、白竜峡、十字峡、S字峡などの景勝地を横目で眺めながら、8時間ほどかけて仙人谷ダムに到着することができました。

<十字峡>

<S字峡>

このルートは昭和4年に完成したそうです。まだちゃんとした機械や道具もない時代、こんな危険な場所によく道を作ったものだと、先人たちの力には感心するばかりです。現在も、毎年補修する方々の努力があってこそ、私たちが歩けるようになっています。ただ、旧日電歩道に限らず、どの登山道でも多かれ少なかれこのような努力があって道が維持されているのでしょう。そう考えると、私も今後登山道を歩くときには、それらの方々の努力を思い、感謝せねばと強く思いました。

 

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2021年09月22日立山室堂・弥陀ヶ原周辺の紅葉状況

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。立山管理官事務所の一ノ枝です。

アルペンルート沿いの弥陀ヶ原と室堂の現在の紅葉情報です。(写真は9/21撮影)

<弥陀ヶ原から鍬崎山方面>

<弥陀ヶ原から立山方面>

<天狗山の紅葉>

<室堂から雄山(立山)方面>

<雷鳥沢野営場と剱御前方面>

あっという間に秋が進んでいました。

気温も平地とは違いかなり寒くなってきているので防寒対策はしっかりと準備をお願いします。

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2021年08月26日立山代替歩道

中部山岳国立公園 立山 平松新一

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松です。

 8月11日に代替歩道の状態確認と整備に行ってきたので、今回はそのときの様子をお話しします。

代替歩道は、正式には地獄谷代替歩道と言い、下図のように室堂から雷鳥沢に通じています。この道は、現在ある室堂から雷鳥沢への登山道が地獄谷からのガス濃度の増加によって通行できなくなったときの代わりのルートとして、環境省が2015年に整備しました。名称は代替歩道ですが、道は整備されているので利用可能です。ただし、ルート上に雪が残っていることも多く、今年は8月上旬から利用できるようになりました。

<室堂周辺と代替歩道>

 ルートの大部分は道がわかりやすく歩きやすいのですが、一部区間は道がウラジロタデに覆われて分かりにくくなっていたため、これらを刈り込みました。また、溝を渡る場所には鋼板を設置しました。

 <大部分は見晴らしの良い道>              <ウラジロタデに覆われた道の一部>

<ウラジロタデの刈り込み>              <溝を渡る場所に鋼板を設置>

 このルートを歩いていて面白いと思ったのは、他の場所ではすでに咲き終わっているチングルマやシナノキンバイなどが、ここではまだ咲いていたことです。雪解け後に芽吹いた植物たちが他の場所よりも遅くに花を咲かせたのでしょう。そんな植物を見ながらの山歩きも楽しいですよ。

<チングルマ(左)やシナノキンバイ(右)など、早くに咲く花がまだ咲いていました>

<タカネヤハズハハコ>                  <ヨツバシオガマ>

 眺めの良さや高山植物など見所のある代替歩道ですが、登山道ですのでスニーカーやサンダルで歩くのは滑りやすく危険です。十分な登山装備で歩いてくださいね。

<室堂側からの代替歩道入口>

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2021年08月19日黒部峡谷「欅平」とそこへ続く道

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。

先日、黒部峡谷の欅平へ巡視に行ってきました。

宇奈月駅からトロッコ列車に揺られ黒部峡谷の絶景を楽しみながら、1時間20分で終点の欅平駅に到着です。

<今年は黒部峡谷鉄道開業50周年。今年限定のヘッドマークが付いています。>

<宇奈月駅を出発してすぐの新山彦橋から>

夏は、窓無しの普通客車は風が通り抜け心地よいです。盆を過ぎて平地でも秋の気配が感じられる時期になるとトロッコ内は寒いくらいですので、風よけとなる上着を準備されることをおすすめします。

欅平駅を出てすぐ前の広場に建っているのが欅平ビジターセンターです。

ここで、周辺の観光情報、登山情報、自然情報などを収集することができますので、まずは一度立ち寄りたい場所です。

駅のすぐ下を流れる川が黒部川です。階段を下りきると河原展望台です。足湯もあります。

<足湯9:00~15:00 ※協力金箱を設置しています。ご協力をお願い致します。>

河原へ行けるかは、その日の川の水量によって開閉を決めています。また、猿飛峡へは落石の危険があるため昨年に引き続き今年も行くことができません。

欅平駅からビジターセンター横に上に登る道があります。そこは、パノラマ展望台へと向かう登山道になっています。急峻な道を1時間程登っていきますので、観光客の方は相応体力に自信がある方向けです。

<パノラマ展望台。この日は雲が多くあまり眺望はないが心地よい風が吹いていた>

欅平から約1時間の祖母谷温泉まで向かいました。

<奥鐘橋からの黒部川>

<名剣温泉先から遠くに見えるのが唐松岳方面>

 

<トンネルを歩いていくと異空間へ誘われている感覚に>

祖母谷温泉到着です。

<左の建物が祖母谷温泉。下に流れるのが祖母谷川>

<祖母谷地獄。祖母谷、名剣、猿飛山荘、足湯の源泉はここから引っぱっている>

祖母谷温泉小屋のご主人にお話をお伺いしました。

祖母谷から先は白馬岳と唐松岳へ向かう主要な登山道が2つあり、毎年、草刈りや補修を山小屋関係の皆さんが担っていますが、高齢化など年々厳しくなってきているという状況とのことでした。祖母谷温泉の標高が770m、白馬岳(2932m)、唐松岳(2695m)ですから、高低差を見てもかなりの健脚向けのコースであることは間違いないですが、主要な後立山連峰へと続く道を絶やしてはならないとお話を伺い感じました。

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2021年08月03日五色ヶ原巡視

中部山岳国立公園 立山 平松新一

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松です。

 7月20日、21日に、五色ヶ原の巡視に行ってきました。今回はこの巡視についてお話しします。

五色ヶ原は立山から薬師岳に続く立山連峰の途中にある台地状の草原で、池塘やその周りに多くの高山植物が生育しています。この周辺には環境省が整備している登山道があり、その現状を把握することも巡視目的の一つでした。

<富山大立山観測所付近から、中央のなだらかな場所が五色ヶ原>

 五色ヶ原までは、室堂から約5時間の道のりです。五色ヶ原までの道は十分通行できますが、一部の木道が滑りやすくなっているので、そのような場所は気をつけて歩くことが必要です。道中ではたくさんの高山植物が見られました。

  

      <ミヤマリンドウ>                   <シナノキンバイ>

      <タカネツメクサ>                   <ハクサンイチゲ>

       

       <チングルマ>                   <ハクサンシャクナゲ>

     <トウヤクリンドウ>                 <ミヤマダイコンソウ>

 鬼岳や獅子岳、ザラ峠を越えて五色ヶ原に向かいます。鬼岳の東面は遅くまで雪が残る場所ですが、五色ヶ原山荘のご主人が週に2日程度、残雪を切って道をつけておられるとのことでした。

  

           

  <雪の残る鬼岳東面>                   <獅子岳山頂>

  <獅子岳から望む雄山>                 <ザラ峠>   

 五色ヶ原山荘は、まるで大草原の小さな家を思わせるような立地にあります。山荘から10分ほど下った場所にはキャンプ場もありますが、まだ雪が残っている場所もありました。五色ヶ原周辺の木道の状況は比較的良好でした。

<五色ヶ原山荘>

     <五色ヶ原キャンプ場>                  <五色ヶ原の木道>

 五色ヶ原には湿地を好むハクサンコザクラやハクサンオオバコなどの植物が生育しています。

     <ハクサンコザクラ>                  <ハクサンオオバコ>

      <コバイケイソウ>                  <アオノツガザクラ>

 五色ヶ原山荘に着き、山荘のご主人にお話を伺ったところ、コロナ禍で山荘の経営はこれまでになく厳しいとのことでした。また、残雪を切って道を作るほかにも、登山道の草刈りをしたり、道迷いしないように石にペンキを塗ったりするなど、山荘の仕事以外にもたくさんのことをやっておられるとのことでした。そのおかげで、私たちが安全に、楽しく登山できるのだということを忘れてはならないと思いました。

 その一方で、これらの仕事も年齢とともにきつくなってきたこともお話しされていました。山荘の方々の日々の努力に感謝するとともに、これらの負担を今後少しでも軽減できるよう、私たちも含めみんなで考えていかねばならないと強く思いました。

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2021年07月07日朝日岳山開き

中部山岳国立公園 立山 平松新一

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の平松です。

 7月3日から4日にかけて、朝日岳山開きに参加してきました。昨年度はコロナの影響で実施できなかったそうで、今年は2年ぶりの開催でした。3日は雨こそ降らなかったものの始終ガスがかかっていて、周辺の山々を見ることはできませんでした。それでも、高山植物はすでに咲き始めていて、草花に癒やされながら登山することができました。そこでここでは登山行程と登山中に見られた花について紹介します。

 登山口である北又小屋からイブリ山までの多くは林の中の道です。途中1合目から順に標識があって、10合目がイブリ山山頂です。多くの標識はクマにかじられたのか、破損していました。

     

       <登山口のある北又小屋>              <三合目 標識が破損している>

 イブリ山までの林床には、所々で花が咲いていました。

     

          <イチヤクソウ>                    <サンカヨウ>

     

  <オオサクラソウ>                   <シラネアオイ>

 イブリ山を過ぎると高木は少なくなり、やがて明るい草原に出ます。そこは夕日ヶ原と呼ばれる場所で、チングルマなどの高山植物が見られます。

      

  •    <イブリ山山頂 ここまでで全行程の約2/3>               <夕日ヶ原>

       <チングルマ>                    <キヌガサソウ> 

 

       <イワイチョウ>                  <ミヤマキンポウゲ>         

 登山口から7時間、目的地の朝日小屋に着きました。小屋の横には朝日神社があり、ここで山開きの神事が行われました。

 この日の朝日岳にはガスがかかっていて、全容を見ることはできませんでしたが、ガスの晴れ間から雪倉岳や白馬岳を見ることができました。

      <朝日小屋>                      <朝日神社>

       

    <ガスのかかる朝日岳方面>              <雪倉岳(左)と白馬岳(右)>

 小屋の周りにも多くの高山植物が見られました。ライチョウもいましたが、写真に収めることはできませんでした。

      

      <ハクサンチドリ>                   <ハクサンイチゲ>

      

       <ミネズオウ>                   <シロウマアサツキ>

 翌4日は朝から雨、その後も強く降る可能性があるとのことで、朝日岳でのご来光はおろか、山頂へも行かず下山となりました。

 今回の登山では大蓮華山保勝会の皆さんに大変お世話になりました。大蓮華山保勝会は朝日岳を中心に活動しており、ガイド活動や登山道の整備などを行っているそうです。私のグループも保勝会の大和リーダーのもと、一人の脱落者も出ることなく、また見事なペース配分で行程を完遂することができました。保勝会の皆様、ありがとうございました。

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2021年07月01日立山夏山開き。立山自然保護センターにてAR展開催中!

中部山岳国立公園 一ノ枝亮輔

こんにちは。中部山岳国立公園立山管理官事務所の一ノ枝です。

7/1より立山は夏山開きとなりました。

夏山開きですが、室堂より雄山(立山)に向かう途中(一ノ越手前)の登山道は一部残雪が残っていますので通行にはご注意ください。(その他にも立山周辺は多く残雪がある場所がありますので、登山の計画には事前の情報収集をしっかりと行ってください。)

その2日前には、関係者の皆さんで雪渓切りを行いました。

<6/29 安全に歩けるように、一生懸命スコップを振るいました。>

立山頂上にある雄山神社峰本社の開山期間は7/1~9/30までとなります。

また、7月1日(木)より室堂の立山自然保護センターにて「環境省 国立公園アクティブ・レンジャー展」を開催しています。

<立山自然保護センター。室堂ターミナルから渡り通路を歩いてすぐ>



『環境省 国立公園アクティブ・レンジャー展』

会期:令和3年7月1日(木)~7月27日(火)

会場:立山自然保護センター 階段通路にて

開場時間: 8:301700

3つの国立公園(上信越高原、妙高戸隠連山、中部山岳)内のアクティブ・レンジャーが昨年度の業務中に撮ったものの中から選出し展示しています。今年度は、「アクティブ・レンジャーの仕事」に関する写真も多く展示しています。

「国立公園って何?」「環境省って国立公園で何してるの?」「アクティブ・レンジャー(レンジャー)って何をしているの?」

など、普段気にしていなかった国立公園について知れる機会となっていますので、立山へお越しの際には、ぜひお立ち寄りください。

<自然保護センターの階段通路にて展示>

現在、アンケートにご協力いただいた方にオリジナル4色ボールペンを差し上げています。(数量限定。なくなり次第終了します。)

<自然保護センター3階にてアンケート実施中>

立山自然保護センターは、他にも立山の自然、ライチョウ、動植物などの紹介の展示がありますので、覗いてみてください。

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